失敗したから書き直します。耐えてください。
多分修正完了しました。耐えてください。
「エクトプラズム先生! この関数が分かりません!」
「ム、ソコハコノ公式ヲ使ッテミロ」
「解けた!」
午前中の。
「うーん……プレゼントマイク先生、この文法って合ってます?」
「────あー、こりゃ繋ぎの単語が違うな! 若干スペルミスが目立つから注意しな!」
授業は、凄く普通なんだけど、結構ハードで。それを何とか耐え抜いて。ようやく最後の授業。ヒーロー基礎学なる授業が今、始まろうとしていた。今日の担当は平和の象徴ことオールマイト。ヒーローの本名ってあんまり知らないよね。イレイザーヘッドとプレゼントマイクの本名は知ってるけど。
「早速だが今日は戦闘訓練だ!!」
────むむ、少しだけうつらうつらとしている間にオールマイト先生が入ってきていたらしい。響ちゃんと人ちゃんも起こしてくれたらよかったのに……
事前に要望を書いて提出した書類を参考に作成されたコスチュームに着替えての戦闘訓練というのはちょっと楽しみではある。俺の個性をフルに使えるようにするための要望を出していたから、きっと色々考えて作ってくれているはず。
「お、そういう感じにしたのか」
「うん。やっぱり防御力って大事だよ」
「何か、侍みたいな服装だな」
「どっちかって言うと神事を行う人の服とか踊り子に近いかもね。鎧が無かったらね」
人ちゃんと更衣室で話をしながら着替えて、グラウンドβに急ぐ。遅刻は許されないからね。
「到着!」
「おお!?」
「露出が少ないのに何かエロいぞ!?」
「巫女服と踊り子っていいよね……けどこいつは男だ……!!」
「神の使徒……!」
「なんだかんだそういう服装が似合うよね、壱って」
うーん、中々の高評価。
俺のコスチュームは基本的には侍の鎧をイメージした鎧を手足と肩に装備している。胴にも欲しかったんだけど、俺の筋力の問題で装備はできなかったよ……可能な限り頑丈さに振ってくださいと伝えたら、籠手も肩鎧も兜兼面も少々重い素材になってしまったのだ。
ちなみに兜兼面は四つの目を持っている狼をモデルにしている。善い獣と書いて狼。そしてよく響ちゃんと人ちゃんから「お前は言うことを聞かない犬か何かか?」って言われていたのでそれを採用したわけだ。当初は一本だたらっていう妖怪をモデルにしようと思ったけど、いまいちピンと来なかったんだよな。というか要望出さないとピチピチスーツか露出度の高い服になってたってマジ? 俺あんまりぴっちりしてる服好きじゃないんだよね。あと露出しすぎると災害救助の際に苦労しそう。
ちなみに響ちゃんと人ちゃんのコスチュームも防御力重視。共通して継戦能力と耐久面に注力したデザインとなっており、人ちゃんはそこに捕縛布と不思議な形状をしているマスクと喝采、響ちゃんは足のサポートを行うアイテムとスピーカーと万雷。俺が前に出てヘイトを買い、人ちゃんが中距離から拘束し、響ちゃんが遠距離から音圧でぶん殴る。うーん、我ながら酷い布陣ではないか。
「武器は使えるのか?」
「大剣はギリギリかな。筋力……! ドラゴン殺しを振れるレベルの筋力が欲しい……!!」
「大剣使わなくても火力出せるよね、スピードタイプのDPSキャラだし」
「正直何が飛び出るか分からない武芸百般の弁慶だからなこいつ」
そんなに褒めないでよ人ちゃん、照れる。
「ちなみにどれほどの武器を扱えますの?」
「えーと、今日スロットに入れてるのが10本だから……えーと、今日は刀、短剣、槍、剣、盾がそれぞれ二つずつだね!」
「性能は?」
「………………九割が変な効果持ちですね」
「絶対に戦いたくない要塞となりやがった!!」
「んひひひ! ……あの、ところでそちらの痴女はなぜ全裸でいらっしゃるので……?」
「痴女!? 手袋と靴履いてるよ!?」
「集合!」
審議タイム。審議タイムです響ちゃん人ちゃん。三人寄れば文殊の知恵。
「普通に痴女では?」
「今思ったらマジで痴女じゃない、葉隠……?」
「露出狂の素養が……?」
審議終わり。解散。葉隠は痴女の素養アリということで議論を終了したいと思います。
「まぁ、その……趣味は人それぞれだから……」
「何でそういう方向に行ってるの!?」
「真面目な話、刃物振り回すようなヴィランと出くわしたら無力だからコスチューム変えな……?」
「…………確かに!」
気付いてなかったの……?
「俺の親、そういうのに詳しいから今度ここに連絡しな? コスチュームの調整やってるから」
「本当!? ありがとー!」
────にしても、あれだね。お父さんとお母さんが言っていた通り、コスチュームを見ていると何となくその人がどんな戦い方をするのかが分かるというのは本当のことなのかも。例えば轟君のコスチュームは間違いなく氷の個性をメインとした戦い方をするし、爆豪君は爆発を起こすような戦い方。砂藤君や切島君はフィジカルメイン。俺、響ちゃん、人ちゃんも得意分野がパッと見て何なのかが分かりやすいデザインだと思う。
「さぁて、始めようか、有精卵共!!」
オールマイト先生が号令をかけた瞬間、皆の顔が引き締まった。どこかワクワクしているところはあるけど、まぁ、個性を全力で使っての戦闘なんてやったことないだろうしね。……やべ、相澤先生との山中鬼ごっこを思い出したらちょっと震えが出てきた。震えるなこの足。響ちゃんと人ちゃんも足がブルブルと震えている。震えるなこの足! あ、ごめん二人共、ちょっと手を繋いでもらえますか……? え、いいの? ありがとう、とっても暖かくて落ち着く。
そんなことをしている間にもオールマイト先生の授業の説明が進む。カンペを見ながら今回の訓練の内容を説明する彼の姿はまさに新任教師と言った感じ。ふんふん、核爆弾を持って立てこもったヴィランと、それを拘束するヒーローの戦い。ヴィランを確保するか、核を回収することがヒーローの勝利条件で、ヴィランはヒーローを確保するか、核を守り切るのが勝利条件。分かりやすいが、それでいて奥が深い訓練内容だ。対戦カードは以下の通り。
緑谷・麗日VS爆豪・飯田
尾白・葉隠VS轟・障子
峰田・八百万VS常闇・蛙吹
砂藤・口田VS障子(当たりくじを引いたため二戦)・上鳴
瀬呂・切島VS青山・芦戸
耳郎・心操VS多々良
「「先生、その前に一つ質問いいですか?」」
「む? 何かな、心操少年、耳郎少女!」
「よろしくねぇ、二人共ぉ……」
「「棄権は受け付けていますか」」
「ないね!」
「「畜生!!」」
んふふふふふふふ……二人とガチでやるのはいつぶりかなぁ! いつもは1on1だもんね。じゃあスロットに登録してる武器を変更しちゃお。
「媚主絶天と、淫語刀と……あ、無明と跳躍丸と弧露助と蛮包貂も……ああ、衣鋏も欲しいか?」
「今こいつを殺せねぇかなぁ……!!」
「人使、全力で潰すよ」
「やだ、熱烈♡あ、淫語刀は人ちゃんにしか向けないから安心してね!」
「よし、肉盾ゲット」
「言い方最悪だよ」
さぁ、楽しもうぜ、俺のヒーロー達!! お叱りは家で受けるから! ────────帰った後で受けるであろう責め苦を考えただけで……
「心が踊っちゃう……♡!!」
「今、こいつが何を考えているのかが手に取るように分かったわ」
「同じく」
「やっぱり愛で繋がってるんだね♡」
「「シバく」」
「あふん♡♡」
「そろそろ授業進めてもいいかな!?」
興奮して来たな。
壱譚は基本的に心操と耳郎に何をされても悦ぶ人間です。罵倒されても、ぶたれても、蹴られても、何されようと悦びます。一番効くのは無視ですが、この二人は壱譚を無視することなどありえません。無関心になるみたいな個性を使われたとしても、全く効かないレベルには繋がっています。
誰かがピンチになったら「どけ!!! 俺(私)は幼馴染だぞ!!!」で困難を突破します。