夏油傑の妹は幸せに生きたかった 作:アルトリア・ブラック(Main)
夏油 結友→禪院 美穂
夏油傑の妹、かなり歳の離れた妹、術式判明前に殺されかけた。
術式『呪霊操術』
現呪霊総数・800、内特級呪霊・5体、一級呪霊・200体、他
死神
結友の式神の一人。結友の守護霊が式神に変異した。
特級呪霊。兵士姿の男
術式『術式攻撃キャンセル』
モデルはダークギャザリングの鬼軍曹
禪院直毘人
東京にいたら面白いものが見れてオリ主を買った。
オリ主の内側に出て行く間際の甚爾を思い出し、面白そうだから一回殺したことにして娘として連れて帰った。初めは五条悟への嫌がらせ目的
禪院がクズだと分かっているし、すぐに逃げ出すと思ったら呪霊喰いまくってる上で挑戦して来た術師みんなぶっ倒してるから面白いなと思ってる。
禪院家に来てから数ヶ月、相変わらずこの家の空気の悪さは半端ではなかった。
それでも、あの時の悲しみや怒りに比べれば子供じみた嫌がらせだった。
嫌がらせをするならその倍で嫌がらせすればいい、ネチネチいじめてくるのなら声を大にしていじめ返せばいい。
悪意には悪意を、暴力には暴力を
「ほぅ、呪霊の手数も増えて来たな、術者も鍛えていて偉いが、人員をただでさえ負傷させられたら困るな」
直毘人が愉快そうに庭にいる美穂に話しかけてくる
「じゃあ喧嘩を売らなければいい話。子供でもわかることをやらないからこうなる」
美穂は気絶している術師を見て
「…術師は死後呪いに転ずる可能性があるって聞くけど、三級術師なら二級呪霊くらいにはなるかな…」
ボソッと呟く美穂の首根っこを掴み持ち上げる
「思っても言うな」
直毘人に下される
「見境なく、懲罰部屋に蠱毒を作るな」
大惨事になったぞと言われ
「弱い呪霊をどうやったら強くなれるか考えた。取り込む前に殺し合わせて一級以上になった呪霊を取り込むのが最適だと思った」
「その考えは良いんだが、前に特級が生まれて半壊しただろう。あの修繕費は誰が払ったと思う」
「直毘人さん、ありがとう」
「感謝を述べて逃げようとするな」
パシッと叩かれる
「直哉さんの任務に着いて行けば特級捕まえられると思ったけど全然そんなことないからイラついてる」
「特級はそう簡単に生まれないから特級なんだぞ」
直毘人の後ろを着いて行く
「あ、そういえば今日、五条悟が来るぞ」
「へぇー(棒読み)」
「本当に興味ないんだな」
「!」
ハッと閃く
「(特級術師の任務に着いて行けば特級釣れる)」
「………」
↑なんかろくでもないこと考えてるなと思ってる直毘人
ー数時間後ー
(…相変わらず、この家、気持ち悪いな…)
五条さんと一緒に禪院家に来るのは恵にとっては居心地の悪い気持ちだった。
「…?」
直毘人さんの隣に自分と同じ歳の少女がいた。
その少女を見た五条さんの表情が初めて崩れる
「何?禪院家の当主は幼女趣味でもあるの?」
「なんだ?お前が保護しようとして突っぱねられたことを根に持っておるのか?」
「それとこれとは話が別でしょ、横槍を入れて納得させた癖に」
「ハッ、そういうお前も幼女癖であろう」
煽り合う二人に興味なさそうにする少女
禪院美穂と名乗った彼女は今回の任務に同行するらしい。
「そんな名前なんかじゃないでしょ」
「禪院美穂だよ」
「あのおじいちゃんに何吹き込まれたわけ?」
「吹き込まれたんじゃなくて頼んだ」
(…なんかあるのか、この二人…)
おおよそ自分と同じ歳とは思えないぐらい大人びていた
任務地に行ってからその少女は何も言わず呪霊を探しに行っていた。
その時の五条さんはなんともいえない顔をしていた
多分、それで気が散っていたんだと思う。
俺が呪霊に襲われた時、五条さんの救援が間に合わなかった
呪霊の爪がこっちに向いた時…
窓ガラスを突き破って外に出て来た美穂さんが回転しながらその呪霊の後頭部を殴打する
その呪霊が消え、美穂さんの手に吸い寄せられる
「一級呪霊ゲット」
それを食べながら言う
車の前で五条さんたちが後始末しているのを待っていた。
「恵くんはどうして呪術師の仕事してるの」
そう聞かれなんて答えようと思っていると
(…美穂さん、禪院家の人間だよなぁ…)
父が俺を禪院家に売り、それを五条が阻止した上、高専からの資金援助のために、津美紀のために戦っている。
「……姉貴のため」
そう呟くと
「そうなんだ」
バットを持ち上げる、恵と目が合う
「私はお父さんとお母さんを殺した人を殺すため」
「…人…?」
「うん、呪詛師、今の私じゃ普通に負ける。あの五条さんと並ぶぐらい強い呪詛師」
美穂のドス黒い瞳が空を見上げる
「…殺したところで」
「救われないのは確実、耳にタコが出来るぐらい聞いた。復讐したいのは今までの人生と決別したいから」
少し離れたところに禪院家の車が止まる
「決別…?」
車から降りて来た直哉に手を振る
あの優しい記憶と、冷たい記憶
当たり前のような幸せを与えてくれた優しい兄と、私たちを猿と罵って殺した呪詛師・夏油傑の存在
『殺戮者の妹』『お隣さんの息子さん、両親を惨い殺し方したみたいよ』
『聞いたか?夏油傑の話。村人を数百人殺戮したんだとよ』
『呪霊操術はろくでもない』
どこにいても悪意は凄まじかった
被害者であり加害者の妹、同じ術式を持った特級呪詛師の妹
「禪院美穂として生きるためにやりたい」
直哉と悟が煽り出すのを見て直哉の隣に行く
帰ろうと車を指差すと『ありがとうも言えへんのか』と怒られる
「ありがとうございます」
車に乗り込んで手を振る美穂
恵は自宅に帰る道すがら、終始機嫌の悪い五条にあの少女との関係を知りたかったが、コレは触らぬ神に祟りなしと思っていた。
五条がストレス発散と言ってコーヒーショップに寄ったのを見計らい
「……五条さん。凄く機嫌悪いですね」
そう言うと伊地知さんが「まぁ…いろいろありますから、御三家のしがらみは」と返される
「さっき、美穂さんから連絡先貰ったんですけど、これ、五条さんに言わない方が良いですかね?」
地雷かなと言うと『それは多分大丈夫なんじゃないですか?』と言われる
メールを送って見ると『今日はありがとう』と返される
(…怖かったな、美穂さん)
瞳に光がないというか、どこを見ているか分からない空虚な瞳
それでいて呪霊を捕獲するのに無駄がなかった。
恵くんとの任務の後、禪院家に戻り、いつも通りの生活になる。
禪院家での悪口の多さに暇人だなぁと思いつつも直哉の隣に座って食事をしていた。
禪院直哉、形式上の義兄になった超絶イカれ外道。
年下の女にだろうが、気に障った事を言えば殴って来る男。
論外の男
だが、美穂には別にどうでも良かった。
強いのは事実だし、強さのためにお互い高め合えるから別に問題ない。
三歩後ろを歩けない何たらと良く言うが、後ろから刺されてもいいの?と聞くとさすがに黙った。
(この家は、親戚一同住み込みなのは異常…)
ご飯を食べながら禪院家の全貌を見てそう思っていた。
術式のある男児は本家入りして修行している上、術式のない者でも戦闘集団として日夜道場に居たりする。
そして、知らんおっさんが部屋の周りを彷徨く事がよくある。
なので、死神を出しておけば尻尾巻いて逃げる。
(…女の子は胎盤扱いって、まぁまぁ酷いな…)
まぁ別にどうでも良いのだが
食べ終わり、直哉と直毘人の後ろに着いて行く
それから聞こえて来る悪口、女の癖になんたらと
給仕は女の仕事、男は胡座をかくべしみたいなモノに、呪術師にあらずんば人にあらずとか何時代ですかと思うのも無理はないだろう。
『結友は自慢の娘よ』
『美味しいかー?』
当たり前の幸せを感じていたあの頃に比べて、冷凍庫並みに冷たい家だった。
まぁ…
「裏でコソコソ潰し合うことしか脳の無い奴らは黙ってろや」
中指立てて言うと直哉が『一般育ちってコワ』と言われる
「吠えるだけなら犬でも出来る」
そう言うと直毘人が豪快に笑っていた。
直哉が途中で呼ばれて居なくなる。
「真依ー早く次行くぞ〜」
「ま、待ってよお姉ちゃん」
自分と同じ歳ぐらいの少女がバケツを持っていた。
「もう終わったか、関心関心」
(珍しく話しかけている…)
直毘人を観察しつつ、二人の少女の表情は様々で面白かった。
ストレートヘアのような子は嫌そうな顔をし、ちょっと癖っ毛がある方は怯えていた。
「ヒック、真希と真依はお前と同じ歳だったな」
7歳だよな?と確認する直毘人に真希が「そうだよ」とキレる
美穂を前に出し
「俺の(義)娘の美穂だ、外で作ったガキだからこの家の事は何一つ知らん。教えてもらったらどうだ」
愉快そうに言う直毘人と、その内容は子供に向ける話題でも無いだろう。
「………」
↑中指を直毘人に向ける美穂
「というわけでよろしく」
二人に手を差し出すとビクつく
「おう、よろしくな、当主の娘さん」
そう言って手を握ってくる
(…力強い…)
コレはいけるかと呪霊捕獲に誘おうとすると
「余計なこと考えるな」
直毘人に釘を刺されジト目で見る
直毘人と別れた後、掃除をしつつ、二人から禪院家に関していろいろ聞く
見ていて分かったが、話を聞く分に相当酷い家だ
「ここだけの話、というか大多数が知ってるから隠す話題でもないけど、私は禪院直毘人の娘じゃない。養子入りで入って来ただけ」
「へぇ、当主から推薦受けたわけ?」
床を拭きながら言う真希と、すごいねと素直に褒めてくれる真依
「買ってもらった」
「………」
↑なんて反応したら良いか分からない
「といっても私が公認だし、直毘人さんには納得してもらった。復讐のために沢山死地に出してくださいって」
雑巾を絞りバケツの中に入れる
「任務に行ってるの?」
7歳なのに?と言われ
「一匹でも多く呪霊を捕まえて戦力にする」
多くの人間から指を差される幻覚を見る
その後ろで笑っている夏油傑の幻が見える
話していると
「なんやねん、らしくない仕事して」
「!」
ビクつく真依
二人の背後から直哉が出てくる
「任務?」
「せやで、君一人の単独任務」
そう言って書類を渡される
「ありがとう。死んでくるね」
そう言って脱兎の如く去っていく美穂を見送りつつ
「…死なへん癖に良く言う」
直哉はそう言って興味なさそうに去っていく
真依は人知れず絡まれない事に安堵する。