夏油傑の妹は幸せに生きたかった   作:アルトリア・ブラック(Main)

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『近畿地方のある場所について』の本を最初から読んでたら吐き気が襲って来た。怖すぎる


第3話『呪霊集め』

 

特級呪霊を捕まえるのは正直言ってかなりの苦労が行った。

 

8体集めたのは我ながら頑張ったと思っている。

 

最初からいる死神を利用しての攻略が上手くいく時もあれば全く上手くいかない時もある。

 

何なら特級呪霊の中でもバカほど強い呪霊を捕まえるために特級が犠牲になる時もあった。

 

(…あの子を捕まえる時は三体ダメになったし……)

 

特級はホイホイ生まれないから特級と言われる所以だけはある。

 

九州地方のお土産を同級生に配る

 

「私、前の任務で上手く行かなくて…先輩に迷惑かけましたし…」

 

三輪の落ち込む声に真依が『私なんて初任務の時は怯えてたわよ』と話していた。

 

三人で話していると、歌姫先生が入って来る。

 

「美穂、ちょっと良いかしら?」

 

「あ、はい」

 

そう言われ廊下に出ると

 

「今年の交流会なんだけど、人数合わせで美穂も参加するように言われたのよ…上は何を考えているのか」

 

今年のメンバーは十分に足りているはずだが、上層部は美穂も入れるように言って来たという。

 

嫌がらせかなと思ったが、その線は歌姫先生の反応的になさそうだった。

 

「分かりました。よろしくお願いします」

 

そう言って京都で行われるため、特に遠征する必要はなく、準備することになった。

 

(…あー、何となく分かった)

 

自分が呼ばれた理由が

 

姉妹校交流会に乙骨が人数合わせで参加することになり、特級術師でなおかつ保留になっているとはいえ、秘匿死刑の人間を参加させるのに文句を言い始めた上層部

 

上層部は京都側の特級・禪院美穂を緊急で参加させることにしたのだろう。

 

交流会はほとんど上手く行くはずだった。

 

東堂が暴走するまでは…

 

「流石は特級、乙骨憂太、俺のブラザーに相応しい」

 

とか言って乙骨を殴るだけ殴って気絶し

 

『憂太憂太ァァアァァア!!』

 

東堂の術式で乙骨と東堂が入れ替わり、里香の手で乙骨を傷つけたことに暴走した里香が、勝手に出て来てしまった。

 

「り、里香ちゃん!!」

 

ドンッ!と地響きと共に里香が出現する

 

「おーー…」

 

瀕死の東堂を引っ掴み、西宮の方向へ着地する

 

「めっっちゃ強そう」

 

手持ちの特級呪霊の8体中4体ぐらいなすすべなく殺されそうだし、残りの特級は戦わせ方を間違えれば消されてしまうだろう。

 

「美穂ちゃん!?」

 

「ちょっくら戦って来る」

 

じゃっ!とその場から飛び出す

 

「防御頼んだ」

 

特級呪霊・ウカノミタマ

 

狐のお面を被った白い子供が出てくる

 

上空に六芒星が出現する

 

(…この子を出すのはやめとこう…)

 

森が全部消失すると思い、そのまま里香に突っ込む

 

『憂太ヲイジメルナァァアア!!』

 

里香のパンチをもろに喰らう

 

(…普通に危ない、ウカノミタマいなかったら普通に死んでた…)

 

里香の手から伝わって来る衝撃を地面に流すと

 

ガンッ!!

 

地面にクレーターが出来る

 

「おー、流石」

 

足に呪力を纏って飛び上がると

 

里香のパンチが命中する

 

「ナイスキャッチ」

 

死神(兵士)が美穂をお姫様抱っこし、木の上に着地する

 

「ん?」

 

里香が無尽蔵に回復している。

 

(…一回下げよう)

 

ウカノミタマを見ると消えて行く

 

暴走して呪力を爆発させる里香

 

「そう来るなら」

 

特級呪霊・荒御霊

 

般若のような顔をした三つの腕がある198はありそうな身長の男?が現れる

 

術式『衰弱怨隷』

 

とんでもない勢いで里香から呪力が抜けて行く

 

『憂太…憂太ァァ…』

 

「里香ちゃん!!引っ込んで!!」

 

その声と共に里香が引っ込む

 

 

 

 

里香の顕現により、その場にいた呪霊が全員消し飛び、東京校の勝利になったのだが、その後の特級vs特級のせいで森が半壊し、少し離れた寺院が荒御霊の呪力によって50年弱は使えなくなったことに関して、歌姫からこってり叱られる美穂

 

「憂太くんが止めれなさそうだからやりました」

 

悪びれていない美穂に怒る歌姫

 

「荒御霊はやめなさい!シャレにならないわよ」

 

不特定多数を祟り、衰弱させて行く呪霊である

 

「大丈夫です。荒御霊は全然本気ではなかったので」

 

「よしとはならないわよ」

 

反省文書かせるわよと言われ、素直に『ごめんなさい』と返す

 

歌姫が離れて行き、美穂は乙骨に近づくと

 

「その子、彼女?」

 

そう聞くと『え…?彼女というか…』

 

「もし、取り扱いに困ってるなら遠慮なく相談して、引き取り大歓迎、絶対、大事にする」

 

「いやそれはちょっと」

 

「はい、すぐに勧誘しない」

 

加茂と西宮が来て二人に連行されていた

 

「困ったら連絡してーー」

 

「いつのまに!?」

 

ポケットにメモが入っていた

 

 

数ヶ月後…

 

 

交流会の後、特に変わらない日々を送りつつ、任務を終え、高専に戻る

 

ジュースを飲みながら廊下を歩いていると…

 

(…ん?)

 

下を向く真依とその目の前にいる歌姫

 

歌姫が話している人物に『暇人なのかな』と内心思いつつ近づく

 

「義兄さん、暇なの?」

 

そう言って近づくと直哉が『なんやねん、いたんか』と言われる

 

「さっき帰って来たばっかり、てか、何しに来たの?」

 

近くに来ると状況がわかる

 

真依の顔が真っ青になっており、歌姫が真依を守るように立っていた。

 

「従姉妹の顔見に来たんや、高専に来たからな」

 

ジュースを飲みながら直哉の話を聞く

 

京都校にいる真依に絡んで嫌な思いをさせたいのだろう。

 

「ふーん。そんな人情味あったんだ、義兄さん」

 

真依の前に立つ歌姫の表情から察するに下心ありありの感じで近づいたのだろう。

 

(…追い出すのめんどくさいなぁ…)

 

まぁそう思いつつ

 

「ふーん、真依ちゃんのこと好きなんだ、私は義兄さんのこと好きだよ」

↑呪霊化を狙ってる

 

「帰るわ」

 

車に乗り込んだ直哉に手を振る

 

(…惜しい、呪霊になったら強いのに…)

 

「生徒に助けられるなんてダメね」

 

歌姫に言われ

 

「いえ、呪霊化を誘ってました」

 

「…あぁ、アンタはそういう奴だったわね」

 

強けりゃなんでも良いの?と言われハイと頷く

 

「真依ちゃん、大丈夫?」

 

西宮がしきりに心配そうにしていた。

 

 

 

その夜…

 

 

「まぁ、兄とは言っても義理の兄。拳で殴り合う関係だった」

 

「…禪院さんは幼い頃から武闘派だったんですね」

 

「6歳で鉄バット振り回す子供と世間一般の子を一緒くたにしないでほしい」

 

西宮にココアを渡す美穂

 

「というか、美穂ちゃんは良いとして、真依ちゃん、本当に嫌ならずっとここにいた方が良いよ」

 

禪院家のドス黒さを暴露した美穂

 

その酷さに西宮は本格的に真依を心配する

 

(……私はいいんだ)

 

目の前でミルクココアを飲み始める美穂

 

「…大丈夫よ、成人したらすぐに出て行くつもりだから」

 

「うんそうした方が良い、私は帰るけど」

 

あの家の陰湿さは学校のいじめよりもはるかに凌駕している。

 

「…なんでそんなポジティブなのよ、アンタ」

 

私の倍以上いじめられてたじゃないと言われ

 

「いじめ?」

 

「そうよね、全部自分で蹴散らして来たから分かんないわよね」

 

美穂さんは強そうですしねと三輪から言われる

 

「いや、弱い奴程よく吠えると言うから、その一環だと」

 

手持ちの特級みんな静かだしという

 

「…なんか、美穂ちゃんってメンタル強いよね」

 

西宮に言われ「それほどでも」と言う

 

「一回、家に帰るからその時に真依ちゃんの書類手続きも頼んで来るよ」

 

「ありがとう」

 

真依に感謝され、それほどでもと返す

 

「じゃあ、そろそろ寝ようか、明日、集団任務だし」

 

「はーい!」「分かったわ」

 

西宮達が別れていく

 

夜中、自分の部屋に向かう西宮

 

(…美穂ちゃんってポジティブだなぁ…特級だからってのは少し関係あるのかな)

 

ある部屋の前を通った時…

 

「聞いたか?禪院美穂のこと」

 

誰かの会話が聞こえ、足を止める

 

後輩の名前にハッとなる

 

「あぁ、確か、実の兄と同じ呪霊操術持ちで今もなお呪霊を集め続けていると聞くではないか」

 

「実の兄がああなった上、復讐のために京都校に入ったと聞く、全てが終わった時には呪詛師になるのではと危惧しておる」

 

美穂の名前、復讐の為、その単語に混乱し、止まっていると…

 

「西宮〜早く寝なさい」

 

前方にいた歌姫が歩み寄って来る

 

室内にいた術師二人がドアから離れて行く気配を感じる

 

「…呪霊操術持ちの呪詛師…?」

 

そう呟いた声が聞こえたのか歌姫が足を止める

 

「それ、どこで聞いたの?」

 

美穂本人から?と言われ

 

「あ、えっと…さっき、術師の会話が聞こえて来て」

 

そう言うと歌姫は「そう」とだけ言い

 

「…大人の説得じゃ、もう動かないから、西宮にも話した方が良いかしら」

 

歌姫がそう言って窓から空を眺める

 

 

 

 

「………」

 

美穂は四人で写ったありし頃の写真を見ていた

 

「……何も感じないな」

 

脳を損傷してから美しいものを見ても美しいと感じられなくなり、それとなく反応してみたりしてはいるのだが

 

あのゴミを見るような兄の目を思い出し、写真立てから写真を取り、兄の写ってる所は切って飾る

 

ただ一つ感じる感情といえば…

 

(…恨み、かな)

 

自分をこんな風にした兄への復讐でかろうじて生きて行こうと思える程度だった。

 

『夏油を殺して自分も死ぬなんて考えるなよ』

 

家入から言われたことを思い出し、横になる

 

「…まぁ、余生を送ると考えれば良いか」

 

目を閉じる

 

明日の任務は三輪、真依の成長を加味した任務で本来なら自分は等級の関係で行かないのだが、授業の一環として行くことになり、西宮も伴いいくことになった。

 

最近の呪霊は異常に強くなっている。

 

それに違和感を感じていた。

 




・ウカノミタマ(稲荷神 宇迦之御魂神)
【等級】特級呪霊
【獲得理由】10歳の時に神社に出た呪霊を手に入れるために殴り込んだ。
【詳細】
狐の面を被った白いオーラを纏う子供。二人いる
上空に六芒星を浮かばせ、対象に防御呪力を付与する。要はバフ。
美穂が指示すればバフを付与する対象を限定出来る。指示しなければそこにいる人間にバフをかける。
赤い狐の面・不明

・荒御霊
【等級】特級呪霊
【獲得理由】7歳の時に禪院家で爆誕。一級呪霊を殺し合わせたら生まれた。
【術式】衰弱怨隷
【詳細】
198㎝ぐらいの三つ腕。術式は不特定多数のモノを祟り、衰弱させて行く。デバフであり、特級呪霊であろうと物であろうと祟る。
ちなみに里香戦の時は本気じゃなかった。

・森どころか都市一つ壊滅出来る子
【等級】特級呪霊
【獲得理由】12歳の時、長崎への任務で獲得、同行した術師・補助監督死亡
【詳細】
手に入れるのがやっとだった呪霊。この子を捕まえるのに特級呪霊三体死んだ。
宿儺の指で換算するなら10本分行くか超えるか

・便利な呪霊
【等級】二級
【獲得理由】8歳の時に適当に取り込んだ。
【詳細】
呪霊本体は全然強くない。むしろ二級なのが奇跡レベル。厄介というか重宝する理由がその術式、呪霊操術の欠点を補ってくれてる

・死神あるいは兵士
【特級】特級呪霊
【獲得理由】夏油に襲われた際に助けてくれた存在。
【術式】術式攻撃『強制』キャンセル
【詳細】
呪霊操術で取り込んだ呪霊は本来、成長しないのだが、何故だか彼は成長する。

・神社で手に入れたバケモノ
【等級】特級呪霊
【詳細】
斬ることにのみ特化した呪霊。特級呪霊の中では割と弱い方だが…?
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