夏油傑の妹は幸せに生きたかった 作:アルトリア・ブラック(Main)
夏油傑の妹、かなり歳の離れた妹、術式判明前に殺されかけた。
術式『呪霊操術』
現呪霊総数・3800、内特級呪霊・9体、一級呪霊・500体、他
身長・170(成長中)
容姿・幼少期に極度のストレスにより黒髪から白髪に(イメージは槙島聖護)瞳はハイライトのないブラウン
美穂の報告とその一時間後に夏油本人が宣戦布告しにきたことにより、緊急会議が開かれる
夏油の手持ちの呪霊数を鑑みて夜蛾が術師を配置し迎撃することになった。
会議を終え、去って行く中
「美穂、どうしたの?」
パネルの前にいる美穂に話しかける五条と足を止める夜蛾
「何か違和感あるのか?」
夜蛾が話しかけて来る
「違和感というか、なんというか、もし放つ呪霊の中に領域を持つ呪霊がいたらどうしようかなと」
大惨事になり得るというと
「少なくとも僕の把握してる中じゃいないと思うよ、つい最近捕まえている呪霊だったらアレだけど、いたらそいつ持ってあの場で攻撃をしてもおかしくないでしょ」
その言葉に『五条さんがいたからしなかったんじゃないの』と言うと「うーん」となる五条
「せっかく捕まえた領域持ちの子を安易に出して殺したくないのは分かる」
「あーだから出さないのね、その子」
美穂の手持ちの中で領域を使えるのは4体、内2体は特級で1人は一級、もう1人は準一級呪霊だ
「ていうか殺意高いのになんでそんな領域持ってるわけ」
特級2体、殺すことと都市破壊することしか考えてないのに領域持ってるなんてやばくない?という五条に
「殺意が高すぎる子はともかく都市破壊する子は領域で閉じ込めないととんでもないことになる」
「…術者が死にそうになるぐらいの呪霊ゲットするって美穂も大概おかしいよね」
「いまさら」
「逆に言えば勝てるような術者なら遠慮なく出す。少なくとも一級以下なら確実に」
「うーん、その点気をつけた方が良いのかな」
パネルの前に行く五条
「術師達に出来る限りの事は伝えておく」
そう言って夜蛾がその場から居なくなる
パネルの前にいる美穂を見て
「美穂はさ、傑殺したらどうするつもりなの?」
そう聞かれ「家入さんにも同じ事聞かれた」と答えると『硝子も心配する所同じなんだ』と話しつつ
「別にどうもしない。多分、だらだらと生きるとは思う。死にたいとか別に思わないし、多分呪霊集めは続けると思う」
それ以外に生きる術はないし、禪院直毘人が生きている以上、恩返しもしなくてはならないだろう。
「それで良いと思うよ、お前も殺して俺も死ぬとかそういうのウザいだけだし」
「それ言われた事あるの?」
「すっごい昔に一回」
「ヤンデレが過ぎるね」
「そうでしょ」
暗い廊下を歩きながらこれから待ち構えることに思いを馳せていた。
これからのこと、復讐の果てに未来はあるのか
今までの事を棒に振る価値はあるのか、復讐を終えて、生きて行く価値はあるのだろうか?
「………」
夏油結友を殺して禪院美穂として生まれたい
(…一度この世界に入ったらもう戻れないだろうし)
下手に死ねないのは事実、美穂が死んだら今まで捕まえていた呪霊が放出されるのは目に見えている。
兄がどれくらい捕まえているかは分からないが、少なくとも兄を殺したら同様な事が起きるだろう。
(…うずまきで呪霊を処理してから殺した方が良いんだろうけど…)
ふぅと深呼吸する
「美穂」
そう声をかけられ振り向くと真希がいた。
運動した後なのか、タオルを首から下げ汗を拭いていた。
「鍛錬終わり?」
そう聞きながら自動販売機の前に行き、オレンジジュースを買うと真希も着いてくる。
「憂太に格闘技教えてた」
「へぇ、タメになるね」
スポーツドリンクを飲みながら乙骨憂太の話になる。
一般人から呪術師となった乙骨の相手はつまらないという半面、仲間として認めている真希の言葉
何でもない話の中、兄が高専に来て真希を猿と罵った事を思い出し
「…ごめんね」
そう謝罪すると何について謝罪されたのか伝わったのか
「別に謝る必要ねぇーよ、特にお前に」
そう言ってスポーツドリンクを潰す
「美穂は今回の件が終わったらどうするつもりなんだ」
真希の心配そうな眼差しに苦笑いを浮かべる
ここに来るだけで歌姫、家入、五条にまだ心配されてしまった。
「しばらくは京都で任務かな、別に片付けないといけない事なんてないし、結構気に入ってるんだ、あの家」
そう言うと真希はありえねーという顔をしながら
「あの家を気に入ってるとか大概だよな」
そう言われ『そう?』と返す
「少なくとも、特級を捕まえる上ではかなり参考になる家だよ」
呪霊よりも悪意に満ち溢れたあの家
結局真に怖いのは人間そのものだろう。
ペットボトルを捨て『また明日ね』と手を振る
別に許されるつもりはないし、この道を選んだ時点で覚悟をしていた。
「夏油様、大丈夫ですか?」
菜々子からそう聞かれ我に帰る
「あぁ、なんでもないよ、いろいろ考え事してたんだ」
2人を見ていると妹の顔がチラつく
『どの口が?』
あの時会った妹はまるで別人のようだった。
(まぁ…私がああしてしまったんだけどな)
里香を取りに行くまでの話をしてくれる
五条悟はミゲルがその他は他の術師に対応してくれる事になったのだが
一度作戦会議を終わらせ、美々子と菜々子、ミゲルがいなくなったのを見て
「問題は彼女に関してなんだが、彼女はあくまで私の方に誘導してくれ」
真奈美とラルゥに言う
「…はい、わかりました」
「私たちじゃ特級の彼女は抑えられないし、特級呪霊を出すだけ出してそっちに向かわれるのが関の山だものね」
「そう、少なくとも、特級呪霊を出させず、こっちに誘導させることが第一目標かな」
把握してるだけで結友の手持ちの特級呪霊は3体、それ以上にいるかもしれないがわからない。
「特に厄介なのは交流会で出した四つ腕の呪霊、他には狐面の呪霊、そして…兵士姿の呪霊かな」
兵士姿の呪霊に関しては高専生の頃に一度見たことはある。
あの時は無害そのもので、結友を守るようにいたから無視したが、あんな強くなるとは思っても見なかった。
性能は分からない、少なくとも四つ腕の呪霊。アレは無差別殺戮系の能力だろう。
味方の術師が密集している場所で出す可能性はないだろうが、断言は出来ない
廊下を歩きながらふと思う
(一番避けないといけないのは家族全員を撃破されること、それなら私に攻撃を向けさせればいい)
家族を殺した時のことを思い出し
「……殺そうとしたのに虫が良過ぎるよなぁ」
今更家族に戻りたいなんて
上層部が見せてきた夏油傑がかつてしでかした行為の書類
村人達を殺戮した足で家族を殺しにきたということ
「別に上層部も人間もどっちも陰険なのに変わりはないのにな」
呪霊の悪意はど直球だからわかりやすいが
夏油傑が担当した任務で2人の女性を死なせてしまったと言うこと、その守れなかった2人を殺したのが非術師であったから術師だけの世界を作ろうとしていると
「さて…」
夏油傑が放った呪霊達が群がって来る
「そっちが群れで来るなら…」
シャンという音と共にウカノミタマが現れる
「圧倒的な個で上から殴り殺す」
赤い狐面と白い狐面がお祓い棒をクルクル回す
頭上に現れた六芒星の上に白い狐面を移動させ、視界を共有する
「そこから見える範囲の呪術師のみに防御呪力を付与して」
効果を発揮したのを確認し、六芒星を消す
「お願い」
荒御霊と死神を出し
「荒御霊にデバフかけて、範囲縮小」
赤い狐面が荒御霊に術をかける
「死神にはバフ」
シャンと白い狐面が触れる
「行って来て」
そういうと目の前から消えるように去って行った荒御霊を見送る
「よし、仲間の救援に行こう」
おそらく、夏油傑の目的は里香だろう。
同じ呪霊操術持ちだからこそ分かる
あの里香がいれば戦闘面に関して不利な事は起こらないだろう。
だからこそ、今すぐにでも高専に戻るべきなのだが、仲間の悲鳴が聞こえてきたのを無視して行くのは部が悪すぎる