夏油傑の妹は幸せに生きたかった   作:アルトリア・ブラック(Main)

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禪院 美穂
夏油傑の妹、かなり歳の離れた妹、術式判明前に殺されかけた。
術式『呪霊操術』
現呪霊総数・5002、内特級呪霊・10体、一級呪霊・1010体、他
身長・170(成長中)
容姿・幼少期に極度のストレスにより黒髪から白髪に(イメージは槙島聖護)瞳はハイライトのないブラウン


第7話『交流会』

 

禪院家に戻り、美穂は適当に真依の書類を扇に届けたものの、扇は手を付けず、結局母親が確認して心ここにあらずみたいな目で手渡される。

 

(ネグレクトに虐待のフルコンボだな…)

 

娘を出来損ないだ何だ言うが、扇の強さなどたかが知れている。

 

炎を操る術式ではあるが、その術式は刀を用いらねば有効活用出来ないと本人は思ってはいるが、美穂が考えるにもっと柔軟的に考えれば強くなれるだろうに、本人のあの闘い方をみてもパッとしない。

 

何より本人がパッとしない。

 

会話のキャッチボール以前にまともに会話出来ない存在で認知が歪んでるなぁと思い、あまり話をしない。

 

口から出るのは出来損ないだ、ろくでなしだ、部外者だ、まぁ罵倒用語しか出てこない。

 

「どんな教育受けたら禁止用語しか話せなくなるの」

 

直毘人は弟に関してはあんまり興味ないのか、適当にスルーされる

 

直毘人に書類を渡した後、外に出ると

 

「自分、お兄ちゃん殺したんやって?」

 

そう声をかけて来た直哉の方を向く

 

ニヤニヤしながらやってくる直哉に

 

「暇人?」

 

そう言うと『質問に答えや』と言われる

 

「夏油傑のこと?止めは私だけど、で?」

 

「ホンマに自分の実の兄を殺すなんてイカれとるな、さやから女っていうのは…」

 

黙って直哉が罵倒を吐き終わるのを待っていた。

 

「目標が叶ったから良かったなぁ、的な?」

 

あっさりと返すと、直哉はつまらなそうに舌打ちしてくる。

 

「自分、呪われた存在の癖によう言うわ、呪いに愛された存在でホンマおっかないわ」

 

家系の調査をしてまで揶揄うとは余程の暇人なのだろう。

 

(…任務もたんまり入れてる癖に疲労を罵倒で返すのは凄いな)

 

直哉が目指すべき場所がどこなのか大体推測ついてしまい、憐れみたくなったのは悪くない。

 

「呪霊操術持ちだからね、呪いに愛されてて嬉しいよ」

 

そう適当に返して玄関の方に向かう

 

 

 

 

「ただいま」

 

ジュースを飲みながら高専に帰り、真依に書類を渡すとお礼を言われる

 

午前中の三限まで勉強をし、任務に行き、勉強し、緊急で入った任務に行き、と毎日過ごしていた。

 

「東堂先輩の術式って対呪霊というより対呪詛師にも向いてますよね」

 

そう言うと歌姫が『まぁ、そうだけど、呪詛師を捕らえる任務なんてあまり生徒にさせられないじゃない』と言われる

 

そう言われ東堂を思い出す

 

「…最悪殺しかねないですからね…」

 

高田ちゃんのライブに間に合わないと分かったらとんでもないことをやらかしそうだなと思いつつ、歌姫と別れる

 

海外出張に行くのは本当に面倒だったが、そこは補助監督にぶん投げれば問題なかった。

 

(…最近海外出張多いなぁ…特級二人も海外に行く必要ある?日本の方が人手足りてない気がするんだけど…)

 

上層部は何を考えているのか、特級術師を三名も海外に派遣している。

 

乙骨憂太に関しては調べ物があるから出ていて仕方ないのだろうが、それにしたって自分達を海外にやたら出張に出す。

 

日本の方が圧倒的に人手が足りていないのにも関わらずだ。

 

(…なんかおかしいなぁ…)

 

最近の上層部の動きがきな臭いなと思いつつ日本に帰ると交流会の前にある呪物を飲み込んだ人物の話になる。

 

その人物は死んだことになっているらしいが、上は信用していないようだった。

 

 

 

両面宿儺の指を飲み込んだ虎杖悠仁は秘匿死刑になり、あの手この手で殺そうと画策すら上の連中から一度隠す為に死んだことにして隠された。

 

交流会直前まで

 

五条悟はツギハギの特級呪霊と火山頭の呪霊について共有出来るように同じ特級術師の二人(一人は連絡が取れない)に連絡していた

 

(憂太は外国にいるから駆けつけられないとして、美穂はあの火山頭にギリ勝てるかな)

 

なにしろあの術式攻撃をキャンセルするルール違反の呪霊がいるから平気だろうが

 

そもそも、美穂の手持ちの呪霊のヤバさはあの火山頭に匹敵するだろう。

 

(人を殺すことしか考えてない呪霊やら都市一つ破壊できかねない呪霊がいるからまだ平気でしょ)

 

そして、それを倒せた美穂がいるのだから平気だろう。

 

「もし、交流会の際に虎杖君を殺そうとする中に禪院美穂さんがいたらどうするつもりなんですか?」

 

七海建人にとって禪院美穂の存在は、なんとも言えない存在に他ならなかった。

 

かつての先輩の妹で、同じ術式を持った女性。

 

「まぁそん時はそん時かな」

 

「………」

↑ジト目で見る七海

 

「まぁ、美穂は大丈夫だよ」

 

百鬼夜行のあとの美穂を思い出してそう断言する

 

 

 

 

〜京都〜

 

 

美穂は禪院家から京都校に戻って来ると交流会の打ち合わせをしていた。

 

「東堂は相変わらずいないの?」

 

そう真依に聞くと「高田ちゃんのライブ優先してるみたいよ」と言われる

 

「あ、そう」

↑特にどうでもいい

 

「というより、美穂ちゃんは今回の交流会参加するの?その日は任務で海外行くって言ってなかったっけ?」

 

西宮に言われ『その任務取り消しになった。多分、虎杖悠仁殺させたいんじゃない?』

 

虎杖悠仁は死んだという話が東京校の伏黒恵から報告されるが、上層部は信じておらず、生きている前提での話になる。

 

「やっぱりあの噂本当だったんだ…」

 

三輪が嫌だなぁと呟いていた

 

「美穂ちゃんにやらせたら一発だもんね」

 

「分かんない、殴る蹴るが攻撃手段ならなんとでも出来るけど、宿儺の攻撃手段だけは本当に分からなくてさ」

 

上の意思で動くのは別に構わないが、人の命をなんだと思っているのやら

 

呪霊の方が可愛く見える今日この頃

 

人間と違って直球な悪意が向かって来るからわかりやすい

 

人間は本当にわかりづらい、そしてめんどくさい

 

「美穂。学長が呼んでいるぞ」

 

加茂の言葉に返事をし、学長の元に行く

 

「これから交流会に行く、その際に虎杖悠仁を殺す大役が其方に回って来るであろう。覚悟は出来ているか?」

 

向かい側に座ると学長が話して来る

 

「良いですけど、都市一つ壊滅させる呪霊ならすぐに始末出来ますけど、後始末に少なくとも三年以上はかかりますが…確実性か被害最小限ならどっちにします?」

 

「もちろん後者だ、あの呪霊はタチが悪すぎる」

 

学長が珍しく『アレは出すな、絶対に』と念入りに注意される

 

「わかりました」

 

そう返すとボソッと

 

「でも確実に殺すなら都市一つ壊滅させるあの子の方が絶対良いと思いますけど」

 

「却下だ」

 

「はーい」

 

失礼しますと言って部屋から出て自室に向けて歩いて行く

 

 

ー東京校ー

 

「ねぇ伏黒〜?あの目隠しって特級で東京校にいる乙骨って奴も特級なんでしょ?」

 

校庭で体術訓練をしていた一年と二年、釘崎が伏黒に聞く

 

「そうだな」

 

「じゃあ、京都に特級はいないの?いない方が今度の交流会は結構こっちの有利だけど」

 

あっち、ばらつきあるんでしょ?と言われ、伏黒は玉犬の髪を撫でながら

 

「二年に特級術師が一人いる」

 

「え?いんの?そいつは海外行ってないの?」

 

「……上層部のお気に入りなんだと、基本的に命令することはなんでもやるし、特級術師の中じゃ一番上層部にとって制御しやすいって五条さん言ってたな」

 

「言いなりか」

 

「というか…」

 

百鬼夜行のあとの彼女を思い出しため息をつきたくなる

 

「…あんまり人を馬鹿にするようなこと言うなよ」

 

そう言って体術訓練の方へ向かう

 

「言ってねーし!!」

 

新幹線の中、学長から渡されたデータを見ていた。

 

「随分真面目に見てるんですね」

 

隣に座っていた三輪からそう言われる

 

「術式がわかってるならそれと相性の良い呪霊をどう出すか考えてる。性格が分かってるなら尚更作戦を組み立てやすい」

 

「この中で気をつけた方が良い人っていますか?」

 

三輪の言葉にスッと伏黒の書類を見せる

 

「多分一番キレると面倒」

 

「え?そうなんですか?まともそうですけど…」

 

前に座っていた真依と西宮が覗いてくる

 

「真面目な人ほどキレると面倒」

 

「経験則?」

 

「うん」

 

常にイカれてる奴よりニコニコしてる奴の方がヤバいのは事実

 

「そういえば、美穂さんは今回の交流会で出す呪霊は決めたんですか?」

 

「学長から何か言われた?」

 

「めっちゃ言われた」

 

前回の交流会で荒御霊を出して50年余りは使えなくさせた寺院を作ったことがある手前、学長からは『広範囲に影響を与える呪霊は出さないように』と言われた。

 

広範囲爆撃レベルの特級二人はもってのほか、無差別殺戮系の呪霊も出さないようにと言われた。

 

「んなこと言ったら死神と残りの特級で戦うクソゲーになる…(#相手が)」

 

「美穂は相変わらず鬼畜ね」

 

真依から言われ「うん」と呟く西宮

 

「そうかな…」

 

「そうよ」

 

書類を見ながらどう合わせるか考えている美穂に『ポケモンみたい…』と呟く三輪に「実質そう」と話す

 

「相手の術式が分かってれば組み合わせは取りやすい。逆に言えば術式の開示をしていないややこしい術式の人間は相手にしづらい。特に東堂先輩」

 

東堂は分かっていても混乱する。

 

入れ替え術式なんてチートすぎる。

 

広範囲爆撃呪霊と入れ替えなんてされようものなら即死だし、何より、呪霊操術持ちからしてみれば天敵に他ならないだろう。

 

東堂の手を切り落とせば問題ないだろうが、手を切り落としたところで叩けるならケツでも何でも叩いて切り抜けられるキショさが東堂先輩にはある(褒め言葉)

 

 

 

 

 

 

ー数時間後…ー

 

東京に着いた美穂達。軽く挨拶した後、ハイテンションでやってくる人…五条が笑顔で『おまたー!』と来る。

 

「京都の皆さんにはこちら!!」

 

五条が変な人形を京都校のメンツに配って行く

 

「歌姫のはないよー」

 

「いらねぇよ!!」

 

「そして東京校のみんなにはこちら!!」

 

「はい!オッパッピー!!」

 

静まり返る空気、半泣きの一年を観察しつつ『相変わらず変なことしてんな』と思いつつ、夜蛾学長が説明してくれる

 

各々、作戦会議しつつ、東堂が途中で出て行くハプニングはありつつ美穂は興味なく話を聞いていた。

 

「聞いているか?美穂」

 

加茂から言われ「はーい、聞いてまーす」と返す

 

「私は最初っからやるつもりはないよ、というか、向こうも警戒してるだろうし、最悪伏黒君が奥の手出されたら死ぬほど面倒だから」

 

あくまで様子見で行くと言うと加茂も仕方ないと言う話になる。

 

「だが、狗巻が虎杖と一緒にいた場合、お前の呪霊も必要になる」

 

「私としては虎杖君に術式ないなら出す必要ないんじゃないかなとは思ってるよ、死神は術式攻撃を強制解除するんであって単に呪力で殴る攻撃は普通に通る、逆に言えばみんながいる地点で出せばみんなの術式を強制解除するし、やるならみんなで叩くか、私単体で行くか、どうする?伏黒君がキレて奥の手出す可能性たっかいけど」

 

あんなバケモンここら一帯更地になる。

 

アレを出されるぐらいなら最初っから殺意マックス都市一つ破壊するレベルの呪霊出した方が確実だ

 

加茂は少し悩んだあと、美穂が出るのは最終手段と言われる

 

 

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