夏油傑の妹は幸せに生きたかった 作:アルトリア・ブラック(Main)
ー東京校ー
「ざっと京都校の面々はそんな感じだなぁ〜まぁ一番面倒なのは葵と美穂かな〜」
「東堂は殴ればなんとかなるだろ」
真希の言葉に『それもそうだけど』と返しつつ
「なぁ、その特級術師の美穂さんってそんな強ぇの?五条先生レベル?」
「五条先生の無下限を貫通してくる呪霊もいるからな…同レベルかは分からないな、そもそも美穂さんは慎重派だから五条先生に喧嘩は売らないだろうし」
「え?貫通?当たんないのに?」
パンダは「なーんもしらないんだなぁ」と返し
「前回美穂は憂太並みにやらかしてるから制限出して出てくるだろ、少なくとも無差別殺戮系と広範囲爆撃系の呪霊は出さないだろうし」
「え?広範囲爆撃?無差別殺戮系?」
ポカーンとする虎杖にパンダが分かりやすくイラストを出してくれる
「美穂がよく出してるのは兵士姿の呪霊、少なくとも特級相当、そもそも攻撃が当たらない」
「五条先生見たいな?」
目の前に正座して話を聞く虎杖
「当たらないというかこっちが攻撃できない、例えば棘の呪言も絶対に不発。だから拳でやりあわないといけないわけなんだけど、その兵士も馬鹿強いワケ、普通に殴っても「痛いなー」くらいで済ませるフィジカルお化け」
「すっげぇじゃん」
「そいつを従えてるってワケだから術者本人も普通に強いワケ、美穂の奴、普通に高層ビルの壁呪力強化なしで20階あたりまで駆け上がるからな〜」
「人間?」
「人間」
「つまるところ、美穂が出てきたら真希が対処な」
「そもそも、美穂の奴は本気にならないしな、こういうのじゃ、逆に恵の方に吸い寄せられるんじゃないか?あいつ呪霊大好きだし」
「………」
↑迷惑だなぁと思ってる
交流会が始まり、美穂は森の中の木の上で休んでいた。
「…視覚共有疲れるなぁ…」
西宮に付けた呪霊、加茂に付けた呪霊の視覚を共有するのは疲れる
木の下で死神が辺りを警戒していた。
「西宮先輩、そこから離れた所に三級呪霊一体」
『了解』
指示を出しつつ空を見上げると冥冥のカラスがこっちを見ていた
『美穂やる気出しなさい!!』
歌姫の声が聞こえて来て、伝わらないだろうと思いつつナイナイと手を振る
東堂が着地したような衝撃音(つまりはうるさい)が聞こえてくる
一方、東堂が虎杖とやる気になり、戦っていた
「落とせ」
「やっば」
鵺の攻撃を受けそうになった時
『がぁぁああ!!』
西宮を守るように鳥のような呪霊が出現する
落ちそうになった西宮をキャッチして離れる呪霊
「外されました」
伏黒が悔しそうに言う
「美穂気配しないな」
「どっか木の上にいそうだな」
「探します?」
釘崎の言葉に『いや、探すな、下手にバラけたらダメだ、それに野薔薇とは相性悪いだろ』
「………」
↑ちょっと悔しい
「隠れつつ攻撃されるのめんどくさいなぁ」
パンダ達は別れつつ京都校のメンツと戦い始める
ー教職員待機室ー
美穂によって倒された呪霊二体
札が赤く燃える
「押されてるぞ〜」
五条がマイクに向けて言う
「ていうか、こう考えると美穂の術式ずっるいね」
「やっと気付いた?」
美穂はあくびをしつつ呪霊の相手をしていた。
「ねぇ、この兵士も飽きて来てない?」
「舐められてるわねー」
↑ちょっと気分良い
一方、美穂は視覚共有していた際に違和感の存在に気づく
(…一級呪霊が祓われた?)
視覚がブツンと切れる
(…あっちは伏黒君達の方だ、そっちに…)
そう思って立ち上がった瞬間、帳が降りる
「!!」
それと同時に複数の異分子の気配
伏黒達の方にいる呪霊の危険性より、真依と釘崎がいる方向にいる呪霊の方が危険度が高いと判断し、そちらを向く
帳が降り、歌姫が走ってるのが見える
「!!」
歌姫の死角から頭火山の呪霊が見える
『頭が火山の呪霊なんだけど、まぁまぁ強いから見つけたら即刻祓ってね、僕からしてみれば雑魚だったけど、今の京都校のメンバーじゃ勝てないし』
五条から言われたことを思い出す
五条の言う雑魚はこっちからしてみれば馬鹿強いと思って良いだろう。
真依と釘崎はその火山頭が見えないのか、まっすぐ歌姫の方に走ってゆく
(…危ない!)
火山頭が手を出したのを見て爆速で二人の服を掴んで歌姫の前に行き荒御霊を瞬時に出してから死神を出すと火山攻撃を防いでくれる
「ッチ…」
火山頭が舌打ちしつつ、耳?をくるくる回そうとしていた。
「美穂!?」
「首閉まる!」
(…死神の服が焦げた…術式攻撃を強制解除出来ないって事は…)
単純な攻撃、術式による攻撃ではなく単なる呪力放出に近い
(…にしたって部が悪いな…)
「美穂…!あの呪霊…」
歌姫が耳打ちで聞いてくる
「少なくとも特級、多分、気を抜いたら殺される」
「!!」
歌姫に二人を託す
(…あの呪霊は並大抵の呪霊じゃ、勝てないな…)
特級の中でも最上位に位置する呪霊だろう。
油断したら即死待った無しだ、下手な会話も命取りになる。
(…特級呪霊の中でも出したら負ける奴多いな…)
死神を見ると少しずつ下がって来る。
「そっちが高火力ならこっちも」
圧倒的高火力ならこちらもそれを上回る呪霊を出さなければいけない。
地形の被害より人の被害の方がない方が良いだろう。
「破壊し尽くして、特級・原龍爆破」
少なくともコイツは建物・人全てを破壊する為に生まれた呪霊。
日本人全てが抱く共通の恐怖、憎悪の対象
特級呪霊なんて非じゃない、『人』が人や国を殺す為に作った愚かなもの
影から半分解けたような人型の呪霊が現れる
ノイズが走るような耳障りな声のような悲鳴を上げる影
呪霊というのは、恨みや後悔、恥辱など、人間の身体から流れた負の感情が具現し意思をもった異形の存在である
特に生まれやすい学校や病院のような大勢の思い出に残る場所は負の感情の受け皿となり、呪霊が発生する
しかし、海や山、火山などと言った自然を恐怖した故に生まれる呪霊は人間が無意識に抱く恐怖が凄まじく、知能も異常に高くなる。
目の前にいる火山頭がまさにそれだが
「…!!!」
火山頭が明らかに警戒する
釘崎が前に出ようとするのを歌姫が制する
「火礫蟲!」
虫が飛んで来て原龍にぶち当たる
美穂達に当たる前に死神が火礫蟲を原龍の方に跳ね返す
大爆発を起こし、原龍が消えていた。
「ふん、こんなものか、五条悟ではなければ弱い」
「み、美穂…」
「自然は人間に恐怖を抱かれるのは知ってるよ、その自然を破壊し尽くしたのはなんだ?」
「!!?何!?」
火山頭の足下からドロドロな人間が無数に出てくる
縋り付くように火山頭にまとわりつく
「ッチ!!」
炎で燃やしてもなお、動きは止まらない
「!!?」
火山頭が頭上を見上げる
美穂は上に原龍が逃げたのを確認し
「真依ちゃん、釘崎さん、歌姫先生」
全員がこっちを見たのを確認し
「絶対に私から離れないで」
『領域展開・灼熱堕片影』
目が真っ赤な悪意に満ちた男の声が響き渡る
殺意に全振りした領域、入れれば勝ちの領域…
と自分では思ってはいるが、この領域を防ぐために自分は領域展開をできるようになったものだ。
原龍の領域展開は、結界で空間を分断せずに生得領域を具現化する「閉じない領域」を展開可能だ
この結界を閉じない手法は「キャンパスを用いず空中に絵を描く」「容器を使わずに水だけを投げる」「ハードを使わずソフトを再生する」等に例えられる神業であり、あの五条悟ですら発動は出来ない
辺り一面に灰色の野原、原龍の体が黄色に見えるぐらいの灼熱を発する
しかし、閉じない領域というのほ逃げ道を与えるという縛りでその威力を増している
原龍のその凶悪さから閉じる結界にしなければ、2キロメートル以内の建物・人間そのほとんどすべて破壊する。
挙げ句の果てに2キロメートル外の人間にも呪いを振り撒く始末
人間がいない所なら問題ないのだが、この日本にそんな場所はなく、なおさら、この呪霊が生まれた経緯が経緯なだけに秘匿死刑ものだ
実際秘匿死刑と上層部は宣うが、そんなこと可能なのかお前らと言いたくなるのは無理はない。
五条悟曰く『倒すのは簡単だけど、過程がクソめんどくさい』と言う。
原龍は破壊と殺戮、殲滅に重きを置いた呪霊
「領域展開」
片手で印を組むとその領域を覆うように美穂の領域が起動する
・森どころか都市一つ壊滅出来る子
【等級】特級呪霊
【獲得理由】12歳の時、長崎への任務で獲得、同行した術師・補助監督死亡
【名前】原龍爆破
【詳細】
手に入れるのがやっとだった呪霊。この子を捕まえるのに特級呪霊三体死んだ。
宿儺の指で換算するなら10本分行くか超えるか、そして、この子を捕まえるために美穂が死にかけて領域展開出来るようになった。
ちなみに領域持ちであり、閉じない結界を使用出来るが、この子は『閉じないと大惨事・悲惨なことになる』からこの子が領域を使う時は美穂も使わないといけなくなる
生まれた経緯が経緯なだけに上層部は秘匿死刑をしようとしたが、美穂のせいで安易に秘匿死刑にできなくなっている。
もちろん欠点はある。無警戒状態の射程距離外から一撃必殺の即死攻撃をすれば良いだけ(五条悟並みの攻撃力)