もうすぐで暑くなりそうな頃、僕は公園で休憩を取っていた。
「はぁ……」
ベンチに座って空を見上げる。
太陽が無駄に眩しく輝いている。
「どうするかな……」
今日の予定が消滅して、僕は暇を弄んでいた。
こう突然暇になるとやる気が一気に溶けてしまうな。
『ガゥ……』
ふと、僕の前から鳴き声がする。
「なんだ、居たのか」
本当にちょうど真正面。
身体が淡く光ってる白い虎が居た。
その頭の上には、物言わぬ小さい人型の、多分妖精とか言う奴。
両方揃って不安そうな顔をしてる。
この虎と妖精は、物心付いた時にはそばに居た、腐れ縁みたいな存在。
なんだかんだ触れるし、事あるごとに僕を助けてくれる。
そんななのに周りの人間には見えないようで、その点は安心なん--。
「おぉ、こんな所で虎を見るとはね」
ふと、声をかけられた。
声のするほうを見れば、明らかに虎達を見ていた。
「……見えてるんですか、それ」
現れたのは、一見柔らかそうな印象を受ける二十代程の男。
目に浮かんでる菱形の模様が、どこか不気味に見える。
「そうだね。ぼくにはハッキリと」
相手はそのまま僕の隣へと座ってきて。
虎達は明らかに警戒を強めてる。
……二体が見える相手とか初めてだからな……。
「
男はそんな二体を意に介した様子も無く僕を見ては聞いてくる。
「……人に名前を聞く時は先に名乗るものですよ」
まさか、名前が知られてるとは思わなかった。
得体が知れない。
ただ、間違いなく僕に用がある事は分かった。
「あぁゴメン。ぼくは
「……はぁ、偽名で名乗る意味ありますか?」
明らかに東雲晃とか言うのが本名臭いけど……それも偽名なのか……?
「ゴメンゴメン。自分の名前が嫌いでさ。まぁすぐに変わるだろうし適当でいいよ」
言ってる意味は理解できないけど、敵意の類は感じられない。
「……さて、暁君。君にとても面白い話とお願いがあるんだけど……どうかな?」
この手の話題は大抵詐欺かなんかだが……。
「……とりあえずお話だけ聞かせてもらいますよ。詳細くらいは教えてもらわないと」
不思議と話だけでも聞いてみようと思ってしまった。
「それもそっか。……えーっとね、君と、そこに居る二人に関わる話なんだけど……」
--今思えば、これが僕の罪の始まりで、運命が決まった瞬間なのかもしれない。