「結局何にもいい情報は得られませんでしたね。」
「あぁ。まぁあんな下っ端が情報を持ってるわけないか…。」
外へと出た二人はそんな会話をしながら新宿の通りをゆっくりと歩きだす。樫木が時計を確認するととうに21時を越していた。
今後どこに向かえばいいのか、“マヤ”という女がどんな人物でどこにいるのか全くと言って情報がない。
二人は取り敢えず牛丼屋に入り、今後の作戦を練ることにした。
「チーズマヨ牛・特の豚汁セットになりますね~。」
牛丼が届き、やっと一息つけると思っていた。そんな時、実が思い出したかのように口を開いた。
「そういえば…樫木さんと一緒に動くように櫻上さんから直々に命令を受けたんですが、その時気になることを言ってて。」
「ほう、今は何でも情報が欲しいからな。どんな内容だ?」
「確か、原宿にある
「へぇ。」
「
「堂江んとこって言ったら結構な手慣れが多いっていうよな。アタマの堂江も強引かつ獰猛な性格だっていうし…確かにそんなら情報も集めやすいわな。んで、なんて?」
「『“藤川”を知ってるか?』らしいです。その後やられたやつらに話聞いたら、そいつら自身もあんまり意味は知らないらしいんですけど、櫻上さんに報告したとき、なんか『藤川…どこでその名を…。』って。その後も結構神妙な面持ちで電話してくるってどっか行っちゃったらしいですから、結構重要なワードには変わりないとは思うんですけど。」
「ふ~ん…俺自身あんまり櫻のオジサンと話さねぇから知らなかったな…。」
牛丼を思いっ切り頬張った実は、不思議そうに樫木を見るとしっかりとお茶を飲んでから話始めた。
「そういえば、樫木さんって組ではどんな扱いなんですか?こんな任務を負うってことは結構重要な役割なんすか?」
「ん?俺か?俺は~まぁ、櫻のおっちゃんに拾ってもらった一匹狼みたいなもんだ。今回の一件だって俺が個人的に知っちまったから聞いたら任せられた。」
樫木はチーズマヨ牛丼の特盛を軽く平らげると、先に出るぞと言って会計へと向かった。
「へぇ…不思議な人だな…。」
一足遅めに外へと出た実は、樫木の元へと走ると煙草に火をつけた。
「ふぅ~…しっかし堂江も大胆な行動に出ますね。」
「そうだな……。」
遠くを見つめる樫木。その眼はどこか睨むような眼をしていた。
「どう…したんですか?あっちに誰か…? …ッ!?」
「堂江だ。」
「ですね…あのでっかい図体、腹の輪入道の墨。間違いないっす…。」
樫木の見つめる方向には坊主フェードのかなり大柄の図体の男が多くのスーツ姿の男たちを連れ練り歩いていた。
「こっちに気づいた、来るぞ。」
樫木たちに気が付いた堂江はにんまりと口を開き、肩で空を切るように堂々と歩いてきた。
やがて樫木の前まで来ると、樫木と実をつま先から顔まで舐めるように見ると、少し掠れた声で話し始めた。
「おぅ、兄ちゃんら。この辺のシマか?」