有線接続が最強だと知らしめたい系オリ主 作:お前も有線最高と叫びなさい
あと力付きたのでオリ主視点は次回以降になります。次回があれば。
ホロウ。人が足を踏み入れてはならぬ場所。怪物達が闊歩するその場所に、三人と一匹……いや、二人と一機と一匹の影があった。
「今回も楽勝だったわね!」
胸の大きな少女……ニコは満面の笑みでそう言う。
「ニコ、もう一度言ったらツケ全額返してもらうからね」
「ちょっと!なんでよ!」
「店長の言うことは正しい。そういうフラグを言うと決まって良くない事が起こる」
「つってもよおアンビー。今日会ったのは雑魚エーテリアスとならず者くらいだし、そのならず者もロクな装備もしてない連中だったじゃねえか」
「それもフラグ。そういうことを言うと、大抵強い敵が……」
まるでその話題に追従するかのようにFairyが警鐘を鳴らす。
「噂をすれば来たみたいだよ!数は1!でも結構な重装備みたい!」
「うおっ、マジかよ!つっても相手は一人か。ならこのスターライトナイト様にかかれば朝飯前だぜ!」
そう言いながらビリーが銃口を向けた先。瓦礫の山から、あからさまなまでに頑丈そうな兜が顔をのぞかせた。身に纏うのはまるで威圧するかのようにギラギラと光を反射させる、機械的で重鈍そうな丸みを帯びた鎧。関節部が肥大化した形状で、各部からスラスターが顔を覗かせている。
背中側から右腕にかけて、ゴテゴテとしたチューブが螺旋を描きつつ巻きつけられており、その先は手に握られた西洋風の剣へと繋がれている。
「まだここいらをうろついている奴らが居るのかと思ったが……ふうん」
鎧姿の人影は、兜越しでもわかるほどジロジロと、邪兎屋の面々へと品定めするような視線を向ける。
「良いな、お前ら。中々良い装備だ。だが……不合格だ」
そう言うと鎧は緩慢な動作で剣を正眼に構えた。場に緊張が走る。
「何よいきなり!いくわよアンビー!ビリー!」
「「ラジャー!」」
言葉を発した瞬間には、アンビーは既に駆け出していた。建物二つ分ほどの距離を一瞬にして詰め、雷を帯びた刀で袈裟懸けに切りかかる。
「ほう、良い出力だな。軍用品か?」
その一撃は鎧の剣によって受け止められる。刀は瞬時に引いたかと思えば下から横へ、斜め上から下へと、流れるように振るわれる。鎧は冷静に剣を振るい、それらを受け止めた。そして刹那、鎧が持つ剣が青く瞬き……
「だが……それでは駄目だ。」
「ッ!!」
鎧の持つ剣から爆発するように青い炎が吹き出し、刀ごと身体を弾き飛ばされる。
「カートリッジ式ではなあ!いいか!最強の出力を得るにはなあ!」
鎧は一瞬間を開けると、右腕に纏わりつくケーブルを手でなぞりながら、悦に浸るように言った。
「有線接続が一番なんだよ……」
「なんなのよコイツ……。アンビー大丈夫?」
「問題ない」
「アンビー!アイツはあんな見た目だし、速くは動けねえはずだ。脚を活かせ!」
言うなりビリーは鎧に向かって発砲するも、その尽くが切り伏せあれ、僅かな身の動きで躱される。……と、その時には既にアンビーが背後に回っていた。鞘のトリガーが引かれ、刀身は雷に包まれる。
「まだ足りんなあ!」
鎧の全身のスラスターから火が吹く。右足を軸にして超速度で回転し、そのままアンビーへと水平に剣を叩きつける。すんでのところで引き戻した刀と剣が交錯し、閃光。生じた衝撃によってアンビーは上空へと吹き飛ばされる。そのまま鎧は青い炎を彼女へと差し向け……
「させないわよ!!」
鎧にエーテルの塊が直撃。そのまま爆発し、空間を暗く歪ませる。
「ビリー!」
「あいよ!」
歪んだ空間にリボルバーの弾丸が次々に吸い込まれる。その間にアンビーは身を翻し、華麗に着地した。
「わりいアンビー!余計なこと言っちまった!」
「気にしないで。多分だけどビリーの推測は外れてなかった。あの鎧を身に纏っていれば、普通なら直線的な動きも難しいはず」
「そうか、ならよかった……。って、もしかしてそれってもっとヤバくねえか!?」
器用に弾丸を撃ち込みながら不安そうな顔で視線を向けてくるビリーに対して、アンビーは無言で首肯する。その歪んだ空間から、鎧が再び顔を出した。激しい銃撃を受けながら、その鎧には一点の傷も見当たらない。
「良いチームワークだ。まるで有線接続しているようだな。ならば……!」
「来るわよ!」
鎧が切っ先を下に構えると、飛行機のエンジンのような甲高い音が唸りを上げる。それとともにその手の剣は更に大きく炎をあげ……
プスリ、という音とともに炎が途切れた。
「「え?」」
「……エネルギー切れか」
「ではさらば!」
言うが早いか、鎧は全身から炎をあげて、高速で走り去っていった。
「ちょっと!待ちなさい!!!」
と言いつつ、彼女も追う気はないのか、追いつけないと悟ったか、走り出す気配もない。鎧が見えなくなると、不機嫌そうな顔でため息をついた。
「ニコ、私達も離脱しよう」
「そうね。あんな奴を相手にしたら高価な弾が何発あっても足りそうにないわ」
「店長、案内してくれ」
「了解!」
そうして二人と一機は、ボンプを先頭にしてホロウの出口へと向かって行った。
案内を終え感覚共有を解くと、リンは周囲を見渡す。
「あれ?お兄ちゃん?」
珍しく兄の姿が見えない。店先に出ると、閉まりかけたドアに手を振る彼女の兄……アキラの姿があった。
「お兄ちゃん?」
「ああリン。ちょっと18ちゃんからのSOSでね。お客さんにビデオをオススメしてたんだ」
そう告げるアキラの顔は、どこか苦笑いしているにも見える。
「それだけ?」
「それだけと言えばそれだけなんだけど…凄く強烈な人だったよ。エイファさんにお薦めされて来たらしいんだけど……。有線接続を広められるようなビデオは無いか、なんて聞かれる日が来るとは思わなかったな。一応古いものにそういう趣向のビデオがあったからなんとか助かったけどね」
「あ、あのうちのお店の七大漬物石ビデオの一つ?」
「……リン、そういう言い方は良くないよ。確かにあまり借りられてないけどね」
「はーい」
ちなみにオリ主はキャラにした場合防護です。