ダーク・フォー・ワン『新時代を作るには何が必要だと思う?そう、人々の笑顔だ!』   作:バケギツネ

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これが強化形態の力っ!!!

 

 

『スーパー・シャイニングマイトV2・セカンド・オブ・ザ・ネクスト・弍式!』

 

 オールマイトからの激励(台本アリ)を受けたシャイニングマイトは新たな姿を手に入れる。

 

『これがっ、次の俺だ!!!!!!』

 

 シャイニングマイトは、象徴の色に染まる。

 

 彼のスーツには、オールマイトをイメージした赤と青のラインが走り、その金髪には同じ色のメッシュが混じった。瞳の色も、よりカラフルな輝きへと変わっている。

 

『ありがとう、オールマイト。君のおかげで思い出せた!ヒーローとは何かを!そして俺が何をすべきかも!!』

 

 ちょっと華やかな色合いとなったシャイニング某は、オールマイトにカラコン越しのねっとり視線を寄越していた。

 

『行ってくるよ、相棒(バディ)!』

 

『誰が相棒(バディ)だ!!』

 

『俺の生き様っ、見ていてくれ!親友!』

 

『何が親友だ!!!』

 

 オールマイトの立ち位置を、出会ってから10分足らずで、親友へと無断にランクアップしたシャイニングマイト。

 

 決意を固めた彼は、重傷を負ったオールマイトを庇うようにして、魔王の前に立ち塞がる。

 

 ちなみに当の魔王は自分が巻き込まれることを嫌い、シャイニングマイト達の茶番を離れたところから見守っていた。

 

 途中あまりの不愉快さに、そのまま帰ってしまおうかと、本気で悩んでいたことも付け加えておく。

 

『覚悟しろオール・フォー・ワン。パワーアップしたこの姿で、今度こそお前を倒してみせる!!』

 

   DOKAAAAAAAAN!!!

 

 シャイニングマイトのマッスルポーズに合わせ、相も変わらず彼の背後では爆発が起きた。

 

 それを察知していたオールマイトは、既に十分な距離まで自力で退避している。

 

 ツッコミとして酷使されすぎて忘れがちだが、彼は今、瀕死の重傷だという事をここに明記しておこう。

 

 未だこうして動けるのは、オールマイトのタフネスと根性の為せるわざなのだ。

 

 それはともかく。

 

『パワーアップ?コスチュームに手を加えただけだろう?模様替えだけで僕に勝てるとでも?』

 

 宿敵のカラフルな紛い物を前に、オール・フォー・ワンは舌戦を仕掛ける。

 

『貴様には分かるまい。親友(とも)の言葉が、どれだけヒーローを強くするのかを!!』

 

『おいおい、僕達は大人だろう?精神の話より、現実の話をしようじゃないか。』

 

『大人......?』

 

『それに“親友(とも)の言葉”だって?全ては君の自作自演じゃないか。』

 

『うっ、うるさい!黙れバカ悪党!』

 

 図星を刺され、シャイニングマイトは逆上する。少なくともレスバの勝敗は、火を見るより明らかだった。

 

『ぶっ殺す!死ねえ!!!!』

 

 オールマイトはそんな事言わない!なセリフと共に、シャイニングマイトは跳躍する。

 

 その右手には黄金が収束していた。

 

高田馬場(たかたのばば)すまっしゅ!!』

 

『凝火扇+押し出す+増殖+肥大化』

 

 先程と同じ自称英雄のパンチは、再び魔王に防がれる。

 

『馬鹿の1つ覚えじゃないか。いい加減学習しよう。君の拳は僕に届かない。』

 

『いいや届く!俺が英雄だからだ!!』

 

『相変わらず、会話が成立しないな。』

 

 右手で液状の盾を維持したまま、オール・フォー・ワンはもう片方の手で攻撃を準備する。

 

 スマッシュの体勢のまま無防備なシャイニングマイトへと、魔王が致命的な一手を打ち込もうとした、その時だった。

 

   DOKAAAAAAAAN!!!

 

 突如、凝火扇を発動中だったオール・フォー・ワンの右手から謎の巨大爆発が起こり、その爆風は彼の身体を飲み込んでしまう。

 

『これは...!』

 

 これまで幾つもの個性を奪い、そして与えてきた魔王の右手は宙を舞っていた。それと同時に、崩れ落ちた液状の盾の向こうから、シャイニングマイトがやって来る。

 

高田馬場(たかたのばば)すまっしゅ!!』

 

『っ...!!!』

 

 三発目となるシャイニングマイトの一撃は、防御の遅れたオール・フォー・ワンに突き刺さる。

 

『まだまだぁ!御茶ノ水っ!武蔵小金井っ!門前仲町っ!中目黒っ!!本郷三丁目っ!!!』

 

 自称英雄の勢いは止まらなかった。続けざまに振るった黄金の拳を、魔王へと次々に叩き込んでいく。

 

『これで決めるっ!銀座すまっしゅ!!』

 

 連撃に怯んだオール・フォー・ワンを、シャイニングマイトは渾身のアッパーでかちあげた。

 

 天高く舞い上がった魔王は、宿敵の中国版みたいなヤツから殴られた箇所に、その黄金が付着している事に気付く。

 

『思い知るがいい、オール・フォー・ワン!!』

 

 拳を突き上げたシャイニングの決めポーズ。それがキマると同時に、オール・フォー・ワンに付着していた金は、急激に熱を帯びながら変色し、起爆する。

 

『これがっ!強化形態の力ぁ!!!』

 

   DOKAAAAAAAAN!!!

 

 空中で起きた大爆発を背に、シャイニングマイトは恍惚の表情を浮かべていた。かなりお気に召したらしい。

 

 暫くそうしていた後に、自称英雄は振り返って一言。

 

『やったか!?』

 

 それと同時に爆発の煙が晴れ、手負いの魔王が顔を出した。

 

『やってくれたね...!少々、君を甘く見ていたみたいだ。』

 

 オール・フォー・ワンは爆発の瞬間、全身を個性で防御しダメージを最小限に抑えていたのだ。

 

 しかし、それでも尚そのダメージは大きく、身体の損傷箇所を鋲突や増殖といった個性で何とかカバーしている状態。

 

 彼もまた、今のオールマイトと同レベルの重傷を負っていた。

 

『今の一撃でも倒せないとは!ラスボスらしいしつこさだ!こうなったら、“アレ”を使うしかないな!!』

 

 シャイニングマイトはその場で跳躍し、ずっと放置されていた黄金の宮殿に飛び乗った。

 

『さあ、シャイニングマイト伝説のクライマックスだ!その目に焼き付け...もがっ!!』

 

 いい感じの台詞の途中だったシャイニングマイトの口から、突然黄金が溢れ出す。

 

 その黄金は徐々に形を成していき、“偽の魔王”を象った。

 

『そうはさせないよ、シャイニングマイト。何故って?僕がいるからさぁ!!』

 

 シャイニングマイトの口から顔だけを出しながら、復活を果たしたダーク・フォー・ワンは高らかにそう宣言した。

 

 

 

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