ダーク・フォー・ワン『新時代を作るには何が必要だと思う?そう、人々の笑顔だ!』   作:バケギツネ

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これが英雄の力ぁ!!!!

 

 ◇

 

 オールマイトの勇姿をその目に焼き付け、正義に目覚めたと供述するダーク・フォー・ワン。彼は純白のスーツに身を包み、その顔をオールマイトと瓜二つのものに変化させていた。

 

 シャイニングマイトの誕生である。

 

 瀕死の重傷を負ったオールマイトに後を託された(と本人は認識している)シャイニングマイトは、悪の魔王と対峙していた。

 

 

 丁度それと同じ頃、オールマイトの授かった力・ワン・フォー・オールの“内側”では、とある6人による集会が開かれていた。

 

『皆、集まってくれてありがとう。』

 

 中心の椅子に座った白髪の男は、自らの同胞たちにそう告げる。彼の周りには、個性豊かなメンバーが揃っていた。

 

 A組の某性格下水煮込みに雰囲気の似た、ツンツン髪で目つきの鋭い男。

 

 バンダナを額に装着し、水色の髪を後ろに束ねた貫禄のある青年。

 

 顔に大きなひび割れのある、ボサボサなグレー系のブロンドヘアーが特徴的な男。

 

 スキンヘッドにゴーグル、鋲が打ち込まれた黒い革ジャンというラフな格好の男。

 

 口元を覆った赤い服装で黒髪の大人しげな青年。

 

 唯一の女性である“7人目”は、殆ど貰い事故のような形でオール・フォー・ワンから“孫”の現在を暴露された事もあり、“初代”である白髪の男が気を利かせて不参加としていた。

 

『今日は話しておきたい事がある。ダーク・フォー・ワン及び、シャイニングマイトと名乗る男についてだ。』

 

 神妙な面持ちで、初代は話題を切り出した。議題はもちろん、現在“8代目”や宿敵の魔王を相手に大暴れをしている、謎のオッサンについて。

 

『奴の情報をこの場で共有しておきたい。どんな小さな事でもいいんだ。奴の事で、皆は何か知っている事はないかい?』

 

『『『『『いや、何も。』』』』』

 

『そうか。皆は何も知らないのか。......僕もだ。』

 

 

 集会はその場で解散となった。

 

 

 

 そしてUSJでは、真の魔王と偽りの象徴の戦いが始まる。

 

『やはり君は目障りだ。ここで消しておく事にするよ。』

 

『黙れ悪党!いつまで経っても弟離れできない、ブラコン野郎が、何を偉そ

 

 間髪入れずに魔王から放たれた空気砲を、シャイニングマイトはその手に錬成した金の盾で防いでいた。

 

 姿が変わってもなお、元ダーク・フォー・ワンの金を操るその個性は健在だったのだ。

 

『ちょっとごめん!オールマイト!』

 

 シャイニングマイトは突然その場にしゃがみ込むと、自分の盾をオールマイトに少し握らせ、再び自らの手に戻す。

 

『ありがとうオールマイト!キミから託されたこの武器が、俺を守ってくれたんだ!』

 

『一体、何を言っているんだお前は?』

 

『喰らえ、オール・フォー・ワン!これは俺の盟友・オールマイトを傷つけた分だ!ファイア〜!!!!!!!』

 

 盟友(一方通行)のツッコミを無視したシャイニングマイトは、盾を変形し作り出した無数のロケットランチャーを、魔王へとぶっ放す。

 

『押し出し+鋲突+ダークボール+光塵。』

 

 オール・フォー・ワンは個性で作り出したエネルギー弾で、その弾頭を撃墜する。しかし、生じた爆炎の奥から伸びてきた金色の糸が、彼の右腕に絡みついていた。

 

『卑怯者が!降りてこい!!』

 

 シャイニングはそのパワーで、宙に浮いていた魔王を引き摺り下ろし、地面へと叩きつける。

 

『さあ行くぞ!男なら正々堂々、拳と拳で戦おうじゃないか!!』

 

 先程まで銃火器を乱射していたシャイニングマイトは、一気にオール・フォー・ワンとの距離を詰め、接近戦を仕掛けるのだった。

 

『見ていてくれオールマイト!』

 

 シャイニングマイトは、黄金に輝く自身の拳を全力で振り抜いた。

 

『貴方から学んだこの技で、必ず魔王を倒す!!俺こそがヒーローだ!!』

 

 TEXAS SMASH 。CAROLINA SMASH。MISSOURI SMASH 。オールマイトの得意とする打撃は、彼の研修先である国の州が、そのモチーフとなっている。

 

 それを真似たシャイニングマイトもまた、自身の放つ打撃に類似したモチーフを取り入れていた。

 

高田馬場(たかたのばば)すまっしゅ!!!』

 

『ダ、ダサい......』

 

 オマージュ元(オールマイト)のコメントと同時に、オール・フォー・ワンは個性の盾でその一撃を防御する。

 

『凝火扇+押し出す+増殖+肥大化』

 

 魔王の手から溢れた液状の盾。個性の併用によって最大限強化されていたソレは、シャイニングマイトの渾身の一発を防ぎきっていた。

 

『今度は、オールマイトの猿真似かい?節操がないな。』

 

『黙れ!お前にオールマイトの何が分かる!お前のような社会の塵がっ、オールマイトを語るな!!』

 

『その言葉、そっくりそのまま返すよ。』

 

 発条化+膂力増強+押し出し+鋲突+ダークボール+光塵。オール・フォー・ワンの得意とするブレンドによって、彼の右手には強烈なエネルギー弾が生成されていた。

 

 距離を取ろうとしたシャイニングマイトの身体は、槍骨+増殖+肥大化+鋲突を組み合わせた歪な触手に囚われる。

 

『複数個性があるとはいえ、パワーもスピードもオールマイトには遠く及ばない。キミ程度が、オールマイトを名乗るな。』

 

 象徴の宿敵(オール・フォー・ワン)は、高密度のエネルギーを偽りの宿敵へと、ゼロ距離で炸裂させた。

 

『ぐわあああああ!しまったああああああああああ!!』

 

 わざとらしい程のダメージボイスを披露しながら、シャイニングマイトはやたらとダイナミックに吹っ飛んでいく。

 

 彼は器用にも空中で軌道を調整し、オールマイトのすぐ横に墜落した。

 

『お、おい!大丈夫か?』

 

 一応心配してくれたオールマイトの優しさにすっかり気を良くしたシャイニングは、ノリノリで自分だけの世界へと突入する。

 

『クッソ!オール・フォー・ワン、なんてパワーだ!それにこのままではっ、制限時間がっ!!!』

 

 相変わらずオーバーリアクション気味のシャイニングマイト。マッシブだったその身体は、煙をあげながら縮んでいく。

 

 それはさながら、今のオールマイトの陥っている状態、トゥルーフォームのようだった。

 

『それは一体....?』

 

『実はっ!俺の身体はっ!度重なる戦いでボロボロなんだ!!これ以上は、変身していられないっ!!くそうっ!!』

 

 シャイニングマイトは、(自らの意思で)身体をどんどん縮ませながら、声高らかに自らのピンチを説明する。

 

 一応言っておくと、シャイニングマイトに時間制限的なものは無いし、身体がボロボロという程でもない。

 

 彼はただ全力で、それっぽいピンチからの逆転をセルフプロデュースしようとしていた。

 

『変身!変身!!クソッ!どうしてっ!!......チラッ。』

 

『............』

 

 シャイニングマイトは口からケチャップ血を吐き、その拳を大地へと打ち付けながら、盟友へのチラ見とウインクを繰り返す。

 

『俺にはっ、もう何もできないっ!俺1人じゃ何もっ!......チラッ。』

 

『............え、えっと、頑張れ...?』

 

 根負けしたオールマイトは、渋々応援の言葉を口にするが、シャイニングマイトは厚かましくも、首をブンブンと横に振る。どうやらお気に召さなかったらしい。

 

『君なら、できる....?』

 

『あ、惜しい!方向性は合ってた!えーーっと、具体的には...』

 

 地面からは巨大なカンペが錬成され、生えてきた。

 

『え...?』

 

 困惑するオールマイトへ向けて、シャイニングマイトはニッコニコで親指を立てる。

 

 もはやそれを読み上げる以外に、話を進める方法は無さそうだった。

 

『しゃ、シャイニングマイト。けっして、『もっと感情を込めてくれ!そんな棒読みじゃ、俺の心は動かせないぞ!!』決して諦めてはだめだ!!キミの力はっ、まだまだそんなものじゃないっ!!!』

 

 オールマイトはヤケクソになりながらも、熱演を果たす。すると、2枚目のカンペが生えてきた。

 

 

Chapter9 シャイニングマイトの覚醒

 

シャイニングマイト

『でもっ、俺にはもう戦う力がっ...』

 

・地面から15度の角度で俯いたままのシャイニングマイト。

 

・オールマイトはその肩に優しく触れる。

 

オールマイト

『いいや、私は君を信じてる。立ち上がれっ!自分の限界を超えるんだ!その先にっ、君の目指すゴールがあるっ!!』

 

・オールマイト、セリフは徐々に強く。できれば涙を流しながら。

 

シャイニングマイト

『お、オールマイト...!そうだ、4分前に誓ったじゃないか!俺はオールマイトのように生きるって!!』

 

・BGM、『You say run』がフェードイン。同時に立ち上がるシャイニングマイト。

 

シャイニングマイト

『俺はなる!なってみせる!!自分の命をかけて正義を貫く、そんな真のヒーローに!』

 

・シャイニングマイト、拳を強く握り締める。その身体は力を取り戻し、マッスルフォームへと戻っていく。

 

オールマイト

『さあ、行くんだシャイニングマイト!今こそ、“次の君“へと至るんだ!!』

 

シャイニングマイト

『うおおおおおおお!!!』

 

 

 

 

 一連の茶番を終えたシャイニングマイトは、さらなる変身を果たす。

 

 盟友から託すよう強要した託された思いを胸に、彼のコスチュームは変化を果たしていた。

 

『刮目せよ!これが俺の新たなる力!!』

 

 白一色だったシャイニングマイトのスーツには、オールマイトを彷彿とさせる赤と青のラインが走っていた。

 

『スーパー・シャイニングマイトV2・セカンド・オブ・ザ・ネクスト・弍式!』

 

 背後で起こった大爆発と共に、彼は自らの字名を叫ぶ。

 

『これがっ、次の俺だ!!!!!!』

 

 スーパー・シャイニングマイトV2以下略となった彼は、パワーとスピード、個性の熟練度をそのままに、モチベーションとやる気、テンションや声のデカさが、今までとは比べものにならない程の高いレベルへと至っていた。

 

 強さはあんまり変わっていない!!!

 

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