英雄たちが求めるエンディング   作:岩ノ川

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第59話 カナタ達のステータス

 ある程度の道具の手入れと片付けを終えた後、私とケマくんとコルルちゃんは王都メラルフに行った2人から、冒険者ギルド本部はどういった施設だったのか話を聞く。

 

「まずねぇ~……建物が白くて大きかったぁ~」

 

「「「うんうん、それで?」」」

 

「それで中はねぇ~……冒険者の人でいっぱいだったぁ~」

 

「「「……だろうね、それで?」」」

 

「後ねぇ~……何か色々とすごかったぁ~」

 

「「「……」」」

 

 キーちゃんは懸命に建物を説明してくれたけど、表現が曖昧過ぎて全く理解できなかった。彼女が言葉に迷う程、冒険者ギルド本部というのがすごかったのだろうか。

 

「……なあクアル、クアルの感想として冒険者ギルド本部どうだった?」

 

 ここでケマくんがクアルくんに話題を振る。せっかく2人が行って来てくれたのだ、せめてもう少し何か情報が欲しい。

 

「んっ?えっとな……とにかくすごかった」

 

「「「それは聞いた。他には?」」」

 

「……鳥人族がいた!」

 

「「「この街にもいるでしょう?……他には?」」」

 

 同時に同じことを言い返す。若干呆れてきた。

 キーちゃんとクアルくんは両腕を組みながら懸命にその日の出来事を思い出している。それほど前ではないはずなのに何をてこずっているのだろう。

 

「あっ、そうそう!地下にデカい訓練所があったな!」

 

 おっ、ようやくまともな情報が出てきた!へぇ~、ギルドって事務処理とかするだけのイメージだったけど、地下に訓練所があるんだ。冒険者の育成という事で訓練所が設けられているのかな?それにしてもデカいって……普通は広いでしょ?

 

「“広い”じゃなくて“デカい”なの?」

 

「うん、デカかったぁ~!」

 

「ああ、確かにデカかった!」

 

 コルルちゃんも私と同じ言葉の綾だと思い指摘するけど、2人もデカいという表現を肯定した。私とコルルちゃんはたちまち首を傾ける。一体どういう訓練所なのか気になってきた。

 

「あとはそうだな……図書館があった!」

 

「へぇ~、どんな本があったの?モンスターについてとか?それとも世界の歴史についてとか?」

 

「興味なかったから部屋に入らずそのまま出た!」

 

 う~ん、このおバカ!?冒険者のギルドの本部がわざわざ置いてあった本だよ?絶対に重要な書物とかおかれてあるじゃん!一目くらい見てから出てよ!少なくとも私は興味あったのに。……いや私も勉強は嫌いな方だから、実際に行ったとしてもそんなに図書館にはいなかったと思う……。

 

「なんかさあ~、もっと具体的に説明できないの?内装はとても清潔だったとか、ギルド職員の仕事の雰囲気がとても誠実していたとか?」

 

「じゃあ逆に聞くけど、3人は王都バースで勇者様を見たんだろ?その感想を教えてくれよ」

 

「うんうん!そうだそうだぁ~!」

 

 いいだろう、私たちの方がより具体的に伝わるように、勇者がどんな雰囲気だったのか教えてあげよう。

 

「まず……気遣いのできる良い人だった!」

 

「圧がすごかった!」

 

「声がカッコよかった」

 

「「勇者って呼ばれるくらいだからそうだろね。それで?」」

 

 おっとこれじゃあ伝わりきれないか。いや、すでにある程度は予想と想像はしているのだろう。だけど安心して、まだまだ言えるから。

 

「剣と鎧がカッコよかった!」

 

「魔法がすごかった!」

 

「顔がカッコよかった」

 

「「うん、知っている。王都メラルフの新聞で見たもん……それで?」」

 

 2人はまだ満足してないようだ。まさか2人が王都メラルフで新聞を読んでいたとは予想外だ。普段から本を読む習慣をつけさせている成果がこのタイミングで出た。それにしてもヤバい、言葉が思いつかなくなってきた。

 

「……男の人だった」

 

「獣人族だった!」

 

「本当に若い見た目だった」

 

「「……」」

 

 2人は何も言い返さず、ただ私たちを見つめている。言いたいことは分かる。キーちゃんとクアルくんは一度お互い顔を見合わせる。

 

「もっと具体的に教えてくれなぁ~い?勇者様のことぉ~?私たちと違って実際に見に行ったんでしょ~?」

 

「そ~そ~、もっと詳しく聞きたいな~?少なくとも俺たちが知らないことをさ~?」

 

 今後は2人そろって煽ってきた。同時に首を傾けてこちらをのぞき込む表情はかなり憎たらしい笑みを見せる。

 この2人、キキラの街から王都に向かう前は少し険悪な雰囲気だったはずなのに、いつの間にか仲良くなっている。嬉しいことなのだけど、そのせいでウザさが倍増している。

 

「ま、まあ、勇者様も冒険者ギルド本部も私たちが冒険者になった時、いくらでも見られる機会があると思うし、今後の楽しみ……って事で?えっと……ごめんね?」

 

「……それもそうだね!でも勇者様って、そんなほいほいと人前に出てくる人だっけ?」

 

「少なくともイースト大陸の勇者様は何かと忙しいらしいから、滅多に人の前には出て来ないと思うよ?」

 

「へぇ~、あの時、見られたのは本当に運がよかったって事!?僕、王都バーに行ってよかった!」

 

「そっちはどうだったのかは知らないけど、王都メラルフもなかなか良かったぜ!ギルド本部もそうだし、街の雰囲気や食べ物屋とか!」

 

 それにしても、もうちょっと冒険者ギルド本部について色々と聞きたかったな。いや、調べてきてほしかった。どうやったら冒険者になるとか、冒険者に必要な技能とか。まあ2人も、もともと神の恩恵で行っていたわけなんだし、そこまで贅沢は言えないか。ずっとみんなの訓練で考えていなかったけど……そろそろちゃんと調べておいた方がいいかな……。

 

 冒険者、私たちはみんなそれをよく耳にするけど、実際にはよく調べていない。だからよく知らない。今そのことに気付いているのは私だけ。前世の記憶があるという理由でお姉さん気取りをしていた。そんな私にみんな今まで信じてついて来てくれた。みんなの信頼に応えなきゃいけない。私は私なりに頑張っていかなければならない。

 

「それで王都メラルフにはカッコイイ剣や防具が沢山売って……ああっ!すっかり忘れていた!」

 

 しばらくみんなで談笑していた最中、クアルくんが何かを思い出したのか急に大声を出す。

 

「どうしたの急に?とうとう本当の鳥頭になったの?」

 

「違うわい!えっと確か……ああこれだこれ!ほい、カナタちゃん」

 

 クアルくんはポケットの中から1枚の紙を取り出す。とてもしわくちゃだ、一瞬ゴミかと思った。朝から訓練中ずっとポケットの中に入れていたせいだね。普通はすぐに気付くと思うのに。

 付いてしまったシワを懸命に直してからクアルくんは私に紙を手渡す。

 

「なにこれ……って『冒険者登録について』ッ!!」

 

「いるかな~って思ってギルド本部に行った時にギルド職員さんから貰ったんだ。俺からのお土産ってことでいいかな?」

 

「グッジョブクアルくん!!」

 

 私の中でクアルくんの評価がかなり上がった。これほど欲しい情報は他にない。

 すぐに書かれた内容を読む。

 

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『冒険者登録について』

冒険者として活動するためには、各王都に設備されている冒険者ギルドにて、執り行われる冒険者登録試験に合格していただけねばなりません。我々冒険者ギルド本部は、皆さまの生命の安全を第一に考えておりますゆえ、試験では冒険者としての適性があるのか厳しく査定させていただきます。今年の冒険者登録試験についての詳細は以下に記しております。我々冒険者ギルド本部は“有能な人材”を心よりお持ちしております。

 

『冒険者登録試験の日程』

・星暦2023年、夏の15日、土の日

・場所:各登録した冒険者ギルドにて、夏の15日の6時までに来ること。到着後、ギルド職員の案内に従い速やかに移動せよ。

・試験は24時間(丸一日)執り行う。

*6時以降になっても到着されない場合、その者は不参加とさせていただきます。

 

『冒険者登録試験の申し込み締め切り』

・星暦2023年、春の100日、無の日、23時まで。

・“各王都の冒険者ギルド”へ申請した者のみ、試験に参加できる。

*指定の場所以外の冒険者ギルドへ試験の申し込み、締め切り日以降での申し込みは無効とさせていただきますのでご注意を。

 

『冒険者登録試験の参加条件』

・参加費用として1人40万ストン。ギルドへ申請する際にお支払いしていただきます。

*なお、一度支払った資金は払い戻しが出来ませんのでご注意を。

・年齢10歳以上(神の恩恵を受けた者に限る)及び、以下の2つの条件のどれかに適した者のみ参加を認める。登録の際、ギルド職員にステータスウィンドウを提示してもらう。

1、ステータスウィンドウのスキル一覧、種族スキルを除き、2つ以上のスキルを取得してあること。

2、ステータスウィンドウの熟練度一覧、3項目以上レベル10以上であること。

 

『冒険者登録試験内容』

・筆記

・実技

 

『持ち込み』

・試験を行う際に必要な道具等は全てギルドが用意します。個人で必要な道具等があれば、事前にギルド職員に伝達して許可が下りれば持ち込みはできます。しかし、その道具等の使用による試験中の不正行為が発覚した場合、強制的に試験は不合格とする。

==============================

 

 うわぁ、思っていたよりガチじゃん……。“6時まで到着”に“試験は24時間”に“強制的に不合格”……何かもう読んでいるだけで疲れてきた。えっ、なに、冒険者登録って国家資格みたいなものなの?命の関わる職業らしいから納得はできるけど。

 10歳以上ってことは私たちも今年から参加できるってことよね?だけどこれ……私たち合格できるの?試験もしっかりしていそうな感じだし。それ以前に参加できるかな?……参加条件が意外と厳しい。

 

「カナタちゃん、私たちにも見せてよぉ~」

 

「クアル、お前も見たんだろ?なんて書いたあったの?」

 

「文字が多くて途中から読むのやめた!……別に読めなかったからじゃないからね?本当に面倒くさかっただけだらけ」

 

 夢中に読んでいる中、メンバーたちも気になるのか何度も内容について伺ってくる。もちろんメンバーにも教えるつもりだ。一緒で冒険者になるのだから、情報をできるだけ共有したい。だけど、その前に確かなければなわないことがある。

 

「ねぇみんな、お願いがあるんだけど……みんなのステータスウィンドウ、今ここで見せ合いっこしない!」

 

 ステータスウィンドウ、それはいわゆる個人情報。他人のステータスウィンドウを見せてもらうようにお願いするのは失礼な行為であることは、世情に疎い私でも十分知っている。子供でも嫌がることだ。

 それでもパーティの現段階の状況を把握したいため、勇気を振り絞ってメンバーにお願いをする。その直後、一瞬の間が開いた。メンバーはお互い顔を見合わせてから、返答してくれた。

 

「「「「いいよ~!」」」」

 

 全員一斉に何の疑いもない真っ直ぐな眼で、私の無茶なお願いを承諾してくれた。あぁ~、本当にいい子たちだなぁ。

 一旦メンバーを、円を描くように座らせて、これからについて話し合いを始める。

 

「えっとまず、冒険者登録……つまり冒険者になれる条件を言うね。年齢制限はこの間みんな神の恩恵を受けたことでクリアはしている。だけど問題はその次、“冒険者登録するためには星暦2023年、夏の15日、土の日で行う試験に合格しなければならない。その試験の参加条件は、熟練度でレベル10以上の項目が3つ以上、もしくは種族特有以外でスキルを3つ以上所持していること”。正直に言って今年でなれるのかは望み薄いけど、一応みんな現状を把握しておきたいからステータスウィンドウを見せてもらいたいの」

 

 本当に全員が参加できる望みは薄い。でも、まだ90日以上の時間がある。根を詰めれば何とかなるはず。最悪、今年じゃなくてもいい。全員同時に冒険者になれるなら来年でも構わないと思っている。

 

「りょ~かぁ~い。同時に出すぅ~?」

 

「その方が良くね?」

 

「それじゃあ右手を前に出して。拳の上に表示して見せ合おう!……ケマくん、それは左手」

 

「あれ?あーこっちか!」

 

 了承してくれたメンバーは、コルルちゃんの希望のもとで全員が円の中心に右手を出してステータスウィンドウを表示することにした。お互いに顔を見合わせて、全員で心の中でとある言葉を演唱する。

 

「「「「「(ステータスオープン)」」」」」

 

 私たちの中心に5つステータスウィンドウが表示された。

 

==============================

カナタ・タユーリ

種族:人族

性別:女

年齢:10歳

状態:やや疲労 やや空腹

 

《適性魔法一覧》

・火 ・無

 

《スキル一覧》

・【俊敏化】   ・【火熱耐性】  ・【軽量化】

 

《熟練度一覧》

剣術 9

盾術 4

槍術 3

体術 8

射撃術 1

投擲術 2

歩行術 15

火魔法 10

==============================

 

==============================

キィ・ゾイヤー

種族:鬼人族

性別:女

年齢:10歳

状態:やや疲労 やや空腹

 

《適性魔法一覧》

・光 ・闇 ・土 ・木 ・氷 ・雷 ・風 ・無

 

《スキル一覧》

・【石頭】  ・【筋力強化】  ・【氷耐性】

・【雷耐性】

 

《熟練度一覧》

剣術 11

盾術 8

槍術 7

体術 10

射撃術 1

投擲術 2

歩行術 12

氷魔法 9

雷魔法 6

==============================

 

==============================

クアル・オルパーク

種族:鳥人族(烏種)

性別:男

年齢:10歳

状態:疲労 やや空腹

 

《適性魔法一覧》

・闇 ・水 ・土 ・雷 ・風 ・無

 

《スキル一覧》

・【上昇気流】  ・【風圧耐性】  ・【風読み】

 

《熟練度一覧》

剣術 3

盾術 2

槍術 9

体術 8

射撃術 7

投擲術 6

飛行術 13

歩行術 10

土魔法 6

風魔法 9

==============================

 

==============================

ケマ・ヒュジェーラ

種族:獣人族(熊種)

性別:男

年齢:10歳

状態:やや疲労 かなり空腹

 

《適性魔法一覧》

・土 ・雷 ・風 ・無

 

《スキル一覧》

・【索敵】  ・【直感】  ・【俊敏化】

・【打撃耐性】

 

《熟練度一覧》

剣術 4

盾術 2

槍術 1

体術 9

投擲術 2

歩行術 12

雷魔法 8

風魔法 8

==============================

 

==============================

コルル・チェガンバ

種族:妖精族

性別:女

年齢:10歳

状態:かなり疲労 やや空腹

 

《適性魔法一覧》

・光 ・火 ・水 ・木 ・無

 

《スキル一覧》

・【魔力供給(森林に限る)】  ・【軽量化】

 

《熟練度一覧》

剣術 5

盾術 6

杖術 6

槍術 5

弓術 9

体術 5

射撃術 5

投擲術 6

歩行術 6

水魔法 7

土魔法 7

==============================

 

 メンバーのステータスウィンドウを吟味した結果、現状試験に参加できるのは、スキルを3つ体得している私と、スキルと熟練度の両方がクリアしているキーちゃん。

 キーちゃんは私より身体能力と魔法のセンスがあるから、当然クリアしていると思っていた。私も日々の努力のおかげで条件は達成している。これで私も未達成だったら、仮とはいえリーダーとしての示しがつかない。なんとか威厳を保てて良かった。

 

 自分は当然クリアしていると思っていたのか、クアルくんは悔しそうな表情を浮かべて、ケマくんとコルルちゃんは少し悲しそうな顔を見せる。確かに残念ではあるけど、3人もあと少し熟練度を上げ、もしくはあと1つか2つスキルを体得すれば参加できる。それにまだ時間は十分にある。焦らずにじっくりと訓練すれば問題ないはず。

 

「だぁぁぁぁぁ!!熟練度があと1レベル足りねぇ!?スキルも【俊敏化】と【軽量化】を覚えたと思っていたのに!!」

 

「まあまあクアルくん、頑張ればすぐに上がる大丈夫でしょ。スキルに関しては仕方がない。……というかキーちゃんの名前、キィって言うんだ。初めて知ったんだけど」

 

「えぇ~、カナタちゃんひぃ~どぉ~い~。まあ確かにぃ~、キィよりキーちゃんの方が可愛いからぁ~、みんなにはこっちで呼んでもらっていたけどねぇ~」

 

「僕がもっているスキルの内2つは種族特有だから無理か~。熟練度は……頑張って2ずつ上げなきゃな~。そういえばコルルちゃんのスキルにある【魔力供給】って何?コルルちゃんしか持っていないけど」

 

「妖精族みんなが持っているスキルだよ……。だから、これはカウントされない。私はスキルが2つ足りないんだ……熟練度もそう……」

 

 自信無さ気にそう呟くコルルちゃんの言葉に全員が固まった。

 コルルちゃんは訓練に対して直向きな姿勢で頑張ってきた。正直ステータスの数値はかなり高いじゃないかと少し期待していた。だけど現実は、自分だけスキルは2つ足りず、熟練度でレベル10以上の項目が1つもない。彼女の今までの努力は私たち程、実らなかったということ。自分だけみんなに遅れていると彼女は気が滅入ってしまっている。

 

「ごめんね……私、やっぱりみんなに遅れていた……。でもね、頑張ったんだよ……みんなと一緒に居たくて、頑張って……」

 

 コルルちゃんは今にも泣きそうだ。

 自分のせいでパーティ内に不安な空気を作ってしまったことに酷く罪悪感を纏わせる。だけど私は、コルルちゃんがそう感じる必要はないと思う。

 

「ねぇみんな、コルルちゃんのステータス……すごくない?」

 

 私の言葉にコルルちゃんは震えていた肩を止めて、ゆっくりと自身のステータスウィンドウの方へ顔を上げる。

 

「うん、すごいと思う~!全部の熟練度がレベル5以上だぁ~!コルルちゃん、毎日別々の武器で試合していたもんねぇ~!私なんて射撃術レベル1だよぉ~?最初見られたときすごく恥ずかしかったんだからぁ~」

 

「【軽量化】はカナタちゃんとコルルちゃんしか覚えていないしな。なあ、明日でもいいからどうやって覚えたのか教えてくれない?翼とか軽くしたらかなり便利だろうし」

 

「ぼげぇ~っと見ていたけど、すごいことなんだ?毎日僕以上に頑張ってきたコルルちゃんだったら納得だね!」

 

 そう、みんなコルルちゃんを蔑んだりはしない。私たちは実力で人を判断はしない。コルルちゃんという個人と一緒に冒険者になりたいのだから。

 メンバーの言う通りコルルちゃんのステータスは私たちに劣っている部分はあるが、際立って優れている部分もある。それだけでも十分に誇れることだと思う。

 

「み、みんな……」

 

 コルルちゃんの涙腺は崩壊寸前。メンバーの励ましに心から歓喜していた。

 

「大丈夫!(仮)リーダーである私が、責任をもって試験参加条件を満たして上げる!もちろんクアルくんとケマくんもね!」

 

「これからはステータスウィンドウの表示が出来るようになったからぁ~、ちょくちょく確認しながら訓練していこ~う」

 

「おっ、いいねそれ!そうすれば訓練の方向性も考えやすいしな!」

 

「僕も全然だめだし、これから頑張っていこう!」

 

「……うん、みんな……ありがとう」

 

 これにて話し合いは終了。

 上を見上げると、いつの間にか空が赤色から暗くなりかけている。親が心配する前にすぐに解散した。その時の全員は希望を見つけたような嬉しそうな表情をしていた。

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