【完結】大学生になった重遠は全盛期!~未来の娘と紡ぐ室矢家の伝説~ 作:初雪空
緊張した空気の中で、俺は突っ込む。
「お前は妻の1人だし、手伝えることは手伝う! が、将来的に
これまで
どっちみち、男子校を軌道にのせて、同時に警察などの影響力を減らすことは、一代で終わらない。
超空間のネットワークを通して、
頭を揺らし、やがて答える。
『承知しておりますー!
「最初に作った伝統が続くのは、そちらの意味でも、か……」
話を聞けば、俺に桜技流の称号があることで、指導をつけて欲しい。
「怖いもの知らずの男子が、突っかかってくると?」
『警察の関係者で剣道や柔道が上手い男子や、退魔師互助会のお偉いさんの息子、あとは半グレみたいな腕自慢です』
咲莉菜としても、こういった事態になると予想していた。
どうせ、俺という切り札があるのだから、最大限に活用しよう。という話に。
『申し訳ございませんが、わたくし達を賭けるぐらいに思い切ったほうがいいかと……』
「釣るんだったら、金と女だな! ただし、今の俺は四大流派から認められた人間だ。その意味を分かっているんだな? 高校生だからと手加減はしないぞ? 異能をなくすぐらいに潰す。命があっても、二度と表舞台には立てんだろうな」
それぐらいで当然のポジションだ。
さもなければ、他の奴らが俺に逆らった報復で殺しかねない。
深呼吸をした咲莉菜は、首肯した。
『お願いするのでー! むしろ、そうでないと意味がありません。女子校のほうは凪と澪がいれば、事足ります』
◇
新設された男子校に出向いた俺は、パンダの気持ちがよく分かった。
お世辞にも好意的ではない。
まだ伝統や実績がなく、俺が桜技流で特別扱いだから、不安そう、俺に対する興味、敵意、呼ばれて面倒と、色々な感情が視線でぶつけられる。
(女っ気がない奴らにしてみれば、年齢が近い俺をよく思わんよな……)
というのも、室矢家のハーレムを総動員したから!
桜技流の女子校に1人ずついる、そちらの準ハーレムも呼び出した。
女子大生ぐらいだが、年長者のような雰囲気もある美女が、ニコニコしている。
「注目されているわね?」
「だいたい、お前らのせいでな?」
見事な着物を身につけた
「あなたの式神だし、お手付きなのだから、当然でしょ?」
悪びれもせず、得意げに言い返された……。
息を吐いた俺は、自分の女子たちを見る。
「もう、1クラス分になったんだな?」
「……やっぱり、
あいつら、12人いるからなあ。
しみじみと思っていたら、慧が呟く。
「1ヶ月休みなしでも、回らないんじゃ?」
「そろそろ、子作りに入る! 桜技流のハーレムはそっちがメインで、普段の優先順位は後ろ。あと、
それでも、キツい。
女子2人ごとでやるべきでは? を検討している段階だ。
お互いに許容できるペアを見ると、なかなか面白いが……。
そう思っていたら、慧が溜息をついた。
「負けようがないとはいえ……。私たちに名前と経歴を書いたプレートをつけさせて、しかも事前に周知かあ」
「悪いな? 『俺に勝ったら、好きな女を与える』でないと、咲莉菜が潰したい奴らが乗ってこないから」
不貞腐れた慧は、片手をヒラヒラと振った。
「ハイハイ……。夜の相手が面倒だからって、わざと負けないでよ?」
「今回は、本気でいく」
ビンゴゲームの景品のような観覧席に戻った慧を見ながら、改めて男子を見た。
どいつも、景品となった室矢家ハーレムを見ては、周りと騒いでいる。
俺の周りには、護衛の夕花梨シリーズが、それぞれの角度を見たままで立つ。
男子校の司会役が、外部音声で伝えてきた。
『えー! 次は、
ギャラリーの男子どもが、歓声を上げた。
『彼の希望は……あ、天沢咲莉菜さん、です』
ワァアアアアッ!
盛り上がる会場。
(こいつ、親から親戚までの警察一家なんだよなあ……)
満座で言うだけあって、全国クラスで、今は剣道部だか剣術部のエースだ。
しかも、地元の県警から警察庁のキャリアまで招いている場。
すっげー、視線が突き刺さっている。
これで俺から奪えば、その瞬間に警察は元の状態に戻るからな?
おまけに、本人も勝ち組の人生が約束される。
(あの時は、本当に死ぬかと思った……)
俺は竹刀を一本とり、スタスタと武道場のような中央へ歩み出た。
相手も、剣道着のまま、竹刀を握っている。
『お互いに異能者のため、剣道のルールで防具なし! それから……』
――異能による戦闘を許可します!
――なお、ハンデにより、室矢さまは1本で負けです!
その定型句によって、ただの茶番が始まる。
お互いに前へ出たまま、横に審判がいる状態で話し合う。
スッと頭を下げた早崎は、ドヤ顔のままで、尋ねてくる。
「室矢さんは……何段ですか?」
アニメの主人公みたいな爽やかさで、なかなかの煽りだ……。