【完結】大学生になった重遠は全盛期!~未来の娘と紡ぐ室矢家の伝説~   作:初雪空

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女子だけの剣術大会と、水着が似合う南国の海!
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第56話 正妻が冷たいから、また未来の娘と遊ぶよ!

 高級料亭から帰宅して、南乃(みなみの)詩央里(しおり)に話した。

 

 深夜に呼び出して不機嫌だったが、仕方ない。

 

 俺の正妻は、うなずいた後に言いました。

 

「子作りの順番決めや、それぞれの勢力への根回しで忙しいです! 若さまが適当な女子と一緒に動いてください。しばらくは、夜のお当番を止めますから……。お願いですから、室矢家の女をもう増やさないで! 困るのは、相手をする若さまですよ? 子供ができたら、私はしばらく実家で育児に専念します。正妻として譲れないことを除き、あなたが自分でやってくださいね?」

 

 大学を卒業したら母親になるので、もう面倒を見切れない。

 

 私は、あなたのママじゃないのよ? という話だ。

 

 三行半のような台詞を突きつけられて、頷くのみ。

 

「わ、分かった……」

 

 あくびをした詩央里は、片手を振りながら、自宅へ戻った。

 

 さて……。

 

 スマホを触れば、いつもの電脳少女の姿。

 

 星を模した髪飾りをつけた、ブラウンのボブカット。

 

 ロリ女子の黄色がかった紫の瞳が、こちらを見ていた。

 

 見た目通りの可愛らしい声で、問いかける。

 

『なーに?』

 

「カペラ、事情は?」

 

『知ってる! どう動こうか?』

 

 スマホを置いて、腕組み。

 

「正攻法でいこう! 仲四氏(なかよし)真琴(まこと)の金の流れを調べてくれ」

『……やり方で、スピードが変わるけど?』

 

 スマホの画面に表示されている美少女を見ながら、宣言する。

 

「痕跡を残すな!」

『他とタイミングを合わせるから、だいぶ遅くなるよ?』

 

 俺が頷いたら、表情豊かに息を吐くカペラ。

 

 構わずに、尋ねる。

 

「こっちのフォローは?」

『できる! ハッキングが可能な瞬間を待っている間は、暇だし!』

 

「正直なところ、室矢家の情報源やスピードを見せたくない」

『そう……。分かった! できるだけ、今の技術でやってみる!』

 

 スマホの画面で、セーラー服の少女が正座して、内職を始めた。

 

 何とも、凝った演出で……。

 

 下を触ることで、アイコンの待機画面へ戻す。

 

「問題は、やっぱり金だな?」

 

 腕組みして、考え込む。

 

 だが、もう朝になりそうで、慌てて寝た。

 

 

 ◇

 

 

 俺たちの専用であるレジデンスの入口に用意された、接客用のラウンジ。

 

 ここだけで、アパートの一部屋のような空間。

 

 来客として訪れた男女2人は、スーツ姿で横に並んだまま、直立不動だ。

 

 上官らしき男から、自己紹介。

 

「警視庁の、野見山(のみやま)です!」

「同じく、登根(とね)です」

 

室矢(むろや)です……。わざわざ、ありがとうございます。こちらへ」

 

 俺の案内で、お互いにソファへ座った。

 

 控えていた女のスタッフが、それぞれにコーヒーとお菓子を置いていく。

 

 会釈した彼女が去った後に、野見山と名乗った男が述べる。

 

「世間を騒がしている仲四氏(なかよし)真琴(まこと)を逮捕するまで、全面的な協力をいたします! 上から、『詳しい話は会って聞くように』と言われておりまして……」

 

「助かります……。あなた方に期待しているのは、現場の警官への周知と連絡で――」

 

 室矢家が警察手帳を見せても退かない奴らがいた時に、抑えてもらいたい。

 

 警察無線は、いらない。

 実銃も、そちらの貸与品ではなく、執行実包を含めて、自前で用意する。

 

 連絡はスマホで、このための使い捨て。

 

 一通り聞いた野見山は、座ったままで腕組み。

 

「つまり、捜査への同行は求めないと? 通信指令センターに近い役割ですね?」

 

「はい、そうです! 先に言っておきますが、管轄をまたぐ可能性があります」

 

 俺の指摘に、腕を下ろした野見山は渋い顔に。

 

「ああ……。仲四氏の地元は、中国地方でしたっけ」

 

「ええ! そちらへ出向くことの連絡を頼むぐらいで、あとは室矢家で何とかします」

 

 そう願いたいです、と返事をした野見山は、話をまとめる。

 

「目的は、仲四氏の逮捕、または無力化……。我々は、室矢家の専属として24時間のコールセンター。送迎は?」

 

「自前で、行います! 実際に動かす人員は知らせず、こちらで警察手帳を用意します。連絡先は、俺か、このレジデンスの代表電話へ」

 

 ようやく笑顔を見せた野見山は、コーヒーカップを口にした。

 

「分かりました……。昼夜もなく、電話一本のタクシー代わりと覚悟していましたが……。今後の予定は、どうなっていますか?」

 

 探るような視線に、俺は答える。

 

「帰宅してから、すぐに金の流れを追っています。……申し訳ありませんが、詳しくは部外秘です! 現在の状況と、結果をお伝えします」

 

「承知いたしました! 上から急ぐように言われてますが、室矢さんがそう仰るのなら仕方ありません。よろしくお願いいたします」

 

 一気にコーヒーを飲み干した野見山は、名刺を差し出した後に、帰った。

 

「では、失礼します……」

 

 登根のほうは、同じく急いで飲み干し、お辞儀をしたのみ。

 

 

 ――明示(めいじ)法律大学 都心のキャンパス

 

 明大《めいだい》で講義を受けていたら、スマホが震えた。

 

『今日は、以上だ!』

 

「ふー! 終わった……」

「メシに行こうぜ?」

 

 ガヤガヤと騒がしくなった時に、メッセージを見る。

 

 “ゲーム会社を忘れるな! 歴史は繰り返すぞ?”

 

 犯行予告のような文面を送ったのは……室矢(むろや)カレナだ。

 

 息を吐いた俺は、周りの注目を集めつつ、ノート類を入れたデイパックを背負った。

 

 

 ――二条(にじょう)(さえ)と話した高級カフェ

 

 俺が店内に入ったら、片手を上げているカレナを見つけた。

 

 近づけば、背中を向けている人物が2人だ。

 

 そちらも、座ったままで振り向き……。

 

 1人は、女子高生になった天ヶ瀬(あまがせ)(うらら)

 特徴的なストロベリーブロンドの長い髪で、すぐに分かった。

 

 もう1人は、彼女よりも濃いピンク色の長髪で、薄い紫色の瞳をした女子。

 高校生らしいが、大人っぽくて女子大生にも見える。

 

(すごい気品というか、オーラがあるな?)

 

 店内にいる客と店員のどちらも、カリスマ女子を気にしている。

 

 たぶん、また未来の娘だな。と思ったが、諦めて、彼女たちに近づいた。




過去作は、こちらです!
https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31
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