【完結】大学生になった重遠は全盛期!~未来の娘と紡ぐ室矢家の伝説~   作:初雪空

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霊力ゼロだった室矢重遠は、地上にある宇宙を撃ち抜く!
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第76話 ダルディアス帝国による威力偵察のMA小隊

 俺たちが休憩していたら、4mほどのロボットが地上をホバー移動。

 MA(マニューバ・アーマー)だ。

 

 胴体にブロック構造を刺したような、独特の構造。

 

 そいつらは、周りの地面を吹き飛ばしつつ、急停止する。

 

 上にある頭部のモノアイが光った。

 

「何だあ?」

「陸防も、パフォーマンスをやるのか?」

 

 眉をひそめた俺は、立ち上がった。

 

乃々葉(ののは)楓子(ふうこ)! 自分の身を守れ!」

 

「えっ?」

 

 さっきまで様子をうかがっていた南乃(みなみの)楓子も、俺を見上げた。

 

 緊張した様子の千陣(せんじん)乃々葉が、立ち上がる。

 

「どこの勢力ですか?」

「……異世界の奴らだ! どうやら、後続が来たらしい」

 

 一瞬で和装になりつつ、霊力で身体強化しての踏み込み。

 

 所属不明のMAで、そのうちの1機が両手で持つマシンガンを撃った。

 

 バババと重い音が続き、威嚇射撃として地面が深くえぐれる。

 

『我々は、ダルディアス帝国の――』

 

 正面で空中に現れた俺に、絶句した雰囲気。

 

 両手で抜刀する姿勢の俺は、笑みを浮かべた。

 

「こんにちは! そして、さようなら……」

 

 横への抜きつけで、刃が届いていないはずの先までズルリと滑った。

 

 MAその胴体の半分から、上が地面に落下する。

 

『隊長――』

 

 次の一機は、片腕と片足を縦に斬られた。

 

 さらに、コックピットらしき中央を貫かれた奴が、両膝を落としつつ倒れる。

 

 ここで、巨大すぎる弾による弾幕が張られた。

 

 前で壁を作るように刀を振り抜けば、そこで全てが止まる。

 

『なっ!』

 

 刃を解放したことで、柄だけになった部分を振り、残り数機を色々な方向から切り刻む……。

 

 別れを告げてから、20秒!

 

「少し、時間がかかったな? 相手の出方を見すぎたか……」

 

 片手で元の状態にした刀を下げた俺は、空中に立ったまま。

 

 ウゥ――!

 

 ここで回転する赤ランプを両肩に乗せた、2mのパワードスーツ部隊が乱入した。

 

 両手にライフルを持っており、中のパイロットが見えない完全クローズド。

 

 指揮車両が止まり、中から若い女が現れた。

 

『こちらは警視庁だ! その場にいる方は動かないよう、お願いする! 疑わしい行動をした場合は即座に発砲するから、そのつもりで!』

 

 遅れて、パトカーやバスから警官、機動隊員の群れ。

 

 納刀した俺は、地面に降りて私服へ戻る。

 

 怒りのオーラを隠さないまま、さっきの女へ近づくも、警官や機動隊員が立ち塞がる。

 

 パワードスーツに至っては、大口径の銃口を向けてきた。

 

「そこで止まって!」

「警告に従わない場合は――」

 

「警部の室矢(むろや)だ! 寝言は、寝てから言え!! ここの責任者は?」

 

 ギョッとした周りが、一斉に敬礼する。

 

「し、失礼しました!」

「警視庁の木月(きづき)警視正が、指揮を執っておられます! こちらへ……」

 

 指揮車両の傍に立っている女は、キャリアらしく威厳ある態度だ。

 

 機動隊の隊長などに命令を出した後で、こちらを見た。

 

「警視庁の木月祐美(ゆみ)です! MAの鎮圧、ご苦労さまでした!」

 

 敬礼されたので、会釈する。

 

「室矢です……。今ごろになって、どういうつもりで?」

 

 直立不動の祐美は、キビキビと答える。

 

「ご覧の通り、現場は我々が引き継ぎます! 失礼ながら、室矢さんはY機関の警部待遇であるものの正式な階級ではありません」

 

「MAと戦う場面からやり直しても、いいんですよ?」

 

 俺の嫌みに、祐美は首を振った。

 

「お気持ちは察しますが、今回は退きません! 以前に現れた正体不明のMAは、悠月(ゆづき)さんに持っていかれました。その時には『真牙(しんが)流の上級幹部(プロヴェータ)を出せ』と言われましたので、私が出張った次第です」

 

 なるほど。

 こいつは、融通が利かないな?

 

(前任の上級幹部(プロヴェータ)だった柳井(やない)が言った通りだ……)

 

 苦笑した俺は、背を向けた。

 

「そちらにお任せします! 取り調べや報告書をする必要は?」

「……不要です! ご協力、ありがとうございます!」

 

 律儀に敬礼した祐美に、ハラハラと見守っていた周囲も敬礼。

 

 仕方なく答礼した後で、未来の娘2人と室矢クァトル大学を後にした。

 

 

 ――数日後

 

 レジデンスの通信室で、懐かしい顔と再会。

 

『お久しぶりです、室矢少佐!』

 

 中佐の階級章をつけた五十嵐(いがらし)善仁(よしひと)は、元気そうだ。

 

「どうも、五十嵐中佐……。わざわざ連絡とは、珍しいですね?」

 

 片手で頭を後ろをかいた善仁は、苦笑い。

 

『内密の話でして……。室矢さんは、所属不明のMAと2回交戦したんですよね?』

 

「ええ……。それが何か?」

 

『建設中の大学に出現した奴らは、警視庁が回収したわけですが……。USFA(ユーエスエフエー)に持っていかれたそうです! 条約やらを理由に』

 

 だと思った!

 

「みすみす、USの利益にしたと……。やっぱり、壊しておけば良かったな」

 

『裏で、それなりにバーターがあったとは思いますが……。弱腰にも程がありますね! ともあれ、2回も日本が侵攻されたわけで、室矢少佐のお考えを聞いておきたいと』

 

 自分のドリンクを飲んだ後で、ハッキリと答える。

 

「1回目は、間違えたか、迷い込んだハグレ……。2回目は、威力偵察の部隊でしょう」

 

『3回目は、本隊が来ると!? 帰ってこない時点で、今度は戦争になりますね?』

 

 さすが、上級将校。

 話が早い。

 

「はい……。ただ、別の世界から来ているようで、これ以上のデータはありません」

 

『そうですか……。教えていただき、ありがとうございます!』




過去作は、こちらです!
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