僕は先生にとってママだし逆もまたそうらしい? 作:マザー
画面に表示されていたのは、SNSアカウント。大事なのはそこじゃなく……。
『ふぉ、フォロワー数13万人⁉︎』
その数だった。あまり、大した事がないと思う人もいるかもしれないが。比較として、僕の視聴者の平均が50人だから、この数は凄い。でも、ますます分からない。いくらたまに投げてくれるとは言え何でそんな人が……。
「こんな感じの絵を描いてて、結構バズったおかげでフォロワーも自然と感じで。どうですかね?」
先生は心配そうな顔をして、僕を見つめている。それを見て気づいた。本当に僕、いや。私の事が好きなんだって。少し怖いけれどそんな事言ってられない。このチャンスを逃したらきっと!
『ねむねむ先生!』
「は、はい!?」
あ、興奮して手掴んじゃった。手汗が、ああ。もう良いや。
『これから、よろしくお願いします』
「こ、こちらこそ末長くお願いします!」
「で、ですね、これから連絡する時に必要な連絡先が欲しいのですが良かったら頂けないでしょうか?」
『……え?ごめんなさい。な、何?』
「連絡先です」
『ああ、はいコレですね……にしても可愛いですね』
「え⁉︎」
「あっ、絵が」
あれから改めて先生の投稿を見せて貰っているが、どの子も可愛い。アニメの二次創作?が多いみたいでちょっと悲しかったのは内緒だ。
「あ、もしかしてアニメや漫画の二次創作が多くて気にしてます?」
『え、な。何で』
「顔に書いてありますよ?嫉妬してますって」
そ、そんな……!それはちょっと恥ずかしいな。これからは隠せるようにしないと。
「あぁ、これはですね。こうしないと、皆見ないからです。お陰で休みの日は、流行ってる深夜アニメの消化と推しの配信のせめぎ合いで大変ですよ。ただ、オリジナルの絵を描いたり、自分の好きな物を描いても誰も見向きもしないんです。だってそんなの興味無いんですから。振り向かせる為には、自ら動くしか無くて。需要にあった物を描いたり、需要に合わせたりするしか無いんです」
まぁ、それで感想とか目に見える形で反響があれば嬉しくなって辞められ無くなることもあります。そう先生は困ったような顔をしながら笑った。
『先生はさ、私のせいでそんな思いをしてるって事?』
ネガティブな気持ちが先行し、そんな事を思ってしまった。先ほど話していた先生は少し苦しそうだったから。
「いいえ。確かにねむちゃんのせいで、絵を描き始めましたが、いまはねむちゃんのお陰で絵が描くのが楽しくなって来ました。それに、先程の話の続きですが最近はオリジナルも伸びる様になって来ました。全く見る目が無いですよね。もっと早く気づくべきなのに」
時々、先生は怖くなる。それは忘れないようにしようと僕は思った。