才羽モモイのずぼら飯   作:イッセ

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明けましておめでとうございます!
お久しぶりです。イッセです。
実は最近、新しい連載を執筆していて、ずぼら飯の更新が止まってました。申し訳ねえ
更新頻度は落ちるでしょうが、同時進行でまだまだ執筆していくので、今年もよろしくお願いします!

新連載の「箭吹シュロ怪聞録」も、良ければ見てやって下せえ!https://syosetu.org/novel/362903/


お正月企画!お雑煮  巨大鏡餅を消費せよ!

 

 

「「「「新年明けましておめでとう!今年もよろしくお願いします!」」」」

 

 

いつものミレニアム、いつものゲーム開発部。

 

ただ、いつもと違う点をあげるのなら、今日がお正月ということだろう!

 

昨日は大晦日であり、新年のカウントダウンを部室でしようと集まったいつものメンバーだったのだが・・・・・0時まで待つ間にゲームをしていると、つい熱中してしまって時間が過ぎ、そのままみんな揃って寝落ちしてしまうというやらかしをした。

 

 

「で、今日は正月だけど、エンジニア部のウタハ先輩から、見せたいものがあるって言われてたんだよね。なんで、挨拶がてら向かってる・・・と。」

 

「そうですモモイ!2025年最初のミッションです!」

 

「いや、誰に対する説明!?というかお姉ちゃんが起きるの遅いせいで、約束の時間過ぎてるんだけど!!もっと焦ってよ!!」

 

 

そう、エンジニア部には『午前中に向かう』と話していたのだが、今の時間は丁度昼の12時。

 

午前中に着くのは、最早不可能なのである。

 

 

「・・・・・・参ったね☆こりゃ♪」

 

「ぶっ飛ばすよバカ姉!!」

 

「ううう、お正月早々に走り込みするなんてぇー(´;ω;`)」

 

「後ちょっとです!頑張りましょうユズ!!」

 

 

そうこうしているうちに、見えてくるのはエンジニア部の部室。

 

少しでも早く辿り着こうと、我先に扉を開けると・・・・。

 

 

「あけましておめでとう!遅れてごめ・・・・・・・・・・ファ!?」

 

 

目の前には、ハチマキをしたアバンギャルド君が、巨大な臼と杵で、お餅をついていた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「「「「巨大鏡餅の制作(ですか)!?」」」」

 

 

「そうだとも!せっかくの正月なんだ!どこにも負けない正月飾りを作りたいとおもってね!」

 

 

聞いた話しをまとめると、元々はセミナーからの依頼であり、ミレニアムタワー出てすぐの正面口に設置する正月飾りを作る予定だったらしい。

 

といっても、依頼を受けたのは門松としめ縄のみで、鏡餅は食べ物ということもあり、飾る予定はなかったそうだ。

 

 

「けど、ウタハ部長達がやる気を出しちゃってね?料金はそのままでいいからってことだったから、ついでに頼んでみたの。」

 

「あ、ユウカも来てたんだ?」

 

「気づかなかったの?」

 

「いや、あの衝撃的なアバンギャルド君見たら、人の1人や2人見落とすって(汗)」

 

 

正月早々お仕事とは、相変わらず忙しいことである。

 

しかし・・・・。

 

 

「にしてもユウカなら、『余計なことはしなくていいから!』くらいは言いそうなのに、そのまま鏡餅も作ってもらうんだ?」

 

「・・・・いや、本音を言えば設置場所の関係もあるし、余計なことではあるんだけどね?」

 

 

??歯にモノが詰まったような物言いをする。

 

何かあるのだろうか?

 

 

「変に納品まで余裕を持たせて、門松に変形機能やしめ縄に自爆機能つけられるより、別のもの作ってもらってた方がまだ安全かなって(-_-;)」

 

「・・・リスクマネージメントだった!!」

 

 

でも納得!!

 

ウタハ先輩たちなら、絶対になにか余計な機能をつけたしそうである!

 

 

「全く、心外だね。我々エンジニア部は常に完璧で先進的でロマンにあふれたものを作り出そうとしているだけなのに!」

 

「最後のがめちゃくちゃ不安なのよ!!」

 

「門松としめ縄にロマンを求めるのはどうかと!!」

 

 

やっぱりほっといたら、変形や合体機能でもつけそうだ。

 

・・・先生は喜びそうだけど(汗)

 

 

「何よりせっかくのお正月、後輩たちとワイワイしたいじゃないか。クリスマスの一件には、関われなかったしね?」

 

「クリスマス?」

 

 

クリスマスに何かあったのだろうか?

 

一応、ゲーム開発部では、アリスが初めての行事ということで、皆でケーキを食べたのだが・・・・

 

 

「えっ、ちょっとそれ誰に「コユキが楽しそうに話しまわっていたよ?」・・・全くあの子は。」

 

「???」

 

 

コユキが関わっているということは、セミナーの皆で何かやっていたのだろうか?

 

クリスマス前後と言えば、コユキはいつものように反省室へと閉じ込められてはずだが・・・?

 

 

「セミナーやヴェリタスの皆が反省室に集まって、パジャマパーティーを楽しんだんだろう?」

 

「へー!コユキの所にいってたんだ!ユウカも優しいねー!」

 

「それに、先生もいたそうだよ?」

 

「ふーん先生が・・・・・先生が!?パジャマパーティーに!?」

 

「/////////////」

 

 

ユウカの顔が真っ赤になっている。

 

いや、そりゃそうだろう。

 

確かに先生は気安く付き合いやすい大人だけど、一応男性だ。

 

深夜に、それもパジャマ姿を見せてというのは、私でも少し恥ずかし「・・・・・詳しく・・・話してください・・・・・今私は冷静さを欠こうとしています。」ヒエ!ミ、ミドリ!

 

 

「いや!そういうのじゃないのよ!!ほらっ!コユキがクリスマスに1人じゃ寂しいっていうから!先生はたまたまで・・・「たまたま、深夜に、皆とパジャマでパーティーしたと?男の先生が?」・・・いや、本当にそうとしか言えないんだけど・・・」

 

 

・・・ユウカの反応からして、ノリの良い先生と問題児のコユキが何かしたのだろうが・・・・そんなこと言い出せないくらいに、ミドリが怖い!!

 

 

「いずれにしても・・・先生とみんなで『深夜のパジャマパーティー♡(意味深)』をしてたことには変わらないよね?」

 

「いや、言い方!!」

 

 

あのユウカがたじたじである。

 

珍しい光景だけど・・・私もこわい。

 

 

「どーせ本当は!先生の“カンペキー”を皆で“ハッチャ”して!“性欲も理性も全て因数分解してやるわ!”したんでしょ!!」

 

「!?!してないわよ!?!?!?!」

 

 

なに口走ってんのミドリィィィ!!

 

 

だめだ!もうどうしようもない。

 

ここはユウカに任せて、私はフェードアウトを・・・。

 

 

「モモイモモイ。」

 

「ん?どうしたのアリス??」

 

 

ナイス!アリス!

 

このままそっちの方に少しずつ離れていって。

 

 

「ミドリの言ってる“ハッチャ”って何ですか?」

 

「・・・・・みんな疑問だったけど、“才羽モモイのずぼら飯10話の感想”で韓国語のセリフそのまま使っててエイエイオーって意味だって親切な人が教えてくれたよ?」

 

「?ああ、いえ。地の文じゃなくて。ミドリが実際に言ってる“ヒカリヨ!”の方です。」

 

「・・・・・・・それを説明すると、正月早々(R18版に)引っ越さないといけなくなるから、早急に忘れよっか(゚Д゚;)」

 

「??わかりませんがわかりました!」

 

 

おわり!このやり取りおわり!!

 

 

 

 

 

なんとかミドリを落ち着かせて、アバンギャルド君の作業工程を見守っていく。

 

今はお餅を突き終わり、大小の器に片栗粉を広げそれぞれもちを入れて冷ます工程だ。

 

後は餅が固まり次第、重ねて、ミカンなどを飾り付けたら完成だ。

 

 

「・・・・・にしても、とんでもない大きさだよねえ。」

 

 

自分の身長より高い器を見ながら、しみじみとつぶやく。

 

 

大小の器の両方とも、私の身長より高い。

 

これを重ねれば、4m近くの高さになりそうだ。

 

 

「一応計算では、高さが4.12mの下の餅が直径7.21m、上が直径5.35mになる。完成したら、専用のクレーンで運ばないといけないな!」

 

 

・・・とんでもない大きさだ。

 

 

正面口に設置されるのが楽しみだが、ここではバラバラ状態で持って行って現地で組み上げる形になるだろう。

 

 

 

「設置スペース、足りるかしら?」

 

「巨大に作り過ぎましたかね?強度が足りるでしょうか?」

 

「型に入れたまま持っていけばいい、組み上げるのは現地でとなるだろう。」

 

「上に飾るミカンも大きいの?」

 

「流石にプラスチックの奴を別途作ったよ。あのサイズじゃスイカやメロンでも合わないだろうしね。」

 

 

完成を楽しみにしつつ、目の前の巨大鏡餅に対して感想を述べていく。

 

さしたる問題もなく、後は運び出して設置場所へと持っていくだけ・・・・

 

 

「これだけ大きいお餅なら、皆でいっぱいたべられそうですね♪」

 

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

 

アリスが言った何気ないセリフに、空気が凍り付く。

 

ギギギギと音が出るかのように首を動かして、ユウカはエンジニア部の面々に質問した。

 

 

「お、お餅って・・・冷凍したら結構長持ちしたわよね?・・・たしか。」

 

「・・・・・残念なお知らせがある。それはあくまで市販品のお餅の場合だ。手作りのお餅は足が早い。・・・そしてこれは、見ていた通り手作りだ。」

 

「市販品のお餅の賞味期限は結構長くて、2年ほどもちます!・・・・・ですが、手作りの場合は2日です(汗)」

 

「・・・・2日で喰えと?・・・これを?・・・ミレニアムの全生徒集めてもいけるかどうか・・・。」

 

「えっと、私たちは残ってるけど。大半の生徒は実家に帰ってるんじゃ。」

 

 

最後のユズの言葉がトドメとなって、ユウカが崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

「助けてモモイ!ゲーム開発部の予算アップしてあげるから!!」

 

「幾ら何でも無茶ぶりが過ぎる!!Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン」

 

 

この、この巨大な鏡餅を、たったの2日で消費しろと?!

 

流石に無理だ!不可能だ!!

 

お餅料理はいくつか作れるが、いくらなんでも食べ飽きる!

 

 

(・・・でも、これだけの食材が無駄になるのは、確かに見過ごせない!)

 

「あああああああ!もう!乗りかかった船だ!!ユウカ!急いで自治区全域に告知して!!ミレニアムタワー正面玄関で!巨大正月飾りとお餅の配布!!」

 

とにかく人をたくさん集める!

その為に私ができるのは!!

 

「それと!お餅料理の炊き出しをするって!!」

 

 

料理しかないんだよバカヤロー!!

 

 

 

 

 

「それで?どんな炊き出しをするの、お姉ちゃん?」

 

「緊急ミッションです!もちろんアリスも手伝います!!」

 

「わ、私もできることがあれば・・・。」

 

 

宣伝はユウカ達セミナーに、飾り付けはウタハ達エンジニア部に任せて、私たちは炊き出しに集中することとなった。

 

 

「ありがと皆!基本的には正月であることと、ここが外であることを利用して、暖かいお雑煮を作るよ!それとは別に、お餅単体の提供もしていく!飽きちゃうからね!」

 

 

何せ量が量だ。

 

来てくれた人も同じ種類ばかりでは、すぐに食べ飽きてしまうだろう。

 

 

「まずは、お雑煮!大きな寸胴をいくつか借りれたから、2種類作るよ!!」

 

 

早速、料理開始だ!!

 

 

 

 

 

「まずは、寸胴いっぱいにお湯を沸かせる。これは両方ともだね!そして大量のかつお節を用意する!」

 

 

私が作れるお雑煮は、2種類ある。

 

私とミドリの実家である才羽家は、両親の出身地が異なっているのだ。

 

なので、元旦は母親の、2日は父親の出身地で作られるお雑煮を食べていた。

 

 

「最初に作るのはお母さんのお雑煮(大阪)!用意するのは白みそとかつお節!それと私のオリジナル!まずはカツオと昆布の合わせ出汁を沸かしていくよ!」

 

 

一般に白みそ雑煮と呼ばれている料理だ。

 

基本的には丸餅を使うが、今回はそんなこと言ってられ「丸くするの?何とでもできるよ!」!?!?!

 

 

ヒビキに声をかけられてそちらを向けば、何やら怪しげな機械に、お餅を放り込んでいた。

 

「“モチモチ成形君!”お餅を好きな分量と形に自動で分けてくれる!「おお!便利!」Wi-Fi機能も搭載!「それはいらん!」?!」

 

 

無駄な機能はともかく、今回に関しては最適な機械だ!

 

ヒビキには丸餅と四角餅を量産してもらう。

 

 

「出汁が沸いたら、沸騰する前に白みそを溶かす!お餅をいれてかつお節をたくさん入れたら完成!お店で出されるのは里芋とかニンジンとかで飾りつけられてるけど、家ではかつお節オンリーだった!けど十分美味い!」

 

 

とはいえ、私自身ちょっと物足りなかったりもするので、実はちょっと工夫したやつも、混ぜてたりする。

 

 

まあ、それは後でとして、もう一方!

 

 

「次はお父さんのお雑煮(愛媛)!こっちも出汁を作るんだけど、今回はいりこを使うよ!具はじゃこ天が欲しい所だけど、いきなり用意できるか!今日は白菜オンリー!!」

 

 

いりこ出汁を沸かして白菜を投入、醤油とみりん、それと少量の塩を加えて、全体的にしょっぱめの味付けをする。

 

 

「本場では、じゃこ天やシイタケを入れるけど、家ではお節用のかまぼこで代用したな~。今回は無いから、白菜を大量に入れる!」

 

 

その分、醤油の量を調整する。

 

どっちのお雑煮も、必ず味見を行い、濃さを調整する!

 

 

「お餅単体でも食べれるように用意していくよ!まずは簡単なやつから!」

 

 

我が家のド定番、砂糖醤油!

パリッと焼いた四角いお餅を、砂糖と醤油でいただく。

その割合は人それぞれだが、うちでは砂糖が多め。

 

「次!」

 

こちらもド定番!きなこをまぶして食べる。

焼いてもいいが、こちらはつきたてのままいただきたい。

 

「次ぃ!」

 

次からはしょっぱい系だ!

磯部焼き!焼いたお餅に醤油をつけて、パリッパリののりを巻く!

醤油をつけてから焼いてもよし!のりを炙るとなおよし!!

 

「つぅぎぃいい!」

 

大根おろしにポン酢で食べる!

つい最近知った食べ方だけど、つきたてのお餅と大根おろしの相性は神!

 

「うみゃああああああ!!」

 

みたらし団子のアンを用意!

醤油に砂糖、片栗粉に水!

全部まとめて鍋で煮る!

沸騰したら弱火にするのと、焦げないようにかき混ぜ続けるのだけ注意が必要!

炙ったお餅にタレをくぐらせると、ちょっと香ばし目でよき!

 

「あばばばばばばばばばば!!!」

 

持ち帰りの人様に、オススメ料理も教える!

有名どころとしては、巾着餅にお汁粉、力うどんとかかな?

うどんは揚げ餅にして入れても良き!

あと、お鍋に合う!なんでも合う!!

この間すき焼きに添えたら、メッチャうまかった!!

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

洋風を試したいのなら、グラタンやピザ、これは以外かもだが、ウインナーと一緒にアヒージョにしても美味しい。

オリーブオイルでカリカリになるまで熱して、ウインナーと食べたら、ニンニクの香りと相まって本当に最高なのだ!!

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

“ぷしゅーーーー!”

 

 

2日の正午。

 

ミレニアムタワーの前には、頭から煙を吹くモモイの姿があった。

 

 

「い、生きてる?みんな?」

 

「うええええええええええええええええええ」

 

「アリスは元気です!ユズ?ユズ!大丈夫ですか!」

 

 

他のゲーム開発部も、アリスを除いて死屍累々のようだ。

 

ミドリも皆を気遣っているが、先ほどからピクリとも動けていない。

 

 

「・・・・ああ、えっと。本当にお疲れ様。みんなのおかげで、何とかお餅を無駄にすることなく、終われたわ。・・・うん、・・・まあ、ゆっくりして?」

 

 

「だ、大丈夫かい?撤去作業も終わったし、後はのんびりできるからね?とりあえずご飯でも食べて・・・。」

 

 

ユウカとウタハ先輩がこちらに来て労ってくれるが、今から何かする気力はない。

 

 

「「「「ググゥゥゥーーーーーウ・・・・。」」」」

 

 

とはいえ、お腹は減るもので、何かしらお腹に入れたい。

 

でも動きたくない・・・となれば。

 

 

「・・・もう、作ったお雑煮でいいや。ちょっと残ってたよね?ごめんだけどユウカ、温めなおしてくれない?マジで動けない。」

 

 

「わ、分かったわ、まってて。」

 

 

ユウカが人数分のお雑煮を、それぞれに持ってきてくれる。

 

今の体力じゃ、のどに詰まるのを本気で気をつける必要があるだろう。

 

 

「「「「いただきます。」」」」

 

 

“ズズズッ”

 

 

冷えた体に、暖かいお雑煮が染みわたる。

 

私が手をつけたのは、母親のお雑煮(大阪)だ。

 

普段作っている味噌汁は、合わせみそか赤みそなので、白みそというのはお雑煮でしかほぼ食べない。

 

 

(それでも、この濃厚なのにホッコリとした味は、何処か安心するんだよな~。)

 

決して薄いわけではないが、赤みそや合わせみそほど角がなく、何処かどろっとしたのど越しがある。

 

(いや、これは溶けたお餅のせいか?まあ、美味しいしいいか。今はあんまり考え事ができない。)

 

 

とにかく、この白みその味は、疲れた体に染み渡るのだ。

 

 

“スッ”  “うにょ~~~~ん”

 

丸餅の端を持ち上げると、重力に引かれるように、餅が下へ落ちていく。

 

タップリ入れたかつお節が、お餅にまとわりついて、それがまた良い香りをしているのだ。

 

“ハグッ”

 

 

口の中にお餅のぺたぺたがまとわりつくが、白みそを良く吸ったお餅はとても美味しい。

 

鼻から抜けるかつお節の香りも最高だ。

 

 

「あぐあぐ、おいしい。」

 

上あごにくっつくのはうっとうしいが、これぞお雑煮っという感じがする。

 

・・・・とはいえ。

 

 

(野菜がないのは物悲しいよね?そこで登場、もう一つ!)

 

 

お椀の中に入っているもう一つを掴む。

 

それは・・・おでんのような大根?・・・イヤイヤ、大きく見えるが、これはお餅を1㎝未満の大根で挟み込んでいるのだ。

 

これが私のオリジナル。

 

 

(もともとは、溶けてお椀にくっつくのを嫌っての工夫だけど、白みそと大根の相性はすごくいい!隠し包丁もしてるから、出汁も染みてるし・・・)

 

 

“ハグッ”  “グニュ~”  “ツムン!”

 

 

(歯ざわりが独特なんだよねえ♪口の中に染み出す、大根の旨みも最高だし!)

 

 

白みそと大根の組み合わせは、本当に合ってると思う。

 

そして、大根とお餅、かつお節とお餅、それぞれの相性が絶妙にマッチして、たいへんに美味だ!

 

 

「ほおっ。」

 

(寒い中で食べてるっていうのも、あるんだろうけどね。)

 

 

寒空の下でいただくみそ味のお雑煮、本当におすすめだ。

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんのお雑煮、1年ぶり。」

 

私、才羽ミドリにとって、姉の作るお雑煮は年始めに必ず食べている料理だ。

 

しかし、年に一度という頻度から、決して飽きない味でもある。

 

 

(その中でも私は、お父さんのお雑煮(愛媛)の方が好き。)

 

 

姉が今食べている、白みそ雑煮も美味しいとは思うのだが・・・・。

 

 

「この白菜とお餅の組み合わせが最高なんだよね♪」

 

 

本場ではじゃこ天、父はかまぼこなどを入れていたが、ミドリとしては白菜が入っていれば十分である。

 

 

“うにょ~~~~ん”

 

(伸びてるお餅に白菜をまいて)

 

 

“ハムッ!”

 

(一緒に食べる!)

 

 

醤油ベースのスープを吸った白菜が、お餅をコーティングして、とっても美味しい!

 

白菜と同時に食べることで、口の中でお餅がくっつきにくく、スッキリとした味といりこ出汁の旨みが、舌を喜ばせる。

 

 

「ズズズ、はあっ!おいし!」

 

 

汁を啜ると、うどんのそれよりも甘さが控えめながら、しっかりとした旨みが口内をかけ巡る。

 

(甘さ控えめなのが、特にいいよね。)

 

 

昔、父が作った時は、みりんの分量を間違えて甘めのお雑煮になったことがあった。

 

あれはあれで食べれたが、味の好みとしては甘さ控えめの方が好きなのである。

 

 

 

 

「「「「御馳走様でした。」」」」

 

 

ほぼ同時に食べ終わった面々、腹を満たした満足気な表情だが、やはりアリス以外の皆は、身動きが取れない様だった。

 

 

結局、後の片づけはセミナーとエンジニア部に任せて、ゲーム開発部の皆はそのまま部屋に戻っていった。

 

 

その後は、まだ昼にも関わらずに、全員がベットへとダイブして、翌日の朝まで眠りこけることとなる。

 

 

 

 

「予算がおりたぞーーー!!」

 

「「「ワーーーーー!!」」」

 

 

1月4日のお昼。

 

 

先日のお礼としてゲーム開発部に訪れたユウカから、ゲーム開発部の面々は、少なくない予算を貰うことができた。

 

これならゲーム開発は無論のこと、いくつかの新作ゲームを買うことができると、喜びをあらわにする。

 

 

「・・・まあ、ポチ袋に入れられてたのは、ちょっとモヤッたけどね#」

 

「アリスは嬉しいですよ!」

 

 

まあ、どんな渡され方をしようとお金はお金!

 

嬉しいことには違いない!

 

「よし!ゲーム屋も初売りを始めてるだろうし、今年の運試しがてら福袋でも買いにいこう!」

 

「「「おーー!!」」」

 

 

 

その後冬休み中、購入したゲームを大いに楽しみ・・・・・・・・・。

 

 

宿題とテストでやらかして、ユウカにこっぴどく叱られるのは、また後のお話。

 

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