ギターと、恋と、百合の花。   作:ローマン

3 / 16
水口亜季&未希

 

 

 

 

 屋上での一件から一夜

 

 私は、今だにあの時の光景を思い出すと顔が赤くなってしまう

 

 ちなみに、今日は放課後の予定は何もない

 

 何もないからこそ、家に帰って今月発売の百合漫画でも読もうかと考えていた矢先、事件は起きた

 

 

 

「百合花、今ちょっといいか?」

 

「う、うん、いいけど……」

 

 

 

 この子が最後の幼馴染である峯田亮(みねた りょう)

 

 吹奏楽部の次期エース候補で、トランペットを担当している

 

 

 

「今度の演奏動画の件だが、少し見送らせてほしいんだ。」

 

「う、うん、いいけど、何かあるの?」

 

「部活の大会が近くてな、しばらく参加できそうにないんだ。」

 

「そ、それなら仕方ないよ、私も忙しくなってきそうだから。」

 

「そうか、ありがとな百合花。」

 

 

 

 亮は頼りになる性格と、上位に食い込むであろうルックスで男女共に人気が高い

 

 私はずっと幼馴染として接してきたから、浩介と同じく会話のできる貴重な男の子だ

 

 演奏動画にもトランペットでたまに出てくれるし、アドバイスもくれるし、非常に頼りになる

 

 

 

「あ、峯田せんぱ〜い。」

 

「ん? あぁ水口か、どうした?」

 

 

 

 亮の後輩かな?

 

 髪をふたつ結びにしてて、気さくな感じ

 

 それと、誰かに似てるような気がする……

 

 

 

「あ〜! やっぱり百合花だ!」

 

「ゲッ!?」

 

 

 

 そのふたつ結びの子の後ろにいた金髪の先輩

 

 まさか、私が会いたくない人に出くわしてしまうとは……!

 

 

 

「久しぶりじゃん! アキだよアキ!」

 

「あ、亜季先輩……」

 

「どうしたの? もしかして人違いだった!?」

 

「い、いや、百合花ですけど……何というか……」

 

 

 

 正直言って、私は亜季先輩と顔を合わせるのが気まずかった

 

 新歓ライブの時に声が掛かったことがあったのだが、私はあくまでのスタジオミュージシャン

 

 人前で演奏するのは苦手なのだ

 

 けれど亜季先輩にバンドやろうと誘われてしまい、最終的にはどうしても出れないことだけを伝え、参加を辞退していた

 

 だから、私が悪いという罪悪感があって顔を合わせづらかったんだけど、まさかこんな形で再会してしまうとは……

 

 

 

「ねーちゃん、この人知り合い?」

 

「うん、新歓ライブの時に出る予定だった子……まぁ、最終的には依が出てくれたから助かったんだけどね。」

 

「あ、あの時はすみませんでした……」

 

「百合花はギター頑張ってるもんね、見直しちゃった。」

 

 

 

 ん? 亜季先輩にギターの演奏聴かせたことあったっけ?

 

 プロのギタリストなんでしょ!?と声を掛けられたのは事実だけど……

 

 

 

「こんなカッコいい演奏も観てみたかったな〜。」

 

「!?」

 

「これ、百合花のチャンネルですね。」

 

「へ〜、めっちゃうま〜。」

 

 

 

 亜季先輩のスマホには私の演奏動画が流れていた

 

 メンバーは全員顔出ししないよう黒子の格好をして、カメラアングルも調整してるのに、どうして分かったの!?

 

 

 

「で、でも、それが私とは限ら……」

 

「だって、この服と弾き方、完全に百合花じゃん。」

 

「あぁ、結構特徴ありますからね、百合花って。」

 

 

 

 そ、そんな所から私だと分かったの!?

 

 うぅ、今後は音源だけに……

 

 いや、それじゃ弾いてみた動画の意味ないか

 

 

 

「今度さ〜、あたしたちにギターの演奏見せてよ!」

 

「や、そ、それは……」

 

「俺はいいと思うぞ、百合花の演奏は本物だからな。」

 

「うぅ……」

 

「で、どうなの〜?」

 

 

 

 ぐっ……亜季先輩の熱い視線が痛い

 

 誰かと演奏しながらならまだしも、誰かに見られている状態でやるのはハードル高いよ〜!

 

 けど、亮だってこんなに期待してくれてるんだ

 

 ここで一歩を踏み出さないでどうする!?

 

 

 

「じゃ、じゃあ、明日の放課後でいいですか……?」

 

「オッケー! 真理と香織にも伝えてくるね!」

 

 

 

 あぁ〜、やってしまった〜!!

 

 絶対出来ないよ〜……!

 

 止めようにも、もう亜季先輩行っちゃったし、万事休すだ〜……!!

 

 

 

「お、おい、大丈夫か?」

 

「ま、まぁ、何とか。」

 

「あはは……今からねーちゃんに伝えてきますか?」

 

「……いや、大丈夫。」

 

 

 

 もう、どうにでもなれ……

 

 

 

 

__________________________________________

 

 

 

 

 〜百合花の自宅〜

 

 

 

 

「多分、こんな感じだよね。」

 

 

 

 私は自宅の鏡の前で、ギターの構え方を確認中だ

 

 今まで演奏特化でやってきたから、あまりステージでの魅せ方は気にしたことがなかった

 

 

 

「よし、これならいける……!」

 

 

 

 その時、私は動画投稿サイトに先日の演奏動画を上げていないことを思い出した

 

 今回の動画は、浩介と亮を加えた3人で演奏してみたやつで、撮ったのは2週間くらい前だ

 

 早く投稿しよっと

 

 

 

「結構再生数も伸びてきたなぁ、これも努力の賜物ってね。」

 

 

 

 チャンネルを始めた当初は全く再生されなかったけど、今では流行りの曲とかをやると、再生数数万回を叩き出すようになった

 

 まぁ、某ギターヒー◯ーさんには敵わないけどね

 

 

 

「亜季先輩……というかSSGIRLSってどんな曲好きなんだろう?」

 

 

 

 私がライブで聴いた時のSSは、流行りのポップスって感じだった

 

 じゃあ、メジャーな曲の方がいいか

 

 よし、とりあえず練習しとこ……

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

※亜季視点

 

 

 

 

 〜水口家〜

 

 

 

 

「お、百合花のチャンネル、新しいやつ出てるな〜。」

 

「ねーちゃん、何見てるの?」

 

「百合花のギター動画がさっきアップされてたんだよ、やっぱり上手いなぁ。」

 

「この立花先輩って、どんな人なの?」

 

「あぁ、前にSSがスタジオ借りて練習してた時に隣のスタジオで練習してた子なんだ。」

 

 

 

 百合花との出会いは、依を誘う少し前のこと

 

 志帆が脱退して、後任のギターボーカルを探していた時だった

 

 あたしと真理と香織の3人で練習していた時、隣のスタジオからそのギターは聴こえてきた

 

 そして、その場のノリで誘っちゃったわけなんだけど……ちょっと強引だったかなと今は振り返っている

 

 

 

「でも良かったよね〜、朝凪先輩が出てくれて。」

 

「依はあたしらのこと大好きだからね。」

 

「立花先輩って、動画ごとにギター違うんだね。」

 

「うん、そりゃプロだしね。」

 

「プロなの!?」

 

 

 

 あたしは、実力を秘めたプロギタリストである百合花の話を未希と語り合うのだった

 

 あれ? そういえば明日補習があったような……まぁ、何とかなるでしょ!!

 

 

 

 

 







 果たして、亜季はオリ主の生演奏を見届けることができるのでしょうか!?

 次回はあの2人が登場します!

 お楽しみに!!





今後、どんなお話が読んでみたい?

  • オリキャラ視点のお話(今まで通り)
  • オリキャラたちの掘り下げエピソード
  • クロスオーバー(主に百合作品を予定)
  • アニメ未登場のキャラ登場回
  • 全部読みたい!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。