時代を超えた英雄譚   作:Ryu-pon

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リューさんの出番がなさすぎだ。


未来の英雄は過去にタイムスリップする。その11 家族再結

とある町外れのホームにて

 

 

「福音(ゴスペル)」

 

 

「ひぇっ、危ないですよ!アルフィアお母さん」

 

「あ、いや…すまん」

 

ベルに向け放たれた音塊は喰らえばひとたまりもない、てか下手したら死ぬレベルのやつである

 

「いつもの癖でな」

 

「ほんとに、気をつけてくださいよ」

 

癖で、こんな威力の音塊を放つなんて末恐ろしいと骨身に感じたベルであった

 

「まぁいいじゃないか、ベル」

 

「もう、ザルドおじさんがそうやって甘いのが原因ですからね!」

 

アルフィアの身の回りの世話は今までザルドおじさんがやっていたとか、本人曰くグータラな姪の面倒を見る叔父の気分らしい

 

「それを言われちゃな」

 

「福音(ゴスペル)」

 

べフゥゥゥ!

 

再び放たれた音塊は見事ベルに的中した

 

「ッゴホ…い、今のは絶対わざとだよね?」

 

「体がかってに、」

 

毎回自分の都合が悪いと武力行使で解決してくるこの人怖い

 

 

 

でも皆が笑みに満ちている、

嘗て見ていた光景と照らし合わせても全く同じ、

 今まで離れ離れだったみんなが

   「家族が再訪」した

 

けれど一つだけ語弊が生じる。

 

…この世界のベル・クラネルについてだ、本来なら僕は異端な存在で跳ね除けられるべき存在となっている。

けれどこの世界のベル・クラネルは現在おじいちゃん(ゼウス)が引き取っていて遠くの離れた村にいるのだとか、

なので2人がバッタリ会うのとかはないのだとか  

 

「そろそろ、時間だぞ」

 

「そんな時間」

 

三人が装備を整えとある場所へ向かう

 

「闇派閥はどんだけいるんだ?」

 

「底がしれない程の数ですね」

 

「ああ、こんな雑音はいらん」

 

三人が向かったのは闇派閥の拠点である

 

そして

「ざ、ザルドさん?!」

 

「それにアルフィアさんまで!」

 

拠点に入り込んだ2人を見るや否や闇派閥の連中は歓喜をあげた。

 

「よかった!これでやっといけます!」

 

「福音(ゴスペル)」

 

2人に近づいた闇派閥の1人が吹き飛んだ

 

「おい、いま、なにが?」

 

「いや?さっぱりわからん」 

 

周りの人も何が起こったのか理解できなかった

仲間が突然いなくなったぐらい……

 

ベチャ

 

「なんだ、この液体……って、」

 

上から不意に落ちてきた液体に触れる

 

「これ、血じゃないか?」

 

「えっ、んなわけ」

 

血じゃないか?と言われても疑いながら上を見上げる連中たち

 

「おい、お前ら!」

 

見上げるとそこには仲間の姿があった

強く打ち付けられたのか、ありえない方向に折れ曲がっている関節

 

「ん?なんだ、雑音」

 

「なめんじゃねぇ!みんなで取り囲め!」

 

アルフィアとザルドの周りを囲み始める闇派閥達

 

「なめてるのはどっちだ?」

 

「何が言いたい!」

 

「その数で俺たちをどうにかできると思ってるのかってことだよ」

 

そういいザルドは大剣を振るう

 

「フンっ!」

 

一振りで周りの闇派閥を一蹴した

 

「っクソ、ヴァレッタ様だ!彼の方を呼んでこない!」

 

仲間がやられたことによりその残党達が幹部クラスの人を呼びに行った

 

「ったくよー、なんだよ…そこらへんの雑魚はお前らの仕事だろ?」

 

呼んできたという幹部というのはヴァレッタだった。

 

「そういうレベルじゃないです!」

 

そしてヴァレッタがこちらを向く

 

「本当に、そういうレベルじゃねぇなぁ」

 

そういい、一目でヴァレッタは額に汗を流した。

 

「少しはマシな奴が出てきたか」

 

「ザルドおじさん、こいつの相手は僕が」

 

ザルドはベルの目を瞳を見つめた

 

「ベル………よし、任せよう」

 

「おいおい、どうなってんだよ!」

 

ザルドの横にいるアルを見てヴァレッタが顔を顰めた

 

「ザルドてめー完全に裏切ったな!」

 

「違うな、お前らの計画は魅力的だった。でもな、ここに俺たちが踏み台ならなくとも英雄に値する器はすでに出来上がっていたっていうだけだ」

 

そうしてヴァレッタは苦渋を噛んだような顔をした

 

「もういい!てめーら全員ぶっころしてやる!」

 

そういいヴァレッタは目の前のベルに目掛けて刃を向ける

 

「……遅い」

 

「てめーなめてんじゃねぇぞ!」

 

ベルとヴァレッタのレベルの差は1、この一という数字の重みはヴァレッタが1番知っているはずだ

 

「ザルド、私たちの方が早く終わるぞ?」

 

「いや、いいアルフィア……ベルを試している」

 

「そういうことか、ならいい」

 

静穏を好むアルフィアはこのヴァレッタの雑音以下の音色を消し飛ばしたいと思っている

 

「逃げ回ってんじゃねぇぞ!」

 

「……………」

 

逃げ回っているというよりかはただかわしているだけ、今まで格下の冒険者を殺っていたヴァレッタからすると苦戦する戦いは好みではない

 

「やっと獲物を持ったか」

 

ベルは懐にしまっていたナイフをだす

 

「さぁこいよ!」

 

意気揚々とヴァレッタはこちらを挑発してくる

 

そして僕はヴァレッタに攻撃を振るう

 

「しゃぁ!きた」

 

僕が振るうと同時に横たわっている仲間を盾にして僕の攻撃を防いだ

 

「グハァァ」

 

口から血を吐きその男は崩れ落ちた、見るからに即死だ。

 

「あなたは、どんだけ酷いんだ」

 

「ヒャハ!そんなの知った上でだろ?」

 

質問しても穢らわしい回答しか返ってこない、

 

「もういい、」

 

「っなんだよ、」

 

僕は武器を捨てた

鈍い金属音が部屋に響く

 

「なんだ?とうとう頭でもおかしくなったのか?」

 

ヴァレッタは気色の悪い笑みを浮かべながら僕に言った

 

「五月蝿い」

 

次の瞬間僕はヴァレッタを地面に叩きつけていた

 

「ヴァレッタ様!」

 

唯一の望みが消えた闇派閥の末端共は恐怖に打ちひしがれる

 

「…………………」

 

「意識はある、でも喋れないように喉は潰した」

 

「二回目、か」

 

これで二回目、以前も会った時は興奮と怒りに任せて振るってしまった拳だった。

 

「っくそ、てめーら裏切りやがって!」

 

吹っ切れたのかこちらに刃を突き立て突進してきた

 

「オラァァぁぁ」

 

こんなにも隙だらけの攻撃……僕は首の後ろ側に回り手刀で気絶させた

 

「ご苦労だった、ベル」

 

「ああ、家で休もう」

 

そうして三人の手により闇派閥の一部が殲滅された

 

…………………………

 

「最近、闇派閥の襲撃がなくなった」

 

とある会合室にて

 

「なぜだと思う?」

 

それは各ファミリアの団長や副団長が集まる会議

オッタルやアリーゼなどと見知った顔が多い

 

「アルがいなくなった時以降からパタっと来なくなったわ、だから」

 

「俺は、ザルドと再戦できればそれでいい」

 

ベルとアルフィアでフィン達を相手にしていた時オッタルも丁度ザルドと戦っていた。

結果は……敗北

 

「それに、轟音が鳴り闇派閥かと思い向かうと闇派閥が皆死んでいるということが頻発している」

 

そう、アルフィア、ザルドそれにベルの三人で残っている闇派閥の残党を片っ端から狩っていたため闇派閥の勢力が著しく低下している。

 

「とりあえず、アルフィア、ザルドそしてアル・クラネルに遭遇しても敵ではないそこは大丈夫だ、」

 

フィンには確信があった、あの三人は今、敵でもなく仲間でもない中立している状態

 

「下手に手を出せば、戦争だってあり得る、とりあえず遭遇しても極力の接触は避けて欲しい……特にオッタル君だ」

 

「フンっ、俺はザルドと再戦できればそれでいい」

 

この人はそれしか言わない、オラリオ最強だと謳われていたオッタルは最恐にて打ち砕かれた

 

「よし!これにて会合は終わりにしよう」

 

話もまとまったので会合が終わる。

 

「じゃあ輝夜帰りましょっか」

 

「ああ」

 

アリーゼと輝夜は帰宅する準備を整えホームへ向かう

 

「ねぇ、輝夜」

 

「なんだ、団長」

 

「アルのことなんだけど…」

 

「前も言ったろう?もう二度と私の前でそいつの名前を出すな」

 

輝夜は以前のアルの行動に酷く嫌悪感がありアルのことを嫌っている

 

「ああ、ごめん」

 

「ん」

 

気まずい空気が流れる。

 

「でもさ、か、輝夜…あれってもしかしてさ」

 

「なんだ、あれって」

 

黒いローブを深く被り込んでいる男性、そして周りから溢れ出す負のオーラの中には隠しても隠しきれないアルのオーラが感じ取れた。

 

「アルじゃない?」

 

「そんなわけがない!今あいつがきたらいい恥晒しだ!」

 

アルは今街の中では英雄ではなく偽善者と言われている、

 

「そ、そうよね」

 

輝夜の言う通り今のタイミングで戻るわけがないのでそのままアルと思われたら人の前を通り過ぎる

 

(あ、アリーゼさん…それに輝夜さんも、2人とも元気そうでよかったぁ)

 

ベルは自分のせいでアリーゼさん達に誹謗などされていないかと心配していたけど大丈夫そうだったので心の中で安堵する

 

「それに、英雄に誰よりも憧れていたんだ…あんな残酷な選択をして今までの地位や名誉を一瞬で失ったんだ」

 

「ええ、そうね」

 

「あんな幼い少年に私たちは、全てを任せてしまっていた……よっぽど、私たちの方が残酷で最低だ」

 

「………………」

 

暗い顔をして言う輝夜にかける言葉も見つからないアリーゼ

 

「そ、そんなことない!」

 

2人の話を聞いていた僕は無意識に声を張り上げていた

 

「その声って、もしかして」

 

「アルか?!」

 

僕の声を聞くや否や慌て始めた

 

「あなた達は、最低じゃない!」

 

「あっ、」

 

「……」

 

「僕はアリーゼさんや輝夜さん、もちろんみんなからいろんなものをもらった!」

 

「あっアル」

 

「おまえ」

 

「だから、2人は最低なんかじゃない!それにこれは僕が決めた後悔しない選択です、あなた達が気に病む必要もない!」

 

僕は今まで胸の内に秘めていたものを全て吐き出す

 

「で、でも私たちが」

 

「否定なんかさせない!否定なんてしてほしくない!」

 

「…………」

 

「それじゃあ僕があげたの物ももらったものも全て無駄になってしまう」

 

僕は気持ちを声にし蟠りが消えた気がする

 

ここにいても2人の迷惑になるし、

アストレア・ファミリアの信用に関わる

 

「あっある!」

 

「まて!どこに行く」

 

僕が呼び止められたのを最後にその場から逃げてしまった

 

「はぁはぁ、」

 

随分長いこと走っていたせいか息切れが激しい

 

「な、なんで逃げちゃったんだろう」

 

今日はアリーゼさん達に話をつけにきたはずだった、

僕と金輪際関わらないでと、自分から言うのもお門違いなのはわかっているけれどこれは言わなければ「始まらない」からこれだけは必ず言わなければいけない

 

「ぼ、くは…さいていだ、…」

 

不意にそう呟いたら、それを機に目から頬にかけて冷たい感覚がはしった、それは次第に強くなり声を殺し始める

 

「ん……っん」

 

声にもならない声をあげ、ぼくは悲しみに明け暮れる

 

「……あっ、」

 

どれくらい経っただろうか、気づいた時には日が暮れあたりは暗くなりつつあった

 

「もう、帰ろう…」

 

長い事泣いていたせいか目の周りは赤く腫れてしまい少しジンシンした

 

「あれ、もしかして…アル?」

 

聞き覚えのある声、いや聞き覚えしかない声。

 

「…………………」

 

けれどぼくは黙って俯きその場を去る

 

その時、

 

「待って!」

 

手を掴まれた

 

「どうして、そんなに私たちを避けるの?」

 

「……………………」

 

理由なんて、そっちが1番わかっているだろうに、つくづく神はいい性格をしている

 

「少しだけ、ほんの少しだけでいいから、……ホームに来てくれない」

 

「…えっ…」

 

「あ、嫌ならいいのよ…でも、せっかく会ったのだから」

 

もう一度話しましょ

 

 

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