「ヘルメス様、アストレア・ファミリアの事について教えていただきたいんですけど……」
「なんだい、ベル君…前にも言っただろう?アストレア・ファミリアは壊滅した」
「あ………ははは、そう、ですよね」
知っていた事、そう知っていたんだ…そんな事。
僕はそう自分に言い聞かせて今の自分を保っている、そうでもしないと身の回りのもの全てを滅茶苦茶にしてしまいそうだから
「ベル君、なにかあったのかい」
ヘルメス様が僕にそう問いかける
「……まぁ、色々と」
「良ければなんだが…教えてくれないか?何があったのか」
神の勘ってやつだろうか、僕は恐ろしく思った
「わかりました…………」
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どれくらい経っただろうか、内容的にはすぐ説明できるだろうが、途中になんでも咽び泣いてしまった
「おいおい、ベル君…それは、本当かい」
内容も内容なので、ヘルメス様も驚くのはしょうがない
「はい、でも…夢なのかなって」
「ん——いや、僕は本当だと思うぜ」
自分でも真実かすら疑ったがヘルメス様は真実であると肯定した
「なんでですか?」
「なんでって…なぁ、君だからだよ」
微笑を浮かべたと思ったら僕に指刺してきた
「最速レベルアップ、そして半年でレベル5だぜ?」
僕の事を嬉々と語り出した
「だから、僕は君の言うことは全部信じる、いや信じれる」
言われてみればそうなのかもと思った、スキルの影響もあるが自分の成長速度は人を超越しているとよく言われる。
「……ありがとうございます」
ヘルメス様の意見ももらえたので僕は深くお辞儀をして別れた。
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僕は急足でホームに戻った
そしたら庭で木刀を振っているリューさんが目に入った
「リュ、リューさん!」
目に入って咄嗟に名前を呼んでしまった。
「は、はい!」
急に呼ばれたリューさんも驚いて木刀落としてしまった
「久しぶりです!」
僕は沢山の感情が込み上げて抱きついた。
「エ……」
急に抱きついてしまったせいか顔を赤くして蒸気が沸かせていた。
「ほんとに…」
リューさんはいるのは知っていたが見たら懐かしくなってしまいつい抱きしめてしまった。
「ベル…これ以上は…」
そしてリューさんは僕の肩を掴んで体を離した
「あ、ごめんなさい」
「あ、いや…ベルは謝らなくていい………じゃなくて!」
本来の目的を思い出したかのように言い出した
「返事をしてもらっていないのに、こんなのは……困ります」
急に内股になりモジモジし始めたと思ったら、変な事を言い出した
「はへ?」
「忘れたとは言わせません、あの時……」
〜〜〜5分後〜〜〜
「ああ!」
「やっと思い出したんですか、」
悩みが解消した僕はとてもスッキリしたと同時に一つ重大なことが増えた
「それで———返事は…」
声のトーンが上がった
「あの〜、」
今すぐになどは無理だ、焦りのせいか汗をかき始めて体が冷える
「もう1週間経ちます、もうそろそろ返事くらいは」
1週間、返事をするのには頃合いの期間だと言うことも相まって返事をしなきゃいけない雰囲気になった
「……少し、お話を聞いてはもらえないでしょうか?」
「…わかりました」
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「……それは、本当なのですか?…」
「………」
歴史は違えど過程は同じ、幾つもの心当たりがあるのかリューも頭を抱えている
「ちょっと時間をください」
そう言いながら自分の部屋に駆け込んで行った
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10分ほどが経ち、リューが出てきた
「…その格好は?」
「見ての通りの服装ですが……」
なぜか冒険者コーデをしている、今からダンジョンにでも行くわけでもないのに…
「なんでですか?」
「あっ……説明を忘れてました」
とんがっているエルフ特有の耳が垂れてしまっている、これは多分相当落ち込んでいる
「いえいえ、気にしないでください」
僕もそう気づき、宥める
「すいません…では、本題に入ります」
「……はい……」
今一度場を整え本題に入る
「アストレア様に会いに行きませんか?」
「えっ、それって…つまり」
「はい、そういうことです」
重大なことは理解していたが、予想の斜め上をいった
だが今アストレア様に会うという魅力的な提案を断るはずがない
「じゃあ、もう……」
全てが繋がった、冒険者コーデをした理由が
「はい、今夜出発しましょう」
「……はい!」
僕は二つ返事でokした
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「リューさん、準備はできました」
「わかりました、行きましょう」
僕たちは各々の準備を整え合流した
「ここから、半日ほどの移動になります」
「はい、わかっています」
一級冒険者で半日という、かなり遠い場所への移動となる
「じゃあ、出発します」
「はい!」
リューさんが颯爽と先陣をきりオラリオから離れていく
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時間を忘れるほど走って気づいたことがある
「あの〜」
恐る恐る声をかける
「なんですか?」
振り返ってきた顔がほんとに本気だということがわかった
「アストレア様ってどこにいるんですか?」
僕が気になっていた重大な悩み事の一つを打ち明かす
「はぁ、あなたはこういう時にそんなことを……いずれ分かります、あと少しでしょう」
「あはは、そうですね…わかりました」
結局答えは教えてくれそうになく着いてからのお楽しみのようになった
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「着きました」
「ここは……」
目の前に広がるの思っていたりより大きく栄えている都市
「剣製都市ゾーリンゲン」
一度も耳にしたことない地名、ここまで大きいとオラリオにも噂ぐらいたってもいいぐらいだ
「とりあえず入りましょう」
リューさんの指示のまま都市への入場の手続きをする
「入国手続きはあんな簡単でいいんですかね?」
「ええ、この都市は他国との交流が多く出入りも多いため審査が緩くなっているらしいんです」
なら、ここまで栄えていてもなんら不思議でもない
「ヘェ〜そうなんですか」
そしてリューさんは僕の顔をじっと見てきた
「まぁいいです……とりあえず向かいましょう」
なぜか呆れ顔をしていた
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「なんかとても活気のある街ですね!!」
僕は都市外に出るのも久しぶりで思いの外はしゃいでいた
「や、やめてください…….」
はしゃいでいる僕の隣でリューさんは顔を紅くして言ってきた
「え、なんでですか……もしかして、僕リューさんが不快に思うことしちゃいましたか?」
僕がこの状況で1番気にしている事、それはリューさんの機嫌を害する事だ
「いや、違う!そんな事はない!」
そう言いながらも、リューさんは二つの握り拳を作り体が少し小刻みに震えている、今にでもその拳が飛んできそうな感じだ
「なら、……」
「これじゃあまるで……ぇーと、をしているみたいになっている」
「すいません、聞こえなかったのでもう一回いいですか?」
これは後々後悔する選択肢になる事は僕は知る由もない
「その声リューなの?!」
リューさんの方向から透き通るような優しい声が響いた。
それもリューと呼んでいる
「これじゃあまるで!ベルとデートをしているみたいだ!」
ヒートアップしすぎたのか周りも驚くレベルの声で言ってしまった
「これはあくまであなたの問題を解決するための任務なようなもので…決してデートではない!」
見知らぬ人の声すら届かないほどに熱中していたリューは爆弾発言をしてしまう
「…………」
僕はその間、何も発することができず「っえ?」かのように驚き変な顔になっていたことだろう