それは突然だった。
急にダンジョンにいると思ったら、アストレア・ファミリアの方々いて……ジュラもいた。
それでジャガーノートが出てきて僕が相手をした。
前回よりは善戦できた思ったけどやっぱり倒したきれてなかったのが、朦朧とした意識の中でもよくわかった。
そこからの記憶はないということだけ。______________________________
タイムスリップした。
この一言だけでは信用しきれないけれど僕は事実転生していた。
そこで因縁であるジャガーノートと対立した。
見事瀕死までは追い詰めたけれどまだトドメを差しきれていない。そして僕はそのまま意識が落ちてしまった。
「っくそ!……あいつがいれば…」
「そんなこと言ったてどうにもなんねぇよ!」
「そんなのわかっている!」
このような会話が聞こえた、多分僕のことを話しているのはわかる。でも聞こえるだけで体が全く言うこと聞いてくれない。
本当は今すぐにでも駆けつけてあげたいぐらいだ。
「終わりだな……私たちは」
「そんなこと言う柄じゃねぇだろ?」
「見てみろ!もう残り2人の私たちだけではないか」
「…………」
「あの男に少しでも期待した私がバカだった……そもそもアイツの言う通り逃げればよかったな」
「まぁそんなこと言うなよ……一応正義ってやつは守りきれただろう?」
「ふん……死んだら元も子もないだろ」
「硬いなぁ、極東のお嬢さんは」
「黙れ……」
この会話を聞いて僕は自責の念に苛まれてしまっている。
あの時、僕がもう少し強引ににでも逃げさせていればと思うと後悔しかない……何も救えないということに。
「ベル・クラネル!」
突然僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。
そして視界が急に明転した。けれど結局体が動かないなら意味がないと思い僕は無視をすることにした。
「こっちを向け」
「そんなこと言われたって無理なんだよ!」
鬱陶しくて少し荒い口調になってしまっ……た?。
「そんな驚いた顔をしてどうした?」
「あ、え…いや、なんでも」
喋れるようになってるし、体も動くことに僕は驚きが隠せないでいる。
「今は時間も気にしなくていい、この場所は時が止まっていると思っていい」
普段の僕ならこんなことは信じないだろうが僕のタイムスリップということがあり受け入れるのはそう難しくなかった。
「は、はぁ」
とりあえず、適当に返事でもしておいた。
「疑わないんだな」
「どういうことですか?」
「こんな怪しい奴に、こんなことを言われても」
自分で怪しい奴って……少し疑問に思いながらも僕の本音をぶつける。
「本当は信じれないですよ……こんなこと」
「ふーん……まぁ信じてくれているのであればいいが」
目の前の人はそんなことを言いながら、僕の方を向いた。
「お前に問おう」
そういい、目の前の人は手を広げている。
「お前は何がしたい?」
「何がって……」
急に、アストレア・ファミリアのことがよぎる。
そして不意に口に出してしまった。
「救いたい」
「なに?」
「アストレア・ファミリアの人たちを救いたい」
無意識に言ってしまった。
そしたらの目の前の人が急に顔をパッと見開かせた。
「そうか、そうなのか!」
急に声を大にして、笑い始めた。
「まだ気づかないか?」
「気づかない?」
急におかしいことを言ってきた人に対して僕はより一層警戒心を強くして言った。
よく考えるとおかしい、この出来事はまるで故意的にやったとしか思えない行動と言動、そうして僕はやっと気づくこいつが全ての原因だと言うことだと。
「もしかして、僕をこの世界に連れてきたのはあなたですか?」
「ふ、ふは、ははははは!」
僕が疑問を口にすると急に笑ったと思えば急にまた黙り始めた。
「なんなんですか?」
「いや気にしないでくれ」
「あなたは、何がしたいんですか?」
もうまどろっこしくて僕は事の目的を聞き出した。
「じゃあ最後に質問だ」
結局僕の質問はスルーされて最後の質問ととやらをされた。
「お前が救いたいと言った奴らは本来死ぬ運命の奴だ」
「……………」
「本来の運命、いや歴史を改変すると言うことは大罪だ」
「...............」
「黙り込んで…怖気ずいたのか?」
正直怖い。
でも目の前に救える命があるのであれば大罪だろうが何だろうが僕の意志は変わらない。
だが、一つ確認しなければいけないものがある。
「僕が運命を変えて救われた命は、結局は死んでしまうんですか?」
「なに?くだらない......仮に違うと言ったらどうするというんだ?」
目の前の人は僕にあきれてしまったのか、つまらなそうなもう用がないような顔している。
「救います......僕だけの犠牲で済むのであれば目の目にある命を僕は救いたいです」
「正気か?お前は最悪死しんでしまうのだぞ?自分の命がおしくないのか?」
僕の返答に対して目の前の奴は驚いたような蔑むような顔をしていた。
でも僕の気持ちは変わることはない。
「自分の命でたくさんの命が救われるなら僕の命なんて惜しくありません」
「ふ、ふは、ふはははははははは!」
「ど、どうしたんですか?急に」
急に不気味な笑い方をして思わずびっくりしてしまった。
「合格だ!」
「......?」
「やっぱり俺が見込んだ男だ」
「どう言う意味で.........」
「英雄になりえるかの器だよ」
「はい?」
急に合格だとか言われてもどういう意味かよくわからないまま話が進められた。
「俺はお前を想像以上に気に入った、だからチャンスをやろう」
「チャンス?」
「ああ、起死回生のチャンスだ」
結局気に入られたとかなんとかで僕は九死に一生を得たらしい。
「よーし、本題に入ろう」
「うすうす感じてると思うがお前は瀕死の状態だ」
「...............」
自分でも薄々感じていたことではあるが僕は今瀕死の状態だった。
「それで、お前に気力をやろう。救いたいというな」
「気力?」
てっきり僕は回復のようなことでもしてもらえるとでも思ってた。
一度でもいい人だと思った自分がバカみたいだ。
「不貞腐れた顔をしても無駄だ、流石の俺もお人好しではない」
とことん性格の悪い人だなと思った。
「ただ今のお前なら救いたいという気力でも十分に戦えるさ」
「...............」
でも、悪い奴ではないのはわかる。
「もう準備は整いました」
「ふん、調子のいい奴め」
結局僕は、この人を憎めないと思ってしまった。
「最後に一ついいですか?」
「ったく、いいところなのに…なんだ?」
「名前を伺っても?」
「そういえば言ってなかったな、我が名はエレボス。原初の幽冥にして、地下世界の神なり!」
名前を教えてと言ったのは僕だけど、流石にここまで盛大に言ってくるとは思わなかった。その中に一つだけとある単語が聞こえた。その単語について僕は質問してみることにした。
「…!神ってあの神様のことですか?!」
「ああ、そうだが?」
「す、すいませんでした!」
僕はタケミカズチさま秘伝の土下座という技を披露した。
「ど、どうした?急に」
この技を繰り出すと、相手はなんか許してしまうとかなんとか。
「さっきの無礼を、」
「そんなことか……気にするな」
「寛大な心、ありがたき幸せ」
「な、なんだ極東みたいな言葉だな……極東といえばアイツ思い出す」
「アイツ?」
「お前もさっきあっていただろう?」
「さっき?」
「なんだ、覚えていないのか?」
「もしかしてなんですけど、輝夜さんだったりしますか?
」
「それ以外ないだろう?」
「輝夜さんのことご存知なんですか?」
僕は、このエレボスとかいう神が輝夜さんを知ってるとかでとても驚いた。
「そもそも俺は、アストレア・ファミリアと因縁が深い」
「そ、そうなんですか」
元々、そういう関係だったらしいとかなんとか。
「てかとっととしろ」
「あ、すいません」
「じゃあそろそろお願いします」
「わかった」
そして目の前に無数の光が現れる。
その光に体吸い込まれるような感覚がした。
「お前が、どのような選択をするのか楽しみにしてるぞ」
っとそう言い残して、目の前から神が消えた。
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体が重い。開く事のできる目を開くと生々しい光景が広がる。
アストレア・ファミリアの皆が、酷い状態で倒れていて生きているのかも不明なレベルだった。
そしてその付近にも闇派閥の死体やらなんやらが転がっていた。その中でも僕が驚いたのは、ライラと輝夜がまだ立っているからだった。
「輝夜さん!ライラさん!」
咄嗟にそう叫んでしまった。
「…………………」
「ら、いらさん?」
「かぐ、やさん?」
声をかけても反応がない。もしかして……。
「お、せぇよ」
バタン!
「やっときたか」
バタン!
「危ない!」
返事が返ってきたと思ったら急に倒れ込みそうになる2人を僕は咄嗟に支える。
「もう安心してください」
「……………」
声をかけると安心したのか、グッすりと寝息を立ててしまった。
もうジャガーノートはいないということだけがわかった。
憶測ではジュラたちを襲っているうちに、時間が経ち戻っていったということと、ここにいるモンスター僕たちを逃がしてはくれなさそうということ。
すでにジュラの奴らは喰われていた。
「輝夜さんたち、みんなを守って……」
僕は、必ず皆を生きて返してあげなければいけないと思った。
まず、ジュラの奴らが持っていたポーション等を拾い集め、重症の人にかけたりしていった。
丁度人数分あったので、皆にかけると軽傷だった輝夜さんとライラさんが無事目を覚ました。他の皆は時間の問題だということは見て受け取れた。
「輝夜さん、ライラさん…僕がみんなを背負います」
「いくらなんでも無茶じゃねえか?」
「そうだぞ、いくらレベルが5だからって今の怪我で9人は厳しすぎる…もっと私たちを頼れ」
そう言われて僕は、少し涙が出てしまった。
そして2人は戸惑いつつも、僕の願いを了承してくれた。
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そうして、帰っている道中。
「てかお前って、レベル5のくせに泣くんだな?」
ふと、ライラが言ってきた。
「レベル5でも、泣く時は泣きますよ」
「あらあら〜そうなんですか?私はてっきり血も涙もない化け物かと思っていましたわ〜」
っと輝夜さんが少し揶揄ってきた感じでいってきて、少し僕は反応してしまう。
「そうですよ?だって僕まだ冒険者になって半年ですよ?」
「………は?」
「流石に冗談きついぜ?」
「いや、本当ですよ?」
僕は、事実をそのまま伝えただけなのだがこうも驚かれてしまった。…………あ、そういえば半年でレベル5っておかしいとかのレベルじゃなかったんだった。
「輝夜はどう思うよ?」
「どうも何も、おかしいとかのレベルではないだろう」
「あ、はは、流石に冗談ですよ!バカだなー2人とも」
僕は、すかさず冗談だと嘘をつく。
「お前って嘘下手なんだな?」
「本当だな」
「そうですかね?あはは」
もう笑うしかできない。
そうしてなんやかんやあって18階層に到着した。
とりあえずリヴィラにいく。
「お前さんみねぇ顔だな」
ボールスさんにそう言われると違和感しかない。
「そうですね、新米の新米です」
違和感があっても適当に返してその場を繋ぐことにした。
「おい!ここの店ぼったくりじゃねぇか?」
「そうだ、流石に高すぎだぞ!」
近くの方に、少し喧嘩のような会話が聞こえたので少しいってみることにした。
「って言ってもねぇー、このポーションは上物だよ?そのぐらいの値はするよ?」
眼前に広がるのは、輝夜さんとライラさんがお店の人にイチャモンをつけている様子だった。
「2人とも何してるんですか?!」
すかさず僕がフォローを入れる
「ベルも来たか、ここの店ぼったくってんだよ!」
「そうだお前も言ってくれ」
僕は少し戸惑いながらも、言うことにした。
「じゃあこれで、」
そうするとお店の人は、黙って店のポーション全てを渡してくれた。
「おいベル今のってよ」
「もしかして」
「はい、」
「「魔剣か?」」
「その通りですが何か?」
「いや、魔剣って数千万ヴァリスもする代物だぞ?」
「私たちには、到底払い切れる金額ではないぞ?」
っと少し不安げにして僕に言ってきた。
「気にしないでください」
「これは、僕のしたくてしてることですし、ただの自己満足ですから」
っというと2人は黙り込んだまま何も言わずにポーションを受け取り皆の元へ行った。
その間僕は適当にほっつき歩いていた。
「おーいベル!」
「どこだぁ〜?」
街の方から僕を呼ぶ声がしたのでそろそろ頃合いかと思い声の元へ行く。
無事輝夜の元へついて皆の元は向かっていく。
「みなさん無事でしたか?」
「ああ、ベルのポーションのお陰でな」
「この恩は一緒忘れない」
「いいですよ、そこまで気にしなくて」
その間、輝夜さんと会話をして僕たちは、アリーゼさんたちの元へ向かう。
「リオン!私たち生きてるわね!」
「アリーゼ、騒がないでください頭に響きます」
そのような会話が聞こえたので少し小走りで向かう。
「ベル!」
みんなの姿が見えたと思ったら、急にアリーゼがこちらは来て抱きついてきた。
「あ、アリーゼさん?」
「よ、よかったあなたが生きてて」
というとアリーゼは今まで堪えていた涙がダムの決壊のように流れてきていた。
その間僕は、慰めていた。
「本当に今回はありがとう、団長としてお礼をさせてほしいわ」
「いえいえ、当然のことをしたまでです。」
そうして僕たちは、見事誰も欠かさずに生還してみせた。そうしてリヴィラで何泊かして万全な態勢で帰還することにした。ちなみにその時のお金は魔剣の分でいけたらしい。
翌朝。
よく眠れた朝だ。
少しばかり疲れが溜まり蓄積していたのかすぐ寝付けてしまっていた。
「やっぱりあさはいいなぁー」
どの境遇でも朝は気持ちいいものである。
そうしてだんだん意識が覚醒するとふと違和感に気づく。腕が重い、いや巻きつかれてる?どっちにしろ普段では感じないような感覚だ、そうして違和感である腕をみるとなんかがくっついていた。
「な、なに?!」
大きな声で叫んでしまった。
そしてその中から、人の声がした。
「べるぅ、うるさいわぁ」
嫌な予感しかしないが恐る恐る布団を捲り上げると中には赤髪の自己主張の激しい団長……アリーゼがいた。
「アリーゼさん、起きてください」
冷静に判断した結果、起こすことにしたが……。
「やだぁ、」
クルクル
アリーゼさんは布団の奥深くの下半身の方へ潜り込んでしまった。
その位置は不安にも、ベル・クラネルの場所であった。この場所は勘違いされて大事になるという運命しか見えない。
「ありーぜさん??起きてください」
少し無理矢理だが、強引に揺らし起こす。
でもこの人返事すらもしなくなった。
埒が開かないので少し手荒いが武力行使だ。
そうして僕がアリーゼさんを持って横に移動させる作戦だ。
「ここと、ここを持って…よし!いけた」
何があっても勘違いされないように細心の注意を払いアリーゼさんを抱える。
「って、ああ!」
バタン
アリーゼさんを抱えた僕は、まだ疲労が残っていたのか中途半端な形で倒れてしまった。ちなみに僕が上でアリーゼさんが下の見つめ合う形だ。これも勘違いされかねないので、急ぐ。
「痛いわね……って」
声を失った。たまたま!不運にも!このような形でアリーゼさんが目を覚ましてしまったのだ。
「あ、リーゼさん?」
「…………って、きゃあああ」
「ちょっと黙ってください」
「!……んんん!……」
急に叫び出したので、少しばかり苦しいだろうが、口を手で押さえて叫べないようにした。
そうして苦しそうに、んんん!と言っているアリーゼさんが可哀想なので手を咄嗟に離した途端に叫ぶのかと思いきや、
「ったくもう叫ばないわよ…ちょっと驚いただけ」
「本当ですよ?変な誤解のせいで勘違いされるでしょう?」
っとその途端
「かぐやぁぁぉぁ!」
また叫び出したのだ、次は確実に聞こえる声で。
そうしたら
「っるさいな!団長………って!」
「か、輝夜さんこれは誤解です!紛れもない誤解なんです!」
僕も涙目になりながら必死に弁明をすると、輝夜さんはある程度は理解ができたのか扉を閉めこちらにやってきた。
「どういう状況か説明しろ」
状況確認をしてきた。輝夜さんは、神だということが実感できた。
「それでですね?アリーゼさんが、なぜか下にいてそれで………」
今回の事の顛末を一から説明した。
「まぁ状況も理解した」
「ほんとうですかぁ!」
僕は嬉しさのあまり嬉し涙を出していただろう。
「団長も自分の部屋に戻れ、」
「はーい」
不貞腐れたアリーゼさんは、甘んじて受け入れたのかぶつぶついって出て行った。
あなたが悪いんですよ?わかってますかね?
まぁそうとして
「輝夜さんも、戻ってはいかがですか?」
「いやな、お、お前もそういう年だというのもわかる……だから…な?…そういうことがしたくなったら私に言え」
「はい?」
何言ってんだろ、この人……一番やばい人なのかもしれない。前言撤回!
「そういうことだ、またな」
いやーなに納得して行ってるのかなあの人、。
まぁいいとして、僕がタイムスリップをして過ごした一日がこんなに濃いものになるとは思ってもしなかったな。