………「大抗争」それはオラリオに悲劇をもたらした事件…だということをヘルメス様から教えてもらったことぐらいしか知らない、けれど僕は今この時代7年前の時代にいて大抗争と直面することになる。
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「どういうことだ!何がどうなってる!」
「わ、わかりませんが……何者かが都市の冒険者を制圧している模様です」
オラリオの中心に聳え立つ建物、ロキファミリアのホームで混乱が起こっていた。
「フ、フィンはどうした?」
「早朝から、ホームを出てから連絡がつきません」
「く、くそ…重要な時にあいつがいないで…」
ロキ・ファミリアの団長である、フィン・ディムナが不在の中、副団長リヴェリア・リヨス・アールヴ達は混乱の渦に巻かれていた。
「やあ、待たせたね」
「ふぃ、フィン!どこに行っていたこんな時に!」
「あはは、悪いね……少し考え事をしていてね」
不在である、フィンが戻ってきてファミリアに安堵の声が上がる。
「ガハハハ!おまえさんがいなくてもワシらで片付けられたわい!」
そして声を荒げたのは、同じく副団長のガレス・ランドロック
「あははは、まぁいいじゃないか……それで本題にはいろうか」
フィンからの急な話題に皆唖然としていたが表情からか部屋に緊張が走る。
「奴らが、来たのかもしれない」
「う、うそだろ?……闇派閥だけでも手がかかるのに」
「おい、フィン……本当なのか?」
「ああ、ガレス、リヴェリア……勘だが、今まで以上に指が疼く……」
「わかった…皆に報告しておこう」
「ガハハハ!楽しみじゃわい!」
奴ら、というフレーズに反応を示した2人は準備に掛かり始める。
「皆!よく聞け!」
フィンが声を上げて団員に言う
「今回の抗争今まで以上に広がると思ってくれ!レベル3以下の者は市民の誘導、救出、レベル3以上の者、暴れている闇派閥を粛清!以上だ」
団員に指示をする。
「おおーー!」
この抗争は今まで以上になるのは団員たちも察したのか今まで以上に声を張り上げが増している
「じゃあ、リヴェリア、ガレス…いこうか」
「ああ、いくか」
「ワシに命令なんてするじゃないわ」
フィンは2人を連れて被害の中心である所に向かっていった。
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「みなさん、行きましょう」
「「おおー!!」」
一方その頃アルは、街の騒ぎを聞きつけて向かっている最中だった。
「なんか、アルがいると新鮮ね!」
「ああ、アルが団長みたいだな」
「まぁ輝夜、そう言ってやるなって」
「もぉーなんてこというのー!?私が団長で不満なの?可憐で美しい私が?!」
アルが団長だと言われて自分に哀れむアリーゼ。
「その、笑顔……捻り潰したいですわ〜」
「顔がマジだぜ?輝夜」
「これは、顔に出てしまっていましたねぇ」
そうこうしているうちに、街の方へとたどり着いた。
「ここは、だいぶ変わってしまったな」
「ああ、」
「ほんとです輝夜、」
「……みんな!暗いわよ!私たちでこの街を活気で溢れるようにすればいいじゃない!」
暗い雰囲気で溢れていたのを一言で一蹴してしまうアリーゼ。
「やっぱり、団長には敵いませんねぇ」
「ほんと団長様様だな」
「そ、そうです!アリーゼ」
否定的な雰囲気は段々明るく活気のある雰囲気に変わっていく。
(やっぱり、みんなを護らなければいけない)
使命感が一層に高まっていくアルは意思をあらわにする。
「そうです、みんなでこの街を活気溢れる街に戻しましょう!」
「そうね!アル!頑張りましょう」
「はい!」
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「ギャハハハハ!最高だ!制圧に蹂躙!現代の英雄は我々の懐に堕ちた今、このオラリオは生まれ変わる!」
炎や悲鳴が渦巻く中1人の男がいた。
「っくそ!」
「や、やめ……」
罪もない民が制圧されていく中冒険者は太刀打ちできないでいた……その理由は
「い、いま……神の、送還が…」
神が送還された。
それは恩恵がなくなりただの一般人となると言うことは即ち死を意味する。
「も、もしかして」
言わずもがなわかる、自分の神なんだと……恩恵がなくなると自分の持っていた力…何もかもがなくなっていくと
「きたー!」
「ころせー!」
目の前から奴らが迫ってきている、けれど何もできない恩恵のなくなった今、死ぬ以外あり得ないのだから。
「あ、おわっ」
躊躇もなく斬られ殺られた。
「ギャハハ!さぁ!始まるぞ!大抗争が!」
本当の抗争はこれからだと宣言していた。
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「ひどい……なんてことを」
「仮にも冒険者だぞ?こんな死に方なんて」
「ああ、まずありえねぇ…まさか」
「ああ、そのまさかだ…神が送還された」
「「!!!」」
先ほど制圧された地を訪れたアリーゼ達、そこは血塗られた建物や地面、そしてそこら中にいる冒険者の亡骸。
「これは相当やべーぞ」
「最悪を想定しなければならん」
「そうね、固まって行動よ」
最悪。
それは神が送還されること、今の状況で一番危険なのは恩恵がなくなること
「アリーゼさん、お願いがあります」
「どうしたの、アル?」
アルが深刻な顔をしてアリーゼに話を切り出す。
「嫌な予感がするんです」
「それは、どういうこと?」
「具体的には、表現できないですけど……想像もつかないぐらいの悲劇が起きると思うんです」
「………………」
アルの言葉に対してアリーゼは黙り込むこと数分。
「わかったわ…ここは私たちに任せてちょうだい」
「っ!ありがとうございます!」
そうして街の中心へ走り去っていったアル
「あ〜あ、アルがいなくなったらどうするだよ」
「いいじゃない、ライラ……期待しても」
「!!!」
「私たちの英雄に期待しても」
「ん、そうだな……」
(今度は私たちも期待してもいいみたいだな)
ボソッと呟いたライラの声はアリーゼに届かなかった。
「ひどい、どこもかしこも」
アルは諸悪の根源らしい場所に近づくにつれて人の遺体が増えていっている。
「早く行かなきゃ」
アルは数段ギアを上げて目的まで走る。
「………嘘だろ」
そうして走ること数十分
「オッタル……さん?」
見慣れた巨体の猪人が倒れ伏せている。
その横にはフィンさん達らしい人とオッタルさんを倒したと思われる張本人がいる。
「やってくれたな、ザルド」
「少しは骨があると思ったがまだまだ温いな」
「ックソ、あのオッタルがやられるなんて想定外だ」
「もうオラリオは終わりだ!それこそ、次世代の英雄でも来ない限り」
「そもそもなぜ、闇派閥に転がり込んだ!」
口論
本来は人を守っていた人たちが闇派閥に潜り込んで冒険者を蹂躙している
「失望した、」
「っ!!」
「俺達がいなくなった今、このオラリオは闇派閥の手によってめちゃくちゃにされているじゃないか?」
「だから、失望したんだ」
「だから、俺たちはお前らを次世代の英雄に仕立て上げるための糧になろうとな」
「リヴェリア、ここに呼べる限りの冒険者を集めてくれ、レベルは問わない」
「それって、」
「ああ、やるしかない」
決断をした殺るしかないと、じゃないと自分らが殺られてしまう………英雄がいない限り
「体が疼く、この場に骨ありそうなのが一人」
「ここには、僕たちしかいないはずさ?」
(レベル5の僕たちでさえ、雑魚扱いなんて)
フィン達レベル5を眼中に入れない扱い、ザルドの強さが伺える。
(なんで、バレた?!)
「おい、いるのだろう?出てきて俺と闘え(喰らう)」
(ザルドってどこかで……いてて、もう考えないよにしよう)
記憶の奥にしまい込んだ筈のような記憶が蘇りそうになるがひどい頭痛で思考を止める。
「はい、」
「出てきたかって?!」
「ハハハハハ!面白い!これはとんだ道化だな!」
「っ?」
「まぁいい、俺と闘え」
「おい、そこの君!奴とやるのはタチが悪いやめておけ!」
ザルドとアルが対面したことにより闘いが起こりそうな状況をフィンが抑制にかかる。
「大丈夫です、フィンさん」
「っ!、今僕の名前を」
「じゃあいこうか?」
フィンの問いはザルドによって消されてしまった。
「望むところです」
刹那、ザルドの大剣がベルに向いて振られた。
「大丈夫か!って!」
「止めている、止めているぞ!あんな短剣なのに」
フィンが心配をかけるのも取り越し苦労なのもこの光景を見ればわかる。大剣に強度劣らない短剣そしてそれを使い熟すこの少年は、限りなく強い……僕たちよりも
その思いは、不安から、期待、喜びに変わっていく。
「やっぱり、俺が思った通りの奴だ!」
「これでも、十分限界なんですよ」
「嘘をつくな」
「………………」
言葉を交わす。
ザルドは喜々にみちているが、ベルは額から少し汗が伝うほどに焦っていた。
そして次は、アルが攻撃を仕掛ける。
「速い、」
その通り、短剣で小回りのきくアルの武器はザルドのような大剣の敵にうってつけな相手。
「だが、あまいっ!」
ザルドが飛び回るアルを一太刀で薙ぎ払う。
「あんな大剣を、」
「驚いたか?」
「お前は、俊敏を得意としているようだが切り傷がいくらあろうと私には効かんぞ」
そして、アルは挑発通りオッタルの武器である大剣を取りに行く。
「すみません、オッタルさん借ります」
そう言い、大剣を構える。
「あんな、挑発に乗るなんて……バカやつだな!」
「……………」
そして次は、ザルドから仕掛ける。
バキーン!
「っえ」
「少し力を入れたらそんな得物すぐ壊せる」
破壊された、ザルドの一撃によりオッタルの武器は粉々になった。
「なんた!今の音?」
タイミングよく、リヴェリアがありったけの冒険者を連れて戻ってきた。
「あー、リヴェリア………あれを見てくれ」
「っ!なんだあの少年……ザルドと」
「ああ、互角とまではいかないが渡り合っている」
「はぁ?!」
「僕も、言いたいよ……とんだ道化だな」
リヴェリアも見る感じの風貌は少年……幾つもの死地を乗り越えたザルド渡り合えるなんて到底思えない。
「聞いていなかった、私の名前はザルド……レベル7だ」
「アル、アル・クラネル……レベル6」
ザルドの疑問は確信に変わった
目の前の少年はかつて共に暮らしていた「ベル・クラネル」だということに。
そしてベルも疑問が確信に変わっていく
ザルド、幼少期に共に暮らした父存在の人だということ。
「なんだって、レベル6…」
フィンが声を出す。
一級冒険者は一通り目を通して覚えていた筈、ましてや自分たちよりもレベルの高い冒険者など尚更
(レベル7それも上位の人……やっぱりアリーゼさん達も頑張っているんだ、僕も頑張らなきゃ)
スキル、アリーゼ達の活躍でベルのステイタスが上がっていく。レベル7のザルドと渡り合えるなんて一目瞭然アリーゼ達は今闘って守って頑張っていること。
「期待に応えなくちゃ」
「なに?」
その瞬間アルの周りを淡い光が包み始めた。
「何が起きてる?」
ザルドは光に意識がもってかれている。
「闘気が増している?」
アルの強さが増して行っていることに気づくザルド
「これは、まるで」
フィンもアルの力を見ていて気づくものがある。
あれは紛れもなく英雄……それは自分が目指して焦がれていた英雄。
「英雄って言いたいのか?」
「っん」
リヴェリアは気づく、数十年も同じ時を過ごしてきて気づかないはずがない……彼を英雄のように見えている、だから羨ましがるような……妬むような眼差しをむけていたことに。
「フィン、お前がそんな顔をするのはいつぶりじゃ?」
ガレスは初めて会った時のこと、ファミリアに入った時のことなどと今までの思い出話を語り始める。
「そうだね、いつからだろう……偽善に染まってしまったのは」
勇者(ブレイバー)それは、二つ名を決める際にロキに無理を言って頼んだ名……だが本体は偽善、何もかも救えてるわけではなく犠牲が生じてる。しかし表上では公表していない、だから自分への期待は募っていくだけ。
だからそれに応えるためには犠牲を厭わないということ…けれど目の前にいる少年は……いや「英雄」はなんでも救ってしまう、犠牲なんて元から考えず全てを救うために打算もなく動いている紛れもない英雄だということに嫉妬の感情を抱いてしまっていた。
「人工の英雄、か」
何時如何なる時も信念を貫き、助けるためなら自分が傷つくのを厭わない「本物の英雄」と対照な存在。
「もう一人」
「どうしたんじゃ?フィン」
フィンの異変に気づくガレス
「ザルドだけではなく、もう一人同じ存在がいる」
同じ存在、ザルドに匹敵するとなるとレベルは7または6もし仮にいたとしたら二人でこのオラリオを覆せる戦力。
「ファイアボルト!」
アルが魔法を唱える
「なに、無詠唱魔法か?!」
無詠唱魔法それは、本来必要とする詠唱がないこと、しかし詠唱が無い分威力は劣るが使い勝手が良く稀に存在するそのことに1番長けているリヴェリアがあの魔法に反応する。
「無詠唱なのに、威力が桁違いだぞ?」
アルに至っては、欠点である威力が高く詠唱とひきを取らないほど
「温いな」
だがザルド相手には効かない、火力が足りなさすぎる。
「もう、時間がない……本気で殺せてもらう」
「っん!!」
アルもザルドの放つ殺気に気付いたのか、構えを深くする。
フンっ!!
アルの短剣が宙を舞う。
「自分の甘さを恨め」
ザルドはアルに剣を振った。
「危ないぞ!」
束の間、ベルの腹部から鮮血が舞う……
「まだ完成してない」
ザルドは、そう言い放ちその場を後にした。
「ザル、ド……おじさん」
「っ!!」
アルの言葉に反応したザルドだかそのまま歩き去る足を止めなかった。
それと共に、意識が落ちていったベル。
「おい!この子が危ないぞ!リヴェリア、回復魔法を!」
「あ、ああ」
「オッタルも一緒に運ぶんだ!」
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うーんとても難産……外伝を読みきれてなかったツケが周りに回って口調がわかりません。