転生魔族〜新大陸に新国家建国を〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「はっはっはっはっ!」
魔王である父が敗れ、魔王の一族は配下達を頼りに魔王城から各々散り散りに逃げ出した。
「お嬢様、大丈夫ですか」
「···平気···と言いたいけど凄く疲れたわ」
私、魔王の24女であるメアリも燃え盛る魔王城から逃げ出した感じだ。
私の配下であるドラゴニアンのレントは使役するドラゴンの背に乗り、3日ほど飛行して、別の大陸に逃げ込んだ。
「···レント、私はどうなっちゃうのかな。人間に殺されるのかな?」
「···大丈夫です。お嬢様と私で必ず魔王軍を再建いたしましょう」
「···頼りにしているわレント」
「お嬢様は少し眠っていてください。私は食料を取っています」
私、レントは転生者である。
ドラゴンの力を人間に落とし込み、死んだ魔王に一族が皆服従の魔法をかけられていたから魔王軍として戦っていたが、魔王軍はそのうち負けるだろうなぁと戦局から察していた。
まずこの世界は転生前の地球と地理は瓜二つだ。
魔王軍が支配したのはヨーロッパのイベリア半島とフランス領土まで、イギリス、ドイツ、イタリアらへんにある人の領土が頑強に抵抗を続け、魔王軍が略奪主体で遊牧民族の様な戦い方をしていたためそのうち人口等で負けるだろうなぁと思っていたら、人間の国々が勇者を召喚し、エルフやドワーフ等の少数民族とも同盟を結んだことが決定打となり、約10年でスペインのマドリード辺りにあった魔王城が落城した。
で、現在地は相棒のドラゴンのお陰でキューバ辺りに逃げ込む事が出来た。
ヨーロッパとアフリカで世界がほぼ完結している連中だ。
短くても百年は見つかることは無いだろう。
ただ問題は私や姫の寿命が1000年くらいあることだ。
人間の進歩なら絶対にこっちに来る。
間違いなく来る。
そして魔王が死んだ為、一族の服従の魔法は解かれた。
一応私を気にかけてくれていたメアリ姫は救ったが···
『どうするんだレント? 俺また大陸渡れる元気はないぞ』
「わかってるドラ(ドラゴンの名前)。とりあえず頭数を増やさないといけね~だろうから。50年近くはここに住むことになると思う」
『···そう。でも俺番がいつか欲しい』
「あー、魔王城に居たドラゴンたちは皆バラバラだからな···落ち着いたらなんとかするよ」
『約束』
「わかった。約束」
とりあえずは食料だ。
流石に地理は一緒でも空気中にある魔素の影響で植生が大きく違っている。
「見たことない果実や芋がゴロゴロ出てくるな···魚も多そうだし」
とりあえず果実と魚を集め、魔法で海水から塩を抽出して蒸した芋や魚の塩焼き、果実の盛り合わせを木皿に乗せてメアリ姫に渡した。
「美味しいわ!」
「それは良かった···メアリ様実は」
メアリ様に自身が別の世界から転生した存在であることを話し、現状を打開するには魔物を配下にするよりも私と同じ転生体を増やした方が良いと話す。
「その転生体を増やすにはどうすれば良いの?」
「私と交わってくれませんか」
「えぇ~!!」
理由を説明すると類似した魂を呼び寄せる術を数十年研究をしており、その術式を自身の肉体に刻み込んだと話して、裸になり、入れ墨の様な魔術痕をメアリに見せる。
メアリ様には多産と直ぐに子供が産まれる魔術痕を刻み込み、魔法が得意な魔族的な特性とドラゴニアンの強靭な肉体を持つハーフの転生体を沢山産めばそれだけ魔族復興が早まると力説する。
メアリ様はモジモジと恥ずかしいわと言ったが、このまま2人で生活していてもいつか人間達に見つかるし、今までの魔族の産業では再度復興しても略奪経済の繰り返しでは人間に勝つことはできないと説得すると、メアリ様は服を脱ぎ始めた。
私はメアリ様の紫色の裸に魔術を刻み込むと砂浜で行為に至った。
翌朝になるとメアリ様···いや、メアリの腹部はパンパンに膨れ上がっており、無事に妊娠したようだ。
「私20歳だけど子供作っちゃったわ···しかも感覚的に5人も」
「最低100人は産んでもらいたいのですが···」
「···えっち! でも仕方がないわ、これも魔王軍復活の為」
「とりあえず食料を確保してきますね」
どこかの天界
『君達には2つの選択肢がある。このまま輪廻の元記憶を失い転生するか、別の世界で魔族として記憶を保持したまま転生するかだ』
ざわざわと魂達が騒ぐ。
『これちなみに特例ね。他の世界に徳の高い魂を送ったら、その魂が類する魂を召喚しようとしていてな。ここに居る元日本人かつ2024年の某日に亡くなった20代から40代の魂に限定してここに呼んだからな』
『···なになに、病気で殆ど動けなかったけど、転生したら魔族になると聞いたが、どんな肉体になるかだって? ···ふむ、じゃあ教えておいてやろう。まず母親は魔王の娘で、父親は同じ転生者でドラゴニアンと呼ばれる種族だ。肌の色は薄い紫色で、顔立ちは人間に近く、ドラゴンの様な尻尾が生えている。決して顔立ちがトカゲみたいな感じではない。そして魔族とドラゴニアンだからドラゴンの様な強靭な肉体に魔族の高い魔法適性がある!』
『君達が好きなチートが種族的特性と思えばどうだ? ワクワクしてきたか?』
『産まれたらドラゴニアンの素早い成長で5日もすれば歩けるし、喋れるようになるだろう。寿命は約1000年! 世界的には地理は地球と大差ないが、魔素がある影響で植生が大幅に違っている。今親となる2人はキューバ辺りの島で生活しておる』
『まぁ頑張らないと人間が攻め込んできたら負けるからな。そこだけは注意せんといかんな』
『さて、ここまで話を聞いて転生する者は列に並べ。早いもの勝ちで転生させる。興味がない者はそこの扉から先に進むが良い』
魂達は我先にと魔族への転生を希望するのであった。
1:父
よし、接続良好
2:転生魔族
掲示板魔法キター
3:転生魔族
繋がった繋がった
4:転生魔族
脳内に直接文字が書けるし日本語だ!
5:転生魔族
母さんが1日1体ペースで産んでもう半年···子供の数が150人突破したよね?
6:父
母さんが妊娠中毒になっちゃったから一旦打ち止め
インターバル置かないと母さん壊れちゃうから
7:転生魔族
もう壊れてない?
大丈夫?
8:父
メアリが居ないと旗印が無くなるからなんとかするよ
さて、改めてよく私の願いに応えて転生してくれました。息子や娘達よ!
現状を1回しっかり話しておこう。
9:父
まずヨーロッパ、ここは魔王軍が崩壊したことで北はモスクワ辺りまで、東方はトルコ辺りまでは完全に人間の支配領域になった。
アフリカ大陸の北部大西洋側の一部地域は魔族の罪人達の流刑地、地中海沿岸は人間の都市国家がいくつかある感じだ。
今いる新大陸(キューバだけど)は完全に未開拓の大地である。
10:父
我々の目的はメアリには悪いが、ヨーロッパ再侵略ではなく、モンロー主義的新大陸での生存圏及び国家の建国だ。
ぶっちゃけ異世界版のアメリカ作る。
11:父
文明レベルは中世並み、魔法があるせいで科学が全く発展していない。
ただ鍛えれば鍛えるだけ強くなれる。
種族的優位な魔族がボコボコにされるくらい人間の勇者や精鋭兵は強かった。
普通に種族的最上種のドラゴン倒すし···
あと錬金術はある。
地球と同じく物理法則かはわからないけど、ある程度は地球と同じ方法が活用できると思う。
錬金術と魔法はメアリが得意だったから回復したら聞くと良い。
12:父
当面の目標はカリブ海の開拓
魔法と錬金術で武器を揃えて魔物を狩って鍛える。
生活を便利にしてアメリカに行く。
原住民を探して労働力にする!
以上
13:転生魔族
予想よりもひでーな
14:転生魔族
魔王軍残党からの支援とかないの?
15:父
メアリ、魔王の24女だぞ。
私以外付いてくる配下が居ないくらい優先順位が低い。
ちなみに長男から6男までは魔王様と一緒に戦死していた。
生き残ったとしても奴隷化必須だと思うから支援は無いと思え。
16:転生魔族
一応1ヶ月程度で小学生低学年並みには成長したけど、成長速度ってどんな感じなの?
17:父
ドラゴニアンの血が混じっているから早熟だぞ。
5年で転生前の高校生くらいに成長して10年で大学生くらいになる。
そこから900年間は全盛期って感じか?
魔族はもっと年を取るのが遅くて20年で小学生卒業くらいな感じ。
つまり母さんは精神年齢はロリってこと
18:父
まぁ見た目は成人と変わらないけどな。
一応魔族の成人は50歳、ドラゴニアンの成人は15歳だ。
転生して魂は成熟しているから肉体が育ち切る10歳で皆成人で良いと思うよ。
19:転生魔族
魔法について詳しく
20:父
魔法は火、水、雷、土、風の5属性プラス聖魔法と無属性魔法の7種類ある。
5属性は漫画とかにあるやつだからわかりやすいだろ? 聖魔法は治癒系だ。
浄化の力もあるからアンデッド系にも強い。
無属性は物を浮かせたり、空を飛んだり、肉体を強化したりなんかの5属性と聖魔法に当てはまらないのが全て無属性って言われるな。
21:転生魔族
魔法の覚え方とかは?
22:父
まず生き物は呼吸により体内に魔素を蓄積する。
これを練る事で魔素は魔力に変換される。
産まれの種族、才能、努力によりこの魔力の器を大きくすることができ、それが魔法の威力にも繋がる。
魔法の覚え方は魔力を練ること。
後は想像で大抵なんとかなる。
人間はイメージを定着するために呪文をよく使っていたが、アニメとか漫画とかでイメージがあるのならば頭に絵を描く様な感覚で魔力を変化させて、対象をどの様な感じにすれば良いかを考えれば魔法に繋がっていく。
23:転生魔族
まずは魔力を感じるってことか?
24:父
まぁそういうこと。
器合わせという方法で魔力を感じ取れる特訓ができるから、何人かに教えるから、皆で教え合って魔法を覚えてみてくれ。
とにかく大切なのはイメージだ!
25:転生魔族
とりあえずカリブ海の島々を魔法を使って開拓すれば良いんだろ?
魔法の練習しながら
26:転生魔族
交易ができないのが辛いな。
ただ地理が同じなら南米には文明があるかも?
27:転生魔族
文明があるなら交易できるな。
ただ魔物がいるという話だからそれも気をつけなければならないが。
28:転生魔族
新しい人生!
私はやるよ!
病院でほぼ寝たきりだったから動けるし、魔法使いになれるなら頑張るよー!
29:転生魔族
言っちゃ悪いが奴隷使って産業起こすってのも普通に俺はやるからな。
文明レベルが中世の人間達もいつかは銃が使われるだろうし。
30:転生魔族
先手打って銃作りたいよね!
魔法とどちらが強力か比べたい!
31:転生魔族
未知の食材が沢山あるから食事も充実させたいな
32:転生魔族
とりあえず班に分かれよう。
今150人がいるんだから10人組を15組作れば良いだろうし
33:転生魔族
班ごとに教え合う感じね、了解
34:転生魔族
カリブの島々で開拓···うーんト◯ピコ風味を感じる
35:転生魔族
家畜になりそうな魔物捕まえようぜ
36:転生魔族
アホウドリみたいなのが居たよね確か
37:転生魔族
いつか米食いたいわ
38:転生魔族
地理的にアジアの所もありそうじゃない?
39:転生魔族
いや、錬金術で米っぽいのを米に近づけていけば
40:転生魔族
なるほど
41:転生魔族
錬金術はそう使えば!
こうして新しい転生魔族達の生活が始まったのだった。
メアリ姫
青色の長い髪、黒い大きな瞳、高い鼻、鼻の上に少しそばかすがある。
肌の色は薄い紫色。
身長170センチ、痩せ型、童顔。
種族特性 魔族
人間よりも魔力の扱いに長け、長寿。
その為性欲とかも人間に比べると低め。
身長は女性が180センチ、男性は220センチくらいが平均。
薄紫色の肌が特徴。
レント
赤い鱗の様な皮膚を体の一部に持つ。
紅の短髪で西洋人的な顔立ちをしている。
全身的には小麦色の肌をしている。
身長200センチ、ガッシリとした体型。
種族特性 ドラゴニアン
鱗のような皮膚を持ち、色によって血縁系がわかる。
ドラゴンと言葉を通じることができる。
人間よりも圧倒的に力もあり頑丈。
ただドラゴニアン同士だと子供が出来にくいのだが、純血の方が良いとされていた。
腰からドラゴンの尻尾が生えている。