転生魔族〜新大陸に新国家建国を〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「えっとね、錬金術ってのはね」
メアリお母さんから錬金術を習うが、大釜に魔力を練り込んだ水を作り出し、それを大釜に入れて後は材料を入れて火にくべて混ぜる。
とにかく混ぜる。
すると水の色が変化するので、それが完成の合図らしい。
「やった! できた!」
錬金術の良いところは少量なら合金とかを簡単に作れるところである。
石炭と鉄を入れれば一定水準の鋼ができるし、鉄鉱石を入れてかき混ぜれば鉄ができる。
そりゃ科学が育たんわな。
私達は錬金術について研究する班なので、錬金術を学んでいるが、他の班は魔法の勉強をしたり、漁をしたり、農業をしたり、家畜を育てたり、探索をしたりしている。
森が生い茂るこの地は幸い自然の食糧庫であったため食料には困窮しなかった。
地引き網で漁をすれば1班でも数時間で150人分くらいなら魚が獲れるし、海岸を歩いていれば海亀や丸々太ったカモメみたいな魔物が警戒心無く近寄ってくる。
森に行っても危険なのは野犬くらいで魔法を使えば簡単に追い払え、様々な果実が自生している。
トウモロコシの原種みたいなのが普通に生えていたり、原住民と言って良いか分からないがアルラウネの集落があったので、骨粉や肥料と糖蜜を交換してくれた。
なので食料には全く困っていなかった。
そんな環境で、私たちはすくすくと成長していくのだった。
1:転生魔族
開拓初めて5年経過〜
2:転生魔族
小さな村もできたからね
3:転生魔族
お母さんもまた出産始めたし、頑張るね〜
4:転生魔族
まぁ出産ペースは落とすって父さん言ってたよな
5:転生魔族
魔法楽しいなり〜ゴーレム最高
6:転生魔族
自動ゴーレム作って耕すのほんま楽だわ
収穫の自動化はできないけど、ゴーレムのエネルギーを連結させてゴーレムエンジン作るとは
7:転生魔族
ゴーレムエンジンのお陰で色々捗るからね
小型のなら釣りのリールの巻き取りの補助から、電動自転車みたいにモーターとしても使えるし
8:転生魔族
魔力を流せば使えるのがええ!
9:転生魔族
しかしキューバって言ってるけど実際ここの地名ってなんなんだろう?
10:転生魔族
アルラウネ達は楽園とか富んでいる土地とか言われてるらしいけど
11:転生魔族
まぁ確かに楽園だな
12:転生魔族
なんでこんなに食料に困らないのに前の世界だと富んでいるイメージないんだろうか?
13:転生魔族
植民地···ブリカス···海賊···米帝
14:転生魔族
あっ···
15:転生魔族
残念、SAN値チェックです
16:転生魔族
あー、TRPGやりたくなってきた
17:転生魔族
娯楽も増やさないとね
18:転生魔族
というかやりたいことが多いのにマンパワーが全く足りない
19:転生魔族
贅沢な悩みだけどな
20:転生魔族
食料に全く困らないのが悪い
21:転生魔族
まぁ前の世界でも楽園って言われていた立地だしな
22:転生魔族
なんでカリブ海って楽園なの?
23:転生魔族
海底火山や暖流、広大なサンゴによって魚が住みやすい環境が整っているのが1つ、温暖な気候と適度な降水量で農業に向いているのが1つ、植民しやすかったのに、現地の技術レベルが低く、植民地にするのに最適だったのが1つ···
24:転生魔族
まぁつまりヨーロッパの住民から都合が良かったってわけだな
25:転生魔族
気をつけないと俺達も入植競争に負けるがな
26:転生魔族
後は勇者がもし転生者だった場合は厄介だな。
新大陸の情報が伝われば···
27:父
そこは大丈夫だ
28:転生魔族
あ、父
29:父
長距離移動手段がドラゴンによる飛行位しか無く、船の技術も未発達。
まず狙われるとしたらアフリカ大陸からだ。
それに旧魔王領の分割で必ず揉めるからそれまでは安泰だろうな。
しかも魔王軍の残党がうようよ居るし
30:転生魔族
そう考えると、まだ時間的余裕があると
31:転生魔族
人口増やしたいけど近親交配となるとヤバいからなぁ。
32:転生魔族
まぁそこは中南米の民族との接触に期待するしか無いな
33:転生魔族
本当に居るのかね?
34:転生魔族
居るんじゃねぇか?
35:転生魔族
もっと鍛えてから探索に向かう感じになるがな
36:転生魔族
うっし、じゃあ頑張りますか
37:転生魔族
おー!
38:転生魔族
おー!
レントの予想通り、旧大陸では魔王が倒れた事で盛大な内ゲバが発生していた。
まず力を持った勇者達を懐柔しようとする王族と貴族の対立。
そして各国の取り分でも大いに揉め、戦略兵器である他国の勇者を消そうと暗殺者を送り込む始末。
人類連合としていた各国は5年で急速に関係が悪化し、しかも前線で戦っていた国と国土が荒らされていなかった後方の国々とも対立、そして無限湧きしてくる魔王軍残党との戦い···これらが各国の治安を急速に悪化させて魔王と戦っていた時代よりも暗黒の時代が到来しようとしていた。
勇者達はなんとかしようと動いていたが、戦略兵器である勇者を縛り付けるために仲間だった者達も暗躍し、オランダ辺りにある小国が勇者と仲間と精鋭兵達が革命を起こした事で、対革命のカウンターとして再び連合の話が持ち上がるが、破綻し、小国は国民皆兵を行うことで軍事力を高め、旧魔王領のフランス部分を占領して自称ナポレオンを名乗るヤベーのが誕生。
混乱は加速していく。
森で狩りをしている転生魔族達が喋っていた。
「やっぱり前世よりも圧倒的に強いわ。こりゃ良い」
「兄貴は前世は何をやっていたんです?」
「俺? 元陸自···30代で2曹だから結構出世は早かったかな」
「へぇ~、じゃあ元陸自ニキって呼んだほうが良いっすかね」
「あー、確かに···親父に付けられた名前はしっくりこねーんだよな。元日本人だし、和名の方がありがたいんだがな。親父も自分の名前は自分で決めて良いとも言われたけど」
「メアリ母さんも子供産みすぎて意識朦朧としてたので、名前どころじゃなかったですからね。というかよく治りましたね」
「伊達に魔王の娘じゃねーんでしょうな。あ、ガチョウモドキ」
「ショック···本当、ここの島の動物? 魔物? は警戒心が皆無っすな」
「よーし、他のメンバーを連れて牧場に連れて行くぞ」
「へい、兄貴!」
森を開拓してヤシの木を木材に家を次々に建てていた。
「天候がこうだから···こう作ったほうが良いのか? でもハリケーンの事を考えると地下に逃げられる感じにした方が良いか?」
「田中(仮)さん、コンクリートで家を建てないんですか?」
「あー、コンクリートの量がそもそもそんなに作れない。錬金術で色々な物ができる反面量がどうしてもな。ドラゴニアンの体質で心地よい温度の幅が広がっているがな」
「皆薄着っすもんね。本当なら日焼けを警戒して長袖じゃないと危ないですけど、この肌全く日焼けしませんもんね」
「その民族や気候にあった家を作るのが大工の仕事···まぁ俺もこっちに来てから色々考えながら家を建てているんだがな。安田(仮)の方はどうだ? 木材の調達できたか?」
「それはバッチリです。木材は腐る程あるんで、ゴーレムの研究が進めば製材所の性能も上がるんで、更に木材の調達が楽になるかと」
「植林と並行しねーとあっという間に森が禿げるぞ」
「それは気をつけないといけませんね」
転生魔族達は技術がある者は前世の知識を活かし活躍し、そうでない者も魔法を活用して技術者達に教えてもらいながら楽しそうに仕事をするのだった。
転生魔族達
ドラゴニアンと魔族のハーフ
薄紫色の肌にドラゴニアンの鱗みたいな肌が一部にある。
鱗の色は赤か黒、一部の人のみ茶色。
5歳で中学生くらいの身長がある。
成人時には平均で200センチくらいで男はプラス15センチ、女はマイナス15センチくらいの感じになると思われる。
魔族と同じく魔法に長け、ドラゴニアンと同じく怪力。
鱗と同じ色の尻尾がある。
本人達は調子に乗って新魔族と名乗っている。