転生魔族〜新大陸に新国家建国を〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「「「パパ! パパ!」」」
「おー、よしよし、可愛いなぁ」
アルラウネニキはジョウロで自身の子供である紫アルラウネ達に水をかけていた。
頭の花にかかった水は体内に吸収できるらしく、キャッキャッと喜んでいた。
「可愛いなぁお前ら」
アルラウネニキのお陰でアルラウネ達との絆も深まり、アルラウネ達は農業や植林に協力する代わりに魚や肉を提供したり、交尾してできた種をこっちで育てて欲しいとも言われた。
アルラウネ達にとって同族が増えることが優先で親子関係とかは基本希薄らしい。
だったら確実に種から育ててくれる人達に育ててもらったほうが良いと感じたらしい。
お陰でアルラウネニキ以外にもアルラウネと交わる人がでてきていた。
まぁ兄弟姉妹で性欲は発散できないからね。
仕方ないね。
他には探索隊がキューバ全体を探索したところ、人魚の巣があり、コミュニケーションを試みたが、アルラウネとも違う言語で会話するし、海中で基本生活をしているのでなかなか意思疎通ができない。
1年近く通い詰めて物々交換ができるようになったのが大きな成果であるか?
アルラウネとも友好関係を築くのに7年かかっているので、人魚ともそれくらいを見据えて動くべきである。
さて、現在の拠点であるニューインフェルノ(魔王城があった所の地名がインフェルノだったらしい)では住み始めて10年目となっていた。
ここで一旦新魔王軍の内情を解説したいと思う。
畑は約200町分にまで広がっており、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、ナス、小麦、大豆に似た作物が連作障害に気をつけられながら育てられていた。
家畜だと鶏モドキ、ダチョウモドキ、牛(原種)、豚(色が黄色い)、陸タコ(タコピーみたいな感じ)、羊ぽい何か、海亀、アホウドリぽい奴が捕獲されて飼育されていた。
飼育と行っても柵で囲んで逃げられないようにして、定期的に餌を与える感じだが···。
乳牛ではないので牛乳等は期待できなかったが、貴重なタンパク源として育てられていた。
と言うか牛乳みたいな蜜を大量に噴出する木がなんかあったので、それの栽培を試みている。
調味料はマヨネーズモドキ、味噌、醤油、トマトソース、塩、糖蜜みたいな感じで、食事はパン、トルティーヤ、パスタ、ハンバーガー、パイ等の主食に魚料理、肉の入ったスープ、果実のサラダもしくは果実ジャムみたいなのが主流であった。
元日本人なので食へのこだわりから魔改造したり、創作料理が色々作られているが、基本は上記のメニューとなる。
あと魔族になったためか食事量が普通の人間の倍近く食べる。
ハンバーガーとかはアメリカのLサイズが基本になるくらいには男女問わず食べる。
戦略班が
「魔族の食事の必要量がこれなら、前線だと皆空腹状態だったんじゃないか?」
ということに気がついた。
魔法やら筋力が普通の人間とは違うため必要な食事量が違うのである。
そして食べた物は基本的に筋肉に変換されるので、転生魔族達はボディビルダーや軍人みたいな体型の人が多くなる。
と言うかデブが居ない。
···話が脱線したが、食事は皆十分量得れている。
次に衣類だが、麻っぽい植物を編んでTシャツ、短パンで皆生活をしている。
下半身の下着だけ綿の物を使う感じ。
木綿の栽培がまだ軌道に乗ってないので、最低限であり、足りない人は男を中心に麻のふんどしで我慢している。
皆過ごしやすい気温なのでそこまで着るものにこだわりが無い。
まだオシャレができるほど物資が無いのが悪い。
住の方は大工ニキ達が頑張ってくれて、アメリカ風の平屋が幾つも建てられていた。
一番の特徴は地下室が必ずあることで、地下室に寝室を作ることで、寝ている間にハリケーン直撃で死亡みたいなことは避けられていた。
あと地下室なのでひんやりしていて気持ちが良いのもある。
換気問題も換気口にゴーレムエンジンの送風機を室内から回すことで空気の入れ替えができていた。
ただ全員分の家は建てられないので、班ごとに家を建てて、共同生活するのがデフォである。
一部例外は居るが···(アルラウネニキ等 子供が多く、アルラウネの研究所として1軒建ててもらった)
一応通貨として海亀のモンスターの甲羅を加工したコインが使われていた。
紙がまだ貴重なので紙幣にするには厳しく、海亀のモンスターの甲羅であれば綺麗なので原始的な通貨としては十分であると判断だ。
だいたい1食コイン1枚で日給がコイン10枚とかそんな感じである。
貧富の差が出てくるとか色々な意見がでたが、物々交換だと不便なのであくまで仮の通貨として機能した。
で、毎日の様に夕方から夜になると賭け事や生産物の交換会が開催されて、縁日みたいになっていた。
屋台が建ち並び、班ごともしくは個人でも皆の為に渡す分以外は屋台で売っていく。
例えば探索班が狩ってきた珍しい鳥の肉や羽だったり、賭け将棋やチンチロ大会が開かれていたり、料理を作って売っていたりと副収入として稼ぐ者、娯楽として楽しむ者、生活用品を買い足す者とそれぞれの目的で売買していた。
毎日同じ出し物が出るとは限らないのでそれも楽しみの1つであった。
魔法の体系化をする研究も始まっていた。
魔法はイメージによって効果が大きく変わるが、この魔法はこの効果みたいに決まっていたほうが覚えやすく、扱いやすいというメリットがある。
相手に意味が伝われば対抗されてしまうが、基本無詠唱なのでデメリットも無い。
転生者達もドラク◯系、メガ◯ン系、FF系、ポケ◯ン系等のゲームからラノベや漫画、なろう系、魔法形態と様々であり統一できていなかったので、皆も魔法を覚えてきたので統一してわかりやすくしようという動きが高まっていた。
「無難にファイヤー、サンダー、ウォーター、アース、ウィンドで火、雷、水、土、風の魔法の頭文字にすればいいよね?」
「「「異議なし」」」
弾丸はバレット、熱線みたいなのはレーザー、みたいにどんどん決めていき、これができたら初級、これができたら中級みたいに等級も決められていった。
これは旧魔王軍では全くできていなくて、集団攻撃をしようとして失敗した例があり、魔法の統一だけでも新魔王軍にとって大きな進歩であった。
これと同じ頃、錬金術のレシピもでき始めており、化学式の過程を飛ばすのが錬金術は得意であるという発見もできた。
例えばコンクリートだったらセメント、砂利、砂が必要で、セメントを作るために石灰石、粘土、けい石、酸化鉄、石膏が必要であり、錬金術だと手順を無視してこれらを全て錬金釜に入れて混ぜ合わせればコンクリートができてしまうのである。
ただ現代化学を知っていればある程度容易であるが、それを知らない者からすると一気に難易度は上がるし、現代化学に無い魔物や魔法金属等は1から研究しなければならない。
ただコンクリートとかは施設が整えば大量生産できるが、ミスリルなんかは錬金術でしか作製不可能なので希少性がグッと高まる。
この錬金術の生産性の悪さをなんとかするために、レシピの簡略化や代用の材料でもできないか、そもそも釜の大きさや材質をいじったり、魔力水の濃度を変更したりと地道な努力が続いた。
最終的に魔法金属を錬金する時は坩堝型の釜をゴーレムエンジンを使って自動で規定回数回して型に流していくという半自動化に繋がっていくのだった。