【白兎と死神は神を憎み、問題児揃いの集団を作る】   作:あましのの小説部屋

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Fileハデス:死を司る神として───

冥界

「うわああああああ!!忙しすぎるううう!死者の管理が減ったのはいいけどなんで専門外の役割をしないといけないのよ!!」 

 

「・・・・・・・」

 

「そういわれましてもヘカテー様、天界では下界に降り立つ神が後を絶ちませんので現在神手不足なのですよ!それにハデス様を見てください、もう生きてるのか怪しいレベルですよ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

ヘカテーが自身の従者であるモルモーに言われてハデスを見るともう生きているのか怪しいレベルで白くなっていた。

 

「あれ、生きているのかしら・・・・生気を感じられないのだけれど」

 

「一応息はあります・・・・・・・たぶん」

 

「否定、できないわね」

 

「生きてるわよ!少し仮眠とってただけだわ!」

 

「というかハデス様、この仕事量何とかできませんか」

 

「そうは言っても、下界に行った神はなかなか帰ってこないわ、それだけ下界には娯楽が多いし、未だに降り立つ神は多い。しかも、人間が送ると神殺しの大罪を背負う事になる、そう簡単に済む問題ではないよ」

 

「そんなぁ、ん?ハデス様どこか用事ですか?」

 

「ああ、審判に行ってくる。ここ最近急に多くてね」

 

「た、大変ですね」

 

「慣れてるからいい。では行ってくる」

 

足元フラフラで白髪のせいで年老いて見える後ろ姿を見ながらハデスは部屋を出ていく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(ヘカテーにはああいったけど、このままでは仕事に忙殺されてしまう。冥界の女王の死因が過労死とかどんな絵面よ。それに私だって下界に行きたいし下界の店で食事やファッションを楽しむのもいいわね、でも一番は眷属を引き入れてファミリアというのもいいわね、下界の子達と触れ合ってみたいもの!だけど、この仕事量を置いて下界に降りる訳にも・・・)

 

ハデスは下界の情報が入らない冥界にずっといる。唯一あるとしたらそれは魂を裁く時に手に入る判断材料のみ。鏡を使う事も出来ないし、他の神は全く立ち入らない。それにハデスは神々の中で唯一天界に立ち入ることは出来ない、つまりはハデスは世間知らずということになる。

 

「さっさと審判でも終わらせるか」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハデスの前には2つの魂があった

 

片や、15の少女アーディ・ヴァルマ

英雄都市に住み、最期まで民の為に戦った若き戦士

片や、10も満たない少女

邪神の甘言に踊らされ悪を成してしまった哀れな娘

 

「え〜と、ここは何処?私は死んだ筈だけど」

「………」

 

2つの魂は何が何だか分からず辺り一面を見渡す

此れより裁判が行われる

 

「ここは冥府の入口、そして私はここの門番にして王、ハデスという」

 

最高裁判官は冥府の女神ハデス

罪人には其れ相応の報いを

善人は天界へ送り、新たな命を得る

 

「…神様、どうか私をお母さんとお父さんの元に」

 

10も満たない少女は懇願する。

それは祈祷を捧げるかのように───

 

しかし、それは叶えられない祈りであるのに

 

「それは出来ない話ね」

「…っ!?何故ですか!神様は言うとおりにしたら家族とまた会えると言っていました!」

 

少女は罪を犯した

家族にまた会えると信じ、その命を贄に人一人殺した。隣にいるアーディと言う少女を殺した

 

ならば、その罪を禊払わないといけない

少女の両親は善人

そして、少女は神の甘言に踊らされたとは言え罪を犯した

 

少女は禊を、報いを受ける

その後に輪廻転生が行われる

 

そうなれば再度下界に生まれ落ちる時、大幅に時代がずれる

 

同じ時代に生まれるのは善人、英雄の魂のみ

それ以外は完全なる無作為ランダム

例え例外で巡り会えるとしても果たされなければならない因縁、或いは善人の復讐が報われる為に再度会う程度であろう

 

善人の魂と罪人の魂は平等ではない

 

そもそもの話、洗浄された両親や少女の魂は無垢となり下界で新たな生を受ける関係上、また巡り合う保証は何処にもない。また、夫婦となる保証は何処にもない

 

「うそつき!私は神様と約束した!また巡り合わせてくれると!なのにどうして!?」

「私は君と約束をしていない」

 

少女と約束をしたのは邪神であって私ではない

 

「君は罪を犯した。隣の少女を殺した

ならばその罪を償わなければならない

 

君は奈落に落ちて、其れ相応の報いを受けるの」

「いやだ、お母さんとお父さんに会わせてぇぇえええええ!!!」

「ごめんね、此れは決まりだから」

 

少女は駄々を捏ねる、両親に会わせてと

しかし、その駄々も無駄に終わり少女は奈落へと落ちた

 

邪神は親を亡くした少女に甘言を言い従わせた

不運な少女だ。親を亡くし、邪神の掌に踊らされ、殺人の罪を犯してしまった

 

「あ、あの私はあの子の罪を許しますから両親に会わせて、ということにはならないでしょうか」

 

幼い子に殺された少女アーディ・ヴァルマは、殺されても尚善人であった。いや、お人好しだった

 

「それは出来ない話ね

貴女の魂とあの子の魂は平等ではない

人を殺した罪人と殺された善人の魂は別物

 

悪を犯した者は其れ相応の罰を

善を成した者は其れ相応の褒美を

 

貴女の姉がこれから何一つ罪を犯さず命を終えたなら同じ時代に生まれ落ちるよう調整できる

けどあの子は出来ないわ。だって、罪人なのだから」

「で、ですから殺された私が許しますから

あの子に両親に出会えるようにっ…!」

 

決まりは決まり

覆してはならない

同じ時代に生まれ落ちる事は叶わない

 

「…君は底無しの善人だね。でも、此れは決まり

覆してはならない、悪と善は同じ時代に生まれ落ちることは出来ない」

「ですが、あの………」

 

アーディ・ヴァルマは殺されても尚、あの子を救おうとした

 

それは底無しの善意、それは底無しのお人好し

それは美徳であるが故の死に至らしめた原因である

 

「此れは決まりなの、ごめんね」

 

アーディ・ヴァルマは善人として天界へと送られた

 

♢♢♢

ハデスは激怒した

かの邪知暴虐の神々を除かねばならぬと決意した

(どんな理由があっても罪は罪、罰は罰、そう信じてきた、だけど、そっちがその気ならこっちも違反行為なんて知ったことか!)

罪人の殆どは邪神の甘言に踊らされていた

 

冒険者を殺せば愛した者に巡り会えるだろうと嘘を囁き、罪を犯させていた

家族を失った民衆を、仲間を失った冒険者を騙し、その手を穢させていた

 

貴方達は死を司る神だからといって人々を死に誘うなどなんと傲慢なことか

 

貴方達は神時代、英雄神話時代が始まる以前の暗黒期を知っていながら何故にそんな事が出来るのか理解が出来ない

 

貴方達は知らないのか?

 

精一杯逃げるも虚しく悪辣な魔物に惨たらしく母体ごと産まれるはずの命を散らした妊婦を

 

母が下半身を喰われた我が子を抱え涙しながら

『こんな時代に産んでごめんね』と謝る姿を

 

魔物達に喰われ激痛と苦悶と共に世界を呪った兵士達を

 

生とは祝福だ

皆が笑顔の中、泣きながら産まれる奇跡だ

死とは安寧だ

皆が涙を流す中、しわくちゃな笑顔で逝くのだ

 

それが生と死の在るべき姿、人という愛おしい子らの在るべき姿、それが喜劇の相応しい終着点

 

あの時代を繰り返してはならない

あの時代は遠い昔の暗黒期でなくてはならない

 

だと言うのに、送られてくる魂はどれもこれも若くから命を落としている

それも死神の甘言に踊らされている者ばかり

 

貴方達は生をなんだと思っている?

貴方達は死をなんだと思っている?

 

あの時代が、魔物達が跳梁跋扈する時代こそ至高だとでも思っているのか!?

 

人が人を殺す悲劇はあってはならない

惨劇が、悲劇が至高なはずがない

 

(そんなに仕事がしたいのであれば終わりなき激務をくれてやる。もう二度と下界を拝めないほどの激務を

死を司っていない馬鹿者にはその権能を剥奪し、奈落の底に堕としてくれよう)

 

邪神達は確かに踏み抜いた

冥界にて頂天の女王の怒りを買った

 

彼女の怒気は領域全土に響き渡り、魔物達は降伏の意を、巨神達は発せられる覇気に向かって膝まづいた

 

下界は貴方達の遊び場ではない

下界は下界の者達の領域

 

我々は恩恵という代金を払い、近くで見届ける只の観客

 

それをあろう事か舞台に上がり掻き乱すのであれば、強制退場して貰う

 

ねぇ、待っててね。邪神達

貴方達に当然の報いを与えてあげる

(ふ~、よし、この膨大の仕事を下界でふんぞり返っている邪神共に押しつけよう。とはいってもいつまでも下界にいるのはまずい100年位でいいか。)

そう思い、ハデスは戻る

「戻ったわよ・・・・うわぁ・・」

 

扉を開けた先にいたのはヘカテー、そしてその部下たちが死んだ目をして、倒れていた

「ハデス・・・様・・・おかえり・・なさい」

そう、ハデスは某ブラック企業に働くペンギンと同じ仕事量を平気でこなしていたのだ

そんな量をこなせるはずもなくヘカテーたちは自身の限界を数時間で超えてしまったのだ

「とりあえず、貴女たちにいいニュースと悪いニュースがあるわ、どっちから聞きたい?」

「じゃ、じゃあ悪いニュースからで」

急なことに戸惑いながらもヘカテーは答える

「100年ほど休暇を貰うわ」

「へ?」

神々の顔が青ざめていく、無理もない

「本当ですか・・・・」

「ただ貴女たちに押しつける気はないわ!」

「じゃあ誰が」

「そこで二つ目のニュースよ」

ハデスが指を指す、そこには縄でぐるぐる巻きになった神々だった

「今度からあの馬鹿共に仕事を押しつけなさい。私が許すわ。それに私も定期的に神をそっちに送るわ」

ヘカテーたちの顔が明るくなる一方で束縛された神々はしおれていく

「じゃあ、私は失礼するわ」

そうして下界に降り立った

 

そうして白兎に出会う




オリキャラは原作を壊さない程度に出てきます

ハデス・ファミリアのステイタスをまとめた話は作る?

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