王子戦隊アドバイザーズ!   作:かりん2022

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王子戦隊!アドバイザー就任!

「開拓しようぜ! で、俺らの国を作ろう! 王様俺な!」

 

 俺は宣言して、開拓部を立ち上げた。

 ご機嫌な仲間を紹介するぜ!

 

「神聖皇国の忌み子王子、パンドラ! この俺が、神がいるって証明してやる!」

 

 いかにもインテリで鋭い目をした白銀に蒼い瞳の童顔の少年。

 

「そこまでいうなら、見せていただきましょうか」

「おう、任せとけ! だから法務大臣は任せた!」

 

 法務大臣、ヨシ!

 

「帝国の戦闘狂王子、ラスバ! 君がお腹いっぱいになるまで強敵を用意してやる!」

 

 鍛え抜かれた肉体と、莫大な魔力。燃えるような赤毛。心に宿すは灼熱の炎。齢15歳で自国の騎士団長を倒したという英傑。

 

「できなきゃテメーを殺すまでよ」

「約束は果たすが……泣くなよ? 騎士団長は任せた!」

 

 騎士団長、ヨシ!

 

「錬金王国の前能無し王子、現神童王子、カイト! 君の願いはもう叶えたな! これからも色々開発しようぜ! 文部科学大臣は任せた!」

 

 蒼い色の髪の蒼い瞳の青年は、笑って頷いた。

 

「君がくれた拡張鞄に誓って。君の描く未来に連れていってくれ」

 

文部科学大臣、ヨシ!

 

「商王国の優秀すぎる妾腹王子、ソラ! みた事のない物を商わせてやる! 経済大臣は任せたぞ!」

 

 黒髪黒目の女の子のように美しい少年は嫣然と微笑む。

 

「照れるね。駄目だった時は君自身に奴隷になってもらうよ?」

 

 経済大臣、ヨシ!

 

「そして! 芸術の国の夢見王子、フランソワ! 君は国の未来を描く広報権外務大臣だ! 俺らの描く素晴らしい未来を凡人どもにわかるように見せてやるのがその役目! 君の願いももう叶えたな!」

 

 外務大臣、ヨシ!

 

「うん、僕が描いた物を、カイトが作って、パンドラが祝福しいて、ラスバが守って、ソラが売る。素晴らしいと思うよ」

 

そして平民の俺、トール!

暗殺の予感バリバリだぜ!! マジで。

 

「全員に、まだ見ぬ景色を見せてやるぜ!! あ! 俺は王様と国の根幹たる農業大臣兼任な。ここ転けると死ぬから」

 

15歳になると、部活動を作れる。

だから、俺は死ぬ気で王子達を勧誘したのだ。

ラスバ王子に戦いで勝ったり、フランソワ王子に絵や小説を献上して気を引いたり、カイト王子に空間拡張鞄を作ったり、パンドラ王子にアプローチしたり、ソラ王子の時間を買ったり、めちゃくちゃ大変だった。

王子はなんだかんだ言って、国の上澄みだからな。

 

「では、一番重要な、開拓する土地を紹介したいと思う。スキル使うから驚くなよ」

 

 王子達の前に、護衛が出る。ちなみに一人に絞ってもらってる。俺は護衛達の心の準備ができるのを待ってスキルを使った。

 

「ドア……?」

「なんと立派な」

 

 ジロジロと全員が豪華な装飾の扉を見る。

 

「これぞ、ニューワールドへのゲートだ!」

「ニューワールド?」

「そうだ! 創造神は、かつてこの世界を創り、応用としてニューワールドを創られた。しかし! 人々は生きるのに精一杯でなかなか文明を育てられないでいる! そこで! アドバイザーを送る事にした! 俺がスペシャルアドバイザー! 俺に選ばれた君達がアドバイザー! あと、君達はそれぞれ10名のサブアドバイザーとそれぞれが助手を3人ずつ選べる。ただし、1人は現地人必須な。人選ミスると詰むからサブアドバイザー選択権及び助手選択権はまだ俺が預かっとくわ。スペシャルアドバイザー1人、アドバイザー5人、サブアドバイザー50人、助手168人、開拓団はフルで224人になる。アンダスタン? とりあえず、アドバイザーには神の書を配るから」

 

 俺は半透明の書を浮かばせて、王子達に飛ばす。護衛さん、大丈夫、大丈夫だって。

 

「神、の書……?」

 

 戸惑いがちに王子達は書を開く。

 書はホログラムのようにエルフや魔物を映し出した。

 

「つ、作ったんですか? 新しい魔道具を? すごい設定ですね。よくできてる」

「そこまでの技術はまだねぇよ。これは遊びじゃない。実際に下手打ったら死ぬからな。ニューワールドの命運かかってるし。俺は君達がこの世界最高峰の若者だと思って選んだけど、辞退するなら仕方ない。次のアドバイザーを選ぼうと思う。で、この開拓部に入る? どする? 半年までなら考える時間をやるぞ。あ、でもパンドラはいないと困る。神様肝入りのエルフって種族、その精霊魔法のプロトタイプだから。誰が欠けても困るけど、パンドラが欠けるとどうにもならない」

「わ、私は……」

「面白そうだな。俺はアドバイザーの座は誰にも譲らんぞ」

「ラスバ殿下」

「そう来なくっちゃな、ラスバ」

 

 パラパラとラスバ殿下は本を捲る。

 それを皮切りに、王子たちは本を取っていった。

 

「アドバイザーになる覚悟が出来たら、ステータスと言ってくれ」

「「「「「ステータス」」」」」

 

 判断が早い。それぞれの王子の前に半透明の板が浮かぶ。

 

「翻訳スキルは確定でもらえる。それぞれ、適正スキルと祝福スキルを2つずつ、各ステータスポイントは1000、スキルポイントは10もらえる。これを割り振ることで強化ができる。取得に必要な数値は適正や努力による。ポイントを割り振るときは慎重に一つずつな。ポイントは緊急時を除いて半分温存しといてくれ」

「神託スキル? 神の声が聞けるというのですか?」

「魔法剣スキル? フレイムソード! おおっ」

 

 ラスバが炎を剣にして歓声を上げる。

 

「スキル……凄い、凄いな!」

「ふふっ 僕は君をみくびっていたようだね、我が陛下」

「凄いよ陛下〜」

 

 ふふふ、陛下呼びが心地よい。さすがは王子、判断が早い。

 そして、パンドラは声を上げる。

 

「【スペシャルアドバイザー、トール。今こそアドバイザーを率い、扉を開け、最初の試練を授ける。神殿に導かれし子供達に生きる術をアドバイスするのです】」

「おお、初神託、初クエスト! どんと来い!」

 

 そして扉が開いていく。

 

「みゃあー」

「キュゥーン」

「クーン」

「シャー!」

 

 ボロ切れをきた犬耳、猫耳の幼児達が神殿のど真ん中で震えていたのを見て、王子達は絶句し、俺は叫んだのだった。

 

「うおおおおおお! マイエンジェル!! 猫娘犬娘来たー!」

「ミャー!」

「シャー!」

「「クゥーン」」

「怯えさせるな、王よ」

 

 そういうラスバの声は震えていた。

 なおこの世界には亜人も魔物も存在しないし獣人の概念すらない。

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