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「こちら
『了解』
現在俺たちは絶賛戦闘中だ。
正確には作戦遂行中戦闘準備中ってところだな。
しかし吹雪がのせいで機体が重く、10m程に近づいてやっと機体の輪郭が見えてきた。
『西本より各機へ。現在敵小型は大型を中心に1200m程《ほど》に散開している。中型は大型の
『『了解!』』
へいへい。また貧乏くじですかい。
『井上、行くぞ』
「はーい」
『あくまで陽動だから気楽にな』
大型にカチコミに行くのは気楽じゃないでしょう。
とまぁぼやいても仕方ないので移動を開始する。
しかしこうも視界が悪いと近接戦闘はほぼ無理だな。
幾らへミスが寒冷地にも対応しているとはいえ、この吹雪の中で格闘戦はできない。
となると中距離からの——
ずむっ。
「しまったクレバスか。あぶね」
即座にギアをアッパーに入れてバランスを保ったが、もう少し大きい穴だったら完全に脚を取られていた。足元はちゃんと見ないとな。
『ぼやぼやすんな、もうすぐ接敵のはずだ。警戒は厳にな』
「り、了解」
背中に装備してきた砲筒《ほうとう》を右腕と腰部で固定、照準軸《トリム》を合わせる。
熱源探知と電波探信《レーダー》のデータをメインモニターに表示。
「敵影捕捉《てきえいほそく》。大型1匹と中型1匹。目標との距離約80。依然《いぜん》敵に察知《さっち》された兆候《ちょうこう》なし」
『よし。10秒後にフレア弾を発射する。その後中型は井上が撃破。俺ははさっさと大型の懐《ふところ》に飛び込むから援護してくれ。行くぞ!』
「了解!」
スラスター全開。リアスラスターのペダルを目一杯踏み込む。
西本さんがフレア兼信号弾を発射。
この吹雪の中でもよく見える。
敵中型との距離50、相対速度20/s。
「敵がフレアを察知した模様。敵小型の予想集結時刻まで200秒! 攻撃開始します!」
『了解』
中型が警戒体制に入った。
だがこちらは別に格闘戦をやるつもりはない。
先程言いかけたが、AGEに対して距離を取って戦う方法は基本的にひとつだ。
基本的に通常火器は牽制《けんせい》程度にしかならない。
しかし瞬間的な火力が出れば倒せる。
それが今回の贅沢装備。
物理衝撃収束質量火砲P3、通称「実弾」。
名前の通り、特殊徹甲弾《とくしゅてっこうだん》を通常の20倍の炸薬《さくやく》で発射するというなんとも頭の悪い装備である。
砲筒内が若干
こいつは相転移《フェイズシフト》装甲もぶち破れる。
ただ、1つあたりがアホほど高い上に使い捨ての装備なので、まさに現金を射出するようなものだということだ。
これ10本でへミスフィアFn型(量産型)が一つ買える。
しかも有効射程距離が10〜30mなので、基本的にモビルスーツで近づくしかないのである。
とはいえ、コイツの威力は折り紙付き。大型でも至近距離かつ当たりどころが良ければ、1発で屠《ほふ》ることができる。
相対距離30。
ギアをローに入れて脚部スラスター全開。
フェイズシフト展開。
急制動を掛けつつ照準軸合わせ。
当然だが追尾機能はない。
それにこの吹雪の状況ではオート照準でも当たらないだろう。
完全に手動で照準しつつ減速し続ける。
目標との距離19。
対地速度0。
発射。
大きな反動と共にメインモニター一杯にマズルフラッシュが広がり、映像が一瞬途切れる。
リアスラスターがオートで作動しバランスを取る。
メインモニターの映像が戻る頃には中型が爆散《霧散》した跡だけが残っていた。
中型いっちょ上がり。
さて、今度は大型の援護をしつつ集まってくる小型の撃破か。
忙しいな。
そういえば余談だが、もう一つAGEを倒す方法はある。
そう。みんな大好き核だ。
これは別にモビルスーツは必要ない。
超超遠距離からの弾道ミサイルや巡航ミサイルとかでも良い。
モビルスーツで投げても良い。
とりあえず当たれば倒せる。
まあモビルスーツが実戦投入されてからは、汚染被害などがバカにならないので滅多なことでなければ使われていないが。
さて。
味方がこちらに到着するまでおよそ400秒。
ぼちぼち頑張りますか。
暫く吹雪での戦闘が続きます。
戦闘描写も好きなんですが、かわいい娘も書きたいです。
今後とも宜しくお願いします。