9号の異能によって“断絶”された住宅街の1区域にて。
8号と9号が向かい合っていた。
「来たか······怪獣8号!!」
「先輩······来たんですか」
「ごめん、待たせたな。······2人とも、死ぬような怪我ではなさそうだな。傷の止血操作も出来てるし、もう大丈夫だからそこで待っとけ。すぐにコイツをぶっ飛ばしてやるからよ」
「先輩!···気を付けて」
怪獣8号。推定フォルティチュード9.8。
日比野カフカは未だにその力を十全に発揮できてないにも拘わらず、“戦力評価”一個中隊相当の本獣を一撃で“討伐”している。
「(先輩が強いのは知ってる。だけど···嫌な予感がする)」
「まずハ小手調べ。」
9号の“指鉄砲”が8号の左胸部に命中。
予想よりも大きいダメージを受けた8号の口から血が流れる。
「さすがにタフだね。君が相手なら僕も、本気を出せルかな」
そう言うと9号は突如として“変形”を開始。
筋肉が不自然なまでにうごめき、隆起する。
僅か数秒で形態変化を終えた9号は······全長約5m程の
「第2ラウンドといコうか」
「·········」
拳と拳の衝突。
それだけで周りに強烈な風圧が巻き起こる。
膨大なエネルギー同士の拮抗──は、一瞬で崩れた。
9号がぶつけていた右腕をさらに膨張・強化させ、8号を強引に殴り倒したのだ。
「嘘だろ!?(怪獣状態の先輩が殴り負けた!?)」
「(アイツ···俺達には全然本気じゃなかったのか!)」
だが、8号もまた識別大怪獣。
起き上がる瞬間に渾身のアッパーを叩き込む。
蒼い閃光が迸り、9号の右腕筋繊維を露出させる。
「うン···いいね。興味深い (···やはり、攻撃を受けた箇所の修復が遅イ。なぜだ?)」
怒涛のラッシュ。
8号は肘を変形させ、エネルギー噴射による超加速を織り交ぜての連続打撃。
対する9号は死骸を両腕に纏わせ、再生阻害を対策。
数十、いや百数十の攻防の末、8号の肘打ちが顎にクリーンヒット。
9号の頸を飛ばす。
「素晴らシい。もッと見せてよ」
飛ばされた頸が不敵に宣言。
直後、再び肉弾戦が始まった。
僅か数秒で9号の頸は再生し、しかも消耗もかなり少ない。しかし、連撃の拮抗は再び崩れる。
今度は、8号の暴走によって。
「怪獣強度の上昇···それと“殺意”?」
8号がより速く、より強い拳を繰り出す。
肘のブーストを全開にした最高速の右ストレート。
打撃後の隙を考慮しない、“獣”の攻撃──ではない。
腰を捻って上体の向きを9号へ転身、自己破壊を代償としてブースト全開・右ストレートを再び打ち···今度は命中。9号を殴り倒した。
マウントポジションについた8号は、そのまま一方的に連続殴打。
強度と速度の両方が乗っかった殴打は、9号の肉体を激しく損傷させ、かつその再生を阻害する。
「(あー、これハまずい)」
8号の腹部を蹴り上げ、馬乗りから脱出。
下半身はまだ無事だが、上半身の損傷は著しく、再生速度も通常よりも格段に遅い。
あと一撃喰らっていたら、胸部の核が露出していただろう。
「(離脱するカ)」
そう決めた瞬間にはもう行動を開始していた。
まずは異能による指定区域の“断絶”を解除。
次に“死骸の壁”を半円状に多重展開。
そして8号が壁の突破に手間取る間に即離脱。
「こちら
しかし事情を知らない防衛隊員に発見された8号は、追跡を中止しなければならなくなった。
「(カイジュウ···ミウシナッタ)」
──市川と古橋を守ることには成功したが、9号の討伐には失敗するという、禍根を残す苦い決着となった。
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Q.
A.9号が負荷に耐えきれないので無理。
まあ数十年程度なら可能だろうが···その場合、封じ込めが破綻した後の防衛隊は鈍りきっているので最悪日本が滅ぶ。
その点、マッチポンプであればいくらでも加減ができるので比較的マシ。
9号は好きですか?
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筋肉