よし、経験値サンドバッグになろう。   作:訥々

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嵐の前の2ヶ月

独自設定タグが火を吹きます。注意されたし。

 

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相模原討伐作戦。

立川基地襲撃。

そして品川討伐作戦。

 

約1ヶ月の間に起きた一連の動乱の後、日本は約2ヶ月間の小康状態に入った。

何事もなく平和だった···というわけではない。

9号とは無関係に怪獣は発生するし、犠牲も出る。

渋谷での一件以降は怪事件も頻発しており、どこかピリついた空気が国内に蔓延していた。

それでも、防衛隊は対9号戦に向けて着々と戦力増強を図っていた。

 

 

 

 

 

鳴海弦─識別怪獣兵器1号の進化。

使用者の脳に多大な負荷が掛かるためごく短期間に限られるが、ナンバーズ1にある全身の眼から電子の動き・温度変化・地形など···この場の“全て”を把握し次に起こる現象をビジョンとして予知する力───文字通り、未来を予知する力を得た。

 

 

亜白ミナ─専用兵器、対大型怪獣固定電磁砲(レールガン)の取得。

ケラウノス(スーパーコンピュータ)”による弾道予測等の補助がなされるとはいえ、極めて複雑な機構を持つ超大型怪獣兵器の使用は、砲撃特化の彼女にしか出来ない。

その分、貫通力と射程の広さは怪獣兵器史上最高だ。

 

 

保科宗四郎─識別怪獣兵器10号の取得。

意思を持つ識別怪獣の兵器化により、使用者と兵器が深く同調した時の身体能力が大幅に上昇。

課題は感情の同調が難しく、解放戦力がなかなか安定しないことか。

 

 

四ノ宮キコル─識別怪獣兵器4号の取得。

飛行能力を使用者に付与するユニ器官*1を持つ、“最速”のナンバーズ。

彼女が以前から持っていた強烈な攻撃力に、機動力が加わった。

 

 

市川レノ─識別怪獣兵器6号の取得。

かつて史上最悪の群発災害を引き起こした大怪獣。

討伐し兵器化がなされたが、適合者不在のため封印されていた代物。

そんなイカれたこの兵器の能力は“冷却”。

対象の行動の阻害や使用者の足場を作るなど、この能力の汎用性はなかなか高いが、長年封印されていただけあって制御が極めて難しい。

 

 

古橋伊春─瞬間適合者(フラッシュアダプター)としての才能の開花。

瞬間適合(フラッシュアダプト)···平時の解放戦力は一般隊員並み(20〜30%)でも、任意のタイミングでほんの一瞬解放戦力を隊長クラス(80%超)まで引き上げる能力。

同じく瞬間適合者である緒方ジュウゴ(第4部隊隊長)によってその才を見出された。

 

 

日比野カフカ(怪獣8号)─隊式格闘術変式の会得。

9号はなぜか防衛隊に関する主要な情報を把握しており、従来の格闘術もおそらく既に学習済み。

そのため対9号を想定し、特殊な動きを組み込まれた“異型”を保科宗四郎から学び、会得した。

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

無論、怪獣(9号)側も戦力増強に努めていた。

9号は識別大怪獣(Ft.9.0以上)を5体、その他複数種の大怪獣(Ft.8.0以上)を数多く“作った”。

 

()()()()()()()()()日本防衛隊の“戦力評価”によると、

・大怪獣と戦える隊員─30人未満。

・大怪獣を単騎討伐できる隊員─10人未満。

・識別大怪獣を単騎討伐できる、或いはその可能性がある隊員─約5人。

9号が作り出した怪獣群の戦力は、明らかに東方師団の──そして日本防衛隊の処理能力を超過している。

 

それでも、『物語』を知る(9号)はまだ不十分な戦力であると考えた。

日本防衛隊の、決して揺るがぬ主柱を創り上げるための“試練”となる一大敵戦力がいない、と。

 

 

ならば僕が“壁”とナり、立ち塞がろう

 

 

彼が目指したのは、既存の東方師団の主要戦力だけでなく、日比野カフカ(対怪獣最適戦力)を含む“若き才能”すらも一手に引き受けられる程の、圧倒的な戦闘力!

それを手にするための一環として、8号対策──特に怪獣8号の“再生阻害”に対抗する策が必要であると9号は考えた。

 

 

 

 

 

 

 

まず、9号の再生を阻害するモノの正体を調べた。

戦闘中に取り込んだ8号の肉片を、そのまま9号の体内で解析。

 

\体調が悪くなった。(ピー音)/

 

······8号の残滓を脳に回した結果、頭痛や吐き気を催したが──解析には成功した。

どうやら、8号の細胞はアンチ9号とも言うべき特殊な細胞であるらしい。

特に、8号が攻撃する時に発する“蒼い閃光”は危険だ。

アレを受けると9号の細胞が“壊れる”。

 

 

そうカ···君は()()()()()()なんだね

 

 

人に仇なす悪の権化たる自分(9号)

そしてそれを斃す能力···流石は『主人公』だ。

 

 

 

 

 

次に、再生阻害に対する対策。

これについては概ね把握できている。

 

 

攻撃を受ける部分を、自分以外の怪獣に由来する素材で覆えばいい

 

 

初めて戦ったとき、怪獣の死骸製のアーマーが一定の効果を発揮していた。*2

その事を思い出し、自然発生した怪獣を使って特製のアーマーを作った。

その見た目は、怪獣筋肉で出来た()()()()()()2()()

 

 

全身を覆う甲冑にしても悪くハないが···そうすると俊敏性が格段に落ちる。装備は腕だけに留めルべきか

 

 

 

 

 

最後に、隊式格闘術の会得。

 

 

隊式格闘術の基本は下半身···下半身で生み出した力を拳へ伝える···

 

 

足を膨張・強化し、この格闘術独特の構えを取る。

強く踏み込み、虚空に拳を繰り出す。

 

 

うン···素晴らシい

 

 

筋肉ではち切れんばかりの脚から発生したパワー。

それが識別怪獣兵器2号──の模造品によって増幅。

一連の動作は余すこと無く力を拳へ伝え──

 

──虚空に繰り出した拳は、山を穿ち抜いた。

 

 

 

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*9号は隊式格闘術“異型”の存在を知りません。

 

9号(主人公)は根っからの善人ではありません。

手にした“力”を人類へ向けた彼には、相応の末路が待っています。

そして、本人もそれを自覚しています。

 

*1
怪獣ごとに多様な特性を発揮する特殊な器官

*2
あくまでも8号細胞の作用を抑制しただけ。9号以外の怪獣にも8号細胞は効く。

9号は好きですか?

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