*今回の話は“品川討伐作戦”の流れをある程度知っておかないと意味不明な内容があるかもしれません。
というわけで簡単に説明します。
太字の所が重要です。
・品川区に蟻型怪獣が出現したぜ!
・9号(分体)も2体出現したぜ!
・身体を根のように張り巡らせてきやがったぜ!
・でもなんやかんやで分体を倒せたぜ!やったぜ!
・···と思ったら司令部を襲撃されたぜ!?
・四ノ宮長官をボコられた*1上に逃げられたぜ···。
*独自設定タグが再び火を吹きます。注意されたし。
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「「怪獣9号、討伐します」」
9号との決戦が開始されたことは映像ドローンを通して全隊員、そしてシェルターに居る日本国民に共有された。
軍司令や国民が固唾をのんで見守る中繰り広げられる戦いは、まさに人外の狂宴。
近接格闘だけでなく“指鉄砲”やエネルギー圧縮弾などの攻撃手段を持ち、近・中距離戦闘を単騎でこなす9号。
対する人類戦力は、近接特化の8号が攻め、砲撃特化の亜白がそれを援護する。
『保科副隊長との連携とは違う、亜白隊長の新たな一面···!』
一方が引けば、一方が攻める。
9号が大技を繰り出せば避け、隙を突いてカウンター。
目まぐるしく変わる戦況にあってしかし、一定の拮抗を保つ。
しかし“拮抗”では足りない。
核を砕いて絶命させるまで、9号は永遠に動き続ける。
そのためには堅牢な肉体を突破する必要があるのだが、9号は識別大怪獣の長。
シンプルに基礎スペックが半端ではない。
8号には“再生阻害能力”があるものの、9号の腕に据え付けられたアーマーによって対策されている。
特に、“
アーマーで防がれるか、大きく避けられている。
9号の核に
「(コイツは四ノ宮長官すらも歯が立たなかった相手だ。······“暴走”してでも、ここで
「人に戻れなくてもいいッ!今、ここで───」
「待て、カフカ」
「ッ!?なんであなたがここにいるんですか!?
保科副隊長!!」
“本来”であれば有り得なかっただろう、保科の乱入。
識別怪獣兵器10号との完璧な精神同調を成し、解放戦力を
その後は第3波を食い止めるために奮戦しており、この場に来れるはずは無いのだが···。
「9号が
そう言うと、保科が全身に力を込め···スーツの力を最大限──否、
9号によって強化される以前の最大戦力を100%としたとき、現在の彼の戦力は──。
『解放戦力······110%!?』
「ようやくスーツが馴染んだな···。カフカ、お前は
「了!!」
「あー、3人か······。さすがに
新戦力を加えた相手を見てぼそりと呟いた9号は、次の瞬間驚くべき行動に出た。
──怪獣9号、
「は?」
勝負はこれからだ、と意気込んだ直後の逃走。
予想外の行動に呆然とし、3人の反応が僅かに遅れた。
ほんの少し──1秒に満たない遅れであっても、彼らにとっては大きすぎるロス。
急いで追いかけるも、9号との距離は既にかなり広い。
『9号の目的は時間稼ぎかもしれません!保科副隊長は
「了──ちッ、姑息なマネをしやがるぜ」
「いや?僕はただ逃げテいるわけではない。
「品川?司令部を襲撃したときか」
「違ウ。あのとき僕は、根を張り巡らセていたんだ」
突然立ち止まり、今度は
何度も、何度も殴り、その度に地表が抉れる。
削り取られた土が舞い上がり、9号の姿を覆い隠す。
ここで9号を見失えば、間違いなく逃がしてしまう!
「2人とも耳を塞いで!!
───Gaaaaaaaa!!!!!」
8号が吼え、土煙を吹き飛ばす。
視界が晴れた後に見えたのは───怪獣筋肉で構成された“根”だった。
人類が敷いた地下道よりも広く、深く広がり、脈動する悍ましい“根”が、白日の下に晒された。
「僕の異能で“根”を張り、感知できナいように隠したのは──全部、このためダったんだよ」
『討伐した怪獣の生命反応が復活!───そんな、嘘だろ···!?識別大怪獣5体の生命反応も復活しました!!!』
「なんやと!?」
「確か蘇生後の怪獣は、
『フォルティチュード出ました!!
11号、9.5! 12号、9.4! 13号、9.7!
14号、9.6! 15号、9.8!』
絶望する防衛隊を尻目に、9号が天高く翔び──
そして叫んだ!
「───来イ!!!!!」
9号の叫びに呼応するように、東京中の怪獣が9号のもとへ超高速で飛来した。
識別大怪獣らもご多分に漏れず、
「
おびただしい数の怪獣が、空中でたった一つの集合体となっていく。
全長は300mを優に越える、名状し難く悍ましい···怪獣とも形容できない“怪物”がこの世に生まれ堕ちた瞬間である。
「Aaaaaaaaaa!!!!!!」
フォルティチュード、10.2。
現在の地球で自然発生し得る、その
この世にあってはならない存在。
「───諦めねえぞ」
「14号の落下地点に私の“主砲”が置き去りにされているはずだ。それで撃ち抜く」
「ほな、僕はそれまで繋ぎます」
「中隊か大隊規模で射線を纏めて撃ちまくれ!ただの一歩でも歩かせるな!」
「クッソ、硬えな···亜白!コイツはお前の主砲でも威力が足りそうにない!
「なら私が隊長を運びます!」
それでも、誰も諦めない。
隊長だけじゃない、一般隊員も震える脚を叱咤して立ち向かう。
その様は、まるで東方師団
兵器は進化しても、失われなかったナニカ。
全ての隊員が
そうして“命”を削って繋いだ時間──実に3分!
亜白ミナがケラウノスに辿り着き、発射準備を整えた。
「FIRE!!!」
全てを撃ち抜いてきた光が空を駆け──
化物の体を
『筋繊維、露出しました!!』
「次弾装填。演算開始──FIRE!!!」
「FIRE!!!」
「FIRE!!!」
「FIRE!!!」
『呼吸器大破!核の存在を確認!』
『換装まで残り一発!』
「問題ない。次弾装填──必ず
ケラウノスの弾倉は6連式。
この一発で決められなければ換装する必要がある。
しかし、ケラウノスの砲弾は超大型であり、換装には2分程度の時間を要する。
『(この一発で、決まれ···!!)』
「FIRE───!!!」
『核──
ケラウノスの砲撃は、ただの一撃で超大型怪獣の核を撃ち抜き討伐する。
それを六発、ひとところに集中させた。
その成果が核の損傷──
依然として砲撃対象は生命活動を続けている。
10秒もあれば、完全に再生を終えるだろう。
「私は隊長じゃない。
「ありがとよミナ!!9号ォォ!ブチ抜くから歯ァ食いしばれ!!!」
地面と足裏が離れる紙一重、脚を変形させて
一直線に進む砲弾のように、
「6式、雷帝・改!!!!!」
“蒼い稲妻”の一点集中。
ただ、怪獣を討伐するためだけの一撃は──今度こそ核を打ち砕いた。
「uOooooaaaaaa!!!!!!」
断末魔と共に倒れ伏す9号。
そこに“命”の気配は······ない。
『か、怪獣9号──討伐!!!』
◆◇◆◇
・──年──月──日に発生した群発災害鎮圧後〚怪獣9号〛の肉片を3000トン採取。
・──月──日 識別怪獣兵器9号を作成。
・──月──日 9号の硬質肉片を活用し、汎用型の大盾を作成。
・──月──日 9号細胞の弱化培養実験に成功。
・──月──日 弱化9号細胞を活用し、汎用型の破裂弾を作成。
・──月──日 識別怪獣兵器9号の作成から3年経過したが、適合者を発見できず。“封印”が決定。
◆◆
〚Hilde’s Future?〛
私は生き残った。
たった独りぼっちで、生き残ってしまった。
私の愛した
なんで私は生きているのだろう。
ごった返す喧騒の中で、かえって強い孤独を感じる。
君は何を見ている?
私と同じ景色が見えている?
ああ、この世界には、誰も······。
だけど。
だからこそ。
◆◆
群発災害から1年後の東京。
災害の爪痕はまだまだ消えない。
未だに瓦礫が山積している区域も多く、他県での避難生活を余儀なくされている人々は数十万にも上る。
被災者の心身のケアや産業の復興など、やるべきことは山積みだ。
ゆっくりでも、前に進まなきゃいけない。
怪獣はこちらを待ってはくれないのだ。
そんなわけで、今日も日本防衛隊は訓練に勤しむ。
「日比野カフカを、第三部隊小隊長に任命する」
「拝命します!」
(完)
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筋肉