パラレルワールド日木 都市伝説創作委員会 石手県担当者活動記録 作:のーーズ
渡我side
ムールガイさんの報告書“トランシーバーおばさん”を読んで近頃の都市伝説を創る成功率の向上の発端に当たりをつける。
この県には土台となる伝説が一つしかなかった。なので、ほかの伝説の再活性化を狙っていたのだが……
成功率向上の原因を此の県だと仮定して、何故かトランシーバーおばさん伝説は復活した?
成功の原因を解明できなければ他への応用が利かない。感動計測器もより機能を細分化させたい。
ゴーグルやカメラで“幽霊が見える”で機能を留めるだけでも信じない人への説得が捗るだろう。除霊ビジネスは言い値で相場がない。
更なる資金源の確保になるだろう。惜しむらくは“本物”の霊能力者は皆人格者で協力が望めないことか……(彼等の力が借りれれば……)
まぁいいでしょう。順調に経営が上手くいっているのですから、案外このまま進んでいけば鉄塔型の感動計測器が生れ落ちて、死者との別れがなくなるかもしれませんね?
「不老不死なんて、決着つけられなくなるだけでしょうに」
或はそんな永遠を“遠原物語”と呼ぶのでしょうか?
田中side
最近は仕事サボっていたからな。そろそろ拠点作りなんて言ってられなくなってきたぞぉ。
とは言え、一から産み出すわけじゃないから大丈夫だろ。たぶん?女装しておっかさんチャリを漕ぎまくったおかげで、既存の伝説を励起させる方法の目途がついた。
特殊メイクみたいに、知ってるけど日常でやる奴いないだろぉ?って方法を継続すれば案外手間暇の割に上手く行くかもしんない。
ツー分けで、只今廃墟にやってきております。何をしているのかと問われれば?
ロッカーの底凹ませて、動体センサーとレコーダー繋いで、人かなんか通ったら、ロッカーが叩かれている音が流れる細工をしています。
ロッカーの置いている出入口正面の壁にセンサーを埋めて、反対出口に人形に見えるシミを作りました。疲れる。でも、
「ここらで踏ん張りますか」
もういっそ全部の廃墟に細工しちゃうか?
四日前
トランシーバーおばさんを産み出すことに成功した俺達は一旦様子見に徹していた。
様子見期間に言いだしっぺの俺は、教団施設以外の個人的拠点を欲して長い階段を登っている。
町田が経営しているサブカルバー“アフロ”から徒歩一時間半。ランニングにはちょうどいい距離に在る神社だ。
廃神社だが、ぼっとん便所があり、近くに24ストアーもある。
今回は計測器は使わない。神様がいらっしゃるのかは分からないが、実体化してしまったらヤバイ。
兼業農家のお宅は高齢で田んぼにはやってこないので、余程の大音響を立てなければ人は見に来ない。
「何だか俱楽部活動みたいだな」
ミッチー復活に一歩近づいた。
もう収集つかない。