ユニ様に仕えます   作:Mr.♟️

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10年後が本編のため、リング争奪戦はサラッと


リング争奪戦

 

マーモンが持ちかけてきた話は、計画として破綻している。希望的観測が多い上に、全て上手くいった時でさえ欲しい情報が手に入るとは限らない

 

それなら何故、マーモンが僕にこの話をもちかけてきたのか。考えるまでもなく、焦っているからだ。大空のアルコバレーノほど短命ではないにしても、どの程度の時間を生きられるかわからない。不安、焦燥。それがマーモンから冷静さを奪った

 

誰も乗るはずがない泥舟、本来なら乗りたくもない最悪の舟。それでも僕はその舟に、マーモンの誘いに乗った。もちろん、マーモンの心境に共感したからでも、アルコバレーノの現状に同情したからじゃない

 

ヴァリアーのボス、XANXUSがボンゴレⅩ世の座を狙っているからだ。しばらく噂を聞かないから死んだのかと思っていたが、生きていたらしい。なぜ、マーモンがこの情報を知っているか。いたって単純明快な話、マーモンがヴァリアーに雇われているからだ

 

XANXUSがボスになるのは僕としても都合が悪い。だから、マーモンのバカげた作戦に乗った

 

「どんな泥舟でも、僕とお前が乗れば黄金の泥舟くらいにはなるだろ。マーモン、最後に笑うのは僕たちだ」

 

沢田綱吉でも、XANXUSでもない

 

姫様のためなら、アリアさんのためなら、僕の気持ちなんてどうでもいい。僕はただのゼブルじゃない。ボンゴレVII世(セッティモ)の子孫、ゼブル・ファビオだ

 


 

へー、リング争奪戦って学校でやるのか。こんなことをしたら、うちの学校の風紀委員長が怒ると思うけど。絶対に雲雀恭弥含む学校関係者に言ってないだろ

 

「晴れの守護者の戦いか」

 

それにしても、円陣って仲良し組織かよ。沢田綱吉、日常生活では無能なフリをしているみたいだが、あの六道骸を倒したのはこいつだって話だ。甘くみてたら僕も同じ結末を迎えるかもしれないな

 

「ユニと一緒に帰ったんじゃねーのか?」

 

アルコバレーノ、最強のヒットマンと名高いリボーン。僕が姫様といる時に時折感じた視線もこいつらしい。顔を合わせて話すのは初めてか

 

「僕は自由な青い鳥なもんでね。幸せの青い鳥が誰か一人を贔屓にするわけにはいかないだろ?」

 

何言ってるんだろうか、僕は。自分で言っていてよく分からない言い回しになった

 

「そうか。なら、なんでお前はここにいるんだ?ボンゴレ内部の戦いを見に来る理由がねぇだろ」

 

「見に来る理由しかない。今後のボンゴレのボスが誰になるかで、僕の仕事のやりやすさがかわる。フリーのヒットマンは辛いもんだ」

 

「あれ、なんでゼブルさんが!?リボーン、お前また学校の人を巻き込んだのかよ!!?」

 

「演技はもういい。お前に実力があるのはよく分かっている」

 

ここまで来ると才能だな。僕も事前情報がない時はこの無害そうな雰囲気に騙されていた

 

「あっ、てめぇ、なんでここにいやがる!!」

 

おっと、めんどくさいのも近づいてきた。僕はただ静かにこの戦いを見たいだけ。無駄な諍いを今は必要としていない

 

「スモーキンボムは性格的に嵐の守護者か?晴れの守護者はリングに上がっているから、山本武は──雷か雨の守護者ってところだな。性格的に雲と霧ではないだろ」

 

「っす、雨の守護者ってやつです。先輩もマフィアごっこの参加者なんですか?」

 

山本武の父親の寿司屋に何度か姫様と一緒に行ったことがある。山本とはその時に初めて話した。会ったら会話をするくらいの関係性だ

 

「どうだろうな。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

 

雷と雲、霧の守護者が居ない。仲良くごっこかと思えば、仲間の戦いに全員が駆けつけている訳でもない。知れば知るほどよく分からない

 

「──恐れ入りますが、部外者はお引取りを」

 

これが、マーモンが話していたチェルベッロか。強くはない。どこの組織化も分からない。それでも、何故かボンゴレの深いところまで入り込んでいるらしい。興味深いが、わざわざ薮から蛇を突き出す必要は無いな

 

「それなら仕方ない。沢田綱吉、()()()()()

 

直接この目で守護者たちの戦いを見たかったが、仕方ない。マーモンから話を聞いて対策を立てよう。はぁ、僕は大空戦まで出来ることなしか

 

「あっ、はい、また学校で」

 

ああ、またこの時間の学校で会おう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴の守護者対決の勝者はボンゴレ、笹川了平。ボクシング部の主将に裏社会の人間が負けるなんて情けない。それも、暗殺部隊の精鋭ヴァリアーの幹部ともなれば尚更。反対に笹川了平には見事と言う他ない

 

雷の守護者対決の勝者ばヴァリアー、レヴィ。文句無しに強かったみたいだ。マーモンから話を聞いたが、圧倒的勝利ではなくボンゴレ側の反則で勝利を拾ったらしい

 

嵐の守護者対決の勝者はヴァリアー、ベルフェゴール。会いたくない。こいつについてはその一言に尽きる。出来れば重症であってほしい

 

雨の守護者対決の勝者はボンゴレ、山本武。勝った後に対戦相手を救おうとして共に海の藻屑となる。雨の守護者に相応しい最後なのかもしれない。山本の親父さん、心の乱れが寿司の味に伝わらないといいな

 

霧の守護者対決の勝者はボンゴレ、クローム髑髏(六道骸)。なんと、マーモンが負けた。負けたあとのマーモンが家に逃げ込んできた時は驚いた。赤ん坊にされて全盛期とは程遠いらしいから仕方ないか。それに、いいタイミングでヴァリアーから自然に離脱できたと思うことにしよう

 

雲の守護者対決の勝者はボンゴレ、雲雀恭弥。仕組まれた勝利。これで沢田陣営はボンゴレⅨ世を半殺しにした罪を擦り付けられた。大空戦でヴァリアーがその罪を裁く。茶番だな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今日が大空の守護者戦。ようやく、僕の出番だ

 

デザートのコンビニスイーツを食べている僕とマーモンの前に、チェルベッロが現れる。驚きだな、いつの間に部屋に入り込んだんだ

 

「マーモン様、あなたには大空の守護者戦に参加する義務があります。同行ください」

 

「そうだね、確かに僕は大空の守護者戦に参加する義務がある。大人しく同行してあげるよ。行こうか、ゼブル」

 

「お待ちください、部外者を連れていくことは」

「これを見なよ」

 

フード越しで顔は見えないけど、性格の悪いしたり顔をしているのが容易に想像出来る。マーモンがチェルベッロに突き出したのは、1枚の書類

 

「Ⅸ世の死ぬ気の炎が灯されている。これで分かったか、僕は今この瞬間より()()()()()()()()()

 

(死にかけで弱っているⅨ世は、簡単に僕の幻術で騙せたよ。書類に炎を灯させるのは難しくなかった)

 

「チェルベッロ、エスコートしてもらおうか。僕も今回の大空の守護者戦の参加者だ」

 

もうバラしてもいいか

 

マーモンが持ってきた作戦は僕がボンゴレⅩ世になること。シンプルにそれだけだ。僕がボスになれば、ボンゴレ内の秘匿文書も全て自由にできるようになる。マーモンはボンゴレ内の秘匿情報にアルコバレーノの呪いを解除できる方法のヒントがあるかもしれないと考えている

 

マーモンなら、XANXUSがボスになったあとでも幻術で欺いて秘匿文書くらい読めるはずなんだが、焦っているマーモンはその事実を失念している。一応マーモンが負けて家に転がり込んでくる時に教えたが、今更戻っても負けたんだから殺されるに決まってるだろ!!!と怒られた。教えてあげたのに

 

「───認めます。ボンゴレ大空のリング争奪戦への参加を」

 

それしかない。おっと、ずるいなんて言うなよ?死闘を成し遂げたヴァリアーと沢田陣営にもう一度、三つ巴でリング争奪戦をやれなんて言ったら、ブチギレるのは目に見えてる。公平さを欠くってことだ。まあ、僕はそもそも守護者がマーモンしかいないんだが

 

「マーモン、今度は六道骸に負けるなよ?」

 

「むっ、うるさいよ」

 


 

「なんでそいつを学校に入れてるんだ、コラ」

 

またまたアルコバレーノ、コロネロというらしい。晴れの守護者の師匠だとか。最もな疑問だな。残念ながら、騒いだところで結果は覆らない

 

「ここにいる方はゼブル・ファビオ様。ボンゴレVII世(セッティモ)の血縁者として参加を認めました。Ⅸ世のその事実を認める旨の書面もあります。よって、この大空のリング争奪戦は三つ巴で行わせていただきます」

 

XANXUSも沢田も鳩が豆鉄砲でも喰らったみたいなマヌケ顔をしている。なんでもいいからさ、早く始めよう。ジッリョネロの安全を確保するためにはボンゴレを掌握するのが手っ取り早い

 

あー、ジッリョネロの一員でもないのに元ファミリーのために動くなんて、僕はなんて人情派なヒットマンなんだろうか

 

「──それでは、大空のリング戦の説明を行わせていただきます」

 

へー、仲間を解毒してあげないとダメなんだ。マーモン、そんなシンドい毒に耐えられるのかな?早く助けてあげよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、沢田様陣営は雨の守護者不在。ヴァリアー陣営は雨の守護者及び霧の守護者不在。ゼブル様陣営は大空と霧以外の守護者が不在となっています」

「待て」

 

「霧の守護者はマーモンがいる。コールをやり直せ」

 

XANXUS、ピリついてるな。勝利確実かと思えば、不確定様子が出てきたもんね。その気持ち、わからなくもない

 

「マーモン様は、ゼブル様陣営の守護者となっています」

 

「部下を大切に扱わないと、幹部だろうと離れるってことだ。ボスになれないお前には関係ない話だろうけど」

 

煽っておく。冷静さを欠いてあわよくば自滅してほしい

 

 

 

 

 

「カッ消す!」

 

うわっ、冷静さを奪うというよりもまるでバーサーカーだ。失敗したかな

 


 

「ヴァリアーのボスって聞いて、少し期待しすぎてたよ」

 

互いに同じ武器を使う人間同士。図らずも、どちらの使い手の方が優れているのか浮き彫りにしてしまう

 

「君の憤怒の炎で、僕の静謐(せいひつ)の炎を突破することは出来ない」

 

負ける要素がない。これで充分、僕の実力を見せることは出来たかな

 

「カッ消えろ!!!!!!!」

 

そんなことを言いながら、憤怒の炎を僕に向けて放ってくる。敢えて炎で相殺せずに、土埃が舞うと同時に校舎内に逃げる。XANXUSが万が一にでも勝つようなことがあれば最後に殺そう。沢田が勝つようなことがあれば取引しよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで逃げたのさ。君なら勝てただろ?」

 

僕に解毒を助けてもらったくせに、うるさいよ。ちなみに、近くで倒れていたクローム髑髏とかいう少女も解毒してあげた。縄で縛りはしたけどね

 

なんで逃げたって、分かっちゃったんだよね

 

「違うんだよね。僕の炎とXANXUSと沢田綱吉の炎さ」

 

「うん?炎も人によって多少違うし、普通だと思うけど?」

 

「例えば、XANXUSの炎。あれは、大空の炎がベースになっていて、その中に不純物が混ざりこんで憤怒の炎になっている」

 

「例えば、沢田綱吉の炎。あれは、純粋な大空の炎。一切の不純物のない、透き通った綺麗な炎」

 

「対して僕は、別の炎がベースになっている。少なくとも、大空の炎とは違う気がする」

 

「別の炎って何さ」

 

「知らないけど、()()()()()んだよね」

 

(!ボンゴレの第六感!そうなると、僕たちの計画は)

「心配しなくてもいいよ。僕と君が組んで、思い通りにならなかったことなんて、1度もないんだから」

 

「──そうだ。僕たちは、最強のタッグなんだ。昔だってそうだった.....君が一方的に別れを告げてきたけどね」

 

人聞きが悪い

 

「正式に組んでたわけじゃないからね。それに、随分と稼がせてあげたじゃないか」

 

「む、僕は君の衣食住の世話を見てあげた。僕の方が負担が大きかったはずだよ」

 

「いやいやいや」

「いやいやいやいや」

 

「いやいやいやいやいや」

「いやいやいやいやいやいや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シシシシ、みーつけた」

「こんな所にいたんだ、探したよ。小動物」

 

「性格破綻者と戦闘中毒者が来た。マーモン、とりあえず逃げよう」

 

「話の途中なのに。タイミングが悪いね。殺そうか?」

 

「だから、逃げるんだって。狂人の相手するほど暇じゃないし、並盛の風紀委員長を殺したら並盛が機能停止しそうだし」

 

「君の意見を尊重しようか」

 

「シシシ、逃げれると思ってんのか?」

「ワオ、僕に勝てるつもりなんだ」

 

 

マーモンの幻術で狂人と戦闘中毒者から逃げ出し、屋上まで逃げてきた。校庭では衝撃の光景が広がっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XANXUSが負けたのか。氷漬けにされたXANXUS、誰がどう見ても勝者と敗者は明らかだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーモンと一緒に校庭へと飛び降りる

 

「──沢田綱吉、取引をしようか」

 


 

ボンゴレの秘匿情報の閲覧権利、ジッリョネロ・ファミリーの不利益になる行動をしないこと、僕は辞退する代わりに中々に呑み難い条件提示したと思っていたが、沢田はそれを快諾

 

マーモンはすぐさま、ボンゴレの秘匿情報を閲覧しに飛び立った。僕も近いうちに日本から離れようと思っている。アリアさんが僕を並盛に残したがったのは、多分リング争奪戦があるからだったんだ。それが終わった以上、この街に残る理由は無い

 

まあ、家の掃除をしに月1くらいで帰ってこようとは思うけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平和ボケ、というよりも油断していた。殺意も何も感じない中、目の前にバズーカの弾丸が向かってきている

 

「──」

 

死ぬ気の炎を灯す前に、僕の身体へと弾丸は当たった

 

 

 

 

 

 

 

 




【こいつ浮気者です】▶ゼブル・ファビオ◀

マーモン→昔のバディ。一方的に別れを告げられた、というよりも無言で居なくなられた。頑張って探したら、マフィアに所属?聞いてないんだけど。とブチ切れながらも生存を知った時は一安心していた。その時はまあでも、それが君の決めた道なら....的なテンションで後方彼女面(なお、監視はつけていた様子)。リング争奪戦+アリアの死があり、焦った末に自身が知る中で最も信頼でき、横槍を入れる条件が揃っているゼブルに接触。コンビニスイーツ程度では、好感度は1しか上がらない。機嫌はよくなる

ユニ→離れ離れになった隙に幼なじみ(マーモン)にゼブルの隣を強奪される。










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