妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします!分割版   作:tom200

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ダブルセブン編⑪

 

 

これに関しては回避してもしなくても影響はないと、そう思っていた。

 

 

 

その日は服部先輩と、桐原先輩の仲良しコンビと待機室で一緒になった。

お兄様含め三人で歓談する姿は見ていて楽しい。…誰一人としてにこやかな人はいないけどね。

ギスギスなんてしてないし、和気あいあいではないにしても、会話が続いているし桐原先輩はニヤニヤしているから私判定で歓談だと言い切る。

でもその時間は長くは無かった。トラブル発生のコールが室内に響く。

 

「司波、司波さん」

 

服部先輩の指示でお兄様と二人、ロボ研ガレージに向かう。

ギャラリーも集まっていて、かなりの人だかりになっていたのですぐに現場は見つかった。

 

「っ、姫だ!道を空けろ」

「騎士様もいる!誰か記録――」

 

…ザッ、と道が空きましたね。

ちなみにこの記録というのは個人的にではなく、二人セットで何か起きそうなとき記録を残して演劇部部長へネタ提供をしろ、という意味だ。

どこも考えることは一緒だね。

記録を残されるなんて、と警戒するのが当然だろうけど、その後記録は消去されるのだとか。

プライバシーは守るべきだからと部長が決して迷惑をかけるな!と厳命したらしい。オタクの心得がきちんとあるようでなによりです。

オタ活は決して本人に迷惑のかからないように。

…撮影されている時点で思うところが無いわけではないんだけどね。叔母様が新刊を楽しみにされているようだから。

叔母様の機嫌が良いに越したことは無い。ということで黙認することに。

お兄様も念のためチェックをしてるみたいだけどね。トラブルになりそうなことは起きていないそう。

皆協力的過ぎじゃない?学校全体が演劇部員かっていうくらい部長に尽くしてる。いや、部長じゃなくて作者様か、この場合。

一高がどんどん愉快なことになっていくね。

と、今そんなことは後回しで。

しかし、来るのが少し遅かったかな。私たちが到着するよりも早く七宝君と香澄ちゃんがにらみ合っていた。ハブとマングースかな。

本来原作では私たちより後に香澄ちゃんが到着したと思うのだけど、どうにもずれが生じたらしい。

先に着いていたのはやはり部活連の十三束君と七宝君で、風紀委員の香澄ちゃんが次いで到着したようだ。

七宝君と香澄ちゃんが一触即発の空気に、十三束君が止めに入るけれど、彼らはすでにCADを構えている。

お兄様と視線で会話して、お兄様が一歩前に出る。

パンパン、と乾いた音はその空気を打ち破るのに十分威力を発揮した。

注目が私たちに向く。すると新入生以外の生徒たちがここでもまたビシィッと気をつけをした。…上官を見つけた隊員ですか?

その一連の動きに新入生たちが驚いた様子だけれど、今はこちらを解決しましょう。

 

「生徒会です。代表者は説明を願います。まずはロボ研から――」

 

お兄様も目的のためなら何でも利用するタイプですので、プリンセスやらナイトやら敬いの視線をものともせずに話を進める。

というより、結構進んで利用してますよね。

…昨年の生徒会選挙の国家設定やっぱり気に入ったのかな。本気で王政が布かれているような気がしている今日のこの頃。

私はただ後方で微笑みを湛えながら成り行きを見守るだけしかしてない。

むしろお兄様からは前座は俺が引き受けると言われています。お兄様が前座って…。

私は何様なのでしょうか。お兄様が主役のままでいいのですけど。

ロボ研とバイク部の意見は食い違っていて、両者もう一度にらみ合うものの、私たちの前で事を起こしてはいけない、と背後の部員たちが部長を押さえつけている。

…私たちの前だからではなく、そもそも諍いは起こさないようにしてほしいのだけど、ここの部の成り立ちは喧嘩別れが元だから、鬱憤云々より以前の問題なんだよね。

 

「では、本人――ケント自身はどうなんだ?」

 

銀髪の可愛らしい少年に優しい声を掛けるお兄様。迷子の少年に話しかけてるみたいでちょっときゅんと来た。

入学式で知り合ってるんだよねこの二人。しかも隅守君…ケント君はお兄様を慕っている。

今もキラキラしたお目目でお兄様を見つめていますね。中条会長の男の子版かな。可愛い。

小型犬がお兄様の足元に纏わりついて好き好きアピールしているようにしか見えない。可愛い。

事情を聴けば、本人はただの部活見学で、勝手に部活同士で取り合いを始めたのだと判明。

興味はあるがどちらに入るかも全く決め手ないとのこと。

可愛いからマスコットとしてどこの部でも引き入れたいってところかな。でも本人の意思が一番大事だから。

 

「――お話は分かりました」

 

お兄様が私を振り返ったタイミングで、鷹揚に頷いて見せた私は判決を下します。

 

「ロボ研もバイク部も少し熱が入り過ぎてしまいましたね。どちらも魅力的な部活ですから、強引に誘うのではなくプレゼンをしてあげてください。

バイク部の皆さんはバイクを調整した後走らせたりするのですか?私もバイクに乗せてもらうのは好きなので。あの爽快感は心地よいですよね。

ロボ研の皆さんは、ピクシーを生徒会に連れて行ってすみませんでした。参考資料は足りていますか?生徒会に引き抜いてしまった分、生徒会予算から僅かではありますが活動費を増額させてもらいました。今年もユニークなロボット開発楽しみにしています。

新入生の皆さん、彼らは自分たちの部活動に情熱を注げる良い部活だと紹介したかっただけですので、ぜひこの勧誘期間に見学させてもらってください。落ち着いた今ならきっと色々説明してもらえると思いますよ」

 

無理やり引き込むような勧誘はやめて自由見学推奨で、とお願いすれば、なぜか拍手が起こり、部長たちが互いに頭を下げ、各々ガレージに見学者を募って戻っていった。

ケント君はお兄様に頭を下げて、今回トラブルの中心になってしまったからと申し訳なさそうにしながら他を見学に行ってしまった。

優しいいい子だね。お兄様を慕う人に悪い子はいない!

そして残ったのは不完全燃焼になった七宝君と香澄ちゃん、プラス十三束君。

 

「すまないな十三束。生徒会で勝手に仕切ってしまった」

「構わないよ。トラブル解決がメインなんだから」

 

ほっとしている十三束君にお兄様が声を掛けているので、残った二人にはこちらが動きましょうかね。

 

「七宝君、部活連でもう活動を任されているのね。一年生で迅速に動けているなんて、実力だけでなく責任感も強いのかしら。生徒会は惜しい人材を逃してしまったようで残念だわ」

「…恐縮です」

「香澄さんも、風紀委員に選ばれたのね。正義感が強そうな貴女にぴったりね。頑張って」

「ありがとうございます」

 

彼らが家を背負って喧嘩しようとした場面は見ていないのでとやかくは言わない。

彼らも、燻っていたものがあっただろうに、場の空気に白けたのか、構えを解いていた。

もしかしたら言い合いになる前に私たちが駆けつけられたのだろうか。

ともかくこの場が既に治まったこともあり、この場はこのまま解散となる流れ、になるはずだったのだけど。

 

「あの、司波先輩」

 

七宝君の固い声に呼び止められた。

こちらを向いているのだから私のことだとわかるけれど、お兄様も顔を向けてこちらの様子を窺ってますね。

 

「なんですか?」

「先輩は卒業された七草真由美さんと仲が良いから、あのように敬われているのですか?」

 

…七宝君、何か混乱してる?変な誤解が生じている模様。

もしその理屈が通るなら香澄ちゃんだって敬われてるはずだけど。

まだ一年生の間では本の話は出回っていないようだから、この流れを知らないのも無理はないのだが。

できることならこのまま流されずにいてほしいけど、人の口には戸が立てられないからなぁ。

 

「何か誤解がある様なのだけど、七宝君。七草先輩が十師族だからって学校を掌握していたなんて事実は無かったのよ」

 

確かに十文字先輩と七草先輩は学校のリーダー的存在だった。

だけど家柄だけで持ち上げられたリーダーではなく、彼らは間違いなく実力でも選ばれたリーダーだった。

七草先輩の場合やっかみは生じたけど、アレも本人の資質の問題だ。家はほとんど関係なかったと思う。

 

「香澄さんもだけど、家柄だけで風紀委員に選出されたわけじゃない。泉美さんも成績が優秀だったのは事実よ。本人にやる気もあったから生徒会に入ってもらったの。七宝君が七宝家だからという理由で部活連に選ばれたのではないのと一緒でね。実力がなければ選ばれないわ。確かに百家だったり十八家だったり十師族は選ばれやすいと思う。だけどそれは資質を見込まれてのこと。育った環境によるものの否定はしないけれど、本人が努力して成績が優秀である。その実力が認められているということだから」

 

優遇されていると映るかもしれないけれど、中条会長や服部会頭は数字の連なる家ではない時点で気づいてもいいと思う。

優秀な人材はいつでもどこでも誰であっても歓迎されるものだと。

 

「それから、七草先輩に仲良くしていただいたのは事実だけれど、あの方はどなたでも上手にコミュニケーションを取れる方だから、仲の悪い人の方が少ないのだと思うわ。大抵の生徒に好かれていたと思う。十師族だからということをかさに着て横暴な態度を見せることも無かったし、…一部反感を買うような行動もあったけれど、ね」

 

服部先輩は最後まで振り回されて可哀想だった。だけどきっと今でも好きなんだろうな。

でも恋される方が悪い、とも言えない。わざと勘違いさせて振り回したわけではなかったようだから。

 

「…お姉ちゃんいったい何をやったんですか?」

「うーん、これはプライバシーの問題もあるから私の口からは何とも。お姉さんに聞いてみて」

 

天真爛漫装って小悪魔的に男の子を振り回してました、なんて話は流石に身内相手に勝手に話すのは憚られた。

先輩は多分、言わないだろうな。彼女なりの処世術だろうけど、妹に知られたくないだろうし。

だけどきっとお節介な誰かが教えちゃうだろうからね。嘘やごまかしはしない。

…あの生徒会選挙のことバラされたら香澄ちゃん達に嫌われるかも。

大好きなお姉さんのこと、冗談とは言え公開処刑擬きにしてしまったわけだからね。やってしまったものは後悔してもしょうがない。

 

「七宝君が何を思っているのかわからないけれど、学校ではそこまで十師族の影響はないわ。むしろこれが十師族、ってだけで常に一挙手一投足を注目されて、リーダーとして相応しいか見定められているようで大変そうだった。…香澄さんもそうだけど、七宝君もきっとこれから注目されるでしょう。二人ともしっかりしているからきっと大丈夫だと思うけれど」

 

釘を刺してはおくけれど、彼らはまだ若いから打ったところで土台が緩ければ釘を刺したところで意味があるかどうか。

多分だけど、今打った釘はすぐに抜けて意味をなさないだろうね。

一応この場では先輩からの忠告は聞いてくれるようで殊勝に応えてくれた。

お兄様たちもいつの間にかこちらを見守り態勢だったみたいで、落ち着いた後輩たちの様子に面倒事が回避できたと安堵していた。

トラブルは起こさないに越したことはない。

今度こそ解散となり、お兄様と二人待機室へ戻る。

その後も大したトラブルも無く呆気なく新歓週間は終わったのだった。

 

 

――

 

 

大抵誰かと一緒に行動しているので、一人で廊下を歩いているということは珍しいと思われるかもしれないけれど、教員たちに仕事を頼まれて職員室と生徒会室を行き来することは偶にある。

同じ副会長のお兄様より私の方が生徒会室に近いからか、頼みやすいか知らないがお兄様はこういったことを頼まれたことはないらしい。

お兄様の手を煩わすくらいなら私がする方が良いので構わないのだけどね。

今日も授業中に頼まれて、資料を探し職員室へ向かった帰り道、ばったりと七宝君と鉢合った。

この間の新歓ぶりだね。元気してた?顔色は…うーん、元をよく見てなかったからわからないけど機嫌が悪そうには見えない、かな。

 

「あら、七宝君こんにちは。七宝君も頼まれ事?」

 

今はまだチャイムが鳴る前だ。普通ならまだ教室にいる時間だから、彼もそうなのだろうと辺りをつけたら頷いた。

成績優秀者は何かしら頼まれるものなんだね。もしかしてコレ社会に出るにあたっての訓練の一つだったり?大学でもこのスキルって結構役に立つもの。

なんて余計なことに頭を巡らせていたせいで彼が真剣な表情で近づいていることを見過ごしていた。

 

「あの、司波先輩」

 

気付けばかなり近い距離で立たれていて、内心びっくりしたものの表情にはおくびにも出すことは無い。

今日も淑女教育は私を助けてくれています。ありがとうお母様。

だけど、男子がこれだけ近い距離にいるとビビるね。壁際じゃないけど壁ドンの距離と言えば伝わる?

あと案外背が高いのね。それで真剣な顔だとそれなりに威圧感がある。

叔母様との圧迫面接を受けている身としては微風にも感じないけど。

 

「先輩は本当に、前会長と特別親しかったわけではないんですか?」

 

…ああ、この間の話の続きか。

彼は信用しているお姉さんから七草家と私たち兄妹はずぶずぶの関係だと囁かれてたんだっけ?…この言い方ちょっといかがわしいね。じゃなくて。

 

「特別って、学校内でしか付き合いがないのに特別は無いんじゃないかしら」

 

もしかしてパラサイトの事件で共闘したことを指しているのかな。

でもそれにしても千葉家だって絡んでるから特別十師族と、というわけでもなかったけれど。情報が偏ってるね。

まあ彼は十師族になりたいという欲が強いみたいだから十師族にばかり注目しちゃうのだろうけど。

手に届く位置だから余計に欲しいと思えるのか。…こればかりは内部の人間にはわからないというものか。

 

「七宝君は私たちが十師族だから七草先輩と仲が良いのでは、と考えているようだけど、そもそも十師族だから近くにいたわけじゃないもの。

以前、十文字先輩には私たち兄妹に十師族の連なるものにならないか、なんて軽い冗談みたいに声を掛けてもらったことがあるけれど、兄も私も興味がなくて」

「っ!!な、何故ですか?」

 

七草家にはライバル視していても十文字家は尊敬の家なのか、先ほどまであった鋭い気配が霧散した。

やっぱりあの貫禄は男の子にとって憧れになるのかな。

 

「今の生活に満足しているのに、十師族なんて面倒ごと…じゃないわね、重責担うなんてなかなかできることじゃないわ。自分たちのことで手一杯なのに、そんなもの関わりたくないもの」

 

ニッコリ笑顔までつけての心からの言葉に今度こそ七宝君は言葉を無くしてしまった。

その開いてしまった口に入れてあげられるモノがなくて残念だ。

 

「……面倒事、ですか」

 

ようやく再起動した彼は、引っかかっていた言葉を口にするが、どう考えても十師族って面倒事でしょうと思ってしまうのは身内だからか。

でも考えてみてほしいのだけど、十師族って何かメリットある⁇

昔は何かしらあったかもしれないけれど、今は特別扱いなんてされようものなら陰口を叩かれる時代じゃないかな。

…それでも四葉に対して面と向かってそんなこと言える人は少ないだろうけど。触らぬ神に祟りなしだから。

 

「先輩たちと過ごしてわかったけれど、十師族は何かと皆の前で立ち回らなければならなくて、時に身動きが取れなくて大変そうだったわ。責任のある立場とは、あれほどのものを背負うのか、と。

七宝君は昨年の九校戦を見たのよね?新人戦のモノリスコード決勝戦は覚えてる?」

「…ええ。先輩のお兄さんが優勝されてましたね」

 

そんな苦虫を潰したような顔しなくても。

というか、お兄様が優勝したことを知っていて初顔合わせがアレだったの?…いや、違うか。

初めから知っていたらあの態度はおかしい。あれからお兄様のことを調べたんだろうね。

だけど知らなかったとはいえ初対面で七草関係者は全部敵!な勢いで対応されてもね。

反応間違えたね、としか言いようがない。どんまい、七宝君。

 

「優勝候補であった十師族の一条家が負けた試合でもある」

「!!」

「だからでしょうね。その後行われた本戦のモノリスコード決勝で、十文字先輩はいつものプレイスタイルではなく派手に実力を見せつけて優勝されたわ。十師族としての威信のために」

 

七宝君は俯いて思案顔だけど、この距離だと丸見えですね。

少年の悩み顔、嫌いじゃないよ。特に普段自信家の彼が弱ったところなんてギャップがあっていいんじゃない?

乙女ゲームによくある現象。私がときめくかは別だけど。

 

「彼らは一言もそんなこと言ってはいないけれど、七宝君ならそういった立場のこともわかるんじゃないかしら」

 

内情なんて一般生徒が知るわけないから。私だって、きっとプレイスタイルが違うなーくらいしか気づかない。

原作知らなければ興味が無いから。お兄様は気付いていましたけどね。

 

「…それでも、俺は、」

 

ああ、しまったね。彼は十師族になりたいのに変にプレッシャーを与えてしまった。

そんなつもりは無く、ただ七草家との交流なんてなく十師族に関わりたくなんてないって言いたかっただけなのだけど。

 

「七宝君、貴方がたとえ十師族になろうとも、私は付き合いを変えるつもりはないわ」

「…え…?」

「こうしてお話ししている相手は七宝琢磨君、個人だもの。七宝家じゃない。貴方が打倒七草家で努力してきたのだとしても、努力した結果の七宝君しか私は見ていない。だから、貴方が勤勉で一生懸命努力のできる男の子として、この間初対面で挨拶を交わした。そこで初めて兄さんへの態度を見て、ブランドに目が行っているんだな、と気づいてもったいないって、そう思った」

「…もったいない、ですか?」

「ブランドばかり気にして実力を見ようともしない。こんなに努力家の子が目を曇らせて世界を見ていることが、もったいなく思えたの。野心があるならなんだって利用すればいいのにって。たとえ七草先輩の仲間だとしても、それを引き入れるくらいの気概があってもいいと思うわ。敵わないと思っているなら仕方ないけれど、」

「そんなことありません!!俺は――」

 

うん、煽った私も私だけれど、彼はこの場がどこか見えなくなってしまったらしい。

職員室の真ん前です。騒いじゃだめですよ。人差し指を口元で立て上目遣いで見つめると、七宝君は顔を紅潮させて固まるように止まった。

怒りで顔が赤くなるタイミングに時間がかかったね。血の巡りが悪いのかな。若いのに。

 

「話が逸れてしまったわね。とりあえず、私たち兄妹は七草家ではなく真由美先輩個人とお付き合いがあって、可愛がってもらってた。先輩後輩として仲良くさせてもらってた。生徒会役員としても仕事ぶりを見て尊敬できるいい先輩だった。これが七宝君の質問への回答よ」

「…ありがとう、ございました」

 

納得がいっていないのか、まだ呑み込めないのか。わからないけれど、彼は後輩らしく二歩ほど下がってから頭を下げた。

一応先輩として敬ってもらえているようだ。

このままトラブルが起きないといいのだけど、そうは問屋が卸さないことは、その日の晩の来客が教えてくれた。

 

 

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