妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします!分割版 作:tom200
と、話が逸れ過ぎた。
でも実際どうなんだろう。出自がバレるのはわかるけど、お兄様の魔法がバレていたのだとすれば――閣下はお兄様を表舞台に出すことを良しとしなかったのではないだろうか。
だって、お兄様の再生は魔法師にとって便利すぎるものであると同時に脅威でもあるから。
魔法師を兵器として戦争に投入されることを無くしたい閣下にとってこの能力は絶対に世に出したくない能力であるはずだ。
それはつまり傷ついた兵士を『直して』は何度も戦場に送り戻されることだから。それこそ、兵器――道具のように。
沖縄後に知った?あの時ならば目撃者は多い。いくら命令があろうともあの奇跡を目の当たりにして沈黙を貫けるかわからない。
大亜連合だって、恐怖で口を閉ざしていたけれど知る人は知っていたみたいだし。
(…閣下はお兄様をどう思っているのだろう)
兵器として自己を認識しているお兄様を憐れんでいるのか、孫と同世代ということもあって重ねていたりもするのだろうか。
どちらにしても、
(他人に不幸だと決めつけられ、勝手に憐れまれるのは面白くない)
お兄様の人生は出生からして明るくない。
幼少期も、少年期も、ほんの僅か幸せと呼べるかもわからない温かな光を唯一の光量に暗い闇の中を歩んできた。
感情があったならきっと耐えられなかった過酷な人生だ。生きることを止めたくなるほど厳しい環境だ。
ただ兵器として望まれるなら、利用価値として生かされる。
ただ使い捨ての人間として造られたなら、役目を終えれば安らかになれただろう。
――お兄様は、産声を上げるとともに生かすべきか会議にかけられ、半数以上が死を望み、「力は使い様だ」と生かすことを選択されれば憎まれ、疎まれ、恐れられた。
まだ、何も知る由もない世に出たばかりの状態でこれだ。
これを憐れむな、というのは確かに難しいだろう出自エピソードだ。設定もりもり大好き神様によりこれでもかと煮詰められたブラックな歴史の一ページ。
不幸のどん底からの成り上がりのストーリーはラノベの王道だ。
徐々に仲間を増やし、認めてもらえるようになり、時には仲違いし、それでもまた絆を深めて世界を動かしていくチート系主人公のサクセスストーリー。
シンデレラの男の子版はこうだよね、という定番ストーリーだ。
――そう、ここは物語の世界。神の創りし箱庭だ。
分かってはいる。全員が登場人物で在り、その主軸を元に生活をしている。
だが、私という存在が――異物が入り込んだことでその物語は変化してきた。
息子に愛を伝えることもできずに儚くなるはずの母は、浮かべることなどできないはずの笑みを浮かべて旅立った。
失意の中、高校を卒業するはずだった先輩たち数名は希望の大学へと進学して行った。
他にもいろいろと原作に描かれていない些細な変化をいくつも起こし、その波は原作を侵食せんと現在進行形で包囲網を敷いている。
(私はとても罪深きことをしている。尊敬し、感謝している神に逆らっている。――でも、それでも決めたんだ。お兄様を幸せにする、と)
原作は、原作の世界で。
ここはもう、原作と似た世界の、分かたれた先の世界。もう、シナリオ通りの支配の縛りからずれ始めた世界。
まだ、完全に抜け出ていないのはまだお兄様の幸せのための布石が揃っていないから。
強制力に身を任せつつ、改変できるところをコツコツと変えてきているところだ。
(転換期はもうすぐ――)
この京都編はほとんどシナリオ通りに進む予定だ。このお話も辛い場面が多々あるが、軍関連の軋轢については工作を少々加える予定。周に関してはそこ以外、タッチしない。
そもそも古都内乱編での深雪ちゃんの出番は少ない。
だからこそ、お兄様と別れて動ける唯一の機会でもある。――たとえ眼があるとしても暗躍のやりようはあるから。
ここが、正念場だ。
「――深雪?」
「ああ、すみません。先々代の四葉家当主と――私たちの祖父と親しくされていた関係で母や叔母様の教師をしていた、というのがなかなか想像できなくて。十師族間ではそのような交流もあったのですね」
「ああ。あの四葉の悪名を轟かせた件以降、四葉は他の十師族との交流がより薄くなったと聞いている。元々そんなに深い付き合いをしている家は少なかったそうだがな。第四研の頃から他の研究所とは異質だったらしいからな。その辺も関係しているのかもしれないが」
俺も噂話程度しか知らない、とは言うけどお兄様もなかなか情報通。どこでそんな情報手に入れられるのか。お兄様、四葉でお話しできる人はそういなかったと思うのだけど。
それにしても、
「お兄様も他人事ではないでしょう?」
「何がだ?」
「もし『灼熱のハロウィン』がお兄様の仕業と知られれば先々代のなされたことどころの騒ぎではありませんよ」
くすくすと笑いながら言えば、お兄様はすん、と表情が抜け落ち真顔になった後わずかに視線を逸らされた。
どうにも自分のしでかしたことを忘れがちなお兄様ですね。終わったことは気にしない。振り返らない。ただの事象として記憶の奥に仕舞われてしまう。
「…とにかくそういう経緯があるから、九島烈が俺のことを詳しく知っていてもそれほど不思議なことじゃない」
視線だけでなく話題も逸らしましたね。ちょっとお目目が泳いでますよ。
深雪ちゃんの目からは逃れられないほんのわずかな揺らぎですけどね。多分レンズ通して測らないとわからないレベル。
…深雪ちゃんのお兄様に対しての目はちょっと異常ではないかな。レベルアップした?常にお兄様のことを知ろうと必死に目を凝らしてましたからね。これに関しての経験値はかなり積んだと思う。
その目からはいかなお兄様でも逃れられない。私の視線を受けてお兄様はさらに目を逸らした。…こういうところにきゅんとくるよね。
水波ちゃんは私たちの間に何かあったらしいことはわかったみたいだけど、それがどういうものかはわからなかったみたい。
お兄様が気まずくなったのも気づかなかったのかな。結構分かりやすい話題の変更だったと思うのだけどね。
お兄様の態度がそうは見せないのか。お得ですねお兄様のポーカーフェイス。
「お兄様の事情をご存じだというのに何もせずに協力を取り付けるということは、秘密を握らせることでその利用価値を持たせる、ということですか」
「そうだね。相手は世界最巧と呼ばれた人物。たとえ今は耄碌していようとも口封じの実行は困難だろう相手だ。俺という戦略級魔法師の情報はあちらにも都合のいい切り札になるだろう。
前回の件での敵対はこのまま引きずっているのも具合が悪い。今後のためを思えば今のうちに貸し借りを帳消しにしておくべきだろうな」
お兄様はすでに
パラサイドールの件でお兄様にとって九島閣下への評価はぐんと下がっていた。高かったはずの好感度はマイナスに振り切ってしまうほどのイベントだった。
それでも知性と能力に対しての評価自体は下がらない。油断ならない相手であることは十分に理解していた。
信用なんてしない。
ただ、お互いの利害関係が一致した時のみ協力できる相手ではあるだろうね。
その辺はうまく立ち回るからこそ彼の一族は閣下が退いた後も十師族の中に居られたのだから。…それもあとわずかの間だが。
この話はこれでお終い、とお兄様はアイスティーに口つける。時折継続して掛けていた魔法のお陰か、お兄様は最後まで冷えたままのアイスティーを飲み切った。
水波ちゃんには終始わからない話が多かっただろうに、彼女は追求することもなく静かにメイドとしての仕事を務めていた。
――
対立する相手のいない選挙というのは普通盛り上がらないものだし、信任不信任で投票する場合、おふざけや反抗心によって人とは違う行動を取るものがいておかしくないはずなのに、100%という異常な結果で生徒会会長となった私です。
え、スピーチ?ごくごく普通の真面目なスピーチをしたはずなんですけどね。
どうして皆そんなに真面目に聞いてくれるの?高校生だよね⁇もっと雑談だったりつまらない顔して聞いててもいいのに、なんでそんなに期待に満ちた表情で聞き入ってるの?
開票結果を発表した時、どこからともなく聞こえた女王陛下誕生ばんざーい!って誰の仕込み⁇皆声を揃えての万歳三唱始まってびっくりですよ。
お兄様はさもありなんみたいな顔で腕組んで頷かないでください。何一つわからないよ。
皆の表情は楽しそうで恐怖に支配された結果ではなさそうだけど…いいのか一高、このノリで。
とりあえずここはひとつのってみようと九校戦で見せた雪の女王のように無表情ですっと手を上げたら皆がシン、と黙る。
「我が
それっぽいことでも一丁言ってみましょうか、と『学校』を『国』に、『生活』を『世』に変えてみたのだけどどうだろう?と正面を向けば、各々胸の前にこぶしを握ったり手を組んだりして感動しているかのよう――もしやウチの学校は魔法科高校ではなく演劇専門学校でしたかね?と言わんばかりに皆のアドリブの演技が揃いすぎていて舞台上から見える景色が壮観です。これは勘違いしそうになるかもね。
…祀り上げられる人間の気持ちってこんなのかな。普通ならここで調子に乗ってしまうかもしれないね。
女王モードから生徒会長に戻して、表情を和らげて。
「皆さんのより良い学園生活のために一生懸命務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします」
一礼して頭を上げると万雷の拍手が起こり、会は閉幕した。
――
「それでは、深雪の
かんぱーい!とエリカちゃんの号令に皆がグラスを掲げるけど、エリカちゃん、気のせいかな。副音声が聞こえた気がしたのだけど。じとっと見つめるとエリカちゃんはにっこり。…これは確実に含んでるね。楽しそうで何よりだよ。
今日は貸し切りではないので大声ではできないけれど、皆お行儀よく声も抑えながら唱和していた。
マスター、騒がしくしてごめんなさい、とちらっと見て頭を下げるとひらひらと手を振ってくれた。
もうこの喫茶店にもお布施を払わないといけない気がする。マスター好き。人がいい。
今日、喫茶店に集まったメンバーはいつもの二年組と水波ちゃん、ケント君、七草双子。香澄ちゃんは明らかに泉美ちゃんに連れてこられた感じだね。
水波ちゃんが珍しく香澄ちゃんの近く、というよりドアが近いからそっち側に座っている。
香澄ちゃんのお話し相手もしつつ、警戒もしつつ――本当によくできたガーディアンです。特別報酬が出るべきだと思う。…今度叔母様に相談しよう。
四葉から出ないなら私個人からでも――と思ったけど、出せるものはあまりないね。水波ちゃんの理想の制服作ったり甘味を作ったり?支払い能力の低い主ですまない。
「ま、順当と言えば順当だけどね」
ノンアルコールのジュースを一口飲んで、エリカちゃんが入学当初からわかってた当然の結果だよね、と零すとすごい勢いで食いついたのは泉美ちゃんだ。
「当然です!深雪先輩以外に一高の生徒会長は考えられません!当校を代表するにふさわしい実力!才能!美貌!立ち居振る舞いの美しさ!この結果は正に天の思し召しです!」
熱烈だね。そして天の思し召しは確かにそう。偶然にも大正解ですよ。正解した回答者にはサンドイッチでもどうぞ。
「え、そんな!深雪先輩に手ずから食べさせてもらえるんですか?!」
そ、そんなつもりはなかったんだけど、手にとっては貰えないようでキス待ちのようなお顔で待機されてしまった。…まあ女の子同士だし、ありかな。
「泉美ちゃん、目は開けた方が良いと思うわ」
はいあーん、と差し出せば本気で焦ったような態度。あ、これまさか冗談だったの?気づかなくてごめん。弄んだみたいな雰囲気になっちゃった。でも唇くっつけちゃったから食べて。
恐るおそる動くけどお口小さいね。一口がほとんど中身にたどり着けずに角のパンだけしか食べてない。それでもってお顔が真っ赤。
なんか、ごめんね。とんでもない辱めを晒させてしまったようで申し訳ない。
あとは自分で食べられる?とりあえず目の前の取り皿に置いておくからゆっくり自分のペースでね。
「みーゆきぃー?」
「冗談だと気付かなくて。泉美ちゃんに悪いことしちゃったわね」
エリカちゃんが呆れた声で注意してきた。申し訳ない。悪気はなかった。
泉美ちゃんはぶんぶん首を振ってるけど気をつけて。顔赤い時にそれやるとふらふらになるから。私は知ってる。経験則です。
「深雪、私も」
ほのかちゃんの隣に座っていたはずの雫ちゃんがわざわざ後ろに来てスタンバってました。
こっちも小さなお口開けて可愛いね。
「はいあーん」
「あーん」
やだ、かわいい。雫ちゃんのあーん、いただきました。かわいい。
私の椅子の背に手をついて身をかがめてサンドイッチを咀嚼する雫ちゃん。可愛すぎる。お口が小さいから進むスピードが遅くてそれすらも可愛い。私のお友達がとってもかわいいんです。
「…深雪、顔緩み過ぎ」
「お二人見てるとこっちが恥ずかしくなっちゃいます」
「幹比古はなんでそんな顔真っ赤にしてそっぽ向いてんだ?」
「何でレオは普通にアレが見られるんだ…」
「達也兄様、抑えて下さい」
「俺は別に何もしていないが」
「た、達也さんもああいうの、興味があるんですか!?」
「泉美、顔やばいって!」
「…一番のライバルは北山先輩だったなん…ッ」
何か、外野が騒がしいですね。ところでケント君の声がしないけど、と思っていたら黙々と自分の分を食べていました。
何と言うか、危機察知能力高そうですね。中条会長と似たタイプだけど生存率は彼の方がなんとなく高いように見えるのはこういうところかな?
ところでお兄様オーラが不穏。水波ちゃんが抑えろって言ってるけどお兄様無自覚?ほのかちゃんの言葉も耳に入ってない様子。
えっと、なんだっけ?ああいうの興味あるか、だっけ。お兄様食べさせ合いっこ嫌いじゃないよ。というか食べさせるの好きだよね。される側になっても抵抗しないけどする方は率先してするタイプ。
「一気で大丈夫?お茶挟まない?私のアイスティーでよければ」
雫ちゃんがこくんと頷いたので一旦サンドイッチを離してストローを向けて雫ちゃんへ。うんうん、一気食べは良くないよね。ゆっくりちゃんと自分の速度で食べてね。
「いやいや、深雪もそこまで世話しないの。雫も、そろそろストップ」
小休憩を挟んだところでエリカちゃんからストップが。なぜ?と思ったけど周囲を見ろとの視線が。
周囲?…あらー。他のお客さんの手が止まってましたね。これも一種の営業妨害?
残念だけどここまでのようだ。雫ちゃんと目を合わせて二人して肩を落として雫ちゃんはサンドイッチを持って席に戻っていった。
その間に周囲からは注文の嵐。コーヒーが良く注文されているようですね。マスター大忙し。サンドイッチも注文が次いで多いみたい。良かった。宣伝効果もあったようでなにより。
「全く、生徒会長が混乱を招いてどうするの」
「ごめんなさい」
エリカちゃんも本気で怒っているわけではなくしょうがないわねって感じのお叱りだったので、私も軽く頭を下げて謝罪。
中断していた会話が再開された。
「それで、生徒会長は決まったけど、この後は役員決めよね」
その言葉に皆の視線が私に集中したけれど、皆の前だからって口を軽くするわけにもいかない。でも、これくらいはいいよね。
「それなのだけど、昨年の投票結果覚えてる?」
「確か一位が深雪さんで二位が中条会長、三位が達也だったよな」
「立候補者中条会長だけだったのにね」
「…そんなことがあったのですか?」
「だから今年から不正投票ができないようにあのシステムが導入されたとか」
その為だけでなく雫ちゃんパパによる営業の結果でもあるのだけどね。電子化の波はあらゆるところからやってくる。
魔法師界にはまだ導入が遅れているところがあるから。そこに勝機を見出して売り込みを掛ける手腕は流石やり手。
「あの時私を生徒会長にと投票した用紙に多く書かれていたのが兄さんを側近にって」
「「「「「ああ~」」」」」
あったあったそんなこと、と二年生組は頷いて、一年生組ははてなが浮かんでいた。
そうだよね。生徒会選挙の投票に何故役員について書かれているのか。生徒会長が決めるものと決まっているのを全校生徒が知っていたはずなのに。
「当時はまだ本が出版される前だったけど、あの時からすでに一高では二人は時の人だったもんね」
一応ここは外だからプリンセスとナイトという名称は控えたようだけど、一高生なら通じる。
「あれは笑ったよな」
「あの時結局達也は役員にはならなかったんだよね」
原作では風紀委員を退任した直後生徒会入りのトレードが勝手に組まれていたけれど、ここでは風紀委員に入っていなかったのに中条会長から声はかかっていた。
それを撥ね退けたのは私だ。
お兄様自身あの時忙しい時期だったし、一年の後半は畳みかけるように戦闘が多いことを知っていたので余計な仕事を増やしてほしくなかったのだ。
…とはいえ結果はあまりよかったとは言えない。お兄様は疲労してストレスを抱え、ちょっぴし変な方向に壊れかけていたから。アレは痛ましい事件だった。
無差別口説き事件。今でもこっそり語り草になっていて、お兄様の語録がどこかに保管されているとかなんとか。お兄様に知られないようにね。知られたら速攻分解案件。
自分に興味の無いお兄様ではあるけれど、黒歴史的なものが残ってると知ったら即処分しそう。
「一高は資料が豊富で調べたいこともたくさんあったから他のことをする余裕も無かったが、一年経てある程度の資料に目を通せたからな。四月から役員になったんだ」
その言葉に純粋に憧れを向けるケント君。そうだよね、すごいこと言ってるよねお兄様。
なのにどうして他の皆(ほのかちゃん除く)はそんな変人を見るような目で見るの?水波ちゃんもそっちサイドなのはなんで⁇
「図書室なんて滅多にいかないけど、それでもウチの図書室がとんでもない蔵書量なのは知ってるわよ」
「…それを、たった一年で、ですか」
「当たり前だが全部ではないぞ。あそこでしか目を通すことのできない資料が主だ」
「だとしてもそれを見っけるだけでも十分大変だっての」
「兄さん毎日のように籠っていたものね」
「お前を待っているいい暇つぶしでもあったが有意義な時間でもあったよ」
お兄様のお役に立てたならよかった。お兄様が余計なことで煩わしい思いをしないことが一番だったけど、図書室に籠っていられたから研究が進んだというのならそれは副産物として最高の収穫だった。
にっこり微笑むと、お兄様もにこにこ(妹視点)。
このままフェードアウトしてもよかったのだけど、質問には答えないとね。
「今年は電子投票だったから余分なことを書くスペースが無かったでしょう?だからか生徒会への要望メールがたくさん届いているの。昨年同様の内容がね。だから迂闊にしゃべれないのよ。ここでもし新役員の話なんてしたら皆にも被害が行っちゃうから」
ということでこれ以上役員のお話はできない、と言えば皆納得してくれた。
ごめんねほのかちゃん。知りたくてしょうがないよね。分かるよ。お兄様と一緒に仕事したいものね。
大丈夫、安心してください。お兄様も水波ちゃんもすでに生徒会入り決定してます。
ほのかちゃんにはまだ継続のお願いしてなかったのにお兄様と仕事できるか心配するってことは、自身の生徒会役員はほぼ確定だと思っているのね。正解だけど。
泉美ちゃんも同様、このまま繰り上げになるとわかっているようだけど期待する目でこちらを見られてる。もちろん泉美ちゃんにもお願いする予定だけどね。
皆の前で、二人にお願いするとその流れでお兄様は、って話になっちゃうから。
後日、日を改めてお願いしに伺います。
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