妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします!分割版   作:tom200

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九校戦編
九校戦編①


 

 

定期試験が終わった。

結果は原作通りなので割愛。

ただお兄様の転校を進める話はなかった。実力を疑われての尋問もない。

なぜなら先にばらしてますからね。

なので皆がお兄様を心配して集まるというイベントはなく、学校を出て喫茶店で慰労会をしている。

 

「お疲れ様―!」

「成績上位三位まで揃ってるってなんかすごいよね。達也くんも実習以外は一位だし」

 

祝杯としてジュースを飲んで健闘を讃え合う。

本当はこんな時間、生徒会役員の私にはないはずだが、いつも頑張ってくれてるから、とお休みをもらった。

でもホワイトだとは言わない。

昨日も遅くまで働かされていましたからね。

お兄様も図書室で遅くまで時間を潰してもらい付き合わせてしまった。調べられることがたくさんあって有意義な時間だったって言ってくれたけどね。

 

「それにしても深雪は忙しそうだね」

「九校戦がこんなに準備に時間がかかるものだとは知らなかったわ。それにこれから選手の選別もあるからもっと忙しくなるみたい」

「うわー。生徒会って大変なのね」

「だけどどうなるんだろうな。ほら、生徒会長が言ってただろ?選手に一科も二科も関係ない、実力で選ぶって。実際のとこ達也が選ばれるのか?」

「いや、それはないよ」

 

その質問にお兄様がスパッと否定する。

そう、4月の事件はこういったところにも影響を及ぼした。

本来は一科生からしか選ばれないはずの九校戦だが、魔法力以外でも選考基準があるはずだと見直すことになったのだ。

原因は当然お兄様。

風紀委員ではないのであの事件で一回しか活躍を見せていないが、それだけインパクトのある光景だったのだろう。

すでに生徒会にもお兄様を推す声は上がっている。…正確にはお兄様、ではなくナイトを、だけど。どうやらかなりの生徒があの演劇部の舞台内容を知っているらしい。

けれどお兄様は出場しない。

なぜならば、

 

「選手じゃなくエンジニアとして参加することになってる」

「エンジニアって技術班?一年でか!?」

 

それも二科生なのに、だ。快挙というかなんというか、とにかくとんでもないことではある。

だって入学して三か月で、普通はまだ身に付いていないだろう技術力を期待されているのだから。

 

「深雪の調整は達也くんがやってるって言ってたもんね」

「バイト先でもそういうのやってんだったか?だったら妥当か」

 

とはいえすんなり決まったわけではない。

二科生が選ばれることに全く反発がなかったわけではないのだ。

噂が先行しすぎてあの現場を知らない生徒にとって優遇しすぎているのではと見られてもおかしくない。

だから先立って模擬戦を行った。――非公式に。

主要な運動部部長から技術部部長まで呼んでの説得を兼ねた模擬戦をしてみせたのだ。

こういうのは実際見てもらった方が手っ取り早い。

まずは二科生が一科生を本当に負かすことができるのか、服部先輩が相手に選ばれて試合をした。

ギャラリー有りとはなるが、原作のあのシーンの再現ですね。

中条先輩がシルバーホーンに大興奮してましたけど、子犬がご主人様にじゃれついているようで大変可愛らしかったことを報告します。…中条先輩がお義姉様になることもあり得る!?と夢想してときめいたのは秘密です。…小動物系お義姉様、大いに有りですお兄様。でも妄想はできても現実味が無いのは、彼女にはこのまま純粋でいてほしいと思ってしまうからか。四葉って聞いただけで卒倒しちゃいそうですもんね。可哀想だ。

なんて、妄想する時間の方が長かった。試合は正に瞬殺。

まさか加速を肉体のみでやってのけたとか、とんでもない演算で、少量の魔法力で打ち倒すなんてできると思わないですよねー。

皆、茫然。信じられない光景を見たといった様子で固まっていた。

それもそう。服部先輩の実力は学校内でも有名で、二年生ながら学内でも指折りの生徒だとここにいる全員が知っていたからだ。そんな彼が、瞬殺。

でも一番信じられなかったのは手合わせした服部先輩だ。

警戒もしていたけど、まだ過信が抜け切れていなかったと打ちひしがれていた。

そうよね、好きな人の前で自信満々で倒されちゃあ落ち込みもしますよね。

ドンマイです。

その後の調整についてだけど、実戦の実力は認められても調整は、いくら身内が凄いと伝えても言葉だけでは認められない。

だがこちらは実戦のようにやって見せれば、ともなかなかいかない。踏ん切りがつかない。

信用もないのに調整されたモノを試すのは危険な行為だ。下手をすれば二度と魔法が使えなくなる可能性だってある。それほどCADの調整は慎重にならなければならない恐ろしいものなのだ。

かといって身内の私がやってもらったところで信用などないし。

そう思っていたら立候補者が現れた。

――可愛い彼女をちゃっかりゲットした桐原先輩である。

久しぶりに姿を拝見しましたよ。学校来てたんですね。いや、来てるでしょうけどなんでか見かけないんだよね。まあ広い学校だしそういうこともあるか、と納得して彼を見る。

すごいチャレンジャーだな、と感心していたら目の前にやって来た白いものに視界を遮られた。

お兄様の背中だとすぐにわかったのは愛ゆえです。

広くて逞しくて頼りたくなる背中ですね。カッコいい。

でもなぜ?と思うより早く始まるマニュアル調整。音楽を奏でるがごとくキーボードを打ち込んで入力する姿はいつ見ても見惚れてしまう。

皆も珍しいのだろう、何をしているかわかっていない運動部の人たちも技術部の様子にこの状態が異常だと気づいて黙って見つめていた。

手早くチューニングを済ませたCADを受け取った桐原先輩は何のためらいもなく起動させ、淡々と評価を述べていく。

感情を込めない説明に、部長たちも生徒会の方々も、信じていいのかもしれないと受け入れることにしたようだった。

…なんで原作ではあんなに反感かって認められなかったんだろうねっていうくらい、あっさり認められました。

環境って大事だね。

選手としても欲しいけど、技術者はもっと欲しい。

そういうわけでお兄様は反対の声があげられることもなく、すんなり九校戦のメンバーに内定した。

 

「兄さんの実力なら当然よ」

「でた!深雪のお兄ちゃん自慢!」

「だって誇らしいもの」

 

お兄様は世界一!私はいつだって鼻が高いのです。

しかしお兄様も負けないとばかりに参戦する。

 

「俺は学校で一番の成績を修める優秀な妹で鼻が高いよ」

 

あらあら、私たちったら鼻高兄妹ですね。

 

「でも筆記は兄さんの方が上じゃない」

「すべて負けては兄の尊厳が無くなってしまいそうだからな」

「もう、兄さんのことはいつだって尊敬してるわ。だけど、そういうことにしてあげる」

「それで納得してくれる深雪はいい子だね」

 

頭を撫でるお兄様。嬉しそうに微笑む私。安定です。

 

「コーヒー注文するが俺以外いるか?」

「私も」

「私もお願い」

 

皆コーヒー好きですね。

それから雫ちゃんがモノリスコードのフリークだということが判明したり、選手の予想をしたりと楽しい時間を過ごした。

 

 

 

――

 

 

ある程度わかっていたことではあるが、結局選抜選手やサポート要員にお兄様以外の二科生は現れなかった。

エリカちゃんとか選ばれてもよさそうなのにな、と思っていたけど本人は気にしていないらしい。

むしろ何か企んでそうな、そんな雰囲気だった。

そしてもう一つ、――昼食にまた一人新しいお仲間が加わった。吉田くんである。

ちょっとまだ卑屈さが抜けてないのは、まだ魔法をうまく使えないからか。

もう少しで抜け出せるから頑張って。

私は離れたところで見守っていますとも、と訳知り顔で見守っていたらお兄様の腕が目の前を遮った。

うん?

 

「兄さん?」

「なんだ?」

 

それはこちらのセリフなんだけど…まあいいか。

目の端で美月ちゃんが喜んでいるのが映ったけど、私が見てないところで何かあったのかな?

 

 

 

正式にメンバーが決まった夜、夕食を食べ終えて食器を片付けにキッチンに立ったところで動画電話が鳴った。

お兄様が電話に出ると、相手は風間さんでした。声しか聞こえてないけど隊服かしら。だとしたら少佐ってつけるべき?でも実はそんなに関わってないから気分的には親戚のおじ様って感じなのよね。お兄様に優しくしてくれる頼りになる大人の人。親しみを覚えるのは当然だった。

話は聞かない方がいいかな、と思ったんだけどお兄様は首を振る。その必要はないそうです。

でも邪魔はしたくないのでここでお茶の準備してますね。

 

「久しぶりだな特尉」

「リアルタイムでお話しするのは二か月ぶりですが、その名で呼ぶとは秘匿回線を使っているのですか?よくもまあ、一般家庭の回線に割り込めますね」

「簡単なことではないがな。しかし特尉、君の家はいささかセキュリティが厳しすぎやしないか?」

「うちには可愛い妹がいますからね。どんな見境ないハッカーが覗きに来ないとは限りませんから」

「…おかげで今もカウンターでクラッキングを喰らいそうになっているよ」

「それは、随分深層まで潜り込もうとしましたね。ですがまあ、自業自得でしょう」

「手厳しいな。うちの新米オペレーターにはいい薬にはなったか」

 

楽しそうな会話だけど物騒でしかない。

この家のセキュリティ、軍でさえおいそれと侵入できないってすごい要塞っぷり。

そして風間さん、ツッコんでいいですよ。妹バカもほどほどにって。まあ実際は探られたら困るモノがこの家にはたくさんあるということなんですけどね。

それから軍のお話をしてたんだけど…本題はそれじゃないらしい。

 

「九校戦に参加するらしいな」

「はい」

「会場は例年通り富士演習場南東エリアだが――気をつけろよ達也。該当エリアに不穏な動きがある。侵入者の痕跡も発見された」

「軍の演習場に、ですか?」

「嘆かわしいことにな。どうも国際犯罪シンジケートの構成員らしき東南アジア人が複数目撃されている。これは去年まではなかったことだ。時期的に見て、九校戦が狙いではないかと見ている」

「…大亜連合がらみですか?」

「そういえばお前は壬生に会ったそうだな。内情勤務のアイツに調べてもらった。香港系のシンジケート、無頭竜の下部組織ではないかということだった」

「ではブランシュなどとも関係は」

「ない、と言いたいところだが相手はあの大亜連合だからな」

「…尻尾があり過ぎて本体を捕えづらいですか」

「追加情報が入り次第連絡しよう」

「目的がわからないというのが気持ち悪いですが、お願いします。…それにしても軍の演習場に侵入って簡単にされるものなのですか?」

「それを言ってくれるな。これから罠を張る予定だ。藤林たちも張り切っていたぞ」

「…それはそれは…かかる獲物が哀れですね」

「管轄は違うが同じ軍だからな。こちらも多少手出しができる。――と、そろそろ新米がえらいことになってるから切るぞ。ああそうだ。師匠によろしく伝えてくれ。…お前と富士で会えるかわからんが、」

「楽しみにしています」

「ではな」

 

切れたタイミングでお茶を運ぶ。

ちょうど飲み頃になっていることだろう。

特別いいお茶というわけではないけれど、しゃべった後の喉を潤すにはちょうどいい。

 

「お疲れ様ですお兄様」

「…どうやら九校戦も一筋縄ではいかないようだ」

「なにが目的か不明、とのことでしたね。調べますか?」

「まだそうとは決まってないが…警戒程度で」

「大亜連合は本当に余計なことしかしませんね」

 

大人しく自国の発展に精力を注げばいいのに。

 

「深雪が望むなら地図上から消すんだが」

「確かにそれが一番さっぱりするかもしれませんが、戦争始まっちゃうのでだめです」

「ダメか」

「ダメです」

 

いつものお決まりの会話に、お兄様はしょうがないなと笑い、私はすまして返す。

物騒極まりないし、現実味のない会話に聞こえるかもしれないが、これを実行できてしまう力がお兄様にはある。

それをさせないために私は存在しているのだ。

お兄様に幸せになってもらいたい。

その為には絶対彼を破壊神として世界の敵にしてはならない。

 

「ちゃんと止められたお兄様にはご褒美に、私の作ったショートブレッドをプレゼントします」

「なら、仕方ない。諦めてそちらをいただこう。――深雪が食べさせてくれるんだろう?」

「…欲張りなお兄様」

「甘やかしてくれる妹がいるからな」

 

急募:お色気魔人から逃げられる方法。

…残念ながら急すぎて助けはなかった。

 

 

NEXT→

 




おまけ

『皆大好き九校戦ですね。本日も兄妹お二人をゲストに話していきたいと思います』
「定期試験の結果発表後に集まって慰労会するってすごい青春っぽいですよね!」
『試験後解放感で皆で遊びに行くってのは聞きますけど、結果を聞いて慰労会とは…あまり聞いたことがありませんでしたが』
「それを口実に九校戦のことで探りを入れたかったのかもな」
「エリカなら情報収集に余念がないでしょうからね。でも、理由があっても集まって楽しんだらそれで十分ではないですか」
『何かと理由をつけてお祭りしたいノリでしたか。ついでに聞ければめっけもの、程度だったかもしれませんね』
「ふふ、それでまんまとお兄様のエンジニアとしての参加の話を抜かれてしまったのですね」
「知られても困る話でもなかったから構わないが、ずいぶん驚かれたな」
「二科生が選出されることは前代未聞のビッグニュースですもの。それも、こんな身近にいたら喜びもあったでしょう」
『二科生のヒーローが選手ではないにしろ九校戦に関わるとなれば、さらに盛り上がりますもんね』
「ですが、あの一件でお兄様が実力者だと伝えたつもりでしたが、服部先輩との実力勝負をすることになりましたね」
「あれが真実かどうかなど知りようもないからな。二科生をいきなり抜擢するんだ。慎重になるのは無理もない。実際目で見ないことには誰も納得しないだろう」
「(こっそり)…ということはあの工作はやっぱり無駄だった、と」
『(こそこそ)無駄ではなかったけど、二人の対決の流れは変えられなかったようですねぇ』
「深雪?」
「いえ、あの時は驚いたな、と。お兄様を生徒会に連れてくるように言われて一緒に向かったら体格のいい先輩方に囲まれて」
「ああ、用事は俺にあったはずなのにお前が現れた瞬間視線が引き寄せられて固まっていたな」
「視線が集中していた記憶はありますが、彼らはすぐに十文字先輩の咳払いで背筋を伸ばされていましたよ」
『え、あの場に十文字先輩もいたんですか』
「運動部部長を束ねる会頭として顔を出していたな」
『お兄様の実力を見たかったんですかね?』
「あの一件の後、七草会長にどれだけの実力者か聞いていたそうですから。実際目にしたかったのかもしれません」
『で、皆さんの前で自分で調整したCADを使って一科生の実力者を――スパっとやっちゃった、と?』
「それはもう見事な一撃でございましたとも!」
「先輩は優秀だと聞いていたからな。速攻で勝負をつけたかった」
「流石ですお兄様!」
『…で、実際のところは?』
「深雪が見ている前で無様な姿は見せられないからな。心配させずにすぐ片をつけたかった」
「お兄様…」
「後で深雪にも褒めてもらえたしな」
「当然です!頑張ったお兄様を褒めるのは妹の役目です」
『(ボソッ)…まあ、妹を嘘つき呼ばわりさせないために試合に勝つのと、褒めてもらうために勝つ…モチベは後者のほうが高いかな』
「皆さんぽかんとして、笑わずにいるのが大変でした」
「その後何か卑怯な手を使ったのでは、との言いがかりを十文字会頭に抑えてもらえたのは助かったな」
『妹の頭撫でながら真面目な顔して続きを淡々と…いいですけどね。二科生が圧勝した姿には彼らの常識もひっくり返ったことでしょうね。で、いちゃもん付けられそうになったところを?』
「七草会長と渡辺委員長、市原先輩によってお兄様の魔法の解説がされ、十文字会頭が実力を認めて大人しくなりましたね」
『(生徒会の一件が丸っとこの場で再現された、と。服部先輩の心が折れなかったのは、仮にも深雪ちゃんからの事前情報があったから、かな。あの時のような反発はなかった、と)話が早くて助かりましたね』
「ええ。実力者には実力者がわかるということです!」
「深雪が嬉しそうで何よりだが、俺に実力を出すことはできないからな…お前にはいつも不満を抱かせてしまう」
「!いいえ!それは仕方のないことです。…お兄様の素晴らしさが伝わらないことはもどかしくもありますが、その…お兄様のすごさは私が一番よくわかっておりますので」
「…」
『おおっと、深雪選手の『私が一番お兄様を知ってるもん』攻撃に思わず天を仰ぐ達也選手!ノックアウト寸前か!?』
「急にレフェリーにならないでください。お兄様と戦ってなどおりませんから」
「…いや、いい攻撃だったよ。思わずこのまま連れて帰りそうになった」
「お兄様!」
『はいはい。脱線させてしまい申し訳ありませんでした。ってことで話を戻して。一瞬でけりが付きすぎて凄さがいまいち伝わらなくて結局調整の腕も疑わしく思われたところ、桐原先輩に助けていただいたんでしたっけ』
「許されるなら私が立候補したかったのですが…」
『身内が言っても正しく伝わりませんからねぇ』
「先輩は良くも悪くも目立つ存在でしたから、悪し様に言うことはあっても贔屓するようなことはないと」
『うーん、信頼の仕方ぁ。だけど先輩のひねくれた性格のおかげでお兄様が認められた、ということですね』
「俺としては深雪の調整ができることが重要だったからな。もし無理だったとしても深雪の分だけでもと無理やりねじ込ませてもらうところだったが、そうならずに済んで助かったな」
「お兄様の腕が認められないはずがないのですが…無理やり…」
『一体どうやって…でもお兄様ならやりそう…。ま、まあ無事に参加賛成してもらえてよかったですね。平和平和。それにしても、深雪ちゃんはお兄様の自慢ができて嬉しそうでしたね』
「もちろん!これほど喜ばしいことはありません」
「これを聞くともっと喜ばせてやりたいと思うが…」
「もう、わかっております。お兄様に無理はしてもらいたくありません。でも、内内の、友人たちの前くらいは舞い上がることを許してください」
『それをすると皆もれなくコーヒーを注文する流れになりますが』
「それは…お兄様が続かなければ…」
「俺だって深雪を自慢したい」
『だ、そうです。諦めるしかないようですね』
「…うぅ……」
『で、その後風間少佐から連絡がきてある程度情報を得るわけですが――深雪ちゃんが大亜連合を消すことに賛成したらどうするおつもりだったんです?』
「消すが?」
『ノータイム即答』
「賛成しませんからね?!」
「残念だ」
『……何気に今、右手上げようとしてました?深雪ちゃんの突っ込み一つでで今大地消失せず、戦争にならずに済んだみたいです」
「…不用意な発言はしないように」
『はい…』
「ところで、今回も大人しく引き下がるから、何かご褒美が欲しいな?」
『(わぁ。深雪ちゃんに睨まれた。ガンバ!)』
「…本日の夕食にはお兄様のお好きなものを作ります」
「楽しみだな」
『(それでその後おいしく妹もいただくつもりですね。――はい、余計なお口はチャックします)それでは、また次回~』


――深雪が退出しました――
――達也が退出しました――


――


九校戦編に突入しました。
成績発表の後ってあまり集まるイメージないですがまあ、話の流れですかね。
これも立派な情報漏洩だと思いますが、数日後には公式に発表される話なので問題はないのかな。
それにしても九校戦までのスケジュールって結構ハードですよね。一年生って本当準備期間なさすぎない??と書いてて思いました。せめてどの競技か決まっていればある程度絞れるけど…
九校戦編はほとんど流れを変えるつもりがありませんでした。ただ、この二人が原作の流れにそのまま入ると何が起こるかな、と。
そうしたら、まあ揉めない揉めない。多少技量を見られることはありましたが、二科生に対しての色眼鏡が薄くなっていましたからね。十文字先輩の圧もあってあっさり決まりました。
服部先輩との模擬戦やりましたが、原作より傷は浅い模様。ほかの視線が合ったことと、反発が小さかったからですかね。原作では二科生絶対反対派でしたが、ここではその流れを変えてしまいましたので。
で、前章でいくつか流れを変えたことで少々変化が出てきますが、変わらぬ流れもあります。
それが風間さんとのお電話でした。ちょっとした変化はありますし、掴めた情報は原作より多いようですが阻止には至りませんでした。
成主妹も、知識を使って暗躍していても理由なくあれが怪しい、と注目することはできないので少しずつしか敵に近づくことができません。もどかしいですね。
この世界のお兄様は妹のGOサインさえあれば軍や四葉が何と言おうと地図上から国を一つ消し去るつもりです。何よりも妹が大事なので。すでに比重がおかしくなっているお兄様です。
妹は本能で本気でやりそうなのを察しているのか、冗談でもGOサインだけは出しません。お兄様を幸せにするには目立つ行動は控えないとね。するとしても最低限か、お兄様のことを隠してくれる人がいないと危険ですから。
すでに立場が入れ替わり、攻める兄と躱す妹(しかし原作お兄様のように躱しきれない)がどう九校戦に挑むのか――
…この時はあそこまで考えていなかったんですがねぇ?どうしてそうなったのか。これからそういったところも書いていきたいと思います。

お粗末様でした。



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