妹転生?!ファンとしてお兄様を幸せにします!分割版 作:tom200
いや、大丈夫だ。問題ない。
お兄様はあの深雪ちゃんの猛攻に耐えられるのだから。
私が気にしすぎなければすべては恙なく終わる。
そう、恐れることなど何もないのです。
これはメンテナンス、医療行為みたいなもの。
心を落ち着けるのです深雪。
とりあえずガウンに着替えなければとワンピースに手を掛けるんだけど、これもすごいギャップだわ、と他人事のように鏡をみる。
(こんな清楚なお嬢様かーらーのー、殻を剥いだらはいこの通り。暴力的魅惑の悩殺ぼでぃのお出ましですよ)
ああ、なんて恐ろしい二面性。天使と小悪魔…え、そんな単純な言葉で収まる?春の妖精と淫夢を見せるサキュバス…だめだ。私の貧困な語彙力ではこの素晴らしさが伝えられない。くやしい。
すまない、みんなすまない。どうやらここまでのようだ…。
と、おふざけもここまでにしないとお兄様をお待たせしすぎてしまう。
意を決して急いで下着姿の上にガウンを羽織り、おかしなところがないことを確認してから扉を開ける。
「おまたせ、兄さん」
そうだ。無我の境地が無理ならば気を紛らわせるために何か別のことを考えようじゃないか。
少しでも楽しくなるようなことを。
と、すぐ浮かぶのは目に入るこのガウン、の下のことで。
(――これを選んだときは本当に楽しかったなぁ…)
だって、この深雪ちゃんに下着を選ぶだなんて、こんな楽しいことあるだろうかっていうくらい浮かれたものだ。
昔の自分じゃ絶対選ばないような可愛いものから諦めざるを得ないデザインも深雪ちゃんは見事に着こなしてくださった。
購入せずとも画面上でいろいろ合わせられるこの時代。そりゃあもう時間の許す限りデジタルでフィッティングしまくりました。素晴らしい、夢のような時間でした。
もちろん白はマストだが、真逆の黒のなんとエr、ラインの美しさよ。青赤黄色も何でも似合う深雪様。緑も紺も、紫なんてすべてエロばかりだと思ったら可愛らしい紫もあるなど知らない世界がありました。
ファウンデーション、補正下着しか身に付けたことのなかった前世の私よ。知らない世界へようこそ。その扉の先は楽園がありました。
とはいえ購入するに至ってはあまり深雪ちゃんの枠を外してはいけないと、清楚な白を基調としたものを選んではいるのだけど白だけでも実に多種多様。
可憐・優美・清純・フェミニン。
服であれば可愛らしく思えるだけだが、これに下着という要素が入るだけでなんでしょうね。…えっちになるよね。
あ、いえ大人っぽい。言い間違えました。
まだ15歳だというのに、いや15歳だからか。あの危うさ、妖しさは。
…よくやった私っ!これは完成された美に見事に調和する意匠だ。
完全趣味に走ったけれど、後悔はしない!私はまた一つ芸術作品を生み出したのだ!
――達成感が確かにあった。
満ち足りていた。
…だからすっぽりと抜けていたのだ。
服の下だから人に見せることはないと、大胆な格好でも大丈夫だと思ったのだ。
深雪ちゃん…ヒロインの中でも結構セクシーシーンの多いヒロインさんでしたよね。
失敗失敗☆
(ホント、ドウスレバイインダコレ)
「測定をしよう。横になって」
ここにきてはどうにもできない。もうどうにでもなれ精神で、言われるままに慣れた手つきでするりとガウンを滑らせて、軽くまとめてどこに置こうかと視線を巡らせたら、無表情のお兄様の視線が私に向けて固定されていた。
まだ計測器に乗ってないのですが、もうすでに始まってる?
やはりというかなんというか、この悩殺系な姿を見てその無表情っぷり流石ですよねお兄様。
この深雪ちゃんを見ても動じることのない不動心を身に着けていらっしゃる。
なんて感心している場合じゃない、いつものように横にならねば、とガウンを適当な場所に置いて、…置いた、んだけどお兄様が動かない…?
え、瞬きしてない…?息はしてるよね⁇
実は動揺してましたか!?
(おかしい。原作では恥ずかしがる恰好の深雪ちゃんに見向きもしないで作業に入って、反応が返ってこなくてご不満です!って場面じゃなかった?あれ、でもあれは入学後だったから別件になるのかな?)
もちろん私はお兄様の反応なんてなくて当然だと思っている。今までだってなかったし、これからだって無いはずだと、そう思っていた。
とはいえそれとは別に私自身は大いに恥ずかしいし、毎度毎度心臓を落ち着かせるのに苦労している。
顔は何とか取り繕えるんだけどね、内臓操作ってどうすればできるんですかね?と深呼吸で整えてるんだけど、きっとこれ毎回計器に反応してるんだろうな、とは思ってる。
お兄様が言わないのならばこちらも沈黙すべし、だ。余計なことは言わない。お口チャック。
とりあえず横になればいいのよね。
もし動いちゃいけなかったらお兄様が止めるだろうし、と台に乗り上げようとした時だった。
「お嬢様、計測が終わったら着替えてお待ちください。お話しすることがございます」
え゛!なんでガーディアンモード!?
動き出したお兄様はなぜか私をお嬢様と呼んで小さく頭を下げた。
混乱状態の私をよそにお兄様は仕切り直したのかいつもと同じ調子に戻ったようだけど、――怖い!
いったい何を言われるというの?!
何か悪いことしましたか?…あ、この恰好!?やっぱり深雪ちゃんの恰好が解釈違いでした?!
(…やっぱりここが処刑場だったか)
スン、と心が一気に冷めた。
オタク、やらかした時は大いに慌てるけど腹をくくった時はすっと首を差し出すくらいの分別はあるのである。腹切り止む無し。罪は贖わねばならぬ。
そんな覚悟を決めたおかげか計測はいつもより早く終わった気がする。
その後のお兄様の作業スピードは鬼気迫るものがあり、ぼう、と見ていたらすでに『一機目』の調整があっという間に終わりそうになっていた。
早いからといって雑なわけではない。お兄様がそのように扱うわけがない。
わかっているけど早すぎる。
っと、見ている場合じゃなかった。『二機目』も終わったことでお兄様から声がかかった。
終わったのにいつまでもこの心許ないガウンのままいるわけにいかない。私は邪魔しないように静かにその場を後にしてすぐ着替える。
戻ってもお兄様はまだ端末に向かっていた。
そのことに少しだけ安堵して中に入り、先ほどは気づかなかったもう一脚の椅子に腰を掛けて待った。
待った、と言っても1,2分程度の猶予しかなかったわけだが。
「待たせたね。終わったよ」
いつものお兄様だ。
さっきのお嬢様呼びは夢だったのではないだろうか。
渡されたCADは持っただけでもわかる、いつもながら完璧な調整。
思わずうっとりしてしまう。
「喜んでもらえたようでよかった」
「、うん。流石兄さん、いつも通り完璧な調整ね」
うっかりいつもの調子で答えそうだったけど、お兄様は一度決めたルールには厳しい。間違えたりするとお仕置きが待っている。
流石に一、二回なら見逃されるが仏の顔も三度まで方式なので、それ以上ミスをしたらお仕置きだ。
お仕置き…私が困ることを熟知しているお兄様ならではのモノで体罰的なものではないのだけど、精神的に苦しめられるモノがほとんどだ。人によってはご褒美だろうし、原作の深雪ちゃんだったなら喜びのあまり失神してるかもしれないが。
私にはそれはもう辛いお仕置きなのでそれだけは避けねば、と何とか踏み留まって返した。
この足掻きに対しお兄様は愉しそうに目を細められているのだけど、こっちは狙われた獲物のごとく内心びくびくしている。
「さて、調子が確認できたなら今度はもう一つの問題の話をしようか」
「よくわからないんだけど、何かしたかな?」
空っとぼけてみる。
実際お兄様から言われたわけでもないし、私が気付けていないことかもしれないし、もしかしたら――
「ガウンの下に着ていたものだが」
下に着ていた、つまりは下着ですね。うまい言い方ですねお兄様。
…そしてやっぱり逃れられなかったかぁ。
「高校生だからと一新したと言っていたが、あれはちょっと学校には向かないんじゃないか」
「なら大丈夫。あれは学校では着用する予定は無かったから」
動きやすい服装に着替える実技があるとわかっていて、学校でアレを身に着ける勇気は流石にございませんよお兄様!
私はそこまで破廉恥な女ではございません!!TPOは弁えております。
…じゃあ何のためと言われたらその、ご褒美として買ったので頑張った時とか気分を上げたい時とか。
基本的に家で着用しようと思っておりましたとも。
(でも考えたら独り暮らしじゃないんだから、お兄様にラッキースケベの恐れがあったのか…。その可能性は考えてなかった。ごめんなさい)
ラノベ主人公の宿命ラッキースケベの呪いを忘れてました。
そういえばお兄様高校でめちゃくちゃこの洗礼浴びまくってましたね。びっしゃびしゃでしたね。
三分の一くらいは深雪ちゃんが原因だった気がしますが。それも今回私は動くつもりがないので減ってしまうけど。きっとその分誰かが補ってくれるはずです。これが強制力ってやつですね。
…ところでお兄様がフリーズしているのですがなんで?
問題は解決したのでは⁇
「学校で身に付けるものはもう少しシンプルなものを用意してるの」
お兄様に動きはない。
「可愛いものを身に付けると力が湧くのが女の子なの、よ?」
うっかり『です』ってつけそうになって、慌てて息を詰まらせつつ誤魔化したけどお兄様の反応はない。
…もしかして正解出さないと動かない?
でもこの場合の正解って何⁇
「それとも私にはあまり可愛いものは似合わない?」
「似合わないわけがない」
妹肯定botの機能は無事のようだ。
「ありがとう」
微笑んで返すけど、無表情のまま。――あ、手が動いて頭の定位置に。
撫でられたから大丈夫、かしら。
「深雪は俺をどうしたいんだい?」
「ん?兄さんを…?世界の覇者に?」
「それはない」
とりあえず一ボケすると即座に返答。
本気で答えるならお兄様を幸せに、なんだけど今求められてる答えってそれじゃないのよね。
まって、今考えるからと頭を巡らせるんだけど、お兄様の撫でる手が止まらない。
「兄さんストレス?ハグする?」
「す――いや、今は大丈夫だ」
ハグの拒否とは珍しい。
でもす、までは言いかけてたから疲れてはいるのかな。
「私は兄さんにのびのびしてもらいたい、かしら。外に出たら周りを警戒しなきゃいけないし、家の中くらい気を抜いてほしい」
以前の家では言えなかった。
時折母が帰ってきたときはそうとは気づかれない程度に気を張っていたし、そもそもあそこは四葉の監視下にあった。まあいくらガーディアンがいるといっても中学生でしたからね。
今も全くのゼロってことはないかもしれないけど、セキュリティはお兄様がすべて一から監修してくれていて、いわば一般人の家に見える要塞だ。
それに力の使い方を熟知したお兄様はあの頃とは違う。
そう思ったら笑みが深くなった。
「兄さんはそのままでも十分素敵な兄さんよ」
「……深雪には敵わないな」
「そんなこと。いつだって私のことを言い負かすじゃない」
色男モードのお兄様には一度足りとて勝てたことはございませんとも。
「兄としてもっと精進しないとな」
「…まだまだ上があるの?」
まだ進化する気でいるみたいだけどいったいお兄様は何と戦ってるの?
世界兄選手権??きっともう一位だと思うのだけど。
苦笑するお兄様。
若干疲れが見えるような?
「やっぱりハグする?」
「………夕食後に頼む」
どんな葛藤があったのかわからないけど長考して出た答えはなぜか夕食後。
もしかしてまだ作業があってストレスため込んでから、ひと段落着いた頃に一気に清算するのかな。よくわからないけど。
ぱたん、と部屋の扉が閉まり切ったのを確認して私は急いでベッドに飛び込んだ。
(あああああああ)
クッションを口に当て布団を抱き枕よろしく抱きしめて足をばたつかせる。
やってしまった。
やらかしてしまった。
淑女の仮面を脱いだら一気に今までの羞恥が襲ってくる。
全部自業自得なのだ!
わかっている。わかってはいるのだけど悶えずにはいられなかった。
見られて恥ずかしい破廉恥下着に敬語抜きの会話。
お兄様以外だったら敬語抜きなんて自然にできるけど、できるんだけど!
いつか普通の兄妹の距離感作るんだ、と考え敬語を抜くタイミングも『ここ』って決めてたけどそれがこんなに大変なことだったなんて思いもしなかった。
せめてお兄様が自然で、あんな嬉しそうにしなければもう少し普通に話せるのに。
そして止めの破廉恥事件。そう、これはもう事件です。
だって、三日前調整したから!引っ越したその日にするなんて思わなかったから!!
どうしよう、お兄様の顔が見れない気がする。
いえ、大丈夫。この部屋を出たらまた淑女の仮面をかぶればいいのよ。大丈夫よ深雪。貴女は女優。信じてるから!
(…お兄様の様子、おかしかったな)
――変に思われただろうか。
お兄様にはいろいろ隠し事もしている。
この普通の兄妹作戦だってそう。
正直、お兄様から離れようとすると心がざわめく。
これはお兄様の為につくられた影響か、それともこれまで育んできた兄妹愛かわからない。
だが要因が何であれ、心がざわつく程度なら私が我慢すれば何とかなる。
問題はお兄様だ。
今まで育んできた兄妹愛があるのは間違いないと思う。
お母様とお兄様は私が育てた、という自負もある。あの二人の表情はとても豊かになったから。
だがしかし、この成長により過去の実験で残った兄妹愛が今後、どう作用するかまではわからない。
沖縄事変ではあれだけ暴走していたしね。私に何かあったらああなります、のいい実例でしたね。
でも裏を返せば私に何も起きなければ大丈夫なのではと思うわけで。
…。
とりあえず作戦変更するのは、お兄様には今まで通り敬語でいよう、という点でそれ以外は様子見かな。
(人はそれを問題の棚上げと言います)
いいのです。これは長期戦だから。
そろそろ夕食を作りに行きますか。
新しいエプロンを手に持って部屋を出る。
(エプロンは遊び半分で新婚さんごっこ用を買わなくてよかった)
過去の自分を褒めながら、でも今回やらかしたのもその過去の自分だけどね、とノリツッコミ。
表情には出ていないので、調子を取り戻しつつあるようだ。
ご飯を食べて英気を養って、ぐっすり休めばリセット完了だ!
その為にはおいしい食事!と気合を入れた。
その晩、予告されたハグはぎこちなかったが長かった。
よくわからないけれど、お疲れ様ですねお兄様。
そして朝。
「おはようございますお兄様」
「おはよう深雪。おいしそうな匂いだ」
新しい日常が始まる。
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おまけ
~前回の続き~
ファッションビルにて買い物をしてきた兄妹が帰宅しました。
「いい買い物ができたな」
「(…一瞬にして前世の手取り分が消えた…止められなかった)…お兄様が嬉しそうで何よりです」
「試着も疲れただろう。ハグするか?」
「いえ、帰った時にしたので十分です(というよりこれ以上のお兄様の過剰摂取は過多です!危険!!)」
「そういえば、この頃には挨拶のハグだけではなく疲れた時にハグをすることも当たり前になっていたな」
「そうですね。ハグは一番簡単な疲労回復の特効薬でしたから」
「効果があって苦くもないなんて、最高の薬だな。ただ、依存性がとても高いのが難点か?」
「い、依存性なんて!そ、そうです、あの時お兄様はハグを断られましたよね?!それに急にガーディアンモードになられて驚いたのですよ?」
「それは――今だから言えるが、あの時初めて深雪を異性であることをはっきり認識してしまったことで緊張、驚愕、それから混乱が襲い掛かったんだ。取り繕うので精一杯だった。それで深雪の言うガーディアンモードになったということだろう。兄妹よりも程遠い関係性を保つことで距離を取ろうとした」
「…え、っと?」
「中学生の時でも女の子と言うことは理解していたよ。とても綺麗で可愛らしい妹であることはわかっていた。だが、あの日見た光景はあまりに刺激的過ぎた。蛹から蝶へと孵化し変貌したように錯覚したよ。――深雪ももう、大人の女性になるのだと、そう気づいてしまった」
「お兄様…」
「それと同時に、兄だというのに妹の体に欲情しかけたことに戸惑ったものだ」
「お、お兄様?!」
「今だから言えると言っただろう」
「だからと言って、あけすけすぎます!!」
「深雪の質問に答える為に必要なことだからな」
「し、質問?」
「何故あの時ハグを断ったのか。――あのままハグなんてしたら自己嫌悪に陥っていたはずだ。妹相手に欲情するとんでもない兄貴だと。深雪には絶対に気付かれないようにするとは思うが、当時の俺に自身の抱いている気持ちはわからなくとも体のことくらいはわかる。離れなければならないと思いながらも守る為と理由を付けて離れられず、葛藤をして」
「(そ、それってまるで原作の深雪ちゃんでは!?)では、お兄様はそれを避けるため…」
「恐らく瞬間的にまずいと判断したのだろうな。でなければ俺はとち狂って暴走していた可能性もある」
「ぼうそう?」
「深雪に近寄る男共を徹底的に排除したり、深雪を誰の目にも触れさせないよう閉じ込めようとしたり――想像だけなら無意識下でしていたからな。意識したら計画を立てていてもおかしくない」
「(わぁ。お兄様のお目目が真っ黒。危険です。えまーじぇんしー!)きっと、そんなことにはなりませんよ」
「なぜ?」
「お兄様は私を傷つけたりしないでしょう?」
「狂ったら何をするかわからんぞ。俺は他のことでは狂う精神構造をしていないが、お前に関してだけは正気を保っていられるわけではないんだぞ」
「(うぅ…何故そんな色気マシマシに微笑まれるのです?…カッコいい…)だって、お兄様ですもの。たとえ我を失ったとしても、お兄様が私を見失うわけがないでしょう?それに――」
「それに、なんだい?」
「お兄様になら何をされようと、私は受け入れます。お兄様を信じておりますもの」
「……深雪には敵わないな」
「そうやって勝ちを譲って下さるお兄様だから、私はこうして甘えてしまうのですよ」
「甘えてもらえるならば悪い気はしないが、そうか」
「何です?」
「お前には悪女の素質があるな。以前は否定したが、こうして手玉に取るところを見ると疑う余地はない」
「て、手玉になんて!…そもそもお兄様を転がすなんて、とてもできることではございませんとも」
「そういうことにしておこうか」
「そういうこと、ではなくそうなのです」
「俺としては女王様の下僕というのも悪くないと思ったのだが」
「!!そ、そういう発言はお控えください!(一瞬スノークイーンな深雪ちゃんに侍るお兄様を想像してしまった!めっちゃ素敵!!でも私には無理だから!)」
「深雪は相変わらず想像力が豊かのようだね。深雪が望んでくれたのならやぶさかでもないが」
「望んでません!」
「それは残念だ。疲れも取れてきたようだし、行こうか」
「え、どちらに…」
「男が下着をプレゼントする理由が分かるかい?」
「えっ///ええ!?きゃっ、お、お兄様」
「兄はお前を傷つけることはしないが、婚約者の俺は果たして甘いままでいられるかな?」
「お待ちください!」
「真っ赤な顔で待てをされても言うことは聞けないな」
「ちっとも手玉に取らせてなんてくれないではないですか!(結局私の方がお兄様に敵わないぃ・・・)」
――達也が退室しました
――深雪が退室しました
――
この下に着ていたお召し物問題はお兄様にとっては大きな転機でした。
中学生までの地味で大人しいモノから一転、急に華やかなモノを身に着けた姿に目を奪われ相当な衝撃を受けた模様。
急に色気づいた姿ってドキッとしますよね。お兄様も例外ではなかったようです。
だけど妹相手だということで慌てて意識にロックをかけ、距離を取ろうとしました。
妹の傍にいる為にはそれ以上踏み込んではいけないとブレーキがかかったということでしょう。
踏み込んでいたら原作深雪同様葛藤を抱えて、最終的にバッドエンドルートに進みかけたかもしれません。回避できて何よりです。
おまけで、前回は情けなくて言えないとか言っていましたが、よほどお買い物が楽しかったのでしょうね。浮かれてペロッと。このまま押せば押し切れそうだ、との計算が働いたのか。悪いお兄様です。
お粗末様でした。