咲-Saki- 頂を目指す者   作:しゅてるんるん

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いつも読んで下さっている方々はお久しぶりです。

初めて読んで下さった方は初めまして。

やっと私生活の方が落ち着いて来たので相変わらず不定期ではありますが、更新していこうと思います。

稚拙な文ではありますが、応援よろしくお願いします!!


第十四局

寛SIDE

母親に長野に転校する話を聞かされた次の日に俺は照の家に来ていた

 

「まさか寛が長野に転校するなんてね」

 

「いきなりだったからな。ただでさえここの所デート出来てなかったって言うのに…。これ以上遠くなったらなかなか来れなくなるぞ」

 

長野から東京はそこそこの距離がある

今みたいに頻繁には会えないだろう

既に引退した照の先輩の一瀬香苗のおかげ(せい)で一部の部員にも付き合ってることが知られたらしく以前よりも付き合いやすくなったのにな

 

記事が載るWEEKLY麻雀を梶本さんに見せてもらったが

どこに書かれているか教えてもらうまで気づかないような場所に書いてあった

これを読むのはホントにごく少数の人間だけらしい

だから俺と照が付き合ってることを知っているのは俺の友達と照の友達あとは、あの会場に居た個人戦の入賞者とごく少数の読者だけという事になる

梶本さんの配慮にはかなり感謝した

会場に居た女子(憩を除く)は全員少なからず驚いていたな

直前まで人間離れした麻雀を見せた女に彼氏がいたことに驚いたのか

それともその彼氏が俺だったことに驚いたのかは分からないけどな

 

「照は妹に会う可能性があるから長野には来れないだろ?」

 

「…うん。」

 

そう言う照の顔は少し寂しそうだ

大好きな妹に敢えて辛く当たるってのも結構つらいんだろな

 

「……よし。長野に行くのは夏休みの末だからそれまでできるだけデートするか。どんどん甘えろ」

 

別に今生の別れになるわけでもないし、そこまで遠くに行くわけでもないが

こういう時くらいは甘えてほしい

 

「…じゃあ」

 

そういうと照は俺の肩にもたれかかってきた

お互いに何もしゃべらなくてもいいような気がしたから何もしゃべらずにしばらく過ごしていた

 

「あら?お邪魔だったかしら?」

 

華さんがお菓子を持って入ってきたのと同時に照が俺から離れた

ここまで行くと条件反射のレベルだな

 

「お、お母さん!!部屋に入るときはノックしてって言ってるでしょ!!」

 

いつもこのやり取りを見ているが華さんはいつもノックしていない

 

「でもノックしたら照ちゃんの可愛い姿が見れないじゃない」

 

この人確信犯か…

 

「もう!!」

 

「そうそう寛君、向こうの学校はもう決まったのかしら?」

 

一応顧問と校長に相談してリストアップはした

 

「確定じゃないですけど、一応西峰か清澄か旭山高校のどれかにしようと思ってます」

 

まあ西峰はまず有り得ないだろうけどな

人数は多いが今の3年のレベルは低いし

そもそも修平が居るしな

部活には参加してないけど

 

「咲は清澄に行くって言っていたわよ。気を付けてね?」

 

会話の内容まで知ってたんですか!!

それだけ言うと華さんは部屋から出て行った

 

「…つまり清澄は候補から外れたって事で」

 

清澄だともしかしなくても照の妹と関わることになるからな

照のことを聞かれたときに嘘をつかないといけないかもしれないし

俺は嘘はあんまり好きじゃないからな

避けれることなら避けておきたい

 

「どこに行こうとしてるか当ててみようか?」

 

「二択だけどな」

 

「旭山でしょ?」

 

…正解だ

まあ照ならわかるか

 

「理由は?」

 

「西峰は朝井君がいるし、それにもう昔ほど強くないもの」

 

完璧に当てられたな

 

「正解だ。旭山は創立10年の若い学校で麻雀部どころか普通の部活もあまりないから部活動の申請は簡単に通るらしい。どのみち俺は個人戦しか出ないからな。どうせなら川崎東みたいに自由にやりたいだろ?」

 

練習試合なんて電話一本かけたらどこでも行けるしな

これでも全国連覇して高校麻雀会ではかなり有名になったからな

川崎東でも顧問が練習試合を断るのに忙しかったと言っていた

 

「上島君は今年は団体戦に出るって聞いたけどどうするのかしら?」

 

「あいつが出るって言ったんだったら出るんじゃないのか?」

 

個人でも春に確実に出てくると思うしな

団体に出るならこの秋から動いてるはずだ

 

「そういえば俺神奈川から転校するからシード権無くなるんだった」

 

俺が持っていたのは神奈川県大会の予選免除のシードだったからな

 

「長野県の個人戦に出る選手はかわいそうね。枠が3個なのに2個はほとんど決まっているなんて」

 

麻雀は運の競技だから何が起こるかわからないし

もしかしたら怪物が出てくるかもしれん

 

「そういえば、今年のインターミドル優勝した原村和って長野だったな。」

 

対して興味は無いし脅威にも感じなかったが

多分典型的なデジタルタイプだな

 

「風越女子にでもいくんじゃないの」

 

照も全く気にかけてないみたいだ

 

「憩は団体戦も出てるけど…千里山には勝てないだろな」

 

三箇牧自体が弱いわけじゃないんだけどな

団体戦の特性上総合力に特化した千里山はかなり手ごわい

まあ憩クラスが5人いたら勝てるけどな

普通はそんなことはありえないからな

 

「憩ちゃんはかなり強いのにね。」

 

憩の事はかなり評価していたらしい

この前の大会の後に紹介してすぐに打ち解けれたのも一人の選手としてしっかり評価していたかららしい

 

「まあ個人では出てくると思うぞ。憩はまだ一年だしな。春も当然来ると思うから負けるなよ?」

 

「当然よ」

 

後日デートする約束をして俺は旭山に転校するのに必要な手続きを済ませないといけないからその日は家に帰った

 

転校の手続き自体は顧問が引き受けてくれている

俺は諸々の書類に自分の名前を書いていくだけだ

旭山の校長はここの校長の同期らしく麻雀部の件について頼んでもらうと二つ返事で了承してくれた

新設校で名前を有名にしたいから全国に行ける可能性があるのなら喜んで作る、とのことだった

手続きをすべて終えた俺は明日の照とのデートに備えて家でゆっくりと休んだ

 

~翌日~

 

「どこに行きたいかは決まったのか?」

 

照は当日まで場所は秘密って言ってたから俺は今日どこに行くのか全く知らない

 

「…ここ」

 

そういってパンフレットを渡してきたがそれを見て俺は驚いた

 

「ネズミの国に行きたいのか?」

 

「…ダメかしら?」

 

「てっきり水族館とか美術館でも行きたいのかと思ってた」

 

照のタイプは憩みたいな元気なタイプというよりは文学系のタイプだからそういう場所が好きなんだと思っていた

 

「私だって一度くらい行ってみたかったのよ!!」

 

最近までっていうか最近でも素を知らない人間の前ではクールな人っぽい皮をかぶり続けてるからな

そういう場所に行きたいとかは言えなかったんだろう

 

「よし。じゃあ行くか。電車の時間もあるしさっさと行くぞ」

 

「うん!!」

 

照はホントにうれしそうだ

喜んでくれるなら俺としてはどこでもよかったが

普段行けない場所に行きたいって言ってくれるのは俺に甘えてるからなのか?

そうだとしたらうれしいけどな

 

ネズミの王国は夏休みってこともありカップルや家族連れ、ごく少数ではあるが一人で来ている人間でいっぱいだった

 

「はぐれないように手つなぐか?」

 

俺が照の前に手を差し出すと照は掌じゃなくて腕に抱きつく形でくっついてきた

 

「これでいい?」

 

いたずら成功、とでも言わんばかりの年相応の笑顔を俺に向けてくる

初めてで少し歩きにくいがこの笑顔に免じて我慢するか

 

「何か乗りたいのとかあるのか?」

 

「特に」

 

即答かよ

行ってみたいけどそこで何をしたいかは決めてなかったってことか

まあこのランド内の空気だけでも外のテーマパークとは全然違うからな

流石は夢の国って所か

 

「とりあえず適当に回るとするか」

 

絶叫系に乗らなくても待ち時間が少なくて面白いものは絶対にあると思う

 

「あ、あれ食べない?」

 

照が指さしているのはチュロスとか言う食べ物だ

スティックになった何かで味はメープルとストロベリーがある

 

「じゃあ買ってくるわ。二本でいいか?」

 

「私一本もいらない」

 

まあ一本で30センチくらいありそうだし俺もあれはいらねえな

という事で俺はメープルを一本買って戻ってきた

 

「ほら」

 

 

照に渡すと一口食べてこっちに突き付けてきた

 

「ん?気に入らなかったのか?」

 

メープルは人によって好みが分かれるからな

 

「あ、あ、」

 

「あ?」

 

「あ、あ~ん」

 

顔を真っ赤にしてうつむいている

なるほどな

俺に食べさせようとしていたのか

 

「これ結構うまいな」

 

そのままにしておくのも可愛いからよかったがかわいそうだから食べた

あーんしてもらうのって相当恥ずかしいな

ここが夢の国じゃなかったら死んでるな

 

その後は手軽なアトラクションを楽しんだ

絶叫系は最後の最後まで混んでいたから乗らなかったけどな

写真を取ったりペアネックレスを買ったりと忙しかった

 

「楽しかったか?」

 

そしていつもの公園に戻ってきている

 

「うん!!」

 

今日の照は朝から終始ご機嫌の様だ

一緒にゆっくりしているのもいいけどこういうデートも悪くないと俺は思った

いつもはデートと言うより照の家で喋っているか東京の町を散歩しているかのどっちかだからな

 

「明日には俺は長野か。次いつ来るか考えとかないとな。」

 

「う~ん、私は秋季大会が終わるまではしばらく部活三昧ね。まあ個人戦しか出ない寛は関係ないけど」

 

「まあ全国の試合は直接見に来てもいいかもな。修平もどうせ暇だと思うし」

 

あいつは部活に参加する気がないからな

 

「わかった。じゃあ最後に目瞑ってくれる?」

 

この公園に居ると何かが起きる気がするが

俺は特に考える事も無く指示通り目を瞑った

その時唇に温かい物が触れた

 

「えっ!!」

 

予想外の事態に俺は素っ頓狂な声を上げてしまった

 

「ファーストキスだからね。大切にしてよ?じゃあ…バイバイ!!」

 

した本人も恥ずかしかったのか顔を赤くして!!って行ってしまう

俺は頭が真っ白になってしばらくそこから動くことが出来なかった

 

~翌日~

母さんは仕事の引継ぎとかがあるから俺より一足先に長野に行っている

俺の荷物も既に向こうの家に送ってある

後は軽い荷物を自分で持って長野に行くだけだ

向こうに着く時間を修平に教えたらわざわざ駅まで迎えに来てくれると言っていたけど、あいつはホントに部活に行かないんだな

『次は~長野、長野』

電車に揺られること数時間長野に着いたみたいだ

 

「久しぶりだな寛!で、ようこそ照ちゃんの故郷長野県に!!」

 

こいつは朝からテンションが高いな

 

「とりあえず家に向かいながら旭山高校の場所について説明してくれ」

 

高校の場所もいまいち分からないからな

 

「旭山高校はお前が候補から外した清澄高校の結構近くにあるんだよ。最初はなんでこんなところにわざわざ作る必要があるんだ、みたいな抗議もあったけど出来るとなんだかんだで結構進学していくんだよ。ま、麻雀の強い奴は優先的に男子なら西峰で、女子なら風越に行くけどな。清澄にも一応麻雀部あるし」

 

「やたらとお前詳しいんだな」

 

「俺、入試免除が無かったら確実に旭山言ってたからな。調べた」

 

「そうなのか。」

 

こいつ特待生のくせに部活に参加してなかったのかよ

まあ学校の名前を全国に広めるって意味では毎年全国大会に出てるから学校側も何も言えないってことか

 

「で、ここが清澄と旭山の生徒が良く来るコンビニだな。俺も家が近いから結構帰りに寄ってるし」

 

「俺の家はあそこのマンションだ」

 

駅の近くにある新しいマンションを借りたらしい

なんか会社から金が出たからとか言ってたけど細かいことは覚えていない

 

「まあ学校は違うけど二学期からちょくちょく遊べるぞ。」

 

「お前は部活いけよ」

 

これからこの町が生活の起点になるわけか

…頑張るか

 




アニメ咲を見る時間が欲しい!!

みなさんは咲のキャラクターで誰が好きですか?

私はご存知かもしれませんが、照と憩です(笑)


誤字、脱字、気になった所などあれば是非ご指摘ください。

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