咲-Saki- 頂を目指す者   作:しゅてるんるん

8 / 14
お久しぶりです。


私生活がゴタゴタしてた所為で投稿出来ませんでしたm(__)m

これからはストックを消費しながらなので安定した投稿が出来るかと思います。

長らくお待たせしてしまったので見放されたかもしれませんが頑張って行くので応援よろしくお願いします




第八局

寛SIDE

寒かった冬も終わり4月になった

もうすぐ新学期が始まり俺たちは2年にそして新入生が入ってくる

もしかしたら麻雀に興味のある奴が一人くらい入ってくるかも知れない

まあ一人二人入ってきたところで団体繊維は出れないからたいして意味は無いんだけどな

 

「藤原、今年の春季大会こそは引率でついていくからな!!」

 

顧問が久しぶりに熱血している

去年は結局、試合日も仕事を入れられて顧問は試合を見ることはできず俺が全国優勝したのも知ったのは試合が終わった日の夜だったからな

「校長に言って仕事を入れないようにしておけばいいんじゃないすか?」

「既に手は回してきている」

ここの校長は結構はっちゃけたオッサンで冗談が分かるタイプの人だ

麻雀部の俺と顧問それを応援してくれてる校長は意外と仲が良かったりする

じゃないといくら全国優勝の実績があっても部員の一人しか居ない部活には予算は降りないと思う

「全国大会は明後日からの4日間で春休み中には終わる。ちなみに抽選日は明日だ」

一応前年度の夏のベスト4までは全国大会まで駒を進めた場合のみシードされるっていうルールがあるらしく俺は第一シードに入っている

そのおかげで明日の抽せん会にはいかないで二日目の試合に間に合うように現地に向えばいい

ホントに楽でいいな

「調子はどうだ?」

「神奈川県の大会は見てたんだでしょ?絶好調に決まってるじゃないすか」

去年まで全国行きの二つの枠のうち一つを持っていた真治が引退したこともあってか今年の神奈川県予選は少し面白かった

どいつもこいつも真剣でそこそこのレベルだった

俺は余裕のトップで全国を決めた

もう一人は神奈川北高の高坂っていう男だがこいつとはあまり合わない

打ち方はガッチガチのデジタル麻雀で少し話した時に

「君の牌譜を見せてもらったがあんな運任せの打ち方で勝てたのはきっとまぐれだよ。それを僕が証明してあげよう」

なんて言ってくるから腹が立って決勝の半荘でボコボコにしたけどな

「こ、こんなものはまぐれだ」

とか言ってさっさと帰っちまった

デジタル麻雀を否定するわけじゃないけど全国にはデジタル麻雀よりどっちかっていうと直感とかを頼りにした化け物とかが沢山いる

俺もここ一番って時は直感に任せてるしな

行けそうって思うときは絶対にあるからな

そういう時にデジタルで効率よく打ってる奴は全国にはあまり居ない

 

去年の全国大会で知り合った長野の朝井修平、大阪の上島康平、兵庫の川村隆司、つまり夏のベスト4は全員全国を決めている

もしかすると春季大会もまた同じ面子で決勝をするかもしれない

あいつらしぶといからな

ダークホースの登場を密かに願っていたりする

まあ、負けるつもりもないしダークホースとかが出てくると大会が面白くなるな〜程度にしか考えてないけどな

 

OTHER SIDE

〜全国高校生麻雀春季大会2日目〜

男子個人の部の二回戦が行われる今日

会場は記者でいっぱいだった

それもそのはず

前年度夏のベスト4が欠けることなく全員出場しているのだから

朝井修平…昨年の最多役満和了者、しかし春季大会では打ち方を変えている為いまだに役満での和了は無し。やりたい役満は九蓮宝燈。西峰高校1年

 

上島康平…昨年の第3位で安定した和了率を誇る大阪の大会を順当に勝ち上がってきた。好きな役は平和。観音寺高校1年

 

川村隆司…昨年の準優勝者。鳴きで和了る。連荘で点数を稼ぐ選手。好きな役は断九。高原高校2年

 

藤原寛…前年度の夏の覇者。他の選手とは一線を画している。打ち筋に癖がなくデータを取ってもあまり意味のない選手。好きな役は和了れるなら何でもいい。

貪欲に点数を稼ぎ他家を飛ばすことから「飛ばし屋」の異名を持つ。川崎東高校

 

これだけ個性的な4人が揃っている為夏同様にこの4人の決勝になるのか、もしくはそれを阻止するダークホースが現れるのかで記者は盛り上がっている

 

「全国大会よ!!私は帰ってきた!!」

最初に会場に足を踏み入れたのは朝井修平。すぐに控室に向かうのかと思いきや入り口で誰かを待っていた為、記者の格好の餌食となっていた

『打ち方を変えたのはなぜですか?』

『狙うはやはり優勝ですか?』

記者たちの質問など聞こえてないかのように振る舞う朝井

彼は無視をしているのではなく本当に聞いてないのだ

最初に言葉を発したから記者は全員声が聞こえてるものと思っているが…

待つこと数分会場はさらに騒然とすることになる

なぜなら敵対している筈の他の3人のシードが同時に現れたのだから

「寛!!遅いぞ」

そしてそこに朝井も加わる

記者はもちろん周囲に居た選手たちもその光景に唖然としている

「何言ってんだよ。俺は駅で待ち合わせって言っただろうが。お前が先に行ってるからこんなことになったんだよ」

「そうやで。ホンマ修平の所為で汗かいたわ」

「マジで結構暑かったわ。今度なんかおごってな」

「とりあえず試合は何時からだ?」

 

照SIDE

私たち白糸台の選手が会場に入った時何故か珍しく記者が少なかった

それを不思議に思った菫があたりを見まわしていた

「なるほど。男子のベスト4があそこに固まっているようだ」

寛とかね

あんなところで何してるのかしら

まあ記者を引き付けてくれてるならさっさと控室に向かいましょ

営業スマイルも結構疲れるのよね

 

寛SIDE

会場に入るとそこは長時間修平が居たせいで記者が大量に集まってきていた

 

こういう事が無いように俺は駅に集まって纏まっていこうって言ったのに

この馬鹿は…

まあ打ち方を変えて真剣に全国を狙ってきた辺りは結構手ごわいな

まさか4人がここまで仲が良かったとは思わなかったのか記者も周りの奴らも唖然としている

視界の端には照たちの白糸台が見えたから通り過ぎるのを待って俺たちも控室に向かう

記者たちは全部無視した

「はあ。ただでさえ暑いのに記者が集まって暑苦しくてしゃあないな」

「そういっても仕方ないやろ。まあ期待と注目の的やと思えばいいやん」

「お前ら初戦で負けたりするなよ?特に修平、負けたらお前全員に晩飯おごりな」

康平と隆司は簡単に負けるようには思えないが修平はありえない話じゃないからな

「まかせろ。俺は決勝まで負けるつもりは無い」

それは決勝で負けるってことか?

「俺さ〜幼馴染の子が今日の試合見てるんだよな」

急に康平が語りだした

「そういう事を戦場でいう奴って真っ先に死んでいくよな」

ここは戦場か?

「それでその幼馴染にカッコいいところ見せたいとかおもっとんか?」

「ちゃうちゃう。体弱いから麻雀部にもあんま出れてないみたいやねん。せっかく頑張って麻雀部の強い高校入ったのにかわいそうやろ?やからちょっとでも元気にさせれるような麻雀を打と思うねん」

「ほ〜そういうのって幼馴染フラグとか何かか?くそっ!!お前もリア充か?爆死しやがれ!!」

「一人でうるせえんだよお前は。」

こいつはリア充爆死しろしか言ってない気がする

「それでその子はどこに行っとるんや?」

「千里山って言ったらわかるか?」

千里山…激戦区の北大阪を9年連続、33回全国に来ている名門中の名門だな。関西最強って呼び声が高い

「こっちにその子は来てないのか?」

「残念ながらな。せやから俺が元気づけたんねん」

「それでそのままその子のハートにロンってことか!!くそ!!」

訳の分からないことを修平が口走り始めたけど無視だな

それにしても今年の康平から感じる気合はそういう事か

…なかなか手ごわそうだな今年のこいつらは去年みたいに一筋縄じゃ行かなそうだ

『男子の部、2回戦に出場する選手は対局場に向ってください』

「よし。それじゃあ決勝でまた会おうぜ」

「そやな。他の奴とやるよりこの面子でやる方がよっぽど楽しいわ」

「ここで飯をおごることになると、アニメのDVDボックス限定verが…絶対に負けんぞ!!」

「お前は動機が不純なんだよ。康平を見習えよ。愛する女の為に勝利をささげるんだぞ?まあ決勝でその夢は朽ち果てるけどな。この俺がいる限り」

俺たちは各自の対局場に向かった

 

 

『今年度の男子の部もいよいよ決勝戦です。勝ち上がってきたのはやはりと言うべきなのか順当にシードされていた4人が勝ち上がってきました。場決めの結果をもとに発表します。

起家は長野代表西峰高校1年朝井修平、南家は兵庫代表高原高校2年川村隆司、西家は神奈川代表1年藤原寛、北家は北大阪代表観音寺高校1年上島康平です』

こいつらは本当に決勝まで上がってきた

マジで来るとは思わなかったけどな

 

〜東一局〜

親は修平

前なら役満にだけ警戒しておけばよかったが今回は別だ

普通に打ってくる可能性も十分にあるからな

集中して行こう

とりあえずまずは流れをこっちに向けるか

残念なことに配牌は悪くは無いが点数的には低めだ

9順目

張った

立直断九の安い手だが流れを掴みたいからな

「立直」

『藤原選手の先制立直!!このまま和了るのかそれとも他家が阻止するのかぁ?』

15順目

「ツモ!!1000・2000だ」

裏が乗ったら満貫だったんだがな

とりあえずこれで流れをつかめたか?

ただ今年のこいつらはなめてたら痛い目見そうだな

油断しないで行こう

 

 

〜南三局〜

場は進んで今は南三局俺の最後の親番だ

現在の順位は

1位…俺  31500

2位…康平 28000

3位…隆司 21500

4位…修平 19000

かなり白熱した勝負になっている

去年なら全員ボコボコにして優勝決めたんだけどな

まあ全員かなり強くなったってことだろ

 

ドラは四萬

勝負を決めに行くならここで満貫以上で突き放したいところだな

配牌もかなり良い感じだ

これなら満貫以上行けるな

12順目

これで聴牌

混一ドラ1赤1の満貫確定だ

立直と運良くツモが入れば親跳

一気に勝負を決めに行ける

2順くらいダマで待つか。康平に直撃させればさらに優勝が近づくしな

 

14順目

頃合いだな

多分他家も聴牌、もしくは一向聴くらいに入って引くに引けない状況だろう

「立直!!」

俺は立直棒をたたきつけた

 

17順目

「ツモ!!6000オールだ」

1位…俺  49500

2位…康平 22000

3位…隆司 15500

4位…修平 13000

『ここに来て藤原選手がさらに一歩全国の頂点に足を近づけました。』

 

〜オーラス〜

俺の南一局一本場はノーテン流局で終わった

順位は変わらず俺がこの局を乗り切れば優勝だ

ただ、他家が和了って点数を奪われての優勝ってなんか嫌だからな…

どうせならデカいの一発狙いたいよな

康平はまだあきらめていないしな

…そりゃそうか

親の連荘で逆転はあり得るしな

他の二人も完全に高目狙ってくるだろう

こいつらを躱した上で俺自身が満貫以上で和了る

これがこのオーラス俺が自分に決めたルールだ

ドラは白か

白で鳴くだけで満貫確定になるな

もし来たら雀頭に使うか

5順目

配牌はかなり良かった

ここに来て一気に流れを掴んだな

康介には悪いけど俺は勝たせてもらうぞ

俺の女も中途半端な結果じゃ許してくれない厳しい奴なんだよ

 

8順目

張ったな

混チャン三色一盃口ドラ2で跳満確定の白単騎

立直とツモが入ったら倍満か

河にはまだ白は出てきていない

もしかしたら誰かが握っているかもしれないが…

その時は俺がついていなかっただけだ

俺は今、俺の直感を信じる

「立直!!」

『さぁ来ました!!藤原選手のファイナル立直!!和了れば優勝。親の跳満以上に振り込めば逆転負け!!ノーガード殴り合いだぁ!!』

14順目

今、俺と康平そして隆司の三人が立直をかけている

どれも高目だろうな

振り込んだら負けるかもしれない

…このスリルがたまらねえな

やっぱり麻雀は面白い

だからこの勝負は俺が勝たせてもらうぜ

山から牌を引く

盲牌ですでに分かった

何も書いてない牌だからな

俺はその牌(白)をたたきつけた

「ツモ!!4000・8000」

『完全決着ぅ!!やはり勝ったのはこの男、藤原寛選手春夏の連覇達成です!!』

 

大会の表彰やらタイトルの発表やらが終わった俺たちは控室に戻ってきていた

「最高にスリルのある勝負だった。」

「お前と打てて楽しかったわ〜」

「幼馴染は納得してくれそうか?」

「あかんかもしれんな〜。俺の幼馴染は厳しいからな〜」

「爆死しろ〜!!」

こいつはまだ言ってんのかよ

「お前らは何時帰るんだ?」

「俺と康平は明日の夜までには帰るな」

「俺は明後日まで居るつもりだ」

「よし、じゃあ今日は全員で飯に行くか。」

勿論、部費でだけどな

 

こうして春季大会は俺の優勝で幕を閉じた

この夜俺は照も呼んで4人に紹介するついでに康平が幼馴染にどう謝るかを考えつつ晩飯を食べた

今度は関西を二人が案内してくれるらしい

何時行けるか分からないけどな

部費を意外なところで出費して今日のホテル代が無くなったため俺は家に帰って寝ることにした

照の方も個人で優勝を決めて後は団体だけみたいだ

まあどうせ団体も優勝すると思うけどな

 

こうして春季大会は終わった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。