「こんにちは。高雄です。貴方のような・・・素敵な提督で、良かったわ。」
「なんか引っかかってたけど大丈夫?」
「だっ大丈夫・・です。なんでもおっしゃってくださいね?」
「ん?なんでもって言った?」
「はい」
「通じないかぁ」
「???」
そう。
鈴谷に続いて建造に成功したのは高雄であった。
うん。
おとなの おっきい おんなのひと だ!
視線って釘付けになるんだね!自分で逸らせないよ!
そこにさり気なく、陽炎が肘で突っついてくる。
阿吽の呼吸という奴だろうか。
「しれー、ガン見しすぎよ」
「おっと。淑女に対して失礼だったね」
「で、高雄。貴方何が気になったのかしら?」
高雄は私と陽炎を交互に見て、少し躊躇いがちに口を開いた。
「えーとえーと、違うかもなんですけど」
「ええ」
「提督は、その」
私は出来るだけさわやかな笑顔を作りながら答えた。
目線は相手の眉間の間!下げるの禁止!
「男ですけど、その事ですか?」
「ああええと、それもそうなのですが」
「もしかして苦手な感じですか?」
「ぜんぜん!ぜんっぜん苦手じゃありません!そんな女は馬鹿めと言って差し上げますわ!」
「と、すると?」
「あ、あのですねっ」
「はい」
「・・お嫌では、ないのでしょうか?」
「何がでしょう?」
「私達が、です」
「・・艦娘を嫌だとかほざく男が居るんですか?」
私がゆらゆらと変な空気を醸し出したので高雄が反応してしまった。
「ひっ!もっ申し訳ありません!」
だが、陽炎はひらひらと手と首を振りながら口を開いた。
「あー違うのよ高雄。司令は艦娘大好きだから悪く言われると怒るの」
「・・そうなんですか?」
「そうよ。ここではだーれも辛い思いしてないから!」
「わっ、私も・・」
おそるおそるといった様子で上目がちに見てくる、おっきいお姉さんは好きですか?
私は大好物です。
大好物です!
大事な事なので2度言いました!
「もちろんだとも高雄。仲良くしてくれると嬉しい」
「あの、ありがとうございます!一生懸命励みますので!」
「無理しないでくださいね。じゃあ陽炎、鎮守府の案内頼んで良い?」
「良いけど、司令は?」
「今なら重巡さんをもう1人お迎えできる気がするからもう1回建造する!」
「はいはい。じゃ、行きましょ?ちゃんと説明してあげる!」
そんな訳で陽炎と高雄が工廠を去った後。
「・・・ふぅー」
ぺたんと、私は座り込んでしまった。
帽子を取ると、妖精が心配そうに近づいてくる。
「あー、うん、金平糖食べる?」
困った。いよいよもうどうしようもないなあ。
せいよくを もてあます。
こっちを見る妖精さんを指の腹で撫でながら話しかける。
「だってさぁ妖精さん。下着の1つまで当番の子が洗ってくれるわけですよ」
1度自分で洗うよって言ったら、その時の当番が伊19でさ・・
「そっ・・そんな・・もう洗わせてもらえないのね・・」
とか言ってがっくり四つん這いになっちゃってさ。
まさに
_| ̄|○
ってポーズだったから、そうだよって言えなくなってさ。
「あ、あー、そんなに言うなら続けても」
「良いのねっ!?」
「あ、うん、良いよ・・そんなに?」
「うんっ!てーとくっ!だあい好きなのねっ!」
・・・・
「そんな様子じゃあさ、うっかりシミが付いたパンツ渡せないじゃん」
苦笑いをする妖精さん。解ってくれますか!
「だから一人で寝る時も禁欲するしかないんだけど、溜まって仕方ないんだよね」
「え?なに?なんでハチマキ巻いて力こぶ作ってるの?妖精さん?もしもし?」
そして妖精さんに連れられるまま、私は装備開発マシーンの前へ。
「私がやりたいのは建造だよ?え?こっち?資源量は・・妖精さんが指定するの?」
ピッピッと笛を吹かれて先導されながら、言われたとおりの資材を投入する私。
前は開発しようにも物理的に資源が無かったのに、皆のおかげで溜まったなあ。
まぁ別のモノまで溜まっちゃってホント参ってるんだけどねって下品か。
「あ、ああごめんごめん。これで終わり?スタート押して良いの?ぽちっとな」
・・・・
「で、こんなもの作ってどうするの妖精さん?え?どこいくの?」
目の前までふよふよと浮かんでくる妖精さん。空飛べるんだ!
「先導してくれるって?誤解されそうだからあまり持ってたくないんだけど・・」
その頃。
とある艦娘の部屋では一人の艦娘が静かに本を読んでいた。
「・・・ふぅ。戦術も奥が深いですね」
ゆっくりと首を回していると、ノックの音が響いた。
「はぁい?今開けま~す」
引き戸を開けると、そこには
「提督・・?あの、なんでしょう?」
そう、妖精と提督が立っていたのである。
一方、その時の私は。
(だよね。そりゃ男が急に訪ねてきたら警戒するよ。恨むよ妖精さぁん)
困り果てていた。
ここで妖精さんのせいにしても疑いが深くなるだけだ。
あれだ。理由は解んないけど開発した物を渡してさっさと帰ろう。うん。
「あ、あー翔鶴すまない。兵装開発マシーンでこれが出てきたから渡そうと思って」
「新しい武器でしょうか?」
「違うんだよねえ」
「はぁ・・!?!?」
私が手にしたものを見せた途端、翔鶴の表情が一気に険しくなった。
ほら見ろ誤解されたじゃないか。どーすんだよ妖精さん!
「なっ、何故私にこれを?」
しまった理由とか考えてなかった。ええとええと・・あっ
「その、翔鶴に必要ではないかと思ってね」
「必要」
「だからほら、手元に1つあっても良いかなって」
そう。私が手渡したのはハンディマッサージャーである。
決してAなビデオで女優さんを気持ちよくする為の製品ではない。
れっきとしたマッサージ機です良いね異論は聞かないよ。
よしもう帰る!
「私はこれで。邪魔して悪かっ」
「提督」
「・・はい」
手首を掴まれた。お説教かな?
「なぜ、必要だと思われたのでしょう?」
お胸が大きいからとはいえないよな・・・手ぇ柔らかいなあ・・
違う違う。
適当に、ありえそうな経路、経路を・・
「すっ鈴谷から聞いてね。困ってるんじゃないかなって」
「鈴谷・・さん・・からですか?」
翔鶴の顔が見る間に赤くなっていく。あれ?なんか怒ってる?
「え?あの、怒らせるつもりは全く」
「入ってください」
「え?いや私は」
「入ってください!」
こうして私は翔鶴の部屋に引っ張り込まれたのである。