艦娘可愛いです。   作:銀匙

49 / 112
【その16】

 

 

「ずっと居てくれて良かったのだぞ?」

「人が一生懸命帰ってきたのに!」

 

自室に戻る前にと執務室によったら長門が仕事していた。

そして経緯を説明したらこう返ってきたのでしょんぼりしていると、

 

「・・と、言いたいところなのだがな」

「なになに?ついに私の出番?私しか出来ない仕事?」

「・・・非常に不本意だが、ひっじょ~に不本意だが!そうだな」

「そこまで否定しなくても」

「といっても、自ら蒔いた種と言えるだろう」

「どういうことでしょうか」

「内容は連絡なのだが・・加賀に何かしたか?」

「えっどういうこと?」

「本日お休みなので部屋にお越しください、だそうだ」

「へ?」

長門が一気にジト目になった。

「事情を知らねば対策の打ちようがない。さぁ何をした。大人しく吐け」

私は首をひねった。

何だろう。加賀に?そもそもどっかで会ったっ・・・

「あー!」

「情状酌量の余地はあるんだろうな」

「どうして犯罪前提なの!」

 

 

-----

 

 

「ふむ。発したのが提督でなければ良い判断だと言えたのにな」

「私の発言だからって何でも有罪みたいに言うの止めよう?」

「さて、冗談はともかく、おかしなことではないではないか」

「でしょう?」

「まぁ加賀は引っ込み思案だから、人の居る前ではプロポーズされたくないのだろう」

「昨夜は満席の居酒屋のカウンターで言わされそうになったのですがそれは」

「酔ってたという事だろうな。そして翌日後悔するパターンだ」

「あー」

「だから提督にしては珍しく、砂漠の中の針一本のようなナイスヒットだったわけだ」

「そんなに打率悪いんだ私」

「今まで当てたことがあるか?」

「ぐうの音も出ない」

「まったく。まぁ事情は分かった。今すぐ行ってくるがいい。扉はあっちだ」

「妙に急かすね?」

「提督が居ないと実に仕事がはかどるのでな。遅れを取り戻したい」

「身も蓋もない」

 

 

-----

 

 

私は艦娘達の住まう寮にある加賀の部屋の前に立った。

この鎮守府は艦娘の数が少ないので一人一部屋確保されており、加賀も当然一人部屋である。

 

コンコンコンとノックすると、程なく加賀の返事が聞こえた。

 

「はい、どなたかしら」

「ええと、提督です」

 

がらりと扉が開いたが、加賀は半目でじっと私を見ている。

 

「御用件は覚えているかしら?」

「昨日の件だよね?」

「昨日の、何かしら」

「プロポ・・」

「入って」

プロポーズの件と言い終わる前に部屋の中に引き入れられたんだ。

 

 

-----

 

 

「それで、提督は撤回するつもりは無いのね?」

「全員と結婚したいってこと?」

「ええ」

「無いけど、断られたら無理強いするつもりはないよ」

「・・寂しそうな顔をするのね」

「そんなことになったら寂しいからね」

 

加賀が急にもじもじし始めた。

 

「わ、私は、その、貴方とあまり話をしたこともないから」

「奥さんになってから話をしてもいいかなって・・あ、話をしたくないほど嫌い?」

「いいえ、あの、その、がっかりされたらと思うと」

「そっか」

 

私は一旦言葉を切って腕組みをした。

確かに婚前交渉皆無では腰が引けてしまう子もいるよね。

皆が皆鳳翔のように無条件で信じてくれるわけは無い、か。

 

「えっと、じゃあプロポーズの前に付き合わない?」

「します」

「これでも多分悩むとおも・・えっ?」

「ですから、付き合います」

「・・・まさかどこかに行く付き添いの意味とか思ってないよね?」

「違うのですか?」

「恋人としてお付き合いするという事です」

 

かがは ショックを うけている!

 

「こ、こここここここ」

「ニワトリ?」

「ここっ、こここの私が、でっででっ伝説の、カレカノ関係になれるのですか!?」

 

ずずいっと近づいてくる加賀。間合いの詰め方がエグいねえ。この辺で強者を感じるわ。

 

「近い近い。うん、そうだよ。結婚するか判断する為にね」

「私はダーリンと呼ぶのですよね?」

「えっ様式美があるの?」

「ダメなのですか?」

 

くっ!気を抜くとすぐテンションが下がるな加賀さんは。

 

「私は普通に加賀と呼ぶけど、それでいい?」

「はい。ダーリン」

「声のトーン変わらないのに物凄く喜びを表現するって加賀器用だよね」

「あまり・・感情表現が得意ではないので」

「別にいいよ、そんなことは些細な事だし」

「・・そんなことと、言ってくれるの?」

「そんな事だよ?加賀は強くて、優しくて、仕事も出来る立派な艦娘で」

「続きがあるのね?」

 

加賀の期待の圧がすごい!だからこそ、えちちな事も言いたくなるよね。

 

「おっぱいもおっきくて素敵です!」

「・・・これが何だというの?」

 

あれぇっ!?一気にテンション下がったんだけど!?

エロゲならこの選択肢で間違ってないと思うんだけどなあ・・

 

「胸なんてただの邪魔な脂肪の塊よ」

「違います!」

 

私が力強く否定すると加賀が涙目になった。

 

「弓を引くものにとってこの胸がどれだけ邪魔か解りますか?」

「・・・」

「これさえなければ胸当てだってまっすぐ作れるのに大きく曲げねばならなくて」

「・・」

「足元は見えない、振り返ると止まれない、肩は年中凝りっぱなし」

「・・」

「こんなもの切り落としてしまいたいの」

「・・」

「それが好きな理由だというの?揶揄うのも大概にして」

 

 

-----

 

 

「だから男にとっておっきいおっぱいは至高なんだよ?」

「・・・」

「嘘じゃないんだ。ほんとなんだよ加賀」

 

只今、壁に向かって体育座りして半泣きになっている加賀さんの説得中です。

答えてはくれないんだけど聞いてくれてはいるみたいで、多少体がピクリと動くときがある。

慎重に慎重に探って話してるんだけど、そんなにバリエーション無いんだよ。

 

「おっぱいさわさわで二人とも気持ち良くなれるんだよ?とてもいいと思わない?」

「・・・これをさわさわするだけで?」

 

お、初めて反応があった。

 

「そうだよ加賀。私が触って、加賀が感じて声を上げて、それで私が幸せになる幸せスパイラルさ」

「・・・」

 

加賀は疑いの眼差しのまま自らの胸を揉んでいる。

正直おっきしそうです。

 

「試してみない?」

 

加賀がじいっと私を見る。もう一押しかな?

 

「じゃあ抱き合ってチューしながら、なーんて」

「やりましょう。さぁ早く」

 

加賀ががばっとこちらを向いて両腕を差し出してきた。

男女比変わると色々持ちかけようも変わるんだね。

普通は次のステップだと思うんだけど。

いや貞操は私が守る側なんだし譲歩したって事になるの?もう訳解らない。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。