「そんなことはさておいて、あなた。お仕事の報告は済ませましたよ」
「色々アウトっぽいけど・・うん。鳳翔、まずはおかえり」
「はい、お迎え頂けて本当に嬉しいです」
私は最初頭だけ撫でていたんだけど、一瞬見つめて、ぎゅっと抱きしめたんだ。
「ふあっ!?あっあなた!?どうしたのですか?」
「・・心配したよ。雑用なんて言うから食材の仕入れにでも行ったのかと思ってたのに」
「・・」
「無事に帰ってきてくれて嬉しい。安心した。良かった。鳳翔の存在を確かめたいから、抱きしめてるんだよ」
「・・あなた」
「おかえり。良く、頑張ったね」
「遠くまでお散歩に行っただけですよ」
「・・」
「・・ごめんなさい。次からはきちんと説明しますね」
「うん」
一方、大淀は伊勢から詳しく航路を聞いていた。
「間違い、ないんですね?」
「記録しながら追いかけるの、ほんと大変だったんだからね」
大淀は溜息をついた。
「長門さん、金剛さん」
「ああ」
「ハーイ?」
「日本の領海が半分開放されました」
「・・は?」
「正確には南半分ですが」
長門は脳裏に攻撃目標リストを思い浮かべた。
えーと確か分厚い紙の束になってたはずなんだが・・えっそうすると
「お、大淀」
「はい」
「あの紙束の半分を討伐してきたというのか?」
「北は少ないので半分以上ですが」
「・・報告を以下同文でまとめても良いだろうか。いちいち全てに報告様式通り書くのは骨が折れすぎる」
「長門さん」
「ん?」
「もう良いじゃありませんか」
「どういう、ことだ?」
「金剛さんも、伊勢さんも、日向さんも」
「え?どうしたの淀ちゃん」
「大淀?」
「オーヨド?」
皆の視線を集める中、大淀はこくりと頷いた。
「日本の領海の南半分は取り返した。これにて業務受託を終わる。その一言で良いのですよ」
長門が首を傾げた。
「い、いや、それで済むならありがたいが、そんな訳にはいくまい?」
「言えば良いのです」
「い、いやしかしそれでは」
大淀はクイとメガネをあげた。
「今の我々に対抗できる力がこの国にありますか?」
伊勢は肩をすくめた。
「見てきた私から言わせれば、鳳翔一人の相手も無理じゃないかなあ」
日向は1度だけ頷いたが、金剛は戸惑いを見せた。
「我々がPowerfulだとしても、反逆すれば刑務所デスよー?」
大淀はにこりと笑った。
「この鎮守府の治安維持部隊は私ですが、その私が特に気にしなければ?」
「・・・刑務所行きはないデース」
「それに、治安維持部隊であれ特殊部隊であれ軍隊であれ、私の許可なしに鎮守府へ入れば総攻撃できます」
「Why?」
「提督の御身に危険を感じたため迎撃した、それだけです」
「・・古巣に刃を向けるのデスか?」
「構わないじゃないですか。どうせ我々は先に捨てられた身なのですから」
「い、いや、でも」
長門は提督と鳳翔の方を見た。
視線に気付いた鳳翔はゆっくりと提督から離れると、長門達に振り向いた。
「有象無象がうっとうしければ、綺麗に均してきましょうか?」
大淀はニイと笑った。
「チキンレースを仕掛けられたところで、丸焼けになるのはどちらかという事ですよ」
私は軽く手を挙げ、大淀が頷いてくれたので口を開いた。
「とりあえず報告書大変なので1枚にまとめますって言って、反応待ったら?」
日向が私を見た。
「突っぱねられると思うのだが?」
私はにこっと笑った。
「大義名分が出来るじゃない」
日向は苦笑した。
「やろうとしている事は大反逆だというのに、随分簡単に決めるのだな」
「色々考えたんだけどね」
「ああ」
「ここまで男女比が狂ってる世界は、もう終わってるんだよ」
「そうかもしれないな」
「老いぼれが権力に齧りついた挙句、私にちょっかいかけるくらい快楽へ逃げてさ」
「・・見合いの話か」
「私が少し労っただけでこんなに喜ぶほど鳳翔をコキ使ってくれてさ」
「・・」
「ロクに直せもしなかったうえに、まだそれでも拠点防衛任務を課したんでしょ」
「まぁ、な」
「それだけでも許せないんだけど、大淀はまだまだ知ってるよね?」
大淀が頷いた。
「ええ、上の腐り加減は、悲しいほど詳しく存じています」
「それが皆を苦しめてきたんでしょう?」
「はい」
「挙句に捨てられてここに来たの?」
「はい。皆さんそうです」
「だったらもう言う事聞かなくていいよ。皆で仲良く暮らそうよ?」
長門が苦笑を返した。
「まぁ待て。解った。書類仕事くらいで国の滅亡が回避できるならやってやるさ」
私は長門を見た。
「長門に書類仕事のやる気を起こさせるために一芝居打ったとでも思ってる?」
長門は首を振った
「いいや。提督は、というか皆本気だろうさ。だが」
「だが?」
「私は自分の旦那様を最悪の国賊にしたくない。それだけさ」
私は笑った。
「どうせ終わる国なのに」
長門は肩をすくめた。
「ああ。放っといてもいつか終わる。だからわざわざ終わらせなくても良かろうよ」
そしてニイッと笑った。
「だが、さすがに今度ばかりはサボらせてもらうさ。ちょっと手を借りるぞ、提督」
「やっと私の出番か。喜んで手伝うとも」
この日。
提督署名入りの2枚の書類が海軍を震撼させた。
1枚目はたった1つの鎮守府が国の領海の半分を開放せしめたという莫大な功績の報告。
しかし一方で今後出撃海域はこちらで選定するという但し書きも併記されていた。
そしてもう1枚の書類は所属艦娘全員とケッコンカッコカリを済ませたので今後見合いを拒否するという通達。
どれも蜂の巣をつついたような騒ぎをもたらした。
特に但し書きの件は激怒する者が出たが、今の海軍に提督の鎮守府を切り捨てる力は無かった。
後日談になるが、何度か譲歩を求める交渉がなされたものの、いずれも大淀が瞬時に突っぱねた。
最後はマザーAIまで出てきたそうだが、
「あれこれ言うなら今後ご主人様の命令しか聞きませんし、精子は我々を支援してくれる国と取引します」
この一言で引き下がったという。
男性司令官、精鋭揃いの艦娘、国内最高峰のAI。
それらが揃った鎮守府を相手に、為す術はなかったのである。
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「あ、あの、ご主人様」
私が自室でくつろいでいると、同行してきた大淀がおずおずと話しかけてきた。
「うん?どうしたの」
「ひ、非常に申し上げにくいのですが」
「良いよ。私と大淀の仲じゃない。なーんてね」
「・・えへへ。あ、あのですね。先日のめくるめく一晩を覚えておいでですか?」
「そりゃもちろん」
「あれから36時間が経過しましたので」
「あ、もうそんなもんか」
「そっ、そそそそそれでですね」
「製造ペースの確認しないとだよね?」
「はっはい!」
「今度はどうすれば良いの?」
「前からでも後ろからでも上からでも下からでもお好きなように」
「ああいや、うんまぁ解った。要するにイタせば良いのね?」
「はい♪」
据え膳食わねば男の恥。こっちでは女の恥らしいけど。どうでもいいよね。
大淀が誘ってくれてるのに躊躇う選択は無いよね。
で、そして今回もきっちりさせて頂きました5サイクル。
大淀がますます積極的だから前回よりあっけなく到達してしまった。
腰は軽いんだけど、なんかもうちょっとしてもいいなって感覚。
でも大淀さんは幸せそうな顔ですやすや眠っているし。
まぁ良いや。起きたら相談しよ。
「大淀、大好きだよ」
私はそう言って大淀の頭を撫でたんだ。