「・・・うー」
提督の呼吸が睡眠時のそれになったのを確かめてから、鹿島はそっと目を開けた。
てっ・・ててててーとくさんに、体拭いてもらっちゃいました。
凄く真面目に、清拭って感じで拭いてもらったのに、どうしようもないくらいエッチで。
3回も人工子宮の加湿機能が誤作動しちゃいました。
てーとくさん、どうしてこんなにえろえろなんでしょう・・
鹿島は仲良くなれるのでしょうか。その前に性欲に支配されて堕ちそうです・・・
だ、だって今夜の事だって、「ごっご主人さまぁ」とか言う方があってなくないですか!?
スる気が無いのに一緒に入浴ってナニすれば良いのっていうか大噴火する性欲と戦うしかなくて。
我慢し続けて最後の理性で防衛戦してる最中に、突然シて良いよって優しく言われて。
そんなのもうどうしようもなくなるじゃないですか。
理性が粉々に砕けていくのが解りましたもん・・
大淀先輩の懲罰器具を思い出したから辛うじて3セット連続とかしなくて済みましたけど・・
その後も自分でブレーキ踏みながらアクセル全開みたいな矛盾に悶えていたら、てーとくさんが急に激しくなって・・
こっ、こんな堕落まっしぐらのプレイを覚えちゃったら、永遠にてーとくさんの傍を離れられないです。
自堕落な変態を許してくれる場所なんて、もう・・・
どうしよう・・あ、そっか・・もう、どうしようも、ないんですね?
“後遺症も最悪で二度と元の世界には戻れないが、良いんだな?”
はい、長門さん。
鹿島、もう元の世界には戻らないので大丈夫です♪
鹿島は眠る提督に口づけをすると、そのまま脇に体を差し入れ、目を瞑った。
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「おはようございます、てーとくさん♪」
「おはよう鹿島、なんか吹っ切れた顔してるね」
「わかっちゃいますか!」
「うん。楽しそう」
「えへへ。てーとくさんと一緒に過ごせる時間が嬉しくて」
「嬉しいなあ。私もだよ鹿島。あ、体に不調とか出てない?」
「大丈夫ですっ」
「じゃあ朝ごはんにしようか」
「もう持ってきてますから支度しますね」
「お願いします」
「はぁい♪」
そんな感じで二人で朝食を取り始めた時、部屋のドアがノックされた。
「失礼しますご主人様、確認に・・あら」
「おはよう大淀。ご飯頂いてるよ」
「鹿島さん、暴走せずに済みましたか?」
「はいっ♪鹿島、もう大丈夫です♪学習しちゃいました♪」
「まぁ異常はないみたいですね。提督の体調は如何ですか?」
「鹿島さん控えめだったし、しっかり体力回復できたよ」
「そうですか。それなら良かったです」
「せっかくだし、一緒に執務室行こうよ」
「嬉しいです。お待ちしてますね」
「大淀先輩、お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
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身支度を整え、鹿島さんに見送ってもらって二人で執務室へ。
いつもどおり長門に挨拶をして仕事を始めたのだけど。
「・・・ねぇ大淀さんや」
「なんでしょうかご主人様?」
「今日、いつもより機嫌良い?」
「えっ?解ってしまいますか?」
「ええと、長門も解るよね?」
長門が半目になって私を見返す。
「私をどれだけ鈍感だと思ってるんだ。さすがに分かるぞ」
大淀が見る間に真っ赤になった。
「あっ、あうう。お恥ずかしいです」
「で、なんでそんなに上機嫌なの?」
大淀がびっくりしたように私を見返した。
「えっ?こ、今夜ですよね?」
「今夜?あそうか、今日は大淀の日だったね」
「はいっ!」
「だから?」
「はいっ!」
長門が首を傾げた。
「その場合、明日の朝提督の部屋に行くのは当然鹿島という事になるのだよな?」
「はい」
「その、なんだ。24時間ごとのケア当番とは調整が取れるのか?」
大淀が肩をすくめた。
「注意を要するのはケア当番の翌朝で、提督が皆様と過ごした翌朝はそれほどでもなさそうなんです」
「本来逆なような気もするが・・まぁいい。それで?」
「ですので、まずケア当番自体を交替制にして、翌朝の突撃もお互い徹底する」
「ほう」
「その上で私がめくるめく・・楽しい・・ご主人様との・・甘い一晩を・・過ごす・・時・・でへへへ」
「涎出てるぞ大淀」
「んはっ!?失礼しました!その翌朝は必ず鹿島に突撃してもらう事にしました!」
長門が心配そうな目で私を見た。
私は肩をすくめた。
「ええと、大淀さん」
「はいっ!」
「まさかとは思うけど、鹿島さんは止める役だよね?」
「えっ?もちろんそうですよ?」
「大淀さんと一緒になってとかないよね?」
「え、いや、さすがにあれだけ学習させましたので・・だ、大丈夫だと思いますよ、たぶん、きっと」
「そこで冷や汗かきながら歯切れの悪い返事しないでよ」
長門がジト目になった。
「明日だけ私も様子を見にいこうか?」
「いっいえっ!大丈夫!大丈夫です!」
「大丈夫?」
「・・だっ、ダメだったら相談させてください」
「二人で吸いつくして赤玉とかは勘弁してね?」
「それは鎮守府が地獄絵図と化しますので鹿島にも徹底させます」
「医療従事者としても頼りにしてるからね?」
「介護付き添いから臓器移植まで何でもお任せください!」
「すごいな。風邪ひいたら大淀さん頼ればいいんだね?」
「鹿島でもよほどのオペ以外は対応出来ますよ?ご安心を」
「二人とも優秀だねえ。よしよししてあげよう。おいで」
「あはっ・・ご主人しゃま~♪」
「よーしよしよし」
提督の膝の上に乗り、抱き着いて撫でてもらっている大淀を見て、長門は溜息をついた。
提督にかかると国内最高のAIすら、ただの残念な艦娘にしか見えなくなるな、と。
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「・・えーっと」
私がそっと長門を見ると、長門は額に手を置いて溜息をついた。
「ああ、言いたい事は解る」
「もしかして、私の手元にあるこの書類が今日の最後の分かな?」
「そうだ」
「今日は皆で甘味を食べる為に昼休み長くとったよね」
「まぁ10分延ばしただけだがな」
「それで今、午後2時なんだけど」
「全ての元凶は、あれだ」
そう言って長門は大淀を指差した。
「失礼な」
大淀はぷくっと頬を膨らませた。
「大淀さん、よほど今日の順番が楽しみだったんだね?」
「はいっ!だってご主人様と素肌での触れ合いがもう3300分以上なくて」
「・・なんだって?」
「ご主人様との素肌での触れ合いがもう、ああっ!もう3400分もないんですっ!」
「えっと、48時間?」
「違います!56時間ですよ56時間!丸2日を超えてるんです!気合を入れないと震えが止まらなくて」
冗談にしては面白くないぞと長門は言いかけて、口を噤んだ。大淀の目は濁り切っていた。
「提督」
「なに?あ、書類書けたよ」
「ならもう上がって良い。上がって良いから大淀を何とかしてくれ」
「そう?じゃあ大淀、帰りの支度」
「しました!」
「早いね。私はこれを仕舞って・・よし。じゃ、長門。お疲れね?」
「ああ」
「あはっ♪ご主人様!イキましょ♪」
長門は小さく手を振りながら大淀と提督を見送った。
大淀は、もう取り返しのつかない重篤な中毒患者になってしまった。
手遅れ認定第1号が国内最強艦娘、2号が国内最強のインテリジェンスAIとは毒素が強すぎる。
いや、どっちが先か怪しい所ではあるが。
それはそれとして、やはり明日の朝、様子を見に行った方が良いだろうか?
長門はもやんと様子を思い浮かべた。
どろんとした目で狂ったように笑いながら提督の上でよがり狂う大淀と鹿島を、どうやって引っ剥がしたらいいというのだ?
「仮に応援を頼むとして・・」
加古や金剛や足柄?ダメだ。顔を真っ赤にして立ちすくむだけだ。
陸奥や榛名や加賀?一緒に貪り始める絵図しか思い浮かばない。
いっそ鳳翔?二人を殴り倒すまでは良いがそのまま提督にのしかかりそうだ。
ええとええと誰なら良いんだ?
「そうだ。那智と一緒に行くか」
長門はインカムで那智を呼び出した。