「セリカちゃんとシロコちゃん...でいいよね。2人ともどうしたの?」
「せ、生徒会長って本当なの?」
「うん、そうだよ」
そういうとセリカちゃんは目をパチパチさせたまま固まってしまった。そんなに驚かれる存在なのかなと疑問に思ってしまう。
少しして目を細くしたセリカちゃんが口を開いた。
「でも生徒会長なら制服見えた時点で気づくと思うんだけど」
「ひぃん、言われたらそうなんだけどね。気づかなかったんだ」
うん、よく見なくてもうちの制服なんだよね。どうして気づかなかったんだろ。
「信じられないなら...どうしよう?」
「私たちに聞かれても知らないわよ!」
でもこんな姿だとできることもないし....
「ん、まえにホシノ先輩から生徒会長との思い出話を聞いた。それに答えられるなら本物」
「たしかに、それなら信じられるかも。さすがシロコ先輩。えっとじゃあ...」
というわけで後輩との思い出クイズ大会が始まりました。
「ん、全問あってる」
答えられるか怖かったけど結果は無事全問正解。楽しかった思い出ばかりでよかった〜。
「これで信じてくれるのかな?」
2人はうなづきで返してくれた。セリカちゃんはまだ半信半疑って感じだけどね。
「そういえば1つ気になってたことなんだけど。どうしてホシノちゃんを先輩の呼びしてるの?まだ1年生のはずだよ?」
「それは...」
セリカちゃんの顔が少し陰る。
「ん、私が話す」
そういうとシロコちゃんは話し始めた。
「ユメ先輩でいい?」
「もちろんだよ」
「ユメ先輩が砂漠に倒れたのはもう今から2年前のこと。だからホシノ先輩は今は3年生」
「に、2年前?」
うん、でもそれならホシノちゃんの後輩がいたり、2人のことを私が知らなかったりしても不思議なことじゃないよね。
「ユメ先輩のことはホシノ先輩から聞いた。さっきの思い出の話も全部」
「そうなんだね」
「それと、もう倒れてから2年が経ってるってことだから体はもう...」
そっか、セリカちゃんが少し言い淀んでたのはこのことだったんだね。まだ出会って素性もわからない私にそこまで気を遣ってくれるなんて、いい後輩をもったんだね。ホシノちゃん。
「ありがとう、シロコちゃん。言いにくいことだったかも知れないけど伝えてくれて。セリカちゃんもありがとう」
「...」
すごく重たい空気が流れる。
「...こほん、こんな姿になっちゃったけど私は今とても幸せだよ。だってホシノちゃんの後輩の姿を見れるなんて思ってなかったから」
あの時私は死んだ。死んだはずだった。
ホシノちゃんにはたくさん迷惑もかけたし、話したいこともたくさんあるったけどもうそれは叶わないはずだった。でも奇跡的にこうしてチャンスを与えられた。
「だから体のことは気にしないでいいよ。ほら、セリカちゃんも笑って?せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」
「だ、誰が可愛いって!?」
「ん、セリカは可愛い」
「シロコ先輩!?」
「うん、その調子だよ」
やっぱり笑顔が1番だよね。
なんて話していると少し日が傾き始めました。
「セリカ、校舎に戻らないと遅くなる」
「いつのまにそんな時間に!?とりあえず戻らないと」
「校舎にもどるんだね。ホシノちゃんもいるのかな?」
「ホシノ先輩ならいつも通り寝てる時間じゃないかしら」
「まだ日没前だよ?そんなおじさんみたいな生活してるの?」
でも不思議だよね。2年後のホシノちゃんの姿、なんだか想像できちゃうんだ。
出会ったことないはずなのに...
ないはず...だよね?
そんな疑問を残しながら、私は2年ぶりの校舎に戻ることになったのでした。
でも2年間...かぁ。
改めて思うとホシノちゃんはその間1人で頑張ったんだよね。
怒ってるよねきっと。
謝りたいなんてもう今更聞いてくれないかな。
でも、優しいホシノちゃんは後輩に話してくれるぐらい私との思い出を覚えててくれてるってことは分かったよ。
そんなに私のことを大切に思っててくれたはずなのに私は...
いや、ちがうのかな。
記憶に残るぐらい私のことを恨んでるのかな...
この世界のユメ先輩はホシノの精神世界での記憶をふんわりと受け継いでいます。でも思い出そうとしても思い出せないし感覚としてあれ?ってなるぐらいです。
※ユメ先輩周りと過去は不確かなものが多いのでぼかしたりします。