かんぱにのSS置いてくだけ   作:イイワカハルミ

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ヴァリエの双腕

ローズ

「ミル、あなたから呼び出すなんて初めてね。今日はどんな用事が――」

 

ミル

「察しが早いようで何より。私的な用事だと伝えたから忙しくて来てくれないかと思ったのだけれど……」

 

ローズ

「あなたから私的な用だからと言われたら逆に気になるわよ。それよりその剣……」

 

ミル

「ええ。見覚えあるでしょう? 私の剣よ」

 

ローズ

「わざわざ呼び出して見せてくれるなんて、怪我が完全に治ったのね!」

 

ミル

「……その事を含め、あなたに話したい事があるわ」

 

ミル

「まずは何よりも見てもらった方が早いわね。あなたならそれで解るでしょう」

 

ミル

「フッ!」

 

ローズ

「ど、どういう事? あなたの腕は知っているけど、怪我をする前より遥かに剣捌きが巧みになってる。三年以上剣から離れていた人間の動きに見えないわ」

 

ミル

「見ての通りよ。剣だけを学んでいた訳ではないけれど、私が剣から完全に離れていた期間なんてないわ」

 

ローズ

「そんな。怪我がないならどうして言わなかったのよ! 怪我さえなければ聖剣をあなたが持つ事だって――」

 

ミル

「ええ。三年前、変わったのは私だけじゃないわね。あなたが剣聖を継いだのも丁度その頃……」

 

ローズ

「まさか……」

 

ミル

「私が剣を捨てた理由は怪我じゃない。ヴァリエの左腕に指名されたからよ」

 

ローズ

「けど私は戦場で確かにあなたが大怪我をしたという報を聞いたわ。いえ、そんな軽い内容じゃなかった。生死不明という話さえ伝わってきた」

 

ローズ

「まさか、いくら剣聖を継がせたいからってヴァリエ家がそこまでしたって言うの!?」

 

ミル

「いいえ。いくらヴァリエの家があなたに剣聖を継がせたかったとはいえ、戦況を左右し兼ねない誤情報を流す事はありません。あくまでヴァリエ家はミステリオの平和を維持する為に存在します。無闇に戦況をかき乱したりはしないでしょう」

 

ローズ

「訳が解らないわ。私は確かに聞いたし、その報を聞いて動揺する兵達の姿だって見たわ」

 

ミル

「ねえ、ローズ。本当に私が怪我をしたと聞いたの?」

 

ローズ

「ええ。私と並ぶだけの剣士が倒された。生死不明の重体だと」

 

ミル

「その報を聞いて真っ先に私を思い浮かべてもらえたのは光栄だわ。けれど、もう少し視野を広げて見なさいな。私の他にも一人居たでしょう? 未来の英雄、若き天才騎士と謳われ、貴女と並ぶ程の腕を持つのではないかと噂されていた剣士が」

 

ローズ

「……聞いた事があるわ。一度も手合わせする機会がなかったけれど、年齢からは考えられない凄腕の騎士の噂を」

 

ミル

「その騎士こそが再起不能とまで言われた大怪我を負い、あなたが私と誤解した人物よ」

 

ローズ

「確かリドという名前だったかしら? 家名は――」

 

ミル

「……もう彼女はその家の者ではないわ。命こそ助かったものの彼女は身体の一部を失ってしまったそうよ。その後どのような流れがあったのかまでは把握出来てないけれど彼女はクロムウェルに引き取られたの」

 

ローズ

「クロムウェル……。公国の魔導研究所ね」

 

ローズ

「その、彼女の怪我の方は……」

 

ミル

「そこで治療を施された彼女は再び剣を取ったわ。現在ではかつてと同じか、それ以上の剣士へと成長しているようね」

 

ローズ

「それは良かったわ。けれど、随分と詳しいのね」

 

ミル

「噂通り、あなたに匹敵し兼ねないほどの剣士だからよ。ミステリオの為、ある程度の動向は掴んでおきたいもの」

 

ローズ

「それじゃあ本当に。本当にあなたが怪我をした訳ではないのね」

 

ミル

「戦場に居た以上、掠り傷くらいは負っていたわ。けど私の負傷なんてその程度。命に関わるような怪我はおろか、剣を振るのに支障があるような怪我は何一つ負ってない」

 

ミル

「偶々あなたが誤解していたから、それに便乗しただけよ」

 

ローズ

「否定しなかったくせに」

 

ミル

「あら、嘘は吐いてないわよね? 凄い剣幕で怪我は大丈夫なのと聞かれたから大丈夫だと答えた。けど剣はもう触れそうにないと言ったわ」

 

ミル

「大怪我をしたとも怪我が理由で剣が振れなくなったとも、私は一言も言わなかった筈よ」

 

ローズ

「……確かにそうだったわね」

 

ミル

「怒らないのね。屁理屈、騙していたと怒っていい場面よ?」

 

ローズ

「怒っているわよ。私がどれだけ心配したと思っているのよ」

 

ローズ

「けど私の事と家の事、それらを気遣った末の嘘だなんて事くらいは解るわ」

 

ローズ

「それにね、それ程怒っているように感じないのなら、怒り以上に嬉しさの方が大きいからよ」

 

ローズ

「あなたが無事で本当に良かった」

 

ミル

(結局、騙されていた事に関しては怒ってない、か)

 

ミル

「……やはり、あなたに真実を伝えたのは正解だったみたいね」

 

ローズ

「そういえばどうして今になって教えてくれたの? あなたがその気なら隠し通し続ける事も出来たでしょう?」

 

ミル

「理由は三つあるわ」

 

ミル

「状況が落ち着いてきたのが一つ。モニクと話して勇気付けられたのが一つ。そして最後の一つは――」

 

ローズ

「言い難い事なら無理に言わなくて大丈夫よ」

 

ミル

「いえ、これが一番あなたに伝えたい事なの」

 

ミル

「私があなたを少しも恨んでいない。そう言える自信が出来たから」

 

ミル

「私があなたを少しも恨んでいない。そう言える自信が出来たから」

 

ローズ

「なっ!」

 

ミル

「本当に私はあなたを恨んだり妬んだり憎んでいる気なんてなかったわ。けど自分の立場、ヴァリエの左腕という立場を意識するとどうしても頭を過ぎるものがあったの」

 

ミル

「もしもローズさえ居なければ私が剣聖だったんじゃないか。生まれで決まるなら私は今まで何の為に剣を磨いてきたのか。誓いとは何だったのか」

 

ミル

「剣士としての私が剣士として認められず消えていく事へ。憤りや不満のぶつけ先に無意識にあなたを選んでしまっていた」

 

ローズ

「……突然で驚いたけれどその想いは当然よ。当時、あなたと私に実力の差なんてなかった。もし試合でどちらが剣聖を継ぐか決めていたのなら、どちらが継いでいてもおかしくなかったわ」

 

ローズ

「いいえ。当時どころか今でもそうでしょう? 剣を振れるならミルが鍛錬を怠る訳がない。それは先程の剣舞からも解る。きっと今戦ってもどちらが勝つかなんて解らない」

 

ミル

「それはないわ。私は左腕として生きると決めたと同時に、暗殺の技を極めていくと決めたわ。寄り道をしている私と剣士として己を磨き続けてきたあなたでは、殺し合いならともかく剣で勝負すれば結果は見えている」

 

ローズ

「あなたなら暗殺の技術を剣に活かせる筈よ。やってみない事には解らないわ」

 

ミル

「まるで今からでも剣聖の座を賭けて戦おうとでも言いたいような口振りね」

 

ローズ

「ええ。ミステリオに迫る危機は今も去ってない。より強い者が剣を持つべきよ」

 

ミル

「それは止した方がいいわ」

 

ローズ

「どうして!」

 

ミル

「それが解らないあなたではないでしょう」

 

ミル

「もう剣聖はあなただけのものじゃない。あなたが歩んできた道、そこで関わってきた者にさえ軌跡は刻まれている」

 

ミル

「もし事実を明かせば要らぬ憶測でその者達の名誉と誇りさえ傷付けるわ」

 

ローズ

「……自分の地位を脅かす人間を権力でねじ伏せ、家柄と血筋だけで剣を継いだお嬢様。それと関わってきた友人や仲間も同じような人種だと思われる」

 

ミル

「そんなところね。勿論、あなたの事を理解している者は歯牙にもかけない。そして、それはあなたと関わった友人や仲間に対してもそう」

 

ミル

「けれど人は真実より何より解り易く面白い噂を好み、自分が信じたい事を信じるわ。あなたと仲間の功績も努力も苦労も想いも能力も。それら全てを見ようとせず、好き勝手汚していく」

 

ミル

「今は一丸となって脅威に立ち向かわないといけない場面よ。それをわざわざ壊してどうするの?」

 

ミル

「そうでなくても、友人や仲間が無知に汚される。そんなもの私は望んでいないわ」

 

ローズ

「でも、それじゃあミル。あなたの名誉と誇りは? 本来あなたが手に入れていた筈の栄光はどうなるの?」

 

ミル

「そんな暗い顔をしないで頂戴。確かに剣士の道を歩き続けていれば違う世界もあったんでしょうね。それが気にならないと言えば嘘になるわ」

 

ローズ

「だったら――」

 

ミル

「けれど、この生活はこの生活でいいものよ。私は十分以上に満足しているわ」

 

ローズ

「満足って。信じられる訳ないじゃない!」

 

ローズ

「あなたなら、たとえ剣聖になれなかったとしても後世まで名を遺す剣士になっていた。そうでなくてもあなたは剣を振るうのが何よりも好きだった。それを奪われて何が満足なのよ!」

 

ミル

「と、言われてもね。私の幸福は私が決めるもの。これでも本当に満足しているのよ」

 

ローズ

「私に気を遣うのはやめて。あなたが動かないなら私がヴァリエの家に乗り込んででも――」

 

ミル

「やめて頂戴。いくら状況が少しは落ち着いてきているとはいえ、そんな事をしている程の暇はないわ」

 

ローズ

「でも!」

 

ミル

「しょうがないわね。あまり言いたくはなかったのだけれど、もう少し話を聞いてもらえるかしら?」

 

ミル

「随分と昔のように感じるけど、私とよく似た立場の方に会ったわ」

 

ミル

「その方は私にも剣聖になる資格が十分にあると言った。剣の腕も剣聖と呼ばれても不思議でない程に立つし、志もローズと遜色がない、と」

 

ローズ

「私もそう思うわ。だから――」

 

ミル

「せっかち過ぎるわよ。今は落ち着いて最後まで話を聞いてくれるかしら?」

 

ミル

「そして私は知った。自分の中にまだ剣士を続けたい。剣士を諦めたくないという強い想いがある事。そして、その想いのぶつけ先が無意識にローズ、あなたへと向かっている事に」

 

ローズ

「当然よ。あなたにはその想いを私に向ける権利がある」

 

ミル

「本当に私もそう感じていたなら、きっと私はヴァリエの左腕の指名を意地でも跳ね除け、上の意向なんて無視してあなたに勝負を挑んでいたわ」

 

ミル

「けど私が左腕の指名を受けた時、最初に抱いたのはそんな気持ちじゃなかったの」

 

ミル

「どうして戦って決めないのか。剣聖とは一番強い剣士の事ではないのか。そこに理不尽さを抱いただけで羨ましいとか妬ましいなんて少しも思わなかった」

 

ローズ

「ミルらしいわね」

 

ミル

「だから指名されてすぐには左腕を引き受けなかったわ。納得はしてなかったからね」

 

ミル

「あなたに全てを話して無理にでも戦って決めるか。それとも引き受けるべきか。迷っていた時にあなたが私が大怪我をしたと誤解した」

 

ミル

「その時思ったの」

 

ミル

「迷っているタイミングでこの流れ。これは私は左腕をやるべきなのだろうな、とね」

 

ローズ

「そ、それじゃあ私が誤解なんてしなければ――」

 

ミル

「いいえ。確かに決め手になったのは否定しないけど、結局引き受けていたと思うし、今となっては引き受けて正解だったと思ってる」

 

ミル

「私には剣聖なんて向いてないもの」

 

ローズ

「どうして。あなたには剣聖足る腕も志もあるって自分でも言ってたじゃない」

 

ミル

「腕でも志でもないわ。資質の問題よ」

 

ミル

「もし私が剣聖になっていたとしても、このミステリオを守る為に何をすればいいのか解らず、ただ来たる危機に向けて一人、淡々と腕を磨き続けただけでしょうね」

 

ミル

「それでは到底、危機に立ち向かうだけの戦力は揃わなかった」

 

ミル

「けどローズ、あなたは違う。あなたは道を切り開いていける人。事実、あなたは自分の腕を磨くだけでなく、各地を巡り多くの仲間を集めた」

 

ローズ

「そんなのは結果論だし、立場を得てから変わっていくものだってある」

 

ミル

「かもしれないわね」

 

ローズ

「それに最初に言ってたじゃない。今まで私を恨んでないって言えなかったって。何か思うところがあったんでしょう?」

 

ミル

「そうね。最初に心が大きく揺らいだのは、あなたが煌心の大会で優勝したという情報を聞いた時だったわ」

 

ミル

「左腕は右腕と違い陰の立場。正面から強敵とぶつかり合う機会なんてない」

 

ミル

「私にはローズと違って剣士として腕を試せる機会がない。それがもどかしくて辛くて、戦っているあなたに恨めしさを感じていたりしたの」

 

ローズ

「……ごめんなさい」

 

ミル

「謝る必要はないわ。さっきも言ったけど、あなたに全てを話して戦う道もあった。けど、この道を選んだのは私」

 

ミル

「ただ覚悟が足りてなかったのよ」

 

ローズ

「そんな覚悟なんて簡単に決まる訳ないじゃない。あなたにとって剣は、その……」

 

ミル

「ええ。全てとさえ思ってた時期もあるわ」

 

ミル

「だからでしょうね。本当なら完全に陰に徹し、親衛隊の指導なんてしない方がいいのでしょう」

 

ミル

「けど完全に剣を捨て去れない。だから剣士として表舞台に立てなくなった今でも、剣と関わる事をしているのだと思うわ」

 

ローズ

「なら何で剣士に戻りたいって言ってくれないのよ。その為に協力してほしいって言わないのよ」

 

ミル

「言ったでしょう。私は今に満足している、と」

 

ミル

「もし過去に戻ってやり直せると言われても、多少の修正くらいは加えると思うけど今の道を歩くわ」

 

ローズ

「解らないわ。この三年の間に何を見付けたって言うの?」

 

ミル

「この人生の中で何を置いても変えたくない、捨てたくない出会いがあったのよ」

 

ミル

「もしやり直しの人生の中で出会えたとしても、その時に立場や状況が大きく変わってしまっていたら今と同じ関係を築いていけるとは限らないでしょう?」

 

ローズ

「あなたがそこまで言うなんて。一体どういう出会いがあったのよ」

 

ミル

「そうね、どこから話すべきかしら……」

 

ミル

「その出会いとはマスター、傭兵会社の社長の事よ」

 

ローズ

「へ、へえ。そうなの……」

 

ミル

「私は一度、マスターを本気で殺すべきだと思った事があるわ」

 

ローズ

「ミル!?」

 

ミル

「思っただけよ。何もしてはいないわ」

 

ローズ

「いや、でもそんな事思うだけでも……」

 

ミル

「あの傭兵会社はもう強大な一つの戦力を有していると言っていい。力はそれだけでは何かを傷付ける事しか出来ない。どう使うかが大事だと私は思ってる」

 

ミル

「その大き過ぎる力を扱う長として。相応しくないと思えば大きな問題を起こす前に私は排除すべきだと思っていたわ」

 

ローズ

「そんな。社長に野心のようなものは感じなかったし、そこまでするような事なんて……」

 

ミル

「ええ。ミステリオをどうこうしようという野望は今も持ってないように思うわ。それどころかマスターはマスターなりにミステリオの危機に総力を上げて立ち向かおうとしている」

 

ミル

「けれど私がマスターに不信を覚えたのは、私もマスター達と共に任務に赴いた時」

 

ミル

「あろう事かマスターは必要もないのに私を庇って怪我をしたわ」

 

ローズ

「必要もないって。庇われておいてその態度は――」

 

ミル

「……マスターが気付くような攻撃に私が気付かないと思う? 本当に庇う必要なんてなかったのよ」

 

ローズ

「……そうね。ごめんなさい」

 

ミル

「私は怪我をしたマスターの看病を申し出た。その時、どうして私を守ろうとしたのか聞いたわ。社長という立場の人間としてはあまりに軽率で愚かな行動だと。返答次第では本当に殺していいとさえ思ってた」

 

ミル

「監視していると言った私の評価を少しでも良くしようと思った。大方、その程度だと思っていたわ。けど違った」

 

ローズ

「社長が社員を守るのは当たり前、とかかしら?」

 

ミル

「驚いたわ。よく解るわね」

 

ローズ

「何となく、ね」

 

ミル

「表情も声色にも、嘘を吐いている気配はなかった。本当に心の底からそう思っているようだったわ」

 

ミル

「甘いわ。甘過ぎる」

 

ミル

「その甘さは団体の長としては致命的。そもそも転移者独自の能力を持っているとはいえ、戦闘に関して言えば素人同然。共に戦おうというのがそもそもの間違い」

 

ミル

「適材適所。社長なのだから戦う事が仕事じゃないでしょうに」

 

ローズ

「いつになく饒舌なところ悪いけど、話が逸れてきてるわよ」

 

ミル

「……失礼したわ」

 

ミル

「その甘さが悲劇を生む前にマスターを排除した方がいいのか、考えたわ」

 

ミル

「マスターが多くの仲間に慕われているのは、その時の私でも解っていた。もしマスターに何かあれば復讐の道に走る者も多く出る事は予想に難くない」

 

ミル

「この先、その甘さ故にマスターが命を落とす事があれば多くの復讐者を生んでしまう」

 

ミル

「そして私が直接手を下したと知れても、それは同じ。恨まれる事自体は正当な権利だと思う。けど、それで復讐者を多く生んでは意味がない」

 

ミル

「けど今ならこの怪我を原因に見せ掛けて自然に殺す事だって出来る。それならば、そこまで復讐者は生まない。ミステリオの危機が去ったのち、全てを打ち明け私も死ねばいいか。そんな考えが頭が過ぎった」

 

ローズ

「そ、それで!」

 

ミル

「……出来る訳ないじゃない」

 

ミル

「監視すると伝えていたのに。何かあれば容赦しないとあれ程強く伝えていたのに、よ」

 

ミル

「私に怪我がなくてよかったってそれで安心して寝ているのよ。私に襲われるなんて一切考えてないみたいな無防備な顔で」

 

ミル

「確かに私はヴァリエの左腕として生きていくと決めたわ。それがミステリオを守る為に必要なら暗殺もする。けど、それでも譲れないものがある」

 

ミル

「曲がりなりにも自分を庇って怪我した相手、自分を信用している相手の寝首を掻くなんて出来る訳ないじゃない」

 

ミル

「そして私はマスターの看病をする中で色々考えたわ。看病をしている間、手持無沙汰になる時間が多くあったからね」

 

ミル

「自分を殺す可能性があると宣言している相手にどうしたら無防備で寝れるのか」

 

ミル

「自分より強い相手をどうして守ろうとするのか」

 

ミル

「勝ち目がないと解っていて向かっていく意味なんてあるのか」

 

ミル

「エルミにとってのモニクのような相手ならともかく、一社員に過ぎない自分の為に命をどうして懸けられるのか」

 

ミル

「私は寝ているマスターの顔を見ながら色んな事を考えたわ」

 

ミル

「考えても考えても考えが纏まらなくて少し苛立ってきたから、イタズラに傍でナイフを弄んでみたり、殺気を放ってみたり、マスターの顔を突いたりもしてみた」

 

ミル

「けどね、何しても起きないの。子どもみたいな顔でスヤスヤ寝ていたわ」

 

ミル

「その顔を見ていたら何だか考えるのも馬鹿らしくなってきてね」

 

ミル

「今回はマスターが怪我をしただけで取り立てて大勢に影響はなかった。結論を出すには早急過ぎるって処分は保留にしたわ」

 

ローズ

「保留って事は今でも可能性はあるって事?」

 

ミル

「今は特にないわね」

 

ローズ

「どうして? 一度は本気で殺す事さえ考えたのでしょう?」

 

ミル

「そうね。例えば突然何の前触れもなく異世界からの魔物が出現したけど、そこには自分以外に戦える人間は居ない。そんな中、近くに村があったらどうするかしら?」

 

ローズ

「決まっているじゃない。すぐにでも村に向かって、少しでも多くの人を助けるわ」

 

ミル

「ええ、あなたはそういう人。きっと無駄死にする可能性の方が遥かに高くても、飛び出していくのでしょうね」

 

ミル

「けど、私なら絶対にしない。すぐに仲間を呼びに行くわ。その方が最終的に少しでも多くの人間を助けられる可能性が高いからね」

 

ローズ

「それは、そうなのかもしれないけど……」

 

ミル

「冷たいと思うわよ。自分自身でも思う」

 

ミル

「けれど、戦いの中に身を投じている以上、そういう判断が何度も求められていくとも思っている」

 

ミル

「一時の情で判断を間違えるなんて愚か者の思考とさえ感じるわ」

 

ミル

「そしてマスターにもそういう面がある」

 

ミル

「普段はちゃんと冷静に考えられるくせに、いざって時に限って愚かしい行動ばかり取る。理解に苦しむわ」

 

ローズ

「そんな、人を馬鹿みたいに……」

 

ミル

「……けどね、ローズ」

 

ミル

「可能性が少ないだけで絶対助けられない訳じゃない。無駄死にするだけの時もあるでしょうけど、全員を助けられる時もある」

 

ミル

「そして、その愚かさ故に救われる者も居る。マスターの監視を続けていく中で、私はそんな光景を多く見てきた」

 

ミル

「もし私が指揮を執っていたなら、助けられなかったであろう人達をね」

 

ミル

「そして考えを改めたわ。こういう人間もこの世界に確かに必要なんだってね」

 

ローズ

「ミル……」

 

ミル

「実際、そんなあなた達だからこれだけ多くの仲間が集まったのだと思うわ。あなた達に惹かれて、あなた達を助けたいと思って皆協力してる」

 

ミル

「危なっかし過ぎて、とてもじゃないけど見ていられないからね」

 

ミル

「誇りなさいな。その愚直さこそがあなた達の一番の魅力なのだと私は思ってるわよ」

 

ローズ

「呆れるわ。それで褒めているつもりなの?」

 

ミル

「ええ。言葉が悪いのは許してくれると嬉しいわ。羨まし過ぎて、つい言葉がきつくなってしまうの」

 

ミル

「けれど、それはそれ。これはこれ」

 

ミル

「私はヴァリエの左腕としての役目を忘れた訳ではないわ」

 

ミル

「もし万が一にマスターが道を誤る事があるなら、その時は容赦しないつもり」

 

ミル

「勿論、そうならない事を私自身、心の底から祈っているわ」

 

ローズ

「ええ、そうね。そうならないのが一番よね」

 

ローズ

「……その、ミル。聞いてもいいかしら?」

 

ミル

「聞くのはいいけれど、答えるかは内容次第ね」

 

ローズ

「惹かれて助けたいと思ったというのは、つまり――」

 

ミル

「ええ、そうね。愛しさを感じているかしら」

 

ローズ

「そ、その感情は私と社長で同じような感じかしら……」

 

ミル

「ずっと監視をしていたせいなのか。それとも異性だからかしらね?」

 

ミル

「あなたとマスターに対する気持ちには大きな違いがあるわ」

 

ミル

「あなたには怪我をして欲しくないと思う。無理をして欲しくないと思う。何かあれば心配するわ」

 

ミル

「けどマスターにはそれだけじゃないの」

 

ミル

「ずっと見ていたいと思う。顔を見ていると時々鼓動が乱れる事がある。姿が見えなくて不安に感じた事もあったわ」

 

ミル

「きっとこれが恋というものなのでしょうね」

 

ミル

「だから私は監視として傍に居られる今の立場で居たい」

 

ミル

「それが私が今更剣士に戻る気がない理由かしらね」

 

ローズ

「そう……」

 

ミル

「もし私が剣士に戻る事があるなら、それは剣士としての栄光を取り戻したくなったと思う時じゃないでしょうね」

 

ミル

「マスターを守るのに剣が必要だと感じた時。あの人を守るのに今の武器だけじゃ足りない。そう強く感じたなら、私は再び剣を取るかもしれないわ」

 

ローズ

「解かったわ。それならもう無理に剣士に戻ってほしいなんて言わない。けど……」

 

ローズ

「本当に――」

 

ローズ

「本当に私に何か出来る事はないの? それ以外の事だってミルが望むなら私は協力を惜しむ気はないのよ」

 

ミル

「そうね……」

 

ミル

「たった一つ……」

 

ミル

「たった一つだけ、剣士ミル・ド・レイユとしてあなたに願いがあったわ」

 

ミル

「ローズ。剣士としてあなたと決着を付けたい。一度死力を尽くしてあなたと力と技をぶつけ合ってみたい」

 

ミル

「自分の力を知りたい。それが心残りかしらね」

 

ローズ

「それなら今すぐでも――」

 

ミル

「駄目よ。あなたは優し過ぎる。負い目のあるあなたと戦って勝てたとしても残るのは虚しさだけ。それじゃあ戦わない方が遥かにマシ」

 

ローズ

「私が剣に、勝負に私情を持ち込むように見える?」

 

ミル

「普段ならあなたは戦えるでしょうね。でも、理由もないのに友人を叩きのめせるタイプじゃない。まして負い目があるなら尚更ね」

 

ローズ

「そんな事は――」

 

ミル

「モニクを徹底的に叩きのめした事なんてないでしょう? きっといつも稽古を付けているような気分でしか戦わなかった筈」

 

ミル

「それとも倒す事だけ考えて全力でぶつかった事があるって言えるかしら?」

 

ローズ

「……ないわ」

 

ミル

「そうでしょうね。駄目よ、偶には心を鬼にしないと。そのくらいでへこたれて立ち上がれなくなるような子じゃないんだから」

 

ローズ

「確かに反論のしようもないけど……」

 

ミル

「けど、このままじゃお互いすっきり出来そうにないわね」

 

ミル

「こんな些細な迷いでお互いの剣が鈍るのは私としても本意じゃない」

 

ミル

「だからあなたが本気で私と戦う為に。一つ、賭けて欲しいものがあるの」

 

ローズ

「いいわ。あなたが望む物を賭けましょう。ローズ・ル・ヴァリエの名に誓って」

 

ミル

「何か聞く前から賭けないでもらいたいわ。誓いが軽く見えるわよ?」

 

ローズ

「私がそんな軽い気持ちで誓いを口にすると思う?」

 

ミル

「ええ、解ってる。けどもう少し自分を大事にしなさいな」

 

ローズ

「お互い様というか、あなたにだけは言われたくないわ」

 

ミル

「ふふ、そうね」

 

ミル

「マスターが、社長がクリスマスに社員一人一人にプレゼントを用意しているのを知っていますね?」

 

ローズ

「な、どうして急に社長の話なんて……」

 

ミル

「知っているかどうか答えてくれるかしら?」

 

ローズ

「……知っているわ」

 

ミル

「それなら話が早いわね。社長は社員一人一人の好みに合うプレゼントを探してくるのだけれど、これだけ人数が多いと数も膨大なら種類も様々よ」

 

ミル

「だから種類毎に社長は買い出しに行くそうよ」

 

ローズ

「わざわざ大変でしょうに。そこまで気を遣わなくても誰も文句など言わないでしょう」

 

ミル

「ふふ、ローズ。大事なのはここからよ」

 

ミル

「近い内に社長はプレゼントの買い出しの為に休暇を取るわ。今回は紅茶関係だそうよ」

 

ミル

「その買い出しに社長はプレゼント選びの助言と護衛を兼ねて紅茶に詳しい社員を同行させるそうよ」

 

ローズ

「そ、そんな事が……」

 

ミル

「ええ。それも今は行事が多く忙しい時期ですし、私用の為に人員を割けない。護衛には腕利きが一人だけ付き従う事になっているようね。数も多いから一日中付き合う事になりそうかしら?」

 

ローズ

「二人っきりで一日中!? そ、それではまるでデートじゃないの」

 

ミル

(まあ、それこそがこの制度を最初に言い出した御剣流の方やユーゲント家の姉達の狙いなのだろう。ぬいぐるみ好きの方達も護衛役の座を狙って互いに牽制し合っていると聞いてる)

 

ミル

(ヴァリエの左腕として動くようになってから、剣士時代は気にも留めなかった情報の大切さを身に染みて感じるな)

 

ミル

「それで話を戻して勝負に賭けて欲しいものなのだけれど――」

 

ミル

「社長の護衛の権利。一日デートの権利と言い換えてもいいわ。これを賭けて戦ってくれないかしら。紅茶通の候補の中ではあなたが最有力なのよ」

 

ローズ

「なっ!? そんなものでいいって言うの!?」

 

ミル

「ええ、いいわよ」

 

ローズ

「剣聖としての地位や名誉、聖剣の所有権と比べ物にならないわ!」

 

ミル

「そう思うのなら辞退してくれて結構よ? それとも、その程度じゃ申し訳ないと思ってくれるならユーゲント家の姉か、フレデリカ。どちらかを降してくれると私としては助かるわね。さすがに本気以上のあの二人を相手にするのは骨が折れそうだもの」

 

ローズ

「……解ったわ。どちらかと戦いましょう」

 

ミル

「……これでも人の心を読むのは得意な方だと思ったのだけれど、親友の事すら解らないなんて鈍ったかしらね」

 

ローズ

「……どういう意味かしら?」

 

ミル

「あなたもマスターに好意を寄せていると感じたという意味よ」

 

ローズ

「……ええ、好きよ。おそらくあなたと同じか、それに近い想いを抱いているわ」

 

ミル

「同じ想いを本当に抱いているのなら私がローズの立場であっても、ここだけは譲らない」

 

ローズ

「私の想いを殺す事でミルの剣士の道を奪った償いが出来るなら、私はその道を選ぶべきよ」

 

ミル

「……もし立場が逆だったなら、私が償いの為に恋を諦めてくれたら嬉しいかしら?」

 

ローズ

「そ、そんな仮定の話になんて意味はないわ」

 

ミル

「答えて、ローズ」

 

ローズ

「……嬉しい訳がないでしょう」

 

ローズ

「けど、知らなかったとはいえ私があなたの剣士として道を奪ったのよ。いくらあなたが納得していたってそれは変わらない」

 

ローズ

「親友を犠牲にして自分だけ気にせずのうのうとしてられる訳なんてないじゃない! 少しでも償えるなら償いたいに決まってる!」

 

ローズ

「それとも私に一生負い目を背負って生きていけって言うの!?」

 

ミル

「ええ。親友を犠牲にして気にせず生きてなんていけない。私もそう思うわ」

 

ローズ

「ミル、あなた……」

 

ミル

「ねえ、ローズ。あなたが私の事を大切に思ってくれている気持ちも、剣士として高く評価してくれていた事も嬉しいわ。自分を犠牲にしてしまうほどの負い目の強さも友情の深さと思えば感無量と言うものよ」

 

ミル

「けどね、あなたが私を大事に思ってくれるように。私だってあなたを大事に思っているの」

 

ミル

「自分のせいで大事な人が犠牲になる。そんな負い目をあなたは私に一生背負わせたいのかしら?」

 

ローズ

「でも……」

 

ミル

「そもそもね、今回の勝負で私が勝ってもあなたが引く必要はないし、私も負けたって引く気はないわ」

 

ミル

「お互い全力でアプローチして、最後に誰を選ぶかはマスターが決める事。今回はその絶好の機会というだけ」

 

ミル

「剣士として表立って競い合える立場ではなくなってしまった。次は女として全力であなたと競い合いたい」

 

ミル

「その節目に剣士としての決着を付けましょう。お互い全力を出せるよう、譲れないものを賭けて」

 

ミル

「それでは駄目かしら?」

 

ローズ

「本当に、今の立場に不満はないのね?」

 

ミル

「ええ。さっきも言ったでしょう?」

 

ミル

「見張りと称してずっとマスターの傍に居られる。何かあれば守れる位置に居る。幸せ過ぎて不安になるくらいよ」

 

ローズ

「ふぅっ。解ったわ。恨みっこなし。全力で戦いましょう」

 

ミル

「ええ。力と技、想いの全てをぶつけ合いましょう」

 

ローズ

「……それにしてもミル。あなた、暫く見ない間に随分と性格変わったわね」

 

ミル

「ふふ。単に以前の私が剣しか知らなかっただけよ。性格自体はそれほど変わっていないわ」

 

ローズ

「……私の知ってた頃のミルは絶対そんな事言うタイプじゃなかったわ」

 

ミル

「そうかしら?」

 

ローズ

「ええ。どうすればより速く剣が振れるのか。どうすれば相手の防御を抜けるのか。そんな話しかしなかったじゃない」

 

ミル

「今も変わってないわ。どうすればマスターにより好かれるか。どうすれば他の方に邪魔されずに済むか。それが追加された程度よ」

 

ローズ

「呆れた。剣も恋も考え方変わらないのね」

 

ミル

「違う事と言えば不安があるくらいかしら」

 

ローズ

「不安?」

 

ミル

「剣なら腕の磨き方は解るわ。戦い方だって解かる。けれど、女の磨き方は解らない。男性からの好かれ方だって知らない」

 

ミル

「本に書かれている通りにやればチョコは作る事が出来た。味も店で売っている物とそれ程違わなかったように思う」

 

ミル

「けど、他の方だって渡しているのだから、どれ程の効果があったのかは解らない」

 

ローズ

「ふふ……」

 

ミル

「何かしら、その顔は?」

 

ローズ

「懐かしくなったのよ。昔、剣の事を悩んでいた時もそんな話し方してたなって思って。前に会った時、少し他人行儀な気がしてたものだから」

 

ミル

「そういうあなただって随分と張り詰めた雰囲気してたじゃない。責任感があるのは結構だけれど、もう少し肩の力を抜いたらどう?」

 

ローズ

「大丈夫、息抜きくらいしてるわ」

 

ミル

「それは普段は張り詰めているって事でしょうに。一人で背負い込もうとし過ぎなのよ、あなたは」

 

ローズ

「そんな事ないわ」

 

ミル

「いいえ。例えば私の件にしてもそうね」

 

ミル

「あなたが怪我をさせたのならともかく、知らない場所で怪我をした人間の事まで一々心を痛めていたら心が持たないわ」

 

ローズ

「それは冷た過ぎるわよ。親友の怪我を心配する事の何が悪いの?」

 

ミル

「それ自体は悪くない。けれど気にし過ぎという事。仮に本当に怪我をして剣を振れなくなっていたとしても、それは私の失敗でしかない」

 

ミル

「あなたが三年も気に掛ける理由があるかしら?」

 

ローズ

「それは、そうなのかもしれないけれど……」

 

ミル

「その優しさを否定したい訳じゃないわ」

 

ミル

「けれどもっと他人の力を信じなさいな。あなたに助けられなければ生きていけない程、人は弱くない」

 

ミル

「優しさも度を越すと傲慢というものよ」

 

ローズ

「ミルは、ノブレス・オブリージュという言葉を知っているかしら?」

 

ミル

「ええ、知っているわ。特権には義務が伴うという事ね」

 

ミル

「誰が言い出した言葉なのかまでは知らないけれど、その通りだと思うわよ」

 

ローズ

「私には聖剣の主たる責務がある。この強大な力を持つ以上、それに見合った人助けをすべきでしょう?」

 

ミル

「使命感や責任感を持つのは大いに結構よ」

 

ミル

「たださっきも言ったように、あなたは一人で何でもかんでも背負い過ぎているわ」

 

ミル

「あなたの周りには友人や仲間はたくさん居るでしょう? 勿論、私だってその一人。頼れる事は頼り、甘えられる部分は甘えられるようになった方がいいという話よ」

 

ローズ

「そんな。ただでさえ協力してもらってるのに、これ以上迷惑を掛ける訳には……」

 

ミル

「それこそ傲慢な勘違いというものよ。もう、あなた一人だけの戦いじゃない。各自が目的を持って集まっているの。無理に一人で何でも背負う必要なんてないのよ」

 

ミル

「相手を利用するだけして寄り掛かるのは駄目だけど、協力し合う事は決して悪い事じゃない。いいえ、むしろ協力し合わなければこれからの戦いは厳しくなっていく」

 

ミル

「人との繋がりを信じる。それも強さというものらしいわよ、ローズ」

 

ローズ

「らしいって。ミル、あなた人に言うだけ言って、その物言いはどうかと思うわよ……」

 

ミル

「私自身、勉強中なのよ。あるクレリックの受け売りでね」

 

ミル

「けどね、ローズ。あなたやジークリット、エルミや私にはない強さがあの傭兵会社の面々にはあるとは感じるでしょう。一人で生きていけるだけの強さもあれば、繋がる事で大きくなる強さもある。一考するだけの価値はあると思わないかしら?」

 

ローズ

「……そうね。考えておくわ」

 

ミル

「それじゃあ話しておきたい事も言い終えたし、そろそろ始めましょうか?」

 

ローズ

「ええ」

 

ミル

「念を押すようで悪いけど、手加減は無用よ。勝っても負けてもしこりしか残らない、そんな勝負は嫌よ」

 

ミル

「私は何の負い目もなく、マスターの事を想っていたいの」

 

ローズ

「解ってるわ。お互いの為にも。全力であなたを倒す」

 

ミル

「それじゃあいくわよ、ローズ」

 

ローズ

「ええ、勝負よ。ミル!」

この中で何か言いたい事でもあれば

  • 地の文ありの奴が読みたい
  • 今回はミルだ
  • ローズ懐かしい
  • 結構好き
  • リメイク版のサービス開始が待ち遠しい
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