問題児たちと最凶の神父が異世界から来るそうですよ。   作:名無し様

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アンデルセン神父が異世界に行く。

ローマ近郊カトリック系孤児院フェルディナントルークス院。

 

その中庭に二人の男がいる。

片方は首から十字架をかけており、神父服に身を包んでいる。

そして、特徴的な丸メガネをかけている。

もう片方は、黒いコートを羽織っている。

 

「では、アンデルセン神父。そうゆうことで。」

 

コートを羽織っていた男はそう言って孤児院の出口に向かって歩いて行った。

 

アンデルセン「ふぅ………。」

 

アンデルセンと呼ばれた神父はコートの男が出ていくのを見ると深くため息をついた。

彼は表ではこの孤児院の神父をしている。

 

だが、裏では法皇庁第13課『イスカリオテ』の対化物専門の戦闘屋である。

彼は、数々のあだ名があり『聖堂騎士』、『殺し屋』、『首切り判事』、『天使の塵』などと呼ばれており吸血鬼のアーカードが唯一認めた宿敵である。

 

アンデルセン「全くこんな時期に。」

 

彼は、現在ローマ法皇に現状待機でいわば留守番を言い渡された。

 

アンデルセン「これからどうするか、少し外に出かけるかなぁ。……………ん?」

 

そう言っていると、空から手紙が落ちてきた。

それは、どこからきたかわからないがどこにでもある手紙だった。

しかも、自分の名前がきちんと書いてあった。

 

アンデルセン「どういうわけかわからないが一応見ておくか。」

 

そう言ってアンデルセンは手紙を読み始めた。

 

 

 

 

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 

その才能を試すことを望むのならば、

 

己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、

 

我らの“箱庭“に来られたし』

 

 

 

アンデルセン「どう考えても、少年の年じゃないですよ。」

 

そう一言を最後にアンデルセンはこの世界から完全に消えた。

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、アンデルセンは空にいた。

 

さすがにこれでは死なないな、と考えていたら落下地点に用意されていた緩衝材のお陰で大したケガは受けなかった。

湖に落ちてずぶ濡れとなることにはなったが。

 

???「し、信じられないわ!

まさか問答無用で引き摺りこんだ挙げ句、空に放り出すなんて!」

 

???「右に同じだクソッタレ。

場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。

石の中に呼び出された方がまだ親切だ。」

 

???「………。

いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

 

???「 俺は問題ない。」

 

???「そう。身勝手ね。」

 

そう言って、育ちの良さそうな少女と金髪で鋭い目付きの少年は岸へと上がった。

続いて、岸へ上がろうとする猫を抱えた少女を見て俺も そろそろ上がるかと岸へと向かった。

 

???「此処………どこだろう?」

???「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」

 

三毛猫を抱えた少女の呟きに少年は答えた。

服をあらかた絞った金髪の少年は、濡れた髪を掻き上げて、尋ねた。

 

???「まず間違いないだろうけど、一応確認しておくぞ。お前らにもあの変な手紙が?」

 

飛鳥「その通りだけど、そのお前っての訂正して。──私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」

 

耀「………春日部耀。以下同文。」

 

飛鳥「そう。よろしく春日部さん。次に野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

十六夜「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間なので、用法と用量を 守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

飛鳥「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

十六夜「ハハ、マジかよ。今度作っとくから、覚悟しとけ、お嬢様」

 

飛鳥「最後に、そこの神父の貴方は?」

 

アンデルセン「私は、アレクサンド・アンデルセンと言います。よろしく。」

 

飛鳥「あら、貴方は十六夜君とは違ってちゃんと挨拶出来るようね。こちらこそよろしく。」

 

十六夜はケタケタと笑い、飛鳥は顔をそむける。

耀は依然として我関せずを貫いている。

アンデルセンはニコニコとどこかを見ている。

 

そんな彼らを茂み彼ら見ていた黒ウサギは、

 

(うわぁ………なんか問題児ばっかりみたですねぇ………)

 

彼らの非協力的な態度(一人を除き)がありありと想像でき、黒ウサギは心の中で溜息をついた。

 

十六夜「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもん じゃねえのか?」

 

飛鳥「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

 

耀「……。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

 

呼び出した黒ウサギとしては、場がもっと混乱しているつもりであったため出ていくタイミングを失ってしまったのだ。

そんな時、ふとアンデルセンが呟いた。

 

アンデルセン「──仕方がないので。こうなったそこにいる奴にでも話を聞きますか?」

 

飛鳥「あら、貴方も気づいていたの?」

 

アンデルセン「ええ、バレバレでした。」

 

耀「風上に立たれたら嫌でもわかる。」

 

十六夜「………へえ?面白いなお前ら」

 

黒ウサギは驚いて、茂みを揺らしてしまった。

これ以上の不満が出てくる前に、と茂みから出た。

 

黒ウサギ「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でござい ます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

十六夜「断る」

 

飛鳥「却下」

 

耀「お断りします」

 

アンデルセン「それは、すいません。」

 

黒ウサギ「あっは、取り付く島もないですね☆」

 

両手を上げ、降参のポーズをとりながら黒ウサギは、四人を値踏みしていた。

そしてこれからの接し方を思案して───

 

耀「えい」

 

黒ウサギ「フギャ!」

 

耀に後ろからウサ耳を引っ張られていた。

 

黒ウサギ「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう 了見ですか!?」

 

耀「好奇心の為せる業」

 

黒ウサギ「自由にも程があります!」

 

十六夜「へえ?このウサ耳って本物なのか?」

 

飛鳥「………。じゃあ私も」

 

 

十六夜と飛鳥も加わってさらに混沌となる場にアンデルセンは、

 

アンデルセン「どうするか…………。」

 

と、空をながら呟いた。

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