問題児たちと最凶の神父が異世界から来るそうですよ。 作:名無し様
黒ウサギ「・・・な、なんであの短時間の間に【フォレス・ガロ】のリーダーと接触してしかも喧嘩を売るなんて状況になったのですか!!?
しかもゲームの日取りは明日!?
それも敵のテリトリー内で戦うなんて!
私たちに準備している時間もお金もありませんよ!!
聞いているのですか!!
御二人ともっ!!」
十六夜、黒ウサギが箱庭に戻って来た瞬間に黒ウサギは、大声で爆発(精神的)した。
飛鳥 春日部「「腹が立って後先考えずに喧嘩を売った。今は反省はしているが後悔はしていない」」
アンデルセン「・・・。」
黒ウサギ「黙らっしゃい!!このおバカ様方っ!!!あと、アンデルセンさんも何か言ってください。」
またも黒ウサギの必殺ハリセンが火を噴く。
放たれたハリセンは飛鳥と春日部さんの頭を寸分の擦れもなく真芯で叩いた。
そして、彼女たちの隣で黙っているアンデルセンに一喝入れた。
十六夜「うわ・・・、ありゃ痛そうだ。」
十六夜がヤハハと笑いながら言った。
黒ウサギ「ハァ。まあいいです。フォレス・ガロ程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」
黒ウサギは諦めて話を続ける事にした。
十六夜「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」
飛鳥「当たり前よ。貴方には参加させないわ。」
十六夜は参加しないと言い、飛鳥も十六夜には参加させないと言った。
黒ウサギ「駄目ですよ!コミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」
十六夜「そういう事じゃねえよ黒ウサギ。この喧嘩は、コイツらが売って奴らが買った。俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ。」
飛鳥「あら、分かってるじゃない。」
黒ウサギ「ああもう、好きにしてください。」
疲れきった黒ウサギは言い返す気力も残っていない。
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黒ウサギ「・・・そろそろ【サウザンドアイズ】について説明させて頂きますね」
黒ウサギとともにジンを除いた五人で【サウザンドアイズ】へ向かっていると、黒ウサギが喋り始めた。
十六夜「そういえば【サウザンドアイズ】について話を聞いていなかったな」
黒ウサギ「YES!【サウザンドアイズ】は特殊な瞳のギフ トを持つ者達の群体コミュニティです。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨 大商業コミュニティでして……。幸いこの近くに 支店がありますし。」
十六夜「へぇ……。ちなみにギフトを鑑定すると何かメリットがあるのか?」
黒ウサギ「自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。
皆さんも自分の力の出所は気になるでしょ う?」
すると、飛鳥が街路樹を指差して疑問を口にした。
飛鳥「桜の木ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けている桜があるはずがないもの」
十六夜「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ?」
春日部「・・・?・・・今は秋だったと思うけど。」
アンデルセン「いえ、まだ冬だった筈です。」
話の噛み合わない四人は互いに互いを見ると首をかしげた。
そんな俺たちを見ていた黒ウサギは、微笑みながら説明をはじめた。
黒ウサギ「皆さんはそれぞれ違う世界から召還されているのです。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系などに所々違う箇所があるはずですよ?」
十六夜「へぇ?【パラレルワールド】ってやつか?」
黒ウサギ「近いですね。正しくは【立体交差並行世界論】というものなのですけども、・・・今から【立体交差平行世界論】の説明を始めますと一日二日では説明しきれないので、またの機会ということにしましょう。」
飛鳥「あ!あれがそうなんじゃないかしら?」
飛鳥がひとつの大きな建物を指差して黒ウサギに質問する。
黒ウサギ「YES!あれがコミュニティ【サウザンドアイズ】の支店でございます」
飛鳥の指差す先を見れば、青い生地に向かい合う2人の女神が記されている旗が見えた。
おそらくあれが【サウザンドアイズ】の旗印なのだろう。
そんな旗印を下げる建物には割烹着姿の女性店員が掃除しているのが見えた。
黒ウサギ「まっ」
店員「待ったは無しです、御客様。うちは時間外営業をやっていませんので。」
涼しい顔で黒ウサギに対応する女性店員。
押し入ろうとする客への対応は御手の物らしい。
飛鳥「なんて商売っけのない店なのかしら。」
黒ウサギ「ま、全くですっ!閉店時間の5分前に客を締め出すなんて!」
店員「文句があるならどうぞ他所へ。貴方方は今後一切の出入りを禁じます。簡単に言えば【出禁】です。【出禁】」
黒ウサギ「【出禁】!?これだけで【出禁】とか御客様舐めすぎでございますよ!?」
店員「なるほど、〝箱庭の貴族〟であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。可を窺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか」
黒ウサギ「・・・う」
言葉に詰まった。
名乗るのを躊躇われるのだろうかと思い、十六夜が代わりに答える。
十六夜「俺達は〝ノーネーム〟ってコミュニティなんだが」
店員「ほほう。ではどこの〝ノーネーム〟様でしょうか。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
グッと詰まった黒ウサギと、その返答に納得する。なるほど、〝名〟と〝旗印〟とはこういうことなのか。巨大な組織であるからこそ信用できる客以外は扱えない、〝名〟と〝旗印〟を持たないコミュニティはそれだけでリスクがある。
黒ウサギ「その・・・・・・あの・・・・・・・・・私達に、旗はありま」
黒ウサギが悔しそうな顔で、小声で呟くように言った言葉は最後まで続かなかった。
なぜなら
白夜叉「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!ひさしぶりだ黒ウサギイィィィィ!」
店内から飛び出て爆走してくる着物風の服を着た白髪が黒ウサギにフライングボディーアタックを食らわして空中4回転半ひねりして街道向こうの水路まで吹っ飛んだからだ。
十六夜「……おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?それなら俺も別バージョンで是非頼む。」
店員「ありません」
十六夜「なんなら有料でも良いぜ?」
店員「やりません。」
十六夜がとても輝いた笑顔で店員と会話しているのだが、如何せん内容が残念だ。
黒ウサギ「白夜叉様!いい加減に離れてください!」
黒ウサギは少女を無理矢理引き剥がし、店に向かって投げると十六夜の方へ飛んできた。
十六夜「てい」
白夜叉「ゴハァ!」
十六夜が飛んできた少女を軽く蹴り飛ばし、
アンデルセン「スゥ」
白夜叉「ゴフゥ!!」
アンデルセンは飛んできた少女を避けた。
白夜叉「ガフ!おんしら、飛んできた少女を蹴り飛ばし、受け止めもせず避けるとは何様だ!」
十六夜「逆廻 十六夜様だぜ。和装ロリ」
アンデルセン「アレクサンド・アンデルセン。神父をしている。」
アンデルセン(こいつは何度も戦ってきた奴だ。並みの強さじゃない。)
とその場にいた、アンデルセンは白夜叉を見てそう確信した。
飛鳥「あ、貴女はこのお店の人?」
白夜叉「うむ、そうじゃぞ。コミュニティ【サウザンドアイズ】幹部の【白夜叉】様じゃよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢の割に発育の良い胸をワンタッチ生揉みで引き受けてやるぞ?」
飛鳥「え、遠慮しておくわ……。」
飛鳥は引き吊った笑みを浮かべて白夜叉を見ていた。
白夜叉は俺たちを順番に見回すと黒ウサギを見詰める。
白夜叉「ふふん……。おんしたちが黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が黒ウサギを連れてワシの所に着たと言うことは…………そうか!遂に黒ウサギが私のペットに!!」
黒ウサギ「なりませんっ!!どのような事からそのような話になるのですかっ!!」
白夜叉「はははは!そうかそうか。それはすまんかったの夜鶴。さて、おんしらは話があって来たのであろう?話なら店内で聞くとしよう」
そういった白夜叉は店内を指差した。
怒る黒ウサギをスルーして店に招いてくれた白夜叉の言われるがままに中に入る。
店の外観からは考えられない不自然な広さの中庭に出た。
これは、建物の外観だけで中を判断するのは不可能と思った方が良いかもしれない。
白夜叉「生憎と店は閉めてしまったのでな、私の部屋で勘弁してくれ。」
障子を開けて入った部屋は和室で、香のようなものが焚かれている。
個室というには、些か広いような気もするが幹部というぐらいなのだから妥当だろう。
いつのまにやら乾いている着物に少しばかり顔に出さず驚いていると此方に向き直る。
白夜叉「改めて自己紹介をしておこうかの。私は四桁の門、三三四五階門に本拠を構えている〝サウザンドアイズ〟幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな、コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸している器の大きな美少女だと認識しておいてくれ。」
黒ウサギ「はいはいお世話になっております本当に。」
投げやりな返事には、十六夜は笑い声が零れそうになるのを抑えている。
おそらく毎回毎回初っ端見たあんな感じの事が行われているのだろう。
春日部「外門って何?」
首を傾げた春日部。
確かにその外門とやらに関してはまだ説明を受けていない。
黒ウサギ「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。外壁から数えて七桁の外門、六桁の外門、と内側に行くほど数字は若くなり同時に強大な力を持ちます。箱庭で四桁の外門ともなれば、名のある由良神仏が割拠する完全な人外魔境です。」
黒ウサギの描く上空から見た箱庭の図を見て、最初に春日部が口を開く。
春日部「…………超巨大タマネギ?」
飛鳥「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」
十六夜「そうだな、どちらかといえばバームクーヘンだ」
アンデルセン「…………。」
白夜叉「ふふ、うまいことたとえる。その例えなら今居る七桁の外門はバームクーヘンの1番薄い皮の部分に当たる。さらに説明するなら東西南北4つの地区の区切りの東側にあたり、外門のすぐ外〝世界の果て〟と向かい合う場所になる。あそこにはコミュニティに所属こそしていないものの強力なギフトを持った者たちが棲んでおる―――その水樹の持ち主などな。」
薄く笑いながら黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向けたのを見て、あの蛇のことかと納得する。
白夜叉「して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵比べか?勇気を試したのか?」
黒ウサギ「いえいえ、この十六夜さんがココに来る前に蛇神様を素手で叩きのめしてきたのですよ」
白夜叉「なんと!?クリアではなく直接倒したと!?ではその童は神格持ちの神童か?」
黒ウサギ「いえ、黒ウサギはそうは思えません。神格なら一目見れば分かるはずですし。」
白夜叉「む、それもそうか。しかし神格を倒すには同じ神格を持つか、互いの種族によほどパワーバランスがある時だけのはず。種族の力でいうのなら蛇と人ではドングリの背比べだぞ」
ここでまた初めて出てきた単語に3人は首を傾げる。
十六夜「神格ってなんだ?」
黒ウサギ「神格とは存在を種の最高ランクまで押し上げるギフトです 例えばですが蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に、人に神格を与えれば現人神や神童になります。神格を持つことで他のギフトも強化されますから、箱庭の上層を目指すコミュニティの多くは神格を手に入れることを第一目的としているんですよ。」
黒ウサギ「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」
白夜叉「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話しだがの」
十六夜「へぇ?じゃあオマエはあのヘビより強いのか?」
その問いかけに、当たり前のように返事を返す白夜叉。
白夜叉「ふふん、当然だ。私は東側の〝階層支配者フロアマスター〟だぞ?この東側四桁以下のコミュニティでは並ぶものがいない、最強の主催者ホストなのだからの」
その言葉に十六夜は立ち上がって白夜叉を見る。
目の前に最強の主催者ホストなんてものがいれば、ジッとしていられるわけだ。
飛鳥「つまり、貴方のゲームをクリア出来れば私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」
白夜叉「無論、そうなるの」
十六夜「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けたぜ」
闘争心を視線に込めて向ければ、笑い声を上げる。
白夜叉「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームで挑むと?」
黒ウサギ「え?ちょっ、御三人様!?」
白夜叉「よいよ黒ウサギ、私も遊び相手には常に飢えている。」
飛鳥「あら、ノリがいいじゃない。」
アンデルセン「………………。」
白夜叉「ふふ、そうか――――しかし、ゲームの前に1つ確認しておくことがある」
白夜叉は着物の袖から、何かカードを取り出す。
〝サウザンドアイズ〟の旗印である双女神の紋が入ったカードが光、壮絶な笑みを浮べながら発せられた言葉にようやく奴の正体を理解した。
白夜叉「おんしらが望むのは〝挑戦〟か?――――もしくは〝決闘〟か?」
(^p^)駄目だ。
アンデルセンが全く出せない。