「楠木さん、それで、一体どういう感じなの?」
『反対に聞く、なぜ、そいつらを生け捕りにした』
通信機越しでの会話。
それに対して、千束は変わらないテンションだった。
「楠木さんだって、知っているでしょ、私はやりたい事最優先、それに命が大事だって」
『そこにいる怪物達は、これまで多くの人間を誘拐、さらには人間を喰らう化け物だ。そんな化け物達をそのまま放置しているつもりか』
楠木は、それと同時に、これがどれだけ危険なのかを伝える。
対して、千束は変わらない笑みを浮かべる。
「そうかもしれない、けど、何時か変わってくれるかもしれない。今は無理でも何時かはね。それに、この状況は楠木さんだって十分に利があるのは分かっているよね」
『・・・』
それを、彼女は否定しなかった。
「これまで、グラニュートに対抗する手段はなかった。通常兵器でも対抗出来なかった。だけど、そのグラニュートを圧倒する力、そして封印する事が出来るショウマ君」
それこそが、ある意味、ジョーカーでもあった。
グラニュートへの対抗手段が少ない今、ショウマという存在は、まさしく状況を一変させる事が出来る存在である。
現状、千束のおかげで安全である事は間違いないが、下手な事をすれば、その力は今度は自分達に向けられる。
『お前は本当に優秀だが、それ以外は生意気なクソガキだ』
「ご丁寧にどうも」
そう、千束は言う。
『・・・ならば、お前達に追加任務だ』
「えぇ、いきなりですかぁ」
『それが条件だからだ、そして、これは長期任務でもある』
「内容は?」
そう、千束が問いかけると。
『この学園、文月学園に入学しろ』
「んっ?」
それは、千束を含めた全員が疑問に思った。
「それはまた、なんで?」
『お前達も分かっているはずだ。この文月学園での召喚獣フィールドと呼ばれる物は、奴らグラニュートにとっては最も活動しやすい空間だ。故に、そのグラニュートが何時出現するか分からない以上、長期間いても怪しまれないように潜入する必要がある』
「それで私達が入学という事?」
『あぁ、その通りだ』
「けど、そんなに危険だったら、なんで召喚獣システム自体を撤去しないの?そうした方が安全なのに」
『確かに、その空間は奴らにとっては活動しやすい場所だ。故に、奴らは最も活動しやすい空間に出やすい傾向がある』
「つまり、こっちでわざわざ入り口を造って、導くという事ね」
『ラジエーターもまた、それが最も被害が少ないと導きだされた。これまでは、時間稼ぎ程度であったが、そこにいるグラニュートならば可能だろう』
そう、ショウマに向けて言う。
すると、千束はむっとした。
「グラニュートなのは変わりないけど、それはちょっと嫌だな」
『ならば、なんと言えば良い』
「ふふんっ、実は既にショウマ君のこの姿の名前は考えています」
そう、千束は。
「仮面ライダーガヴ。仮面を被ったライダーで、お腹のガヴで変身するから、仮面ライダーガヴ」
『安直だな』
「けど、良い名前でしょ、ねっ、ショウマ君」
「えっ、うっうん」
千束の言葉に促されるがままに、ショウマは頷く。
『・・・とにかく、近く、文月学園の入学試験がある。その試験に、合格しろ』
「分かりましたよぉ、たく」
そう、千束は、そのまま楠木からの連絡を終える。
「それじゃ、私達は帰ろうか、ショウマ君」
「うっうん」
そうして、千束はショウマを連れていこうとする。
「待て」
すると、フキが二人を止める。
「何よ、まだ何か?」
「まぁ、あるよ」
そのままフキは、そのままショウマの方を見る。
「あんた、ショウマだっけ」
「えっうん」
「・・・未だに怪物だから、信用は出来ない所はある。けど、お前のおかげで仲間が助かった。そこは、感謝する」
そのフキの言葉に対して、ショウマは笑顔になる。
「うん!あっ、良かったら、お菓子食べる!さっき、千束がお菓子を沢山くれたから、皆も」
「おっおぅ」
そんなショウマの勢いにフキは戸惑いを隠せなかった。
「もぅ、ショウマ君、行くよ!」
「あっうん!それじゃ、ばいばい!」
そうして、千束に連れられる形で、ショウマ達はその場を去る。
「・・・本当、怪物だけど、怪物らしくない奴だな」
そう、フキを始めとしたメンバーは、その手に、ショウマから受け取ったグミを一口、食べる。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子