「ねぇ、千束」
「何かな?」
「さすがにこれ以上は無理じゃない」
「そう言われてもねぇ」
その日、ショウマと千束は、未だに誰もいないFクラスの教室で二人で見つめていた。
朝で、部活動を行っている生徒以外は、校舎にはいなかった。
だからこそ、二人の行動を見る者はいない。
「これ以上はっ出せないよぅ」
「駄目だよ、皆がいない間に、沢山出しておかないとね」
そうしながら千束はショウマのお腹を摩る音が響く。
「うっ」
「ほら、ゆっくりと出しちゃっても良いから」
それと共に千束の声が響く。
甘い声と共に、ショウマは千束の言葉に従うようにゆっくりと頷く。
「うっ出るっ」
その言葉を聞いた瞬間。
ショウマは、勢い良く吐き出した。
その音を、最期まで。
教室の盗聴を行っていたムッツリーニは聞く事は出来なかった。
しかし、彼らの行為は未だに終わっていなかった。
「うぅ、出まくるよ、ゴチゾウが」
「うわぁ、出まくったねぇゴチゾウ」
そう、彼らが早朝に行った事。
それはショウマのガブからゴチゾウを吐き出す事だった。
文月学園での、試験召喚戦が行われる事を想定し、事前に多くのゴチゾウを吐き出していた。
現状、ショウマ以外にゴチゾウを生み出せる者はいない為に、学園は勿論だがDAからの資金と共に、ゴチゾウを生み出す為に様々な料理がショウマの元に来る。
だが、問題はショウマがゴチゾウを生み出す瞬間である。
さすがに彼の正体を悟られない為に、普段は家で行っているのだが、その日はなかなかに出なかった為に早朝の学校で行う事に。
「とりあえず、出したゴチゾウはこのダンボールの中にいて貰おうか」
「うん、後で先生達に渡しておかないとねぇ」
そうしながら、ダンボールに仕舞った後だった。
「さて、それではショウマ君!今度の休日の話をしようか!」
そう、ダンボールが締まった後、千束は既に話題を変えていた。
その手に持っているのは、ノート。
そのノートに書かれている内容はずばり。
「手作りケーキか」
「そう、ショウマ君にとって、初のケーキ作りだからね!色々と作りたいけど、ここはずばり王道のいちごのショートケーキで良いと思うの」
「っ」
それと共に、ショウマは頭を抑える。
そして。
『これはね、お母さんが一番大好きなお菓子なの」
「一番大好きな」
「ショウマ君?」
その事に、千束は、不安になった。
先日の結婚式の事もあり、彼がまた何か嫌な記憶を思い出したのではないか。
だが。
「また、嫌な事を思い出しちゃったの?」
「・・・違うんだ、その、母さんの事で」
「お母さんの?」
「うんっ、その、母さんが一番大好きだったお菓子だって」
これまで、思い出す事はなかった。
母親との思い出。
それが、今になって、思い出す事が出来た。
それにショウマは、涙を流していた。
すると、千束は。
「・・・そうだね、だったら作ろう、想い出のケーキを!」
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子