記憶はない。
俺には、千束と出会う前の記憶は、ほとんどない。
ほとんどないという表現をしているのは、僅かだが、思い出した記憶もあった。
それは、母さんとの温かい想い出と母さんとの最後の別れ。
それは、俺とは腹違いの兄さんと姉さん達。
そして、その中で、俺が最近になってよく思い出すのは、双子のシープとジーク。
彼らとの思い出は、酷い想い出ばかりだった。
けれど、幼い頃の俺は、もしかしたらという希望があった。
だからこそ、今は。
「ちっ、やっぱり生きていたか赤ガヴ」「やっぱり、あの後、すぐにでも始末するべきだった」
文月学園で、2人は、既にその姿を現している。
あの後、明久が、この日、Aクラスの代表である霧島さんと一騎打ちをすると聞いた。
その勝負で勝てば、姫路さんが再度、テストを受け、Aクラスに行けるかもしれないチャンスを得られる。
そんな大切な勝負がまさしく行われている。
「兄さん、姉さん。悪いけど、ここから先には、絶対に通さない」
「赤ガヴが随分と偉そうになったな」「お前のせいで、こっちは苦労しているのになぁ!」
2人は、そのまま俺の方を睨み付けている。
睨み付けながら、既にグラニュートの姿に戻ろうとしている。
「面倒な奴らが、こっちに来る前にお前を消して」「証拠を全て消す!それで私達は!」
そう2人が言った時だった。
「さすがに、こんな事、放っておく訳にはいかないよね」
「えっ」
聞こえた声。
見つめた先には、5人いた。
クラスメイトではなく、別々のクラスにいた。
彼らのその腰には俺と同じガヴがあり、それを装着する意味は。
「・・・分かっているの、この戦いは、死んでしまうかもしれないって」
そう、問いかけた。
「あぁ、本当に命懸けの戦いだって、分かっている」
「けどな、何もしないで責任をあなただけに押しつけるのも違う」
「だから、ワシらも戦う」
「せめて、ここまで全部押しつけてきたワタシ達の責任だから」
「それが、俺達の意思だから」
5人の言葉。
それを聞くと、自然と俺もまた力が湧き上がる。
そして、俺の腹部にあるガヴから、白い輝きが溢れ出る。
「なっなんだこれは!?」
驚きを隠せない最中で、俺は、そこから跳びだしたゴチゾウを見た。
その形は、俺が、本当だったら喜んで食べたかったケーキ。
そのゴチゾウが、姿を現した。
「・・・あぁ、今度は、皆でお祝いしよう!」『ケーキ!EATケーキ!EATケーキ!』
そう、俺はそのまま構える。
「お前ら程度が揃った所で」「何も出来ないぞ!」
そう、2人は言う。
けど、違う。
「お菓子だけじゃ駄目なんだ。沢山の料理が、人々を笑顔に出来る。だからこそ、ここいる全員で戦う」『ガヴ……ガヴ……』
そうして、俺達はそのまま構えると共に。
「「「「「「変身!」」」」」」『ケーキング!アメイジング!』
その掛け声と共に、俺達は変身する。
各々が、これまで見た事のない姿へと変わる最中で。
最も異質なのは、俺だろう。
これまでのガヴとは違うケーキの王様。
そう言うべき、姿であり、それと同時に湧き上がる力は、まさしく無尽蔵。
ゼンゼロから出る陣営は
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邪兎屋
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白祇重工
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ヴィクトリア家政
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特務捜査班
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カリュドーンの子